2012年2月22日水曜日

死の灰を体内に摂り込む事

【真の脅威は、死の灰を体内に摂り込む事】

福島県や関東圏から人口減少が始まっている。
本紙は、正しい判断であり、特に小さい子どもや妊婦がいる世帯は一時避難が最も良い行動だと強く認識している。
チェルノブイリ原発事故の被災者のうち実際に疾患があると云われている総数は300万人で、そのうち100万人が子どもであると云われている。
国際機関が公式に認めたのは膨大に発生した小児甲状腺がんだけであり、その他は環境因子や心理的要因として切り捨てられた。
しかしながら、膨大な疾患数の増加、がん数の増加、奇形などの発生障害が報告されている。

特に原子炉外部に放出された「死の灰」による「内部被ばく」の脅威が背景にあるものと強く認識している。
政府や国際機関は「微量」と主張するが、体内に入ったセシウム137やストロンチウム90は、長期間、体内の特定の臓器に蓄積され、その臓器を傷害する。
セシウムは、甲状腺、心臓、腎臓、膀胱、肝臓、脳、リンパ系、血管系に沈着し組織を傷害する。
ストロンチウムは、セシウムより遥かに長く、特に骨に沈着し、骨髄にベータ線を照射し、骨髄細胞を傷害する。
福島県のみならず、東日本広域に放射性物質が拡散降下しており、体内に取り込まないようにする細心の注意が必要である。

放射線防護先進国は、ドイツであり、我々はドイツの合理的で前進的な国家的取り組みを評価し、今から直ちに国家政策を変更すべきである。
ドイツの動きは諸外国の中で特に早く、3月12日にメルケル首相が国内のすべての原発の点検を表明、14日に原発稼働延長計画を凍結、15日には国内全17基の原発のうち7基の運転一時停止を決定、27日の地方選で緑の党が圧勝し、以来、脱原発への流れが加速している。
ドイツ政府は、既存の原子炉安全委員会(RSK)に加え、新たに原子力倫理委員会(Ethikkommission SIchere Energieversorgung)を発足させた。この倫理委員会のメンバーは社会学者や哲学者、聖職者を含む17名で、原子力利用が社会に与えうるリスクについて検討し、見解を発表する任務を与えられた。

ミュンヘン環境研究所のHPには放射能に関する多くの情報があるが、その中に「原子力発電所周辺に住む子どもの癌について」というものがある。それによると、ドイツ国内の原発周囲5kmで子どもの発ガン率が他の場所と比べ60%増加し、白血病は倍以上となっている。
これはドイツ連邦放射線防護庁 (BfS)による2007年のKiKK研究(Studie zu Kinderkrebs in der Umgebung von Kernkraftwerken)の結果だ。
このKiKK研究が行われるきっかけとなったのは、1992年および1997年に国内で発表された二つの疫学調査の結果である。
1992年にマインツの研究所IMSDが、1980~1990年までの調査で原発から5km以内に住む5歳以下の子どもの白血病発病率が高くなっていると発表した。
1998年に行われた大規模な調査で、原発周辺5kmでは子どもの発ガン率が54%上昇し、白血病は76%上昇という結果が得られ、これはアメリカの医学誌、Medicine and Global Survival 6 No.1に掲載された。さらに1999年にはバイエルン州でも類似の研究結果が報告されている。

これに衝撃を受けた国民は全国的な署名運動を展開し、連邦放射線防護庁は2001年、さらなる調査(KiKK研究)を行うことを決定した。
名称はKiKK「原発周辺での子どものガン」である。
1980年~2003年の間に1592人のガンにかかった子どもたちに対して、4735人の健康な子どもたちを検査対象グループとし、比較をつき合わせた。
子どもたちが原子炉に近ければ近いほどガンにかかるリスクは高く、遠ければ遠いほどリスクは少ない。
しかし、ガンにかかる率が高くなったことに対しての責任が原発にあるとは言えない。というのは、放射線の量が医学的にみて低すぎるからである。

しかし、原発と近ければ近いほどリスクが高いという関連性は証明された。
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しかも今回の結果は、クリューメルのような1カ所で沢山の白血病が発生したのではなく、全ての原発立地地区でこの結果がでたことである。
調査は、国の機関(ドイツ連邦放射線防護庁)がやり、原発推進、反対の両者が関わった。
マインツ大学の医学的生物学的測定科、伝染病の調査科と情報科の3つの学部と、kinderkrebsregister(子どものガン登録所)が行った。
だが実際の原子炉周辺の放射線量は極めて少ないのである。

すなわち、原子炉から出る放射線ではない何かが、子ども達に健康影響を与えていることは確実である。
さて、あなたは原子炉周辺に居住するだろうか。
そして、もしこの原因が微量だが長期間放出され続けた放射性物質の体内への摂り込み、そして生物内濃縮であったとしたら、今般生じた福島第一原発事故に伴い、大量に原子炉外に放出された放射性物質は、長い時間の間に人体内に摂り込まれ、特に子どもや妊婦を襲うこととなるだろう。これが本日の報告である。

以上

オリーブ拝


※このところ論争があるいくつかの争点について、(財)放射線影響研究所の現時点でのQ&Aも示しておくので合わせて事前に知識として取得しておいてもらいたい。
更に今日のゲノム科学の進展により当放射線影響研究所の見解が揺れて来ていることも合わせて報告しておく。
科学には現時点で常識的であっても、現時点に於ける最新の科学的発見の方向がその常識を揺るがす可能性を示唆することはよくある。
例えば、ドイツの原子炉周辺における白血病調査結果であり、ゲノム不安定性、バイスタンダー効果、細胞メカニズムの解明などである。
しかしながら現時点においてさえ、リスクがある事実をまず踏まえなければ、その言葉は極めて失当なものとなってしまうのである。

『Q&Aよくある質問 』~広島&長崎の場合(財団法人 放射線影響研究所)

【母親のおなかの中で被爆した人たち(胎内被爆者)には、どのような影響があったのですか?】
http://www.rerf.or.jp/general/qa/qa6.html

【被爆者から生まれた子供(被爆二世)にも放射線の影響があるのでしょうか?】
http://www.rerf.or.jp/general/qa/qa7.html

【出生時障害(1948-1954年の調査)】
http://www.rerf.or.jp/radefx/genetics/birthdef.html
表2. 原爆被爆者における死産
(症例数/調査された子供の数、1948-1953年)
表3. 生後2週間以内に診断された奇形
(症例数/調査された子供の数、1948-1953年)

【胎内被爆者の身体的・精神的発育と成長】
http://www.rerf.or.jp/radefx/uteroexp/physment.html

以下余白

2012年2月18日土曜日

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汚染がれき・処理の課題」

時論公論 「汚染がれき・処理の課題」2011年08月31日 (水)

谷田部 雅嗣  解説委員
東日本大震災が発生して、まもなく半年になろうとしています。
被災地では復興に向けて多くの努力が続けられています。
しかし、大量に発生したがれきに原発事故による汚染の影響が重なり、大きな妨げになっています。
今夜はこの汚染がれきの問題を考えます。
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原発事故がもたらしたもの
東京電力福島第一原子力発電所では地震と津波の影響で、原子炉の冷却系統の働きが失われ、水素爆発を起こしました。
この結果、放射性物質が広い地域に撒き散らされました。
この放射性物質が災害復興全体に大きな影響を与えています。
特にがれきの撤去への影響が注目されています。
最大の問題は福島県での汚染がれきの処理です。
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福島県の佐藤知事は「福島での最終処分場はありえない」として、県外で処理するよう国に要請してきました。
細野原発事故大臣はこれに答えて、「最終処分場を福島にすべきでない」とし、努力を約束してきました。
ところが、先週土曜日に菅総理大臣が福島県を訪れ、「中間貯蔵施設を福島県内に設置したい」との意向を伝えました。
佐藤知事は「突然の話で困惑している」と述べました。
中間貯蔵施設の先に県外への出口があるのか。
県民にも困惑が広がっています。
福島県の除染作業
福島県でも避難が続いている原発周辺を除き、がれきの撤去が進んでいます。
さらに、生活を取り戻すための除染作業も本格的に始まります。
これまで、学校を中心に除染作業が行われてきました。
これからは、福島県内のより広い範囲で作業を進める必要があります。
その際、問題となるのが削り取った土を最終的にどこに処分するのかです。
現在は空いている土地に穴を掘って一時的に保管しています。
しかし、このままにしておくわけにはいきません。
樹木や草、建材など、焼却処分の必要なものも大量に発生します。
最終的な出口が決まらないまま、震災で生まれたがれきの処理に加えて、除染で生まれる廃棄物の処理を進めなくてはならないのです。
福島県以外のがれきの処理でも、放射性物質による汚染の影響を考えなくてはなりません。
被災地に大量に残るがれき
環境省がまとめたがれきの全体状況です。
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推定される量を県別にみますと、岩手県が凡そ500万トン。宮城県が凡そ1600万トン。福島県が凡そ200万トンです。
宮城県や岩手県の被災地でも原発事故の影響で、がれきが汚染されている場合があります。
居住地域周辺にあるがれきの撤去は進んでいますが、倒壊家屋などを解体し生まれるがれきの回収が遅れ、3県全体でみますと、仮置き場に搬入されたがれきは、ようやく推定量の50%を越えました。
3県の市町村の中で一番がれきが多いのは宮城県石巻市です。
620万トンという量は、岩手県や福島県全体の量を上回っています。
石巻の現状を見てみます。
石巻市の現状
石巻市では、町の中心部からはほとんどのがれきが取り除かれました。
がれきの仮置き場は郊外の24か所に設置されています。
すでに収容能力の6割を越える量が運び込まれています。
620万トンというがれきの量は、石巻市が処理できるゴミの100年分に相当します。
がれきの山は衛生面でも問題があります。
仮置き場の近くにある学校では教室の中にまで大量のハエが飛んでくるようになりました。
現在、市ではがれきを巨大なシートで覆うなどの対策を行っています。
しかし、新たながれきの搬入が続いているため、限界があります。
これから倒壊家屋の解体が進めば更にがれきが増えます。
がれきの撤去と並行してがれきを分別し、焼却処分などを進めていかなくてはなりません。
がれき処理の国の方針
石巻市に限らず、被災地の自治体では、ごみ焼却場などの能力をはるかに越える量のがれきを抱えています。
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国は原発事故の影響の大きい福島県のがれきは当面、県内で処理する方針です。
そして、岩手県と宮城県のがれきについては他の地域で処理を引き受けてもらう「広域処理」も取り入れるという方針を打ち出しました。
全国に呼び掛け、ごみ処理を扱う自治体、団体の4分の1にあたる572の自治体、団体から協力の申し出がありました。
がれき処理の際に問題になるのが放射性物質の汚染です。
問題はがれきの汚染
放射性物質で汚染されたがれきの安全性はどうなのか。
国は広域でがれき処理を行う条件として、放射性物質に汚染されているおそれのある場合でも、安全に焼却処理を行うことが可能な指針を示しました。
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十分な能力を持つ排ガス処理装置が設置されている施設で焼却処理が行われること。
焼却で残った灰に含まれる放射性物質の量、つまり放射性セシウムの量がキログラムあたり8000ベクレル以下であること。
これらの条件を満たせば、一般廃棄物の管理された最終処理場での埋め立て処分が可能であるとしています。
一般ごみと同じ扱いができることで、受け入れやすくなるという考えです。
8千ベクレルの意味
それでは8千ベクレルという数値にはどんな意味があるのでしょうか。
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原子力安全委員会は作業員の被ばく量の目安を年間1ミリシーベルトとしています。
8千ベクレルという基準は埋め立ての作業をする人の被ばく量を年間1ミリシーベルト以下に抑えることのできる数値です。
1日4時間、キログラムあたり8000ベクレルの放射性セシウムを含む廃棄物のそばで作業することを前提とします。
年間250日働いたとして計算すると、年間の被ばく量は0.78ミリシーベルトとなります。
充分に1ミリシーベルトを下回り、さらに、作業時間を減らすことなどによって、被ばくを抑えることができるとしています。
広域処理の条件
広域処理を実施するための条件として国は次のような点を上げています。
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受け入れ先で焼却した場合、灰に含まれる放射線の量がキログラムあたり8000ベクレル以下になるのが確実であること。
そのためには処理を依頼する搬出側で放射性物質の濃度を十分に確認すること。
汚染の状況は地域によってばらつきが大きく、がれきの種類によっても違います。
きめ細かな測定をすることを指示しています。
受け入れ側でも測定は必要です。
広域処理をするには放射性物質の量がキチンと監視できなくはなりません。
汚染がれきを処理する課題は大きく3つあります。
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第一は広域処理を進めることができるかどうかです。
国は広域処理を進めることで、がれきの処理は2年から3年で終了できるという見通しを立てています。
広域処理が進まなければ、現地に焼却施設を新設し、処理能力を向上させなくてはなりません。
お金もかかりますし、時間もかかります。
しかし、広域処理を進める場合、放射性物質が含まれたがれきの受け入れに、その地域の住民の納得が得られるかどうかは大きな問題です。
第二は8000ベクレルという数字の意味を理解してもらえるのかどうかです。
がれき処理の受け入れを表明した自治体のなかには、放射性物質の含まれたがれきを受け入れることには絶対に反対だという住民の声に、受け入れが難しくなったとするところも出ています。
がれきの処理はなるべく早く済ませなくてはなりません。
国が説明する安全性について住民の納得が得られるのか。
新たに発足する政府の力量がすぐに発揮されなくては、なりません。
第三は福島県での問題に速やかに方向性を示すことです。
被災地を支援したいという気持ちが強くても、放射性物質が含まれたがれきの受け入れとなると、難しい。
受け入れ先をどうするのか。
簡単には解決できない問題ですが、差し迫った問題でもあります。
まとめ
東京電力福島第一原子力発電所が起こした事故は大量の放射性物質をまき散らしました。
その量はチェルノブイリ原発事故の10分の1とされています。
しかし、広範囲にまき散らされた放射性物質の影響が広がっています。
目に見えない放射性物質は健康や安全は勿論、復興支援などの仕組みにも大きな影響を与えているのです。
(谷田部雅嗣 解説委員)

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