2011年8月7日日曜日
2011年8月6日土曜日
チェルノブイリの経験を生かして悲劇を回避せよ――松本市長/医師・菅谷昭
チェルノブイリの経験を生かして悲劇を回避せよ――松本市長/医師・菅谷昭《上》(1) - 11/04/26 | 16:13 | ![]() [+]画像拡大 |
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信州大学での外科医としての職をなげうち、チェルノブイリ原子力発電所事故後のベラルーシに滞在。5年半もの間、原発事故で放出された放射能による甲状腺がんで苦しむ多くの子どもたちを治療し続けた菅谷昭・松本市長。その献身ぶりは「奇跡のメス」として、ベラルーシ国民から高く評価されている。放射能がもたらす悲劇について、日本で誰よりも詳しい菅谷市長は、今回の原発事故をどう見ているのか。
──かつてチェルノブイリ原発で起きたのと同じ原発事故が、日本で起きてしまいました。
原発の安全性について、日本政府に驕りがあったと言いたい。チェルノブイリでの教訓を生かしていない。危機管理の欠如も甚だしい。世界でも有数の原発大国なのに、事故発生後の対応は後手後手だ。
──東京電力福島第一原発では、放射性物質の放出が止まりません。
ベラルーシでは、住み慣れた土地から強制的に避難させられた、あるいは汚染地区に住まざるをえない住民の切なさや悲しみを見てきた。その経験からいえば、核の災害は自然災害とはまったく違うことをわかってほしい。当初から最悪の事態を想定して、先手、先手と対策を打つべきだった。やりすぎるということはない。結果的にそこまで悪くならなかったとしても、「ごめんなさい、でもよかった」と言えるものだ。やらないで悪い事態になるのとは全然違う。
自然災害は、復興すればそこに住める。だが、核災害では住めない。チェルノブイリでも原発から30キロメートル以内は強制移住の対象になった。福島でも、そうなる可能性は十分ある。私は最初から、30キロメートル以内の住民は退避させたほうがよいと言ってきた。チェルノブイリの規模であれば、50キロメートル範囲でも危ないからだ。
外部被曝量の基準値で人体への安全性語るな
──3月下旬に開かれた内閣府の食品安全委員会に、参考人として出席されました。
びっくりしたのは、これまで核災害時の食品汚染をどうするかという基準値がなかったこと。原発保有では世界第3位の国が、なぜ基準値を設けていなかったのか、非常に意外だった。それがホウレンソウから放射能が検出されて急きょ、国際放射線防護委員会(ICRP)や世界保健機関(WHO)、国際原子力機関(IAEA)などの基準値を参考にして暫定基準値を設けた。
私は放射線の専門家ではないが、ベラルーシでの経験から今回の暫定基準値をどう思うか聞きたいと言われ、出席した。机の上で考える研究者というのは、どうしても現実味がないから甘い。農業生産者の立場を考えて、基準を「緩やかに」という人も委員にいて、彼らの考えもわかる。だが、私は「子どもや妊産婦の命を守るためにも、基準は厳しいほうに置いたほうがいい」と言った。チェルノブイリでは、小児の甲状腺がん患者が急増したのは事故から5年後だ(下グラフ)。
委員の中には「甲状腺がんはたちがいいがんだから、大したことはない」と言う人もいたので、思わず「ちょっと待ってください」と。5歳、10歳で手術を受けた子どもたちを考えてみてほしい。家族も「なぜ汚染された野菜を食べさせてしまったのか」と後悔が付きまとう。そんな現実を委員たちは知らない。
私がいなかったら、「甲状腺がんは大したことはない」で通ってしまったのではないか。放射線の専門家は個々の被害者のケースを考えない。みんな統計で集団として扱ってしまう。国民一人ひとりのレベルで考えてもらわないと困る。

──以前から「内部被曝」の影響を考えるべきと発言されています。
放射線の被曝は二つに大別される。外部被曝と内部被曝。「線源」が原発の場合、福島県内の20~30キロメートル範囲での被曝にはこの両方があるだろう。
ところが、たとえば東京や千葉など遠隔地で考えるべきは内部被曝。体内に放射性物質が入る経路は、「経気道的」「経皮的」「経口的」の三つ。特に、経口による内部被曝になると問題が多い。経口的になると、実際に食べたものに付着した放射性ヨウ素やセシウム、ストロンチウムが胃や腸管から吸収される。それらが血液中に入って、放射性ヨウ素なら甲状腺、セシウムなら全身、特に筋肉に、ストロンチウムは骨に入って体に害を及ぼす。
だから最低限、乳幼児や小中学生、妊産婦を守るべきで、予防的にヨード剤も用意すべきだ。チェルノブイリでは特に、15歳以下の子どもがやられてしまった。この経験を生かして、せめて子どもや妊産婦は守ろうという意識を持つべきだ。
──被曝量が基準値以下だからと、基準値を目安に安全性を指摘する専門家がいます。
「CTスキャン1回分」などと例を挙げて言っているが、そんな基準と内部被曝を対比してはいけない。「安全」と言っている基準値は外部被曝のケース。外部被曝のレベルで1回分、あるいは1年分でこうだから心配ないということと、内部被曝とはまったく違う。
外部被曝では、たとえば私が10の熱さで燃えている炎とすると、前にいる人も10の熱さを受ける。5であれば5。すなわち線量とその影響が比例する。だが、内部被曝はそうでない。細胞レベルで放射性物質が取り込まれた場合は微量でも影響を及ぼす。また、いったん体内に入れば、細胞はつねに放射線を浴び続けることになる。だから、少量の内部被曝でも体内へ甚大な影響を与えることも起こりうるのだ(=下に続く)。
──かつてチェルノブイリ原発で起きたのと同じ原発事故が、日本で起きてしまいました。
原発の安全性について、日本政府に驕りがあったと言いたい。チェルノブイリでの教訓を生かしていない。危機管理の欠如も甚だしい。世界でも有数の原発大国なのに、事故発生後の対応は後手後手だ。
──東京電力福島第一原発では、放射性物質の放出が止まりません。
ベラルーシでは、住み慣れた土地から強制的に避難させられた、あるいは汚染地区に住まざるをえない住民の切なさや悲しみを見てきた。その経験からいえば、核の災害は自然災害とはまったく違うことをわかってほしい。当初から最悪の事態を想定して、先手、先手と対策を打つべきだった。やりすぎるということはない。結果的にそこまで悪くならなかったとしても、「ごめんなさい、でもよかった」と言えるものだ。やらないで悪い事態になるのとは全然違う。
自然災害は、復興すればそこに住める。だが、核災害では住めない。チェルノブイリでも原発から30キロメートル以内は強制移住の対象になった。福島でも、そうなる可能性は十分ある。私は最初から、30キロメートル以内の住民は退避させたほうがよいと言ってきた。チェルノブイリの規模であれば、50キロメートル範囲でも危ないからだ。
外部被曝量の基準値で人体への安全性語るな
──3月下旬に開かれた内閣府の食品安全委員会に、参考人として出席されました。
びっくりしたのは、これまで核災害時の食品汚染をどうするかという基準値がなかったこと。原発保有では世界第3位の国が、なぜ基準値を設けていなかったのか、非常に意外だった。それがホウレンソウから放射能が検出されて急きょ、国際放射線防護委員会(ICRP)や世界保健機関(WHO)、国際原子力機関(IAEA)などの基準値を参考にして暫定基準値を設けた。
私は放射線の専門家ではないが、ベラルーシでの経験から今回の暫定基準値をどう思うか聞きたいと言われ、出席した。机の上で考える研究者というのは、どうしても現実味がないから甘い。農業生産者の立場を考えて、基準を「緩やかに」という人も委員にいて、彼らの考えもわかる。だが、私は「子どもや妊産婦の命を守るためにも、基準は厳しいほうに置いたほうがいい」と言った。チェルノブイリでは、小児の甲状腺がん患者が急増したのは事故から5年後だ(下グラフ)。
委員の中には「甲状腺がんはたちがいいがんだから、大したことはない」と言う人もいたので、思わず「ちょっと待ってください」と。5歳、10歳で手術を受けた子どもたちを考えてみてほしい。家族も「なぜ汚染された野菜を食べさせてしまったのか」と後悔が付きまとう。そんな現実を委員たちは知らない。
私がいなかったら、「甲状腺がんは大したことはない」で通ってしまったのではないか。放射線の専門家は個々の被害者のケースを考えない。みんな統計で集団として扱ってしまう。国民一人ひとりのレベルで考えてもらわないと困る。

──以前から「内部被曝」の影響を考えるべきと発言されています。
放射線の被曝は二つに大別される。外部被曝と内部被曝。「線源」が原発の場合、福島県内の20~30キロメートル範囲での被曝にはこの両方があるだろう。
ところが、たとえば東京や千葉など遠隔地で考えるべきは内部被曝。体内に放射性物質が入る経路は、「経気道的」「経皮的」「経口的」の三つ。特に、経口による内部被曝になると問題が多い。経口的になると、実際に食べたものに付着した放射性ヨウ素やセシウム、ストロンチウムが胃や腸管から吸収される。それらが血液中に入って、放射性ヨウ素なら甲状腺、セシウムなら全身、特に筋肉に、ストロンチウムは骨に入って体に害を及ぼす。
だから最低限、乳幼児や小中学生、妊産婦を守るべきで、予防的にヨード剤も用意すべきだ。チェルノブイリでは特に、15歳以下の子どもがやられてしまった。この経験を生かして、せめて子どもや妊産婦は守ろうという意識を持つべきだ。
──被曝量が基準値以下だからと、基準値を目安に安全性を指摘する専門家がいます。
「CTスキャン1回分」などと例を挙げて言っているが、そんな基準と内部被曝を対比してはいけない。「安全」と言っている基準値は外部被曝のケース。外部被曝のレベルで1回分、あるいは1年分でこうだから心配ないということと、内部被曝とはまったく違う。
外部被曝では、たとえば私が10の熱さで燃えている炎とすると、前にいる人も10の熱さを受ける。5であれば5。すなわち線量とその影響が比例する。だが、内部被曝はそうでない。細胞レベルで放射性物質が取り込まれた場合は微量でも影響を及ぼす。また、いったん体内に入れば、細胞はつねに放射線を浴び続けることになる。だから、少量の内部被曝でも体内へ甚大な影響を与えることも起こりうるのだ(=下に続く)。
チェルノブイリの経験を生かして悲劇を回避せよ――松本市長/医師・菅谷昭《下》(1) - 11/04/27 | 16:13 | ![]() [+]画像拡大 |
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信州大学での外科医としての職をなげうち、チェルノブイリ原子力発電所事故後のベラルーシに滞在。5年半もの間、原発事故で放出された放射能による甲状腺がんで苦しむ多くの子どもたちを治療し続けた菅谷昭・松本市長。その献身ぶりは「奇跡のメス」として、ベラルーシ国民から高く評価されている。放射能がもたらす悲劇について、日本で誰よりも詳しい菅谷市長は、今回の原発事故をどう見ているのか。
=上より続く
──「野菜を食べても大部分が排出されるから大丈夫」と言う専門家もいます。
内部被曝の実態は、まだ不明だ。人間の体内に取り込まれた放射性物質が、どのような動態を示すのかは、よくわかっていない。それは当たり前で、証明するためには人体実験が必要になるから。細胞核がどのような変化を受けるかということなど明らかにされていないから、「大丈夫」という言い方をする人もいる。それなら、チェルノブイリの子どもたちは甲状腺がんなどで苦しんでいないはずだ。
――「安全だ」と言う専門家は、「放射線を浴びて病気になった人もいるし、なっていない人もいる。だからすべて危ないとはいえない」という論理ではないでしょうか。
まさに、それが問題なのだ。なぜチェルノブイリの子どもにがんが異常に増えてしまったのかという観点が抜けている。論理のすり替えだ。
確かにチェルノブイリでも、がんになった子どももいれば、そうならなかった子どももいる。世界でも有数の穀倉地帯で、彼らはそこで取れた野菜や果物などを口にするから、全員、甲状腺がんになってもよいはず。しかし、実際は違った。だからと言って「内部被曝=がんなど病気の発生」の可能性を否定することはできない。
また、がんは自然発生的で普段の習慣から来るものもあるから、放射線だけが原因ではないという見方もある。確かにそうだ。
でも、チェルノブイリでは事実、がんになった子どもが異常に増加した。そういった子どもたちを、私は現地で治療してきた。日本でもそうなる可能性があるのだ。
もし自分の子どもががんになれば、その母親は一生悔いるだろう。なぜあの時水を飲ませたのか、あの野菜を食べさせたのかと自分を責め、一生苦しむはずだ。子どもだって切ない。そんな悲しい現実を、ベラルーシでたくさん見てきた。
チェルノブイリで苦しんでいるような子どもたちが今後出てくる可能性があることを念頭に、事故に対応しなければいけない。
――チェルノブイリは特殊なケースで、福島第一原発事故などとは比較にならないとの指摘もあります。
私は、チェルノブイリで起きた事実に基づいて話している。だが、なぜがんが多発したのかは、繰り返しになるが、誰も科学的に証明できていない。
チェルノブイリ事故では甲状腺がんのみ、放射性物質が原因としてIAEAが認めた。それも、事故の規模が大きく大量の放射性物質が放出されたことや、汚染された牧草を食べた乳牛から取った牛乳を連日飲んだためとされている。また、ヨウ素が含まれた魚や海草類を食べる習慣がなかったため、甲状腺にあるべきヨウ素(ヨード)が少なく、大量の放射性ヨウ素が取り込まれやすかったためなどと、現地の状況を知らない研究者たちが述べている。
規模が違うとはいえ、福島第一原発3号機付近で1時間当たり400ミリシーベルトの放射線量を記録し、同県南相馬市や飯舘村など原発から20~40キロメートル圏内でも、通常よりはるかに多い放射線量が検出されている。私の経験上、チェルノブイリでは牛乳の他に野菜やキノコ、野イチゴなどから体内に入ったと見る。そうして甲状腺内に入った放射性ヨウ素は、飛程の短いベータ線を出して影響を及ぼしている。もちろん経気道的、経皮的経路による取り込みも存在した。
だから、外部被曝の基準で安全性を言うのではなく、医学・生理学的、細胞学的見地も考慮してどうだ、と言ってもらいたい。一方的な見地から「安全だ」などと言っても混乱を招くだけで、総合的に判断してきちんと国が言ってほしいと思う。やはり国家の非常事態だから、国が強力なリーダーシップを執るべきだ。国民の命を真剣に考えていないのではないか。
──チェルノブイリの経験から見て、今後何が必要でしょうか。
それは、土壌や食品、水など放射能汚染に関する疫学調査だろう。前述したように、ベラルーシでも子どもに甲状腺がんが増えたのは事故から5年後。しっかり追跡調査する必要がある。また、土壌汚染の状況は早めに注意すべきだ。チェルノブイリ事故で、放射性ヨウ素やセシウム、ストロンチウムなどがどこでどれほど検出されたかという地図がある。これを見ると、原発近くはもちろんのこと、そこから200~300キロメートル離れたところでも高濃度で汚染された地域がある。後になり、ホウレンソウや根菜類などの野菜で検出されたといったことが、今回も思わぬ所で出てくる可能性があるだろう。
──これまで、「クリーンエネルギー」として原発推進の気運が高まっていました。
ベラルーシから日本に戻った時には、「今後、これ以上は原発を造らないでほしいな」と思った。とにかく今ある原発の危機管理だけは、きちんとやってほしい。
原発が引き起こした事故で、国家の使命とは何か、すなわち国民の命を取るのか、あるいは産業・経済を取るのかという二者択一、ものすごい選択を迫られると思う。難問とは思うが、国民の命を先行させ、非常事態として国が早めに手を打っていたらもっとうまく収束させられたのではと思うと、本当に残念だ。
=上より続く
──「野菜を食べても大部分が排出されるから大丈夫」と言う専門家もいます。
内部被曝の実態は、まだ不明だ。人間の体内に取り込まれた放射性物質が、どのような動態を示すのかは、よくわかっていない。それは当たり前で、証明するためには人体実験が必要になるから。細胞核がどのような変化を受けるかということなど明らかにされていないから、「大丈夫」という言い方をする人もいる。それなら、チェルノブイリの子どもたちは甲状腺がんなどで苦しんでいないはずだ。
――「安全だ」と言う専門家は、「放射線を浴びて病気になった人もいるし、なっていない人もいる。だからすべて危ないとはいえない」という論理ではないでしょうか。
まさに、それが問題なのだ。なぜチェルノブイリの子どもにがんが異常に増えてしまったのかという観点が抜けている。論理のすり替えだ。
確かにチェルノブイリでも、がんになった子どももいれば、そうならなかった子どももいる。世界でも有数の穀倉地帯で、彼らはそこで取れた野菜や果物などを口にするから、全員、甲状腺がんになってもよいはず。しかし、実際は違った。だからと言って「内部被曝=がんなど病気の発生」の可能性を否定することはできない。
また、がんは自然発生的で普段の習慣から来るものもあるから、放射線だけが原因ではないという見方もある。確かにそうだ。
でも、チェルノブイリでは事実、がんになった子どもが異常に増加した。そういった子どもたちを、私は現地で治療してきた。日本でもそうなる可能性があるのだ。
もし自分の子どもががんになれば、その母親は一生悔いるだろう。なぜあの時水を飲ませたのか、あの野菜を食べさせたのかと自分を責め、一生苦しむはずだ。子どもだって切ない。そんな悲しい現実を、ベラルーシでたくさん見てきた。
チェルノブイリで苦しんでいるような子どもたちが今後出てくる可能性があることを念頭に、事故に対応しなければいけない。
――チェルノブイリは特殊なケースで、福島第一原発事故などとは比較にならないとの指摘もあります。
私は、チェルノブイリで起きた事実に基づいて話している。だが、なぜがんが多発したのかは、繰り返しになるが、誰も科学的に証明できていない。
チェルノブイリ事故では甲状腺がんのみ、放射性物質が原因としてIAEAが認めた。それも、事故の規模が大きく大量の放射性物質が放出されたことや、汚染された牧草を食べた乳牛から取った牛乳を連日飲んだためとされている。また、ヨウ素が含まれた魚や海草類を食べる習慣がなかったため、甲状腺にあるべきヨウ素(ヨード)が少なく、大量の放射性ヨウ素が取り込まれやすかったためなどと、現地の状況を知らない研究者たちが述べている。
規模が違うとはいえ、福島第一原発3号機付近で1時間当たり400ミリシーベルトの放射線量を記録し、同県南相馬市や飯舘村など原発から20~40キロメートル圏内でも、通常よりはるかに多い放射線量が検出されている。私の経験上、チェルノブイリでは牛乳の他に野菜やキノコ、野イチゴなどから体内に入ったと見る。そうして甲状腺内に入った放射性ヨウ素は、飛程の短いベータ線を出して影響を及ぼしている。もちろん経気道的、経皮的経路による取り込みも存在した。
だから、外部被曝の基準で安全性を言うのではなく、医学・生理学的、細胞学的見地も考慮してどうだ、と言ってもらいたい。一方的な見地から「安全だ」などと言っても混乱を招くだけで、総合的に判断してきちんと国が言ってほしいと思う。やはり国家の非常事態だから、国が強力なリーダーシップを執るべきだ。国民の命を真剣に考えていないのではないか。
──チェルノブイリの経験から見て、今後何が必要でしょうか。
それは、土壌や食品、水など放射能汚染に関する疫学調査だろう。前述したように、ベラルーシでも子どもに甲状腺がんが増えたのは事故から5年後。しっかり追跡調査する必要がある。また、土壌汚染の状況は早めに注意すべきだ。チェルノブイリ事故で、放射性ヨウ素やセシウム、ストロンチウムなどがどこでどれほど検出されたかという地図がある。これを見ると、原発近くはもちろんのこと、そこから200~300キロメートル離れたところでも高濃度で汚染された地域がある。後になり、ホウレンソウや根菜類などの野菜で検出されたといったことが、今回も思わぬ所で出てくる可能性があるだろう。
──これまで、「クリーンエネルギー」として原発推進の気運が高まっていました。
ベラルーシから日本に戻った時には、「今後、これ以上は原発を造らないでほしいな」と思った。とにかく今ある原発の危機管理だけは、きちんとやってほしい。
原発が引き起こした事故で、国家の使命とは何か、すなわち国民の命を取るのか、あるいは産業・経済を取るのかという二者択一、ものすごい選択を迫られると思う。難問とは思うが、国民の命を先行させ、非常事態として国が早めに手を打っていたらもっとうまく収束させられたのではと思うと、本当に残念だ。
すげのや・あきら
1943年長野県生まれ。信州大学医学部卒。医学博士(甲状腺専門)。91年からチェルノブイリ被災地での医療支援活動に参加、96年から2001年までベラルーシ国立甲状腺がんセンターなどで、主に小児甲状腺がん患者の治療に当たる。02年長野県衛生部長。04年から現職、現在2期目。著書に『チェルノブイリ診療記』『チェルノブイリいのちの記録』など。
(聞き手:福田恵介 撮影:今井康一 =週刊東洋経済2011年4月23日号)
チェルノブイリ医師の思い・菅谷医師の講演全文掲載
2011年05月18日 (水)http://www9.nhk.or.jp/kabun-blog/100/82400.html NHKかぶんより




【菅谷医師】
実は、私単なる外科の医者でございまして、研究者でもなんでもないし、放射線の専門家でもないことをお断りしておきますけれども、で、チェルノブイリの原発の事故と今回の福島の事故の大きな違いというのはですね、チェルノブイリの事故の場合というのは、今まさに原子力発電所が核分裂反応をずっと継続しているときに起こっています。
いいですね?で、原発事故が起こったときに大事なことは3つあって、最初はまず核分裂反応をストップすることですね。2つ目は、その冷やすこと。冷却、今非常に問題になっていますよね、今福島で。冷却。それからもう1つは、その原子力発電所の中にある、核分裂によって起こった放射性物質、例えば放射性ヨードとか、放射性セシウムとか、あるいは放射性のストロンチウムとか、あるいはまたプルトニウムとか、その他一杯、核分裂のときにゴミが出るんです。それが放射性物質なんです。で、そういうものが溜まって、結局は3つ目はそういう放射性物質を閉じ込めて出さないという状況にあります。で実はチェルノブイリはまさに核分裂反応を起こしているときに継続中に起こった事故ですから、結局ものすごい大量の放射性物質が空中に舞い上がったと。











チェルノブイリ医師の思い・菅谷医師の講演全文掲載です

25年前のチェルノブイリ原発事故の後、ベラルーシに渡り、5年半、現地で甲状腺がんの子供の治療にあたった外科医の菅谷昭さん(すげのや・あきら/現・長野県松本市長)。
18日のニュースウオッチ9で放送した特集の中で、時間の都合でお伝えできなかった菅谷さんの講演内容を全文掲載します。
松本市のHPには、これまで菅谷さんが受けた取材内容なども掲載されています。参考までにご覧ください。

「テーマ:子供たちを被ばくからどう守るのか」
2011年5月14日午後1時半から1時間程度 福島市の保育園にて
講師:長野県松本市長/医師 菅谷昭(すげのや・あきら)
ベラルーシの小児科医 アナスタシア・タルカチョア
長野県立こども病院副院長 中村友彦(なかむら・ともひこ)
ベラルーシの小児科医 アナスタシア・タルカチョア
長野県立こども病院副院長 中村友彦(なかむら・ともひこ)

【菅谷医師】
今回、こういう形で、まさか私が保育園のお母さん、お父さん方とお話しするとはゆめゆめ思っておりませんでした。私は元々が外科の医者でありまして、なおかつ私の専門とする領域が甲状腺ということで、私自身1996年から5年半、チェルノブイリの原発事故の後の子供たちの甲状腺がんの手術をしてまいりまして、そんな関係でちょうど2001年の6月に日本に帰ってきたわけです。
今回、こういう形で、まさか私が保育園のお母さん、お父さん方とお話しするとはゆめゆめ思っておりませんでした。私は元々が外科の医者でありまして、なおかつ私の専門とする領域が甲状腺ということで、私自身1996年から5年半、チェルノブイリの原発事故の後の子供たちの甲状腺がんの手術をしてまいりまして、そんな関係でちょうど2001年の6月に日本に帰ってきたわけです。
私が全く考えてもいなかった日本での原発の事故。しかもそれがこの福島県の第一原発ということで、さぞかし皆さん方が自分のことはさておいて、お子さんたちのことで大変心配されていらっしゃることはよくわかりますし、私自身が5年半現地におりまして、子供の手術をしたり、あるいはまた手術の終わった後の子供たち、まあ、汚染地からみんな来るわけですけれども、(子供たちを)往診したり、そしてまたお父さんお母さん、あるいは、おじいちゃん、おばあちゃんたちの色んな悲しみ苦しみなどをよくわかっているものですから、私も今回はぜひとも日本の子供たちをチェルノブイリと同じようにしてはいけないんだということで、色々お話してきたわけですけれども。
ただ、最初に申し上げたいのは、チェルノブイリの原発の事故と今回の福島の事故とは基本的には大きな違いがありますから、そこで皆さんがチェルノブイリの話をイコールすぐ福島とは決して思わないでください。ここを私、まず申し上げておきます。むこうのドクターに研修してもらうために、長野県の県立こども病院で研修してもらっておりまして、ちょうどそこにいる女医さん(タルカチョアさん)ですけれども彼女、小児科医なんですけれども、ゴメリという一番汚染された地域の病院でお勤めなんですけれども、その病院で、ことしの一月に3人目なんですけれども、おいでになってそして今研修中、長野県の安曇野市の今、テレビの「おひさま」ありますけれども、あの安曇野市です。
チェルノブイリのことと比較しながら説明をさせてもらいますので、その辺ご了承願いたいと思っております。ただ、まあ、チェルノブイリで、こういう事実がありますよってことだけ、知っておいても良いですけど、それをイコールすぐ福島、それは決して思わないでください。これを前もってお願いしておきます。

【出席者の男性】
はじめまして、今、2人の子供をこちらの保育園で預かってもらっております。最初に今、お話があった福島の事故とチェルノブイリの事故は根本的に違うということだったんですけれども、この違いというのをご説明いただけますでしょうか。
はじめまして、今、2人の子供をこちらの保育園で預かってもらっております。最初に今、お話があった福島の事故とチェルノブイリの事故は根本的に違うということだったんですけれども、この違いというのをご説明いただけますでしょうか。
【菅谷医師】
実は、私単なる外科の医者でございまして、研究者でもなんでもないし、放射線の専門家でもないことをお断りしておきますけれども、で、チェルノブイリの原発の事故と今回の福島の事故の大きな違いというのはですね、チェルノブイリの事故の場合というのは、今まさに原子力発電所が核分裂反応をずっと継続しているときに起こっています。
いいですね?で、原発事故が起こったときに大事なことは3つあって、最初はまず核分裂反応をストップすることですね。2つ目は、その冷やすこと。冷却、今非常に問題になっていますよね、今福島で。冷却。それからもう1つは、その原子力発電所の中にある、核分裂によって起こった放射性物質、例えば放射性ヨードとか、放射性セシウムとか、あるいは放射性のストロンチウムとか、あるいはまたプルトニウムとか、その他一杯、核分裂のときにゴミが出るんです。それが放射性物質なんです。で、そういうものが溜まって、結局は3つ目はそういう放射性物質を閉じ込めて出さないという状況にあります。で実はチェルノブイリはまさに核分裂反応を起こしているときに継続中に起こった事故ですから、結局ものすごい大量の放射性物質が空中に舞い上がったと。

(福島は)地震によるときにストップしましたから、ですから核分裂反応はストップした段階で、ただ残念なことにそのあと、要するに緊急の冷却装置が壊れてしまったと、津波でもって。ですからそのとき予備の電源がきかなかったということ、ですから冷却が十分されていないということで。
空中に放出された放射性物質の量というのは、チェルノブイリというのは、ちょうど広島型の原発の原爆の500倍か600倍といわれています。今回の福島の場合は、その政府、東電の報告によりますと量はその1つ下のオーダー、10分1くらいということでいきますと、空中に出ている量というのは少ないということ。ただ残念なのは、クーリング、冷やすことと、ある意味では空中にそういう物質を放出している物質を何とかして防がなければいけないということ、で、それが今日の朝のニュースでもやっていますが、一号機の場合には、あそこにカバーをかけるということですね、あの全体に。それは、まさに空中に放射性物質を出さないようにする。もう1つやってもらわないといけないことは、早く十分に冷やしてもらわないといけないということ。(INESの)レベルっていうのは、福島の場合とチェルノブイリを比較すると、(放出された放射性物質の)量としては、もうはるかに今いったようにチェルノブイリが10倍ほど多いということですから、あるレベル以上の場合はレベル7にするということですから、7ということでございます。

【出席者の女性】
今、妊娠中で、もうすぐ5ヶ月になるのですけれど、今の福島市の放射線の量で、おなかの赤ちゃんにはどれくらいの影響があって、もし影響があるとしたら、どんな影響が赤ちゃんに出るのかなというのが知りたいので、教えてください。
今、妊娠中で、もうすぐ5ヶ月になるのですけれど、今の福島市の放射線の量で、おなかの赤ちゃんにはどれくらいの影響があって、もし影響があるとしたら、どんな影響が赤ちゃんに出るのかなというのが知りたいので、教えてください。
【菅谷医師】
私自身も産婦人科の医者でないものですからそこを正しくお伝えすることは難しいかもしれませんが、現在、妊娠中であるということで、福島で出産していいか、このまま継続していいかということでございますけど、少なくとも私は福島市におきましては、報告されたものを見る限りにおいては、空間線量というのは、今こういう大気中のですね、汚染されている状況というのはこれは安全だということになっていますから、それはそれでいいと思う。
私自身も産婦人科の医者でないものですからそこを正しくお伝えすることは難しいかもしれませんが、現在、妊娠中であるということで、福島で出産していいか、このまま継続していいかということでございますけど、少なくとも私は福島市におきましては、報告されたものを見る限りにおいては、空間線量というのは、今こういう大気中のですね、汚染されている状況というのはこれは安全だということになっていますから、それはそれでいいと思う。
ただ、問題はですね、被ばくというのは2種類に分けます。1つは外部被ばくということですね。もう1つが内部被ばくということ。外部被ばくというのは、皆さんが一番よくわかるのは、胸部のレントゲン撮影とかあるいはCTなんかの検査です。あれは体の外からいわゆる放射線を浴びるということ、これは外部被ばくです。もう1つは内部被ばくというのはとりあえず放射性物質、細かいこういうところにあるのを体の中に取り込んで、その取り込んだ放射性物質が組織とか細胞の中に入って、そこでもって今度は色んなα線、β線とかいろんな種類の放射線を出して、それが細胞レベルで影響を受けるという風に言われております。
で、今回の場合にはいわゆる内部被ばくをしないように注意することは必要だと思うんです。これは皆さん同じです。大人も子供も、特に子供さんは注意した方が良いだろうと。ですからそれは何をするかというと、内部被ばくの場合に体の中に放射性物質を取り込む経路は3つございます。1つがこの大気がかなり汚染されたときに、息をしますからそうするとその息をしたものが鼻とか口から入って、それが気管を通して肺に入ります。粘膜とかそういうところからやっぱり放射性物質が取り込まれて、血液の中に入る。もう1つが一番ご存知の通り、経口的、口からですね、これが、食物とかミルクとか水とか、その他色んなものがあると思いますが、この3つの経路がありますから、ですから内部被ばくを防ぐためには、この3つの経路を何とかして皆さん方入れないようにしてください。
大気の汚染がひどくなったようなときには、外に出るときにはマスクをしてもらう。マスクの場合にはその下に濡れたガーゼか何かを入れたほうが良いだろう。
雨とか今は雪はないですけれど、そういう場合は上から落ちてきますから(放射性物質は)空中に浮遊している。下に落ちてきますからそれを浴びないようにして欲しい。それには傘を差す。それから濡れてしまった場合には頭を洗うとか帽子をかぶるとか、そういう形で持って経皮的な摂取を防ぐ。
この辺、僕が複雑な思いがあるんですが、ここで経口的な摂取ということで、お子さんたちにこれ明らかに汚染されているよっていうできるだけ口にしない方がいいと思う。で、それは妊産婦さんも同じなんです。で例えば妊婦さんが、妊娠している方がそういう(放射性物質の濃度が)高いものを食べるとそれが体に入って、そしてそれが胎盤を通して胎児の方に行ってしまうとそういうことがあるものですから、できるだけ妊婦さん、赤ちゃんも今ミルクをやっている方も、これやっぱり汚染されたものを高度の場合それがミルクに出て、それが赤ちゃんに行ってしまう。そういう意味でいったら今言ったような3つのことをできれば防いでいただきたいなと。それに代わるものを食べたりすればいいわけですから。で、最後に一般の大人の方はあまり気にしないで持って、大丈夫なものは口からとってもいいのではないかと思っております。

【中村医師】
お母さんの質問を聞いていたんですけれども、(タルカチョアさんが言うには)当時の25年前のときには、何も正確な情報が住民には伝わっていなくて、ただ1つだけその汚染された地域からの野菜と水とミルクは食べてはいけませんという情報だけが住民にされて、先ほど先生がおっしゃったような、マスクをするとかそういうことは何も情報として与えられなかった。
お母さんの質問を聞いていたんですけれども、(タルカチョアさんが言うには)当時の25年前のときには、何も正確な情報が住民には伝わっていなくて、ただ1つだけその汚染された地域からの野菜と水とミルクは食べてはいけませんという情報だけが住民にされて、先ほど先生がおっしゃったような、マスクをするとかそういうことは何も情報として与えられなかった。

【出席者の女性】
今まで、年間1ミリシーベルトと年間の基準を定めていたところを20(ミリシーベルト/年)まで上げて、それもすべて乳幼児にまで適用されているということが不安を覚えていて、その基準が本当に安全なのかっていうところがまず1点と、今チェルノブイリの方で今、安全の基準内で過ごされていたという方がいるということだったんですけど、チェルノブイリの安全基準と福島の安全基準と何か違いというか、年間何ミリシーベルトとかいうわかっているところがあれば・・。
今まで、年間1ミリシーベルトと年間の基準を定めていたところを20(ミリシーベルト/年)まで上げて、それもすべて乳幼児にまで適用されているということが不安を覚えていて、その基準が本当に安全なのかっていうところがまず1点と、今チェルノブイリの方で今、安全の基準内で過ごされていたという方がいるということだったんですけど、チェルノブイリの安全基準と福島の安全基準と何か違いというか、年間何ミリシーベルトとかいうわかっているところがあれば・・。
【菅谷医師】
皆さんも色んな情報でお読みになっていますけれども、年間で大人の人が許されるのが、1ミリシーベルトということになっていますよね。パーイヤー、1年間に。で、そのときに今回のような原発の事故が起こったようなときには、もう少し基準を上げていいよというのが、この国際の放射線防護委員会の規程があるICRP。今回の場合には、今福島の場合にはそういう緊急事態ですから、1ミリではとても無理ですから20ミリまで上げているんです。ただ私は先ほど言いましたように放射線の専門家ではありませんから、それがいいかどうかはいえませんけど、ただ、これは学者間でもってご承知のとおりそれはやっぱりちょっと高すぎるのではないかと、今おっしゃったように子供、大人なのにそれを子供に当てはめていいのかなっていうことで、ご承知のとおりこういう放射線というのは、子供は非常に影響を受けやすいですから、そういうわけで学者によってかなり(考え方が)違うわけですね。
皆さんも色んな情報でお読みになっていますけれども、年間で大人の人が許されるのが、1ミリシーベルトということになっていますよね。パーイヤー、1年間に。で、そのときに今回のような原発の事故が起こったようなときには、もう少し基準を上げていいよというのが、この国際の放射線防護委員会の規程があるICRP。今回の場合には、今福島の場合にはそういう緊急事態ですから、1ミリではとても無理ですから20ミリまで上げているんです。ただ私は先ほど言いましたように放射線の専門家ではありませんから、それがいいかどうかはいえませんけど、ただ、これは学者間でもってご承知のとおりそれはやっぱりちょっと高すぎるのではないかと、今おっしゃったように子供、大人なのにそれを子供に当てはめていいのかなっていうことで、ご承知のとおりこういう放射線というのは、子供は非常に影響を受けやすいですから、そういうわけで学者によってかなり(考え方が)違うわけですね。

20ミリにしてあるわけですけれども、そういう専門家の中でもって、やっぱり考え方が違うとなると、これはやっぱり、よくわかっていないんだってことなんです。10ミリでよくて、20ミリじゃいけない、10ミリでよくて、これ安全かといわれると、誰も答えを持っていないんですね。
だけど今まで経験的に言うと、10ミリだったらまあいいんじゃないかとだから、そういう意味で行きますと、今回の場合に20ミリというよりは、子供に対してはもう少し下げておいた方がいいのかなと思うのはありますよね。これはもう誰も知っているように、子供のほうがより小さいから、小さいから小さいほど放射線の影響を受けやすいから20ミリからということに関していえば学者の中には、参与を辞めた先生はやっぱりこれは自分の子供だったらこの値は私は...って言われたように、それは国は今回そういう風に決めていますけれど、できれば、だから何をするかというとできるだけ子供さんにはそうなれば、20ミリでいいとはいうものの、内部被ばくを防ぐようなことをお父さん、お母さんがやって欲しいということしかいえないと思うんです。
彼女(タルカチョアさん)もそうですけど、今もそこで生活していますから、その意味では私は理想を言えばきりがないわけです。これだけ皆さんにもう1つご理解願いたいのは、今までは僕は日本に帰ってきてからは全国でチェルノブイリの話をさせてもらいました。で、そのときに僕が話をしても正直言って日本の皆さんは誰も自分のことしか考えてくれなかったです。どこかの対岸の火事のように私全然、関係ないわっていうように聞いていた。これは今回起こったときに、急に私にいろんなことを言ってくるときに、あれだけ言ったじゃないのという風に私言っているんです。これは日本国民が、ある意味ではこれを逃げるんじゃなくて正面から、まさに日本は海外から見ますと汚染国になってしまったので、この事実だけはしっかり捉えてください。逃げられません。いいですね、ですからそういう中で、そういう事実を知った上で今後、我々がまたどうやって生活を立て直していくか、っていうことを考えて欲しいんです。
ただし大人の場合は、これあまり気にしてもいけないと私は思っております。これだけは、これもご理解お願いしたいと思っております。

【出席者の女性】
3歳の男の子の母親なんですけれども、今福島市、安全と聞いて少し安心したのですけれども、でもやっぱりあの、こちらの保育園でもまだ外遊びをさせていませんし、私も自分の子供を外遊びさせていません。で、いくら政府が安全といってもさせたくない気持ちで、なのでこちらの保育園ではそれは安心しています。ただ今後、少しでも外で遊ばせたいという気持ちはありますし、どのくらいの基準を目安にしたらいいのかなっていうことと、それと週末自分が休みのときには、子供を外に、少しでもマイクロ(シーベルト)が少ないところにいって遊ばせているんですけれども、そういう風にすると、何か(土を)浄化させるというのを聞いたことがあるのですけれどもそういったのは本当なんでしょうか。
3歳の男の子の母親なんですけれども、今福島市、安全と聞いて少し安心したのですけれども、でもやっぱりあの、こちらの保育園でもまだ外遊びをさせていませんし、私も自分の子供を外遊びさせていません。で、いくら政府が安全といってもさせたくない気持ちで、なのでこちらの保育園ではそれは安心しています。ただ今後、少しでも外で遊ばせたいという気持ちはありますし、どのくらいの基準を目安にしたらいいのかなっていうことと、それと週末自分が休みのときには、子供を外に、少しでもマイクロ(シーベルト)が少ないところにいって遊ばせているんですけれども、そういう風にすると、何か(土を)浄化させるというのを聞いたことがあるのですけれどもそういったのは本当なんでしょうか。

この質問、多分今日お見えのお母さん方、お父さんも心配されていると思いますけれども、基本的に先ほど言いましたように、内部被ばくを基本的にブロックして欲しいということなんです。で、内部被ばくというのは、今、お話にあったように幼稚園で遊び、あるいはまた、散歩でもしてほこりが舞い上がると今問題になるのは、放射性ヨードはもう半減期からいきますとだいぶ薄らいできていますから、セシウム、また僕政府の報告で今回ストロンチウムがどれだけ出ているかはわかりませんし、そういうようなことがあるものですから、今の状況では県は土壌の状況はもう出していると思いますから、そこを皆さん方是非ともきちっと把握していただきたいと思います。
けれど、ただご承知のとおり、昨日の話でいきますと、第一号機がメルトダウンといいまして炉心の問題が出てきたとか、政府が言ったまだまだ予断を許さない状況にありますから、そういう意味では日常生活の中でもって、政府や福島県とか福島市が出すそういう値、レベルは注意していただきたいと思います。で、そういう中でじゃあ遊ばしてもいいかというときには、福島県あるいは福島市の中でも、場所によって結構違います。ですから高いようなレベルのところでは申し訳ないけどできるだけ遠くへいって、で遊ばしてくる、これしょうがないんです。大変ですけどお母さんお父さん方、やってください。お子さんを遊ばせたいんだと、そのときにはここのエリアが大丈夫だったらそこへ連れて行って遊ばしてやってあげたいと思います。
ただ期間はいったいどれくらいになるんですかと、それは僕も聞きたいくらいですよね。実は。これも政府は困っているんです。

だからまさに今、福島はある意味で皆さん方が、さあどういいましょうかね、ある意味で初めて経験する、日本はもちろんですけれども世界でもチェルノブイリをのぞけば初めての経験ですから、もうそれをやっぱり注意して、放射線の被ばくに関しては自分で注意して見ていくしかないのかなと、私見て思っています。
セシウムだと半減期が30年という状況ですからかなり長いです。ですからこういう状況を長期にわたってやっていくしかないんです。ここだけはお願いしたいんです。これ短期で見ないでください。短期というのは、気が短いという意味ではなくて、期間が短いという意味ですけど。だから少し長期的になりますよって、そういう心構えをしたうえでもって対応していくことが僕は大事だと思うんですよ。海外から見ますと今、彼女(タルカチョア)もいっていますけれども、この間も、他の外国の方が日本人はとても落ち着いて状況を把握しながら、パニックにならないですばらしい国民であるってことは海外から高い評価を得ているんです。
【中村医師】
(タルカチョアさんは)18歳までゴメリというところに住んでいたんですね、で、今聞きましたら、福島と同じ、今の福島と同じような環境というか、場所というか。で、(チェルノブイリ事故)当時彼女3歳で(★正しくは2歳)、18歳までそこで過ごして、で大学はミンスクというところで、大学を卒業してから、またゴメリに戻って、今、そこにずっと住んでいらっしゃる。で、3歳のころからずっと外で遊んでいたそうです。で、このように何もなく、立派な医師になっています。
(タルカチョアさんは)18歳までゴメリというところに住んでいたんですね、で、今聞きましたら、福島と同じ、今の福島と同じような環境というか、場所というか。で、(チェルノブイリ事故)当時彼女3歳で(★正しくは2歳)、18歳までそこで過ごして、で大学はミンスクというところで、大学を卒業してから、またゴメリに戻って、今、そこにずっと住んでいらっしゃる。で、3歳のころからずっと外で遊んでいたそうです。で、このように何もなく、立派な医師になっています。
【参加者の女性】
もし松本市長さんが福島市長さんだったら、原発事故後から現在までの間、どんな風な対応をとっていたと思いますか。それから今後、どのように福島市内を除染なりしていくとか考えをお持ちだったりとか、伺いたいです。
もし松本市長さんが福島市長さんだったら、原発事故後から現在までの間、どんな風な対応をとっていたと思いますか。それから今後、どのように福島市内を除染なりしていくとか考えをお持ちだったりとか、伺いたいです。

【菅谷医師】
大変、答えづらいご質問でございますが、きっと佐藤知事、それから福島市の市長さん、うんとご苦労されたと思うんです、私は。私自身が先ほどから言いましたように、僕がこう皆様の前に出るときには市長として出た方が楽なんですけど、僕自身が医者として、しかもチェルノブイリで仕事をしてきたということでもって、とても心が揺れているんですよね。で、理想だけ言っていられないものですから、福島市では、福島市長さんがもし私だったらどうしますかっていうけれど、私自身特別なことはしない、とにかく経過を見て、一番思ったのがですね、やはり内部被ばくだけはさせない方がいいってことを一番言っています。だから、私、長野県松本市にいたとき、というか時はかなり早い段階でもってもう内部被ばくですよって言って、外部被ばくでないですよってずっと言ったんですけれども、でようやく内部被ばくというのが上がってきていますが、それが僕が、チェルノブイリで経験してやはり、(放射性物質を)取り込んだことによって、それが長い年月にわたっていろいろな問題がしばらく出てくる可能性があるんです。で、実際にチェルノブイリの場合でも、かなりこちらは濃度が高いですけれどもそれが内部被ばくによって、結構いろんなことが出始めつつあって、チェルノブイリはまだ終わっていないんです、実は。今、進行形なんです。ですから、そういうのを現時点でもって、チェルノブイリを見れば、福島の皆さんには、できれば、さっきも言いましたようにくどいようですけども、内部被ばくの経路だけはできるだけ注意してください。マスクされてますけど。
大変、答えづらいご質問でございますが、きっと佐藤知事、それから福島市の市長さん、うんとご苦労されたと思うんです、私は。私自身が先ほどから言いましたように、僕がこう皆様の前に出るときには市長として出た方が楽なんですけど、僕自身が医者として、しかもチェルノブイリで仕事をしてきたということでもって、とても心が揺れているんですよね。で、理想だけ言っていられないものですから、福島市では、福島市長さんがもし私だったらどうしますかっていうけれど、私自身特別なことはしない、とにかく経過を見て、一番思ったのがですね、やはり内部被ばくだけはさせない方がいいってことを一番言っています。だから、私、長野県松本市にいたとき、というか時はかなり早い段階でもってもう内部被ばくですよって言って、外部被ばくでないですよってずっと言ったんですけれども、でようやく内部被ばくというのが上がってきていますが、それが僕が、チェルノブイリで経験してやはり、(放射性物質を)取り込んだことによって、それが長い年月にわたっていろいろな問題がしばらく出てくる可能性があるんです。で、実際にチェルノブイリの場合でも、かなりこちらは濃度が高いですけれどもそれが内部被ばくによって、結構いろんなことが出始めつつあって、チェルノブイリはまだ終わっていないんです、実は。今、進行形なんです。ですから、そういうのを現時点でもって、チェルノブイリを見れば、福島の皆さんには、できれば、さっきも言いましたようにくどいようですけども、内部被ばくの経路だけはできるだけ注意してください。マスクされてますけど。

【出席者の女性】
年間20ミリシーベルトとか話がありますが・・。
年間20ミリシーベルトとか話がありますが・・。
【菅谷医師】
私、放射線の専門医ではないものですから、今のような形というのは私は正確にお答えできませんが、例えば累積といって毎年10だったら、2年目は20で、3年目は30という考えですよね。そうではないはずです。これがあったらえらいことだと思います。だから1年間でもって、20なら20までは大丈夫だというときに、一方で、今度は体の影響というのは取れていくのは取れていくのですね。だから新しいとしにはまた、20ミリ受けても良いよと考えていいと思います。累積は1年間の累積はいいですけども、それが年にわたって来年が20でどうするのって、そういう話ではないと思います。もしそうだったらえらいことになってしまいますから。
私、放射線の専門医ではないものですから、今のような形というのは私は正確にお答えできませんが、例えば累積といって毎年10だったら、2年目は20で、3年目は30という考えですよね。そうではないはずです。これがあったらえらいことだと思います。だから1年間でもって、20なら20までは大丈夫だというときに、一方で、今度は体の影響というのは取れていくのは取れていくのですね。だから新しいとしにはまた、20ミリ受けても良いよと考えていいと思います。累積は1年間の累積はいいですけども、それが年にわたって来年が20でどうするのって、そういう話ではないと思います。もしそうだったらえらいことになってしまいますから。
α線、β線、γ線、X線というのがあります。それから、中性子線とか、色々な種類がある。でα線っていうのは、影響を及ぼすのが数十ミクロンというから、1ミリの千分の1が1ミクロンですから非常に短い。β線っていうのが数ミリなんですね、出すのが。でγ線っていうのが数十センチなんです。そうしますとセシウムっていうのは、β線とγ線を出しますから、セシウムの場合ってのは、こう地面からみなさんが言われるように地面にある。こういうところやっぱりγ線がでているから、そういう被ばくはあります。これは外部被ばくです。
今問題なのは内部被ばくなのですよね。皆さん方、今心配されているのは、もしがんが出たらって言う、これは、外から浴びるのがものすごい大量でしたらこれは問題ですけど、今ここで空間線量を見たらそれでは起こりませんよ。むしろ将来を考えたら、これは放射性物質を取り込んで、細胞の中でもってその放射性物質がα線とかβ線を出して、そうするとそれはずーっと(放射線を)出しているわけですね。そうすると細胞のレベルにそういう放射線がぶつかるから、細胞の中に細胞の核がありまして、その核の中に、いわゆる遺伝子、DNAというのがあって、そこに影響を及ぼすから、がん遺伝子が元気になって、そこでもってがんが発生する。ですから内部被ばくをできるだけやらないように、そういう注意で、あとの普通の生活は基本的にはいいと今考えている。
定期的な、多分国はやると思いますけれども、健康診断のシステムをつくるとかですね、ベラルーシも先ほど彼女(タルカチョアさんが)、言いましたが、チェルノブイリの事故の後、非常にたくさんの健康、調査プログラムができたそうです。それから毎年、子供さんは、例えば当初、甲状腺の超音波の検査とか、あるいはまた血液の検査とか、免疫機能の検査とか、色々な検査をしているそうですから、それだけは今後、もし心配であれば、皆さん方は定期的な検査を多分僕は、福島県や国から出てきて、出てくると、国でやっぱりそういう機関を設立して、そしてそういう方々は子供さんを定期的に検査、あるいはまた若いお父さんお母さん方もそうですね。これだけは日本の場合は、非常に(医療技術が)きちっとしていますからありがたいと思ってください。
【出席者の女性】
内部被ばくの検査についてなのですが、あまり期間がたってしまうと検査してもあまりどれだけ被ばくしているとかわからないっていうのをきいたことがあるのですが、一部避難区域にあたっている地域については内部被ばくの検査を国や県は考えるかも知れないのですけど、避難地域以外っていうと安全って言うことで国が言っているので、その個人で内部被ばくの検査を受けた方がいいのかどうかをお聞きしたい。
内部被ばくの検査についてなのですが、あまり期間がたってしまうと検査してもあまりどれだけ被ばくしているとかわからないっていうのをきいたことがあるのですが、一部避難区域にあたっている地域については内部被ばくの検査を国や県は考えるかも知れないのですけど、避難地域以外っていうと安全って言うことで国が言っているので、その個人で内部被ばくの検査を受けた方がいいのかどうかをお聞きしたい。
【菅谷医師】
チェックできますかっていうけど、実はみなさん、こういう携帯のサーベイメータお持ちだと思いますけど、あの機械を含めて簡易的なのは、基本的にガンマ線を見ているわけですね。γ線、いいですね。ですからγ線っていうのは距離が数十センチですからいいのですけど、先に言いましたように、α線、β線っていうのは、非常に距離が短いから、体の中に入ったとき、それチェックできないのです。ですから内部被ばくの場合には、その程度は実は普通の測定ではわかりません。ですからやるのであれば、ホールボディーカウンターって、非常に精度の高いものをですね、これは先ほど福島県立医大に行きましたらあるそうですから、当然、県の最後の砦ですから、福島の場合はあるし広島、長崎にもあります。できるだけ内部被ばくをされないような努力をしてくださいっていっているわけです。
チェックできますかっていうけど、実はみなさん、こういう携帯のサーベイメータお持ちだと思いますけど、あの機械を含めて簡易的なのは、基本的にガンマ線を見ているわけですね。γ線、いいですね。ですからγ線っていうのは距離が数十センチですからいいのですけど、先に言いましたように、α線、β線っていうのは、非常に距離が短いから、体の中に入ったとき、それチェックできないのです。ですから内部被ばくの場合には、その程度は実は普通の測定ではわかりません。ですからやるのであれば、ホールボディーカウンターって、非常に精度の高いものをですね、これは先ほど福島県立医大に行きましたらあるそうですから、当然、県の最後の砦ですから、福島の場合はあるし広島、長崎にもあります。できるだけ内部被ばくをされないような努力をしてくださいっていっているわけです。
【中村医師】
(タルカチョアさんは)ゴメリというところにずっと住んでいらっしゃる、まさに福島と同じようなところに住んでいらっしゃるっていいましたけども、私はラジオアイソトープ、放射線の検査はしたことがないそうです。チェルノブイリでは、その土地にある放射性セシウムというのは、野菜とか食べ物、ミルクに移って、それを食べることによって、体に取り込まれるということがほとんどなのです。
(タルカチョアさんは)ゴメリというところにずっと住んでいらっしゃる、まさに福島と同じようなところに住んでいらっしゃるっていいましたけども、私はラジオアイソトープ、放射線の検査はしたことがないそうです。チェルノブイリでは、その土地にある放射性セシウムというのは、野菜とか食べ物、ミルクに移って、それを食べることによって、体に取り込まれるということがほとんどなのです。
【出席者の女性】
内部被ばくのことで、私たちが気をつけなければいけないこととして、国や県とかで出している暫定基準というものがクリアしたものが市場に出ているということで、私たちはそれを信用して、摂取していくことしかないと思うのですけども、それでよろしいのでしょうか。どうしても暫定基準というあいまいな数字が出ているので、どこまで信用できるのかというのが多分、不安に思っていると思うのですが。基準を超えれば、私たちは地元のものを食べていますし、他から葉物とかを持ってきているわけではないので、そこだけお願いいたします。
内部被ばくのことで、私たちが気をつけなければいけないこととして、国や県とかで出している暫定基準というものがクリアしたものが市場に出ているということで、私たちはそれを信用して、摂取していくことしかないと思うのですけども、それでよろしいのでしょうか。どうしても暫定基準というあいまいな数字が出ているので、どこまで信用できるのかというのが多分、不安に思っていると思うのですが。基準を超えれば、私たちは地元のものを食べていますし、他から葉物とかを持ってきているわけではないので、そこだけお願いいたします。

【菅谷医師】
実は私、今回の日本の暫定基準の食品安全委員会の参考委員として呼ばれまして、国に行ってきまして、今回の暫定の基準値をですね、急きょ厚生労働省が決めたんです。この値が本当にいいかどうかを今度は日本の食品安全委員会にかける、そしてOKだったらそれでいきたいということだったんですけども、基本的には日本の場合、大変厳しい値を、まあ暫定ですけどもとったのは、これは実は日本じゃなくてですね、国際放射線防護委員会、あるいはまた、WHOとか、IAEA、国際原子力機関って、これが出している値を参考にして、日本が暫定的につくって、つくったものです。それがいいかどうかってことで、私は委員として申し上げたのはできるだけ厳しくしてくださいってことを申し上げました。ですからある意味で、今回のこの暫定の基準値って言うのは、厳しい値になっています。ですから、その基準よりも以下であれば、以下であれば一応、食べてもいいと、摂取しても良いと。それから超えた場合はやめてくださいと。ただここで僕が気になることが、これは難しいのですけれども生産者の立場から言えば、基準値を決めた以下であれば、是非食べて欲しいというのは、当たり前と僕は思うんです。これは。だけれども、例えば、お子さんの水の場合に、100Bq/l、100Bqというのを決めていくときに、110はいけなくて、90はいいかっていうと、これ、皆さんにお聞きしたい。これ、どう思います。これが、僕が今、悩んでいるところなんです。ですから、ちびちゃんというかお子さんとか妊産婦さんだけはもし汚染されている土壌がはっきりしているならば、できるだけ口にしないのが良いだろうと。ただし、僕らみたいに老人はみんなもう気にしないで食べるように。だから僕が言っているのは、子供だけ守ろうと、それから日本の将来を担っていく、その赤ちゃんたちを産んでくれるそのお母さん方の中でも、妊産婦さんだけは国民全体でもって守ってあげようと。あとの方はいいだろうというのが私の基本的な考えでございます。ですから、それは基準値がありますから、それ以下であれば、理想を言ったらきりがありません。こういう現実だって言うことは皆さん、これは思ってください。
実は私、今回の日本の暫定基準の食品安全委員会の参考委員として呼ばれまして、国に行ってきまして、今回の暫定の基準値をですね、急きょ厚生労働省が決めたんです。この値が本当にいいかどうかを今度は日本の食品安全委員会にかける、そしてOKだったらそれでいきたいということだったんですけども、基本的には日本の場合、大変厳しい値を、まあ暫定ですけどもとったのは、これは実は日本じゃなくてですね、国際放射線防護委員会、あるいはまた、WHOとか、IAEA、国際原子力機関って、これが出している値を参考にして、日本が暫定的につくって、つくったものです。それがいいかどうかってことで、私は委員として申し上げたのはできるだけ厳しくしてくださいってことを申し上げました。ですからある意味で、今回のこの暫定の基準値って言うのは、厳しい値になっています。ですから、その基準よりも以下であれば、以下であれば一応、食べてもいいと、摂取しても良いと。それから超えた場合はやめてくださいと。ただここで僕が気になることが、これは難しいのですけれども生産者の立場から言えば、基準値を決めた以下であれば、是非食べて欲しいというのは、当たり前と僕は思うんです。これは。だけれども、例えば、お子さんの水の場合に、100Bq/l、100Bqというのを決めていくときに、110はいけなくて、90はいいかっていうと、これ、皆さんにお聞きしたい。これ、どう思います。これが、僕が今、悩んでいるところなんです。ですから、ちびちゃんというかお子さんとか妊産婦さんだけはもし汚染されている土壌がはっきりしているならば、できるだけ口にしないのが良いだろうと。ただし、僕らみたいに老人はみんなもう気にしないで食べるように。だから僕が言っているのは、子供だけ守ろうと、それから日本の将来を担っていく、その赤ちゃんたちを産んでくれるそのお母さん方の中でも、妊産婦さんだけは国民全体でもって守ってあげようと。あとの方はいいだろうというのが私の基本的な考えでございます。ですから、それは基準値がありますから、それ以下であれば、理想を言ったらきりがありません。こういう現実だって言うことは皆さん、これは思ってください。

【タルカチョア】<和訳>
私はアナスタシア・タルカチョア、ベラルーシ人で、出身はゴメリ州。ゴメリ・クリニック医院で働いています。もちろん皆さんが自分やこどもの健康を心配されていることを理解しています。もちろん、ここ日本では事故の状況が進んでいて、とても恐ろしいことです。私だけでなくすべてのベラルーシ人も状況を心配しています。私は皆さんに心から皆さんにお見舞いを申し上げます。日本は高度に発展した国でありながら、このような深刻な災害を防ぐことは難しい。今、私は日本に来て、今回の事故をチェルノブイリの事故と比較することができます。私もすべてのベラルーシ人も日本での対応がいかに組織だっているかを見て取れます。日本政府の対応は合理的で適切で理にかなって組織立っています。日本の人たちは、みんながみんなのことを心配し、自分たちの安全のためにできるあらゆることをしようと努力しています。日本人は強くパワフルな国民だと感じます。私もすべてのベラルーシ人も日本人はこの困難な問題をすべて打開できると信じています。
私はアナスタシア・タルカチョア、ベラルーシ人で、出身はゴメリ州。ゴメリ・クリニック医院で働いています。もちろん皆さんが自分やこどもの健康を心配されていることを理解しています。もちろん、ここ日本では事故の状況が進んでいて、とても恐ろしいことです。私だけでなくすべてのベラルーシ人も状況を心配しています。私は皆さんに心から皆さんにお見舞いを申し上げます。日本は高度に発展した国でありながら、このような深刻な災害を防ぐことは難しい。今、私は日本に来て、今回の事故をチェルノブイリの事故と比較することができます。私もすべてのベラルーシ人も日本での対応がいかに組織だっているかを見て取れます。日本政府の対応は合理的で適切で理にかなって組織立っています。日本の人たちは、みんながみんなのことを心配し、自分たちの安全のためにできるあらゆることをしようと努力しています。日本人は強くパワフルな国民だと感じます。私もすべてのベラルーシ人も日本人はこの困難な問題をすべて打開できると信じています。
【中村医師】
僕は、小児科医でありまして、もし何かこれから福島のお子さん方のために力になれることがありましたら、これからずっと支援していきたいと思いますのでどうか遠慮なく声ををかけていただきたいと思います。
僕は、小児科医でありまして、もし何かこれから福島のお子さん方のために力になれることがありましたら、これからずっと支援していきたいと思いますのでどうか遠慮なく声ををかけていただきたいと思います。
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