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カリウム40を引き合いにした安全デマへの反論

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カリウム40を引き合いにした安全デマへの反論
~カリウム40による内部被曝とヨウ素131、セシウム134・137による内部被曝を検証する~  目次
1.放射能って何?
2.放射性元素の半減期
3.天然放射性元素
4.ベクレルとシーベルト(放射線の単位)
5.カリウム40
6.カリウム40とヨウ素131
7.カリウム40とセシウム134・セシウム137
8.生物学的半減期と実効半減期
9.毎日 a ベクレルの放射性物質を摂取し続ける場合の n 日目の蓄積量

 最近、「放射能は怖くない」とか「むしろ少量なら健康にいい」といった議論を見かけることが多くなりました。 
 こうした議論でよく引き合いに出されるのが天然放射性物質の存在です。 確かに放射性物質は有史以前から地球上に存在しており、生物は放射性物質に対してある程度の耐性を持っています。 しかし、これを理由に放射能は安全であるとする議論には怪しいものが多々あります。 ここではそうした議論のうち、カリウム40を引き合いにした安全デマへの反証を試みます。
放射能って何? 放射能とは放射線を出す能力のことです。 よく放射線や放射性物質と混同して使われますが、正しい用語としては放射線や放射性物質を使うべきです。 放射性物質が放射能を持っているわけですね。

 放射性物質(元素)とは、安定に存在できず 高エネルギーの粒子や電磁波を放出しながら他の元素に姿を変える不安定な元素のことです。 元素の種類が変わるこの現象を「崩壊」、このとき放出される高エネルギー粒子や電磁波を「放射線」、最初の元素が姿を変えた新しい元素を「娘核種」といいます。 新たに生じた「娘核種」が安定な元素なら「崩壊」はそこで停止しますが、娘核種が不安定な放射性元素なら安定な娘核種に変わるまで崩壊が続きます。

放射性元素の半減期 放射性元素の崩壊のペースは元素の種類によって決まっています。 崩壊は一気に起こるわけではなく、放射性元素の存在量に比例した割合でおきます。 ある一定期間(たとえば2年)で放射性元素の量が半分になるとすると、次の2年でさらに半分に(一番最初の1/4)、 さらに2年の後にまた半分(一番最初の1/8)、というように減少します。

 放射性元素の量が初めの半分になるまでの期間を半減期(物理的半減期)と呼びます。 注意すべきは物理的半減期が経過しても放射性元素の量は半分に減る…

セシウム放射線内部被曝とカリウム

セシウム放射線内部被曝とカリウム (少し詳しい解説、その1)

はじめに 福島原発爆発によって莫大な放射能が環境に撒き散らされました。 原発事故後、健康にとって、特に重要な放射能は、放射性ヨウ素、ストロンチウム、セシウムです。放射性ヨウ素の半減期は8日なので、4月初めに存在した放射性ヨウ素は、9ヶ月たった2022年1月では、1/2の33乗、100億分の1と、ほとんどなくなっています。

ストロンチウムとセシウムの半減期は約30年と長いので、福島原発から放出されたストロンチウムとセシウムの地球にある放射能量はほとんど減っていません。現在、食物や環境で測定されている放射能はほとんどがセシウムで、食物や環境のセシウム放射能が減っているのは、地上から減っているのではなくて、別の場所に移動したからです。ストロンチウムはガンマ線を出さないので測るのが面倒なこともあり、あまり測定、公表していませんが、ストロンチウム汚染がないことや、心配しないでよいことを意味しません。原発で作られた放射性ストロンチウムの量はセシウムと同程度存在すると考えられますが、大気などへの拡散の仕方が違うので、セシウムが検出されたところには同程度のストロンチウムがあるということでもありません。

放射性ヨウ素、ストロンチウム、セシウムの生体に対する傷害作用が違うのは、放射能・放射線の種類が違うからというよりは、主に放射性物質が生体のどこにどれくらいの期間存在するかということによるものです。

ヨウ素は甲状腺に集まるので、甲状腺傷害や、甲状腺癌の発生頻度を上げます。ストロンチウムは摂取すると、骨に集まって骨の成分として骨に固まってしまうので、排泄は難しく、同じ場所で放射線を出し続けるので、近くにある骨髄細胞が持続的に被曝し続け、白血病など、骨髄で作られる白血球などの血液細胞に傷害が出やすくなります。セシウムは体中の水に溶けて広く分布します。同じベクレル数の放射能を摂取しても、ヨウ素やストロンチウムのように特定の場所に集中的に被曝させるのではなく、全身の細胞が低いレベルで被曝します。

放射線の作用は、様々な物質(分子)の構造を少しこわすことで、紫外線の働きと似ています。紫外線を強くあてると、塗装の色が変わったり、紙やプラスチックががさがさになったりします。生体内でも蛋白や様々な生体構成物質、遺伝子の本体であるDNAが変異を生じて…

講演「被曝をどう避けるか」要旨 「被曝をどう避けるか」 講師:岡山 博

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講演「被曝をどう避けるか」要旨「被曝をどう避けるか」
講師:岡山 博、仙台赤十字病院呼吸器科、東北大学臨床教授
主催:放射線被曝から子どもを守る会
日時:2011年12月17日
ところ:仙台市医師会館ホール

講演の主なスライドのまとめです。。
日本のがん死亡率を正確な文章に修正しました。
2012年1月2日掲載、2012年1月22日修正。

被曝をどう避けるか
 放射線と身体への影響についてお話します。
 医学知識を知ると深く理解できるが、知らなくても、大丈夫。
 被曝を避ける事と、医学的知識は別の話です。
 同じ知識を持っていても「放射線を避けるな」と言う人も「避けろ」と言う人もいます
 学ぶと言うことは、鵜呑みにする事ではなく、本当にそうかと自分で考え、判断すること
 被曝をどう考えるか、避けるためにどうするかを議論しましょう。
 講演途中でも、質問や意見、歓迎します。


1. 放射線とは何か
2. 汚染の状況
3. 被曝と生体への影響
4. 被曝を避けるために・議論
   ・被曝の危険性はどの程度か
   ・被曝の避け方
       家庭が、社会ができること
   ・環境除染した放射能をどうするか
   ・農漁業者を守るには?
   ・心配するなという専門家の意見?
          など 何でも


I, 放射線・放射能とは何か

放射線の作用
紫外線に似ている。いろいろな物質を変性する。
例えば
 印刷されたインクの色があせる
 プラスチックなどぼろぼろになる
 生体内でも蛋白やDNAやいろいろな物質を変性させる。
 細胞障害ややけど(急性・短期的傷害)
 老化、癌、生殖機能、先天異常を増やす(長期的傷害)

放射線の作用
 アルファ線、ベータ線、ガンマ線
放射性物質から出る。
放射性物質の種類で
 どの放射線が出るか、
 いつまで出し続けるかは
原子によって決まっている。

放射線を出す性質は分子ではなく原子の性質。だから
微生物や化学反応でなくしたり減らすことはできない。
放射性元素の性質で時間とともに減少するのを待つだけ(半減期)
除線は、放射能を移動させることしかできない。

放射線の種類
放射性物質から出るエネルギー。
高熱を出し続ける鉄球と考えるとわかりやすい
・α線:陽子2個と中性子2個の粒
・β線:もっと小さな電子1個の粒
・γ線:紫外線の続き(電磁波…