2011年11月27日日曜日

現在の暫定規制値は、世代ごとの平均的な食品摂取量などを基にセシウムの被ばく限度値を算出。最も厳しい数値を規制値とし、全年齢に適用している。新たな規制値も同じ方法で算出するが、年代を「1歳未満」「1~6歳」「7~12歳」「13~120111124 たね蒔きジャーナル 京都大学原子炉実験所助教 小出裕章


放射性物質:食品規制「母の不安」応え 疫学データ基に、新分類「乳児」新設
毎日新聞 2011年11月25日 東京朝刊

 食品に含まれる放射性物質の新たな規制値作りで、厚生労働省は24日、食品区分に「乳児用食品」を新設し、食品全般を「一般食品」として一つにまとめて現行の5分類を4分類にすることを決めた。放射性セシウムの被ばく限度を現在の年5ミリシーベルトから1ミリシーベルトに引き下げる方針を踏まえ、年内に食品区分ごとの規制値案を設定、来年4月の施行を目指す。【佐々木洋】

 厚労省は、粉ミルクなど乳児用食品の区分を設ける理由を「食品安全委員会から、小児の期間は感受性が成人より高い可能性が指摘された」と説明した。同委は10月、チェルノブイリ事故で小児に甲状腺がんなどのリスクが増加したとする疫学データを基に同省側に適切な措置を求めた。

 見直しの背景には、幼い子を持つ母親らから「子供にはより厳しい基準を」との意見が同委に多数寄せられたことがある。厚労省もこうした声を重視し、今後対象の乳児用食品を具体的に検討する。

 現行の「野菜類」「穀類」「肉・卵・魚・その他」の3区分を「一般食品」としてまとめるのは、「パン」「コメ」など食品ごとに細かく分けると、個人の摂取する食品の偏りによって差が出るためだ。そもそも食品の国際規格を策定しているコーデックス委員会の規制値も「一般食品」と「乳幼児用食品」の2区分のみ。「食習慣の違いによる影響を最小限にし、分かりやすい規制にしたい」(同省)という。

 一方、全世代で摂取量が多い「飲料水」(調理に使う水も含む)や、子供がよく飲む「牛乳」は、特別な配慮が必要との考えから、それぞれ独立した区分を設ける。

 現在の暫定規制値は、世代ごとの平均的な食品摂取量などを基にセシウムの被ばく限度値を算出。最も厳しい数値を規制値とし、全年齢に適用している。新たな規制値も同じ方法で算出するが、年代を「1歳未満」「1~6歳」「7~12歳」「13~18歳」「19歳以上」の五つに細分化。「13~18歳」と「19歳以上」は男女差により摂取量に大きな違いがあることから、きめ細かく評価する。

引用元:http://mainichi.jp/life/today/news/20111125ddm002040067000c.html
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福島第1原発:非常用復水器が十分機能せず 電源喪失後
2011年11月22日 21時4分 更新:11月22日 21時13分

 東京電力は22日、福島第1原発1号機の原子炉内を冷却する非常用復水器(IC)について、3月の東日本大地震の際、津波が到来して全電源を喪失した後、十分に機能していなかった可能性があると発表した。

 ICは、緊急時に原子炉内の蒸気を冷やすための装置で、A系とB系の2系統ある。東電によると、10月18日に社員が現地調査を行った際、熱交換の際に蒸発する冷却水が、A系で65%、B系は85%残っていた。冷却水は震災後は補給されておらず、「一定程度か短期間しか機能していなかったと考えられる」としている。燃料損傷で生じた水素ガスが配管の中に滞留し、除熱効果が下がったことなどが考えられるという。

 同じ日に行った目視による点検では、設備の損傷は確認されなかったという。松本純一原子力・立地本部長代理は「ICが機能していたとしても、炉心損傷までの時間に少し余裕ができる程度で本質的な解決にはならなかったと考えられる」としている。

 ICは地震発生時に自動起動したが、運転員が手動で停止と再起動を行ったとされている。政府の事故調査・検証委員会は、ICが適切に操作され、作動したか検証している。【神保圭作】

引用元:http://mainichi.jp/select/today/news/20111123k0000m040083000c.html
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