原発は、津波が襲来する前から、地震によって損傷していた

大前研一氏 福島原発事故は天災ではなく人災であったと結論Add Star

電源喪失が事故原因と言ってるがそれだけだろうか?

ノルウェーの研究チームが地震の直後、津波福島第一原発に襲いかかる前から、キセノン133が漏れ始めていたというのだ。つまり、原発は、津波が襲来する前から、地震によって損傷していたことになる。』と言っているが?


津波が原因は嘘!福島原発事故、津波の前にキセノン133が漏れていた!(ノルウェー研究チーム) ヤッパリ地震で壊れてた!
http://d.hatena.ne.jp/chamuchamu/20111106/1320573995
(下記掲載)

大前研一氏 福島原発事故は天災ではなく人災であったと結論
NEWSポストセブン - 2011.11.14

大前研一氏は先日、原発事故の再発を防止するためのセカンド・オピニオンを東京電力日立GEニュークリア・エナジー、東芝などの原子力専門家の協力を得てまとめた『「福島第一原発事故から何を学ぶか」中間報告』を細野豪志原発事故収束・再発防止担当相に提出した。以下は、大前氏の原発事故に対する解説である。

* * *
同報告書は、メルトダウンして放射性物質を撒き散らした福島第一原発と、同様の大地震大津波に見舞われても事故にならなかった福島第二原発女川原発東海第二原発を比較した結果、その間には電源と冷却源を確保して緊急停止した炉心を冷やすことができたか否かの違いしかなく、したがって「長時間にわたる全交流電源喪失は考慮する必要はない」とした原子力安全委員会設計思想が直接の事故原因である、と結論づけた。

つまり、福島第一原発事故大地震大津波による「天災」ではなく「人災」だったのである。

言い換えれば、どれほど大きな地震津波に見舞われても(あるいは旅客機が墜落してきても、テロリストに襲われても)電源と冷却源を確保する設計思想であれば過酷事故を防げたはずだ。

仮に完全に水没してしまっても、「何が起きても電源と冷却源を確保できる」多重的・多様的な安全対策を施した原発でなければ、再稼働してはならないのだ(同報告書の詳細はhttp://pr.bbt757.com/2011/1028.htmlをご覧いただきたい)。

週刊ポスト2011年11月25日号

 放射性物質はどのくらい放出された?
Nature Asia - 2011年10月27日

ノルウェーの研究チームにより、新たに福島第一原発事故大気中に放出された放射性物質の総量が計算され、政府が6月に発表した推定放出量よりもずっと多いという報告があった。

世界各地で観測された放射能データを組み合わせて大気中の放射性物質の量とその流れを推定した結果、福島第一原子力発電所の事故では、政府の推定よりもはるかに大量の放射性物質が放出されていたという研究が、Atmospheric Chemistry and Physics に発表された1。さらに、日本政府の主張とは裏腹に、4号機の使用済み核燃料プールから大量のセシウム137(半減期が長く、長期にわたって環境を汚染する物質)が放出されていたとも報告しており、もっと迅速に対応していれば、これほど大量の放射性物質が放出されずにすんだかもしれないと述べている。論文はオンライン掲載され、現在、公開査読を受けている。

研究チームを率いたのは、ノルウェー大気研究所(シェラー)の大気科学者Andreas Stohlだ。Stohlは、自分たちの分析は、これまで行われてきた福島第一原発から放出された放射性物質の量についての調査研究の中で、最も包括的なものであると自負している。スウェーデン防衛研究所ストックホルム)の大気モデル作成の専門家 Lars-Erik De Geerは、今回の研究には関与していないが、「非常に価値のある成果です」と評価している。

原発事故による放射性物質の放出過程の再現は、日本国内をはじめ世界各地にある数十か所の放射性核種モニタリングステーションで観測されたデータに基づいて行われた。その多くは、包括的核実験禁止条約機構(オーストリアウィーン)が核実験の監視のために運用している世界規模での観測ネットワークに属する。このデータに、カナダ、日本、ヨーロッパの独立観測ステーションのデータも付け加え、これらをヨーロッパと米国が保管している広域気象データと組み合わせた。

ただし、Stohl は、自分たちが作成したモデルは完全にはほど遠いものだとして注意を促している。原発事故発生直後の測定データが非常に少ないうえ、一部のモニタリングポストは放射能汚染がひどく、信頼できるデータが得られなかったからである。より重要なのは、原子炉から何が放出されたのかを知るためには、原子炉内で何が起きたのかを厳密に知らなければならないのだが、いまだ明らかになっておらず、永久に謎のままかもしれないという事実である。「チェルノブイリ事故から25年後もたった今でも、その推定値は不確かな部分が非常に多いのです」と Stohl は言う。

それでも、今回の研究は、福島第一原発事故を全般的に調査したものであり、De Geer は、「Stohl らは真に地球規模の視点から、現在入手できるかぎりのデータを利用して推定しています」と話す。

政府の発表

3月11日地震後に原発で起こった出来事については、すでに日本の研究者たちが詳細な経緯を推定している。福島第一原発電の6機の原子炉が激しい揺れに見舞われた50分後、巨大津波が襲来し、緊急時に原子炉を冷却するための非常用ディーゼル発電機が破壊された。それから数日の間に、地震発生時に稼働していた3機の原子炉が過熱して水素ガスを発生し、次々に水素爆発を起こした。定期点検のために停止していた4号機では、核燃料は使用済み核燃料プールに貯蔵されていたが、3月14日にこのプールが過熱し、おそらく数日にわたり建屋内で火災が発生した。

一方で、原発から放出された放射性物質の量の解明は、事故の経過の再現に比べてはるかに難しい。政府が6月に発表した『原子力安全に関するIAEA閣僚会議に対する日本国政府の報告書 —東京電力福島原子力発電所の事故について—』では、今回の事故により放出されたセシウム137は1.5×1016ベクレル(Bq)、キセノン133は1.1×1019Bqと推定している2。セシウム137は半減期30年の放射性核種で、原発事故による長期的汚染のほとんどの原因となっている。一方、キセノン133はウラン235の崩壊によって放出される半減期約5日の放射性核種であり、原発事故や核実験の際、初期に観測される。

ところが、Stohl らが原発事故の再現結果に基づいて推定した放出キセノン133の量は1.7×1019Bq、セシウム137の量は3.5×1016 Bqで、政府の見積もりよりキセノンが約1.5倍、セシウムが約2倍となった。

キセノン133の放出量は、チェルノブイリの総放出量1.4×1019Bqよりも多いことになる。だが、De Geer によれば、チェルノブイリでは爆発した原子炉が1機であったのに対して、福島の事故では3機も水素爆発したことで説明できるという。また、キセノン133は生体や環境に吸収されないため、健康に深刻な影響を及ぼすおそれはない。 問題なのは、数十年にわたり環境に残存するセシウム137だ。Stohl らのモデルの値は、チェルノブイリ事故での放出量の約1/2に相当する。De Geer は、このような高い値が出たことを懸念している。今後、セシウム137が人々の健康に及ぼす影響を明らかにするためには、現在行われている地表での測定を進めていくしかない。

Stohl は、自分たちの推定値が政府の発表と食い違いっているのは、今回の調査ではより多くのデータを使用したことが原因の1つであるという。政府の推定の基礎となったデータは、主として日本国内のモニタリングポストによるものであり3、風に乗って太平洋を越え、北米ヨーロッパに到達した膨大な量の放射性物質は考慮されていないのだ。神戸大学放射線物理学者で、福島周辺の土壌汚染を測定している山内知也(やまうちともや)は、「事故の本当の規模と特徴を明らかにするためには、太平洋上に出ていった放射性物質も検討する必要があります」と言う。

Stohl は、政府の依頼を受けて公式な推定値を出した研究チームを非難しているのではない。むしろ、「できるだけ早く結果を出す必要があったのでしょう」と慮っている。群馬大学の火山学者で、自らも原発事故のモデルを作成した早川由紀夫(はやかわゆきお)は、「確かにこの数値だけを見れば、両者は大きく違うでしょう。けれども、どちらのモデルにもまだまだ不確実な要素があり、実際には2つの推定は非常に近いのかもしれませんね」と言う。

f:id:chamuchamu:20111106190911g:image:w340:leftさらに、Stohl らは、4号機の使用済み核燃料プールに貯蔵されていた核燃料が、莫大な量のセシウム137を放出していた可能性を指摘している。政府はこれまで、プールからは放射性物質はほとんど漏れ出していないと主張してきた。しかし、研究チームのモデルでは、プールへの放水をきっかけに原発からのセシウム137の放出が激減したことが、はっきり示されている(図「原発事故の経過」参照)。つまり、もっと早い段階から4号機プールへの放水を行っていれば、放射性物質の放出をもっと抑制できたかもしれないのだ。

しかし、政府は、使用済み核燃料プール自体に大きな損傷はなく、使用済み核燃料が重大な汚染源になったとは考えられないと主張している。政府による公式推定値の算出にかかわった日本原子力研究開発機構茨城県東海村)の茅野政道(ちのまさみち)は、「4号機から放出された放射性物質は多くはなかったと思います」と言う。だが De Geer は、核燃料プールの関与を含めた今回の新しい分析は、「説得力があるように見えます」と語る。

さらに今回の分析は、もう1つ新たなデータを提示している。地震の直後、津波福島第一原発に襲いかかる前から、キセノン133が漏れ始めていたというのだ。つまり、原発は、津波が襲来する前から、地震によって損傷していたことになる。政府の報告書でも、福島第一原発電を襲った揺れの大きさが、原発設計時に想定されていた揺れを上回っていたことを認めている。反原発活動家は、以前から、政府原発を認可する際に地質学的な危険を十分に考慮していないと主張しており(Nature 448, 392-393; 2007)、今回のキセノンの大量放出は、原発の安全性についての評価方法の再考を促すことになるかもしれないと、山内は言う。


この事故で、首都圏はどうだったのか。実は、原発事故により甚大な被害を受けるおそれがあった。事故直後の数日間は、風は海に向かって吹いていたが、3月14日の午後、風向きが変わって陸に向かって吹き始め、セシウム137が東北南部から中部地方にまで広がっていった(図「放射性物質の拡散」参照)。実際、15日夜から16日未明にかけて雨が降った栃木県群馬県の山間部では、のちに土壌から比較的高濃度の放射性物質が検出された。一方、首都圏では、そうした高濃度の放射性物質が上空を通過したときに、たまたま雨が降らなかったことが幸いした。「この時期に雨が降っていたら、東京も今よりずっと深刻な事態になっていたかもしれません」と Stohl は言う。(編集部註:ただし、(独)国立環境研究所の空間線量測定とシミュレーションによれば、21日から22日にかけても放射性物質南関東に流れ込んだことが示されている。このときは、雨が降っていたため、南関東でも一部の地域で比較的高い線量が観測されていると思われる。)

http://www.natureasia.com/japan/nature/specials/earthquake/nature_news_102711.php#.TrZatseRG8k.hatena%23Message-complete




2011年10月28日(金)
大前 研一(BBT大学学長)

プレスリリース 「福島第一原子力発電所事故から何を学ぶか」

プロジェクトについて

背景
会員向けのテレビ番組「ビジネス・ブレークスルー(BBT)」の福島第一原発事故に関する放送を、
3月12日、同19日に連続してYouTubeにアップしたところ、250万回を超えるアクセスがあった。
引き続き、著書『日本復興計画』(文藝春秋)等を通じて情報発信していたが、
必ずしも政府が真実を伝えているとは言い難いと判断した。
そこで、事故再発防止ご担当の細野豪志・首相補佐官(当時)に対して、次の提案を行った。
  1. ストレステストや保安院の作業に対する「民間の中立的な立場からのセカンド・オピニオン」として検討プロジェクトを発足し、3カ月以内に事故分析と再発防止策に関する提言をまとめたい
  2. 本プロジェクトは、納税者・一市民の立場からボランティア・ベースで実施する為、調査に必要な情報へのアクセスの仲介だけをお願いしたい
  3. 客観的な視点から取りまとめるので、その内容に関しては、国や電力事業者の期待するものになるかどうかは分からない
  4. プロジェクトの存在については、報告がまとまるまで、秘密裏に取り扱って頂きたい
プロジェクト・チーム
MITで原子力工学博士号を取得し、株式会社日立製作所で高速増殖炉の炉心設計を行っていた大前研一が総括責任者。プロジェクト・マネジメントの経験をもつ柴田巌ら2名が事務局。 インタビュー、ヒアリング等の情報聴取に対し、原子炉オペレーションの専門家として東京電力株式会社及び電力グループから2名、原子炉の設計専門家として日立GEニュークリア・エナジー株式会社2名、株式会社東芝4名の協力を得た。
作業工程
BWR型を中心に、主に福島第一、福島第二、女川、東海第二原子力発電所を調査した。
  1. 何が起きたのか? 全プラントに対し、地震発生から時系列で何がどういう経緯で起きたのかを追跡(クロノロジー)
  2. 原因・誘因は何か? 大事故に至った4基(福島第一1、2、3、4号機)と、冷温停止にこぎ着けた他の原子炉(福島第一5、6号機、福島第二、女川、東海第二)との比較、差異分析
  3. 教訓は何か? 設計思想、設計指針と事故に至った経緯(クロノロジー)との因果関係分析
  4. 組織・リスク管理体制 苛酷事故における組織運営体系上の問題点の抽出(事故、放射能、避難指示、地元自治体との関係など)
  5. 情報開示 国民への情報開示、その課題

結論

教訓
最大の教訓は、津波等に対する「想定が甘かった」事ではなく、「どんな事が起きても苛酷事故は起こさない」という「設計思想・指針」が無かった事である――その意味で、福島第一原発の4基の重大事故は、天災ではなく人災である
  1. 設計思想に誤りがあった(格納容器神話、確率論)
  2. 設計指針が間違っていた(全交流電源の長期喪失、常用と非常用の識別)
  3. 炉心溶融から引き起こされる大量の水素及び核分裂生成物の発生・飛散は想定外(水素検知と水素爆発の防止装置)
  4. 当初の設計にはなかった“偶然”が大事故を防いだケースが複数ある(第一6号機の空冷非常用発電機など)
提言
再発防止のために。そして、原発再稼動の是非を論理的に議論するために
  1. 監督・監視の責任の明確化(人災であるにも拘わらず未だに誰も責任をとっていない)
  2. いくら想定を高くしても、それ以上の事は起こり得る。「いかなる状況に陥っても電源と冷却源(最終ヒートシンク)を確保する」設計思想への転換。それをクリアできない原子炉は再稼働しない
  3. 「同じ仕組みの多重化」ではなく、「原理の異なる多重化」が必須
  4. 「常用、非常用、超過酷事故用」の3系統の独立した設計・運用システムを構築する
  5. 事故モード(Accident Management)になった時には、リアルタイムで地元と情報共有し、共同で意思決定できる仕組みの構築
  6. 事業者・行政も含め、超過酷事故を想定した共用オフサイト装置・施設や自衛隊の出動などを検討する
  7. 全世界の原子炉の多くも同じ設計思想になっているので、本報告書の内容を共有する

重要な知見

電源喪失
外部交流電源は、地震によって大きく破損している(オンサイトの電源確保が鍵となる)。そして、その後の長期にわたる全電源喪失(直流、交流)が致命傷となった
  • 非常用発電装置が水没
  • 海側に設置した非常用冷却ポンプとモーターが損傷
  • 直流電源(バッテリー)が水没
  • 外部電源取り込み用の電源盤が水没
これらはいずれも想定を超える巨大津波がもたらした損壊である。しかし、大事故に至った理由は津波に対する想定が甘かったからではない
  • - より小さな津波でも、海岸に並んだ非常用冷却水取り入れ装置は破壊される
  • - 水没しない空冷非常用電源が健全であった事などが生死を分けている
設計思想
どの様な事象が発生しても、電源と冷却源(及び手段)を確保する設計思想であれば、緊急停止した炉心を「冷やす」手段は講じられ、過酷事故を防げたはずである
  • 「長期間にわたる全交流電源喪失は考慮する必要はない」という原子力安全委員会の指針に代表される設計思想は、この重要な点を軽視していたと言わざるを得ない。今回の巨大事故につながった直接原因である
事故当時の国民へのメッセージは適切であったのか?
  • 福島第一1号機のメルトダウンは、3月11日当時すでに分かっていたはずであるが、その後一ヶ月が経過しても「メルトダウンは起こっていない」とする発表との乖離は大きい
  • 国民や国際社会に対する情報開示は適切であったのか、疑問が残る
当時の憶測や風評について
プロジェクトが調査した範囲では、以下を裏付ける事実は見当たらなかった
  1. 海水注入やベント実施が遅れた為に、福島第一1号機の事象進展を著しく早めた
  2. 地震による大規模な配管破断が起きた為に、同1号機の事象進展を著しく早めた
  3. 格納容器がマーク1型であった為に、同1号機の事象進展を著しく早めた
  4. 福島第一原発において過度な運転ミスがあった為に、事象進展が早まった
  5. 福島第一4号機の水素爆発は、同プラント内の使用済み燃料の溶融が主因で発生した
今回の主因は、「いかなる状況下においても、プラントに対する電源と冷却源を提供する」という安全思想、設計思想が不十分だった点にあり、今後の再発防止においても、この点を中心に議論すべきである
正当・公平に評価されるべき点
  • 大地震においても、全ての原子炉は正常に緊急停止(スクラム)している。大規模な配管破断も起きていない
  • また3月11日当時、最悪の極限的な危険の下で現場対応に当った福島第一の運転チームがマニュアル以上の奮闘をした点も同様

報告書、内容の公開について

  1. 報告書(全て)は、以下にて閲覧可能
  2. 本記者発表、報告書の詳細説明の映像(120分)は、以下にて閲覧可能
  3. PWR型原子炉等、今後の検討結果も順次公開
  4. 個別のマスコミ取材はお受けいたしません
  5. 事実関係に関するお問合せ先: secretary@work.ohmae.co.jp
以上
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