2012年2月10日金曜日

東芝 新型加圧水型原子炉「AP1000TM」 ビルゲイツ テラパワー(TerraPower)」








新型加圧水型原子炉「AP1000TM」の米国における設計認証取得について

2011年12月23日
  当社のグループ会社であるウェスティングハウス社(以下、WEC)は、
このたび、米原子力規制委員会(NRC)から同社の新型加圧水型原子炉「AP1000TM
の設計認証を取得しました。本認証取得により、米国電力会社が「AP1000TM」建設のために、
NRCに提出している建設運転一括許可(COL)申請における
AP1000TM標準設計部分については、NRCにより認証されたことになります。
WECの「AP1000TM」設計認証審査取得は今回で2回目になります。
同社は2006年に設計認証を取得しましたが、
その後NRCより出された飛行機の衝突事故に対する要求等新しい規制要求に対応して
今回設計を見直しました。その結果「AP1000TM」の遮蔽建屋は格納容器を守るため、
従来に比べ強度のある構造となりました。
現在、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて設立されたNRC内の調査チームが、
原子炉の安全性強化に向けた提言を出していますが、そのような状況においても、
付帯条件なしで「AP1000TM」が予定通りに設計認証を得たことは、標準設計部分において、
「AP1000TM」の安全設計がNRCに評価されたものです。
現在、ジョージア州、サウスカロライナ州、フロリダ州に
「AP1000TM」の原子力発電所建設を計画している電力会社は、
その建設のための建設運転一括許可(COL)申請をNRCに提出しており、
今回の設計認証取得はCOL認定に向けての大きな前進となります。
COLが認定され、建設段階に進めば、20以上の州において
材料の調達や労働者の雇用を行うことになります。2基の「AP1000TM」建設により、
米国全体で35,000人以上の雇用が創出され、さらにそれぞれの発電所建設サイトでは
3,000人以上の雇用を生むと言われています。
原子力発電は、エネルギーセキュリティおよび地球環境保護の観点から、
各国における継続した需要が予想されます。当社グループは、
国際的な安全評価及び設備基準の見直し等に対する協力を行い、
新設プラント設計及び既設プラント改良に反映し、安全性のさらなる向上に向けて
不断の取り組みを行っていきます。
ニュースリリースに掲載されている情報(製品の価格/仕様、サービスの内容及びお問い合わせ先など)は、発表日現在の情報です。予告なしに変更されることがありますので、あらかじめご了承ください。最新のお問い合わせ先は、東芝全体のお問い合わせ一覧をご覧下さい。


東芝子会社、米国で新型原子炉の設計認証‎を取得 RSS


2011/12/23 
e_ap1000_1223_004_s.jpg当社のグループ会社であるウェスティングハウス社(以下、WEC)は、このたび、米原子力規制委員会(NRC)から同社の新型加圧水型原子炉「AP1000TM」の設計認証を取得しました。本認証取得により、米国電力会社が「AP1000TM」建設のために、NRCに提出している建設運転一括許可(COL)申請におけるAP1000TM標準設計部分については、NRCにより認証されたことになります。
WECの「AP1000TM」設計認証審査取得は今回で2回目になります。同社は2006年に設計認証を取得しましたが、その後NRCより出された飛行機の衝突事故に対する要求等新しい規制要求に対応して今回設計を見直しました。その結果「AP1000TM」の遮蔽建屋は格納容器を守るため、従来に比べ強度のある構造となりました。
現在、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて設立されたNRC内の調査チームが、原子炉の安全性強化に向けた提言を出していますが、そのような状況においても、付帯条件なしで「AP1000TM」が予定通りに設計認証を得たことは、標準設計部分において、「AP1000TM」の安全設計がNRCに評価されたものです。
現在、ジョージア州、サウスカロライナ州、フロリダ州に「AP1000TM」の原子力発電所建設を計画している電力会社は、その建設のための建設運転一括許可(COL)申請をNRCに提出しており、今回の設計認証取得はCOL認定に向けての大きな前進となります。COLが認定され、建設段階に進めば、20以上の州において材料の調達や労働者の雇用を行うことになります。2基の「AP1000TM」建設により、米国全体で35,000人以上の雇用が創出され、さらにそれぞれの発電所建設サイトでは3,000人以上の雇用を生むと言われています。
原子力発電は、エネルギーセキュリティおよび地球環境保護の観点から、各国における継続した需要が予想されます。当社グループは、国際的な安全評価及び設備基準の見直し等に対する協力を行い、新設プラント設計及び既設プラント改良に反映し、安全性のさらなる向上に向けて不断の取り組みを行っていきます。



都内ホテルで、東芝社長と共同記者会見する米ソフトウエア大手マイクロソフト(Microsoft)のビル・ゲイツ(Bill Gates)会長(当時、2005年6月27日撮影、資料写真)。(c)AFP/Kazuhiro NOGI

東芝、ビル・ゲイツ氏と次世代原子炉開発を検討

  • 2010年03月23日 17:17 発信地:東京




3月23日 AFP】東芝(Toshiba)は23日、米ソフトウエア大手マイクロソフト(Microsoft)創業者のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏の出資する米原子力ベンチャー「テラパワー(TerraPower)」と、次世代小型原子炉を共同開発することについて検討を開始したと発表した。

 日本経済新聞(Nihon Keizai Shimbun)によると、この小型の次世代原子炉は「TWRTraveling-Wave Reactor)」と呼ばれ、燃料に劣化ウランを使用する。現行の軽水炉が数年ごとに燃料交換が必要なのに対して、TWRは燃料交換なしに最長100年間の発電が可能だという。

 テラパワーは米ワシントン(Washington)州を拠点とする専門家グループで、ゲイツ氏が主要株主。小型の原子炉により「エミッションフリー」のエネルギーを供給する方法を研究開発している。

 現行の大規模発電所と異なり、小型原子炉は、市や州単位、または発展途上国などで、より容易に導入することができるとみられる。

 東芝の広報担当者によると、両社は情報交換を開始したばかりで、「開発や投資について具体的に決定した事実はない」という。ゲイツ氏とテラパワーの経営陣は前年、東京近郊の東芝の原子力発電研究施設を訪問していた。

 TWRの開発にはゲイツ氏が私財を投じるとみられ、その額は、日経新聞によれば数十億ドル(数千億円)規模になる可能性もある。(c)AFP

【第9話】夢の原発?_ビル・ゲイツ氏

今回取上げる人物は、マイクロソフト会長のビル・ゲイツ氏。
氏は最近では“アフリカなどの発展途上国向けに安全で衛生的なトイレを普及させるべく、排泄物や汚水を集め保管し、さらに排泄物から再生可能エネルギーや肥料を生み出す新技術に4200万ドル(約33億円)の助成金を出す”と発表して話題を呼んでいます。
(出典:AFPBB News  URL:http://bit.ly/q4fH3H )
そのビル・ゲイツ氏ですが、昨年3月23日の日本経済新聞朝刊1面で『ビル・ゲイツが東芝と組んで「夢の原子炉」を開発』と題したスクープ記事が掲載され注目を浴びました。

Gatsu
ゲイツ、原発挑戦の真相 (日経電子版 2010/3/23記事より一部抜粋)
 (冒頭部分省略)
■東芝事業所、お忍びで視察
自 ら資金支援する原子炉開発のベンチャー企業、米テラパワー(ワシントン州)の幹部ら3人とともに、ゲイツがやってきたのは2009年11月6日だ。東芝会 長の西田厚聡、社長の佐々木則夫と都内で朝食を済ませた後、9時から事業所内を視察した。東芝が開発する小型原子炉「4S」の仕組みについて説明を受け、 最新の試験設備などを見て回った。
訪問の直前。東芝からマイクロソフト日本法人に1本の問い合わせがあった。「ゲイツ会長の食べ物の好みを教えてほしい」。東芝首脳との会食 をセットするためだった。この質問にマイクロソフト日本法人は混乱。11月初めには最高経営責任者(CEO)のスティーブ・バルマーが新型OS(基本ソフ ト)のピーアールなどのために来日予定だったが、ゲイツが来るとは聞かされていない。「人違いでは…」。ゲイツの視察はそれほどの極秘行動だった。
東芝の現場はゲイツの熱心さに驚かされたという。「これは相当、勉強しているな」。案内役をつとめた技術担当者は、原発に関するゲイツの知識の深さに感心したと振り返る。昼食時も雑談は一切なし。話題はずっとエネルギーだった。
午後は場所を京浜事業所(横浜市鶴見区)に移して工場見学。「ワオ!」。原発に使う巨大なタービンなどを前にゲイツは興奮気味だった。視察は夕方4時まで続いた。分刻みのスケジュールで世界各地を飛び回るゲイツが、ひとつの会社で丸1日を過ごすのは極めて異例だ。
東芝とテラパワーが原発技術の情報交換で合意するのに1か月とかからなかった。守秘義務契約は12月1日付。お互いの技術者が日米を行き来しての協業が今後、本格化する。
「夢の原子炉」への執念
テ ラパワーが早ければ2020年代の実用化をめざすのはTWRと呼ぶ原子炉だ。一般の原発では使えない低品位の劣化ウランを燃料とし、一度稼働すると途中の 補給なしで最長100年間の長寿命運転が可能とされる。構造は比較的単純で安全性も高い。長期間の利用に耐えられる材料の確保という課題はあるが、建設、 運用コストが安く済む「夢の原発」といえる。
地球温暖化を防ぐ有力手段として原発は世界的に建設機運が高まっている。テラパワーは出力10万~100万キロワットの原子炉を研究中とみられ、特に小型炉は中国など新興国での需要急増が期待できる。
TWRの基本設計は固まっているが、実用化にこぎつけるには、理論を形にする「もの作り」の能力が欠かせない。その担い手としてゲイツが目 をつけたのが東芝だ。日本勢では最も世界シェアが高いパソコンメーカーであり、マイクロソフトにとっては基本ソフト(OS)の大口顧客。パソコン部門出身 の西田はゲイツと旧知の間柄だ。
東芝が2014年に米国で1号機の着工をめざす小型炉の4Sは、炉心部分をのぞき、「技術の8割がTWRに転用できる」(関係者)。実証用 の原子炉の生産だけでなく、将来の量産委託まで視野に入れれば、「もんじゅ」など原発建設の経験が豊富な東芝はテラパワーにとって魅力的なパートナーとな る。
東芝にとっても悪い話ではない。2006年におよそ6400億円を投じて米原発大手ウエスチングハウスを買収し、半導体と並ぶ事業の柱とし て原発を位置づける。ゲイツ原発にも一枚かめれば事業拡大に弾みがつく。東芝首脳は「いずれゲイツ氏と協力契約を結ぶことになるだろう」と打ち明ける。(後半部分省略)”
これに対し、環境エネルギー政策研究所(ISEP)の飯田哲也氏がご自身のコラムで下記のようにコメントされています。
ビル・ゲイツの「夢の原発」とは?
(2010/4/12  URL:http://www.isep.or.jp/kiji/iida_n_column.html )
『ビル・ゲイツが東芝と組んで「夢の原子炉」を開発』
日本経済新聞の3月23日朝刊で一面を飾ったスクープ記事をご覧になった方は多いと思います。ウィンドウズであれほど成功した同氏が、地球温暖化防止の ために、いよいよ原発開発に乗り出すというこの記事を見て、無邪気に喜んだ人、不安を感じた人、やっぱりと思った人などさまざまでしょう。
ところがこれは、ひと言でいえば、ゲイツ氏の少しはた迷惑な「勘違い」によるもので、まず実現性はなく、あまり心配する必要はなさそうです。
ゲイツの勘違い
ゲイツ氏が資金支援する米原子力ベンチャーのテラパワー(ワシントン州)は、TWRと名付けられた、安く安全で長寿命の「夢の原子炉」を2020年代に実用化を目指しています。日経のスクープの内容は、東芝がその次世代原子炉の開発に協力をするというものです
ゲイツ氏は、この原発開発を念頭に置いて、今年2月の「TED Conference」でも「エネルギー奇跡が必要」という講演をしています。世界一の富豪で途上国の貧困救済を目指すゲイツ氏は、ご承知のとおり、世界最大の慈善財団を通じて、真剣に地球の未来に貢献しようとしているのだと思います。
ところがゲイツ氏は、少なくとも2つの致命的な「勘違い」をしています。
第1に、後述するように、原発は温暖化防止やエネルギー危機に役立ちそうにない こと。
第2に、エネルギー奇跡には、「新技術開発」ではなく「既存技術の普及」が必要ということを理解していないことです。
そのため、ゲイツ氏のTEDで の「エネルギー奇跡」の講演は、米国を代表する環境エネルギー専門家(ジョセフ・ロム氏)からは酷評されています(ビル・ゲイツが「エネルギー奇跡」で間違っていること)
ゲイツ氏自身が、今日のPCやインターネットの革新が、「新技術開発」ではなく「既存技術の普及」によって引き起こされたことを自ら語っているにもかかわらず、温暖化対策では真逆のことを言っているのです。
さらにゲイツ氏は、親友の富豪投資家ウォーレン・バフェット氏とともに、気候破壊と自然破壊で最悪と言われるカナダのオイルサンド採掘現場に「投資マインドを持って」訪問しています(カルガリーヘラルド紙)。また、ゲイツ財団は、これまで温暖化防止にはほとんど関心を示さず、バフェット氏は温暖化防止に反対しています。



花爺のコメント
ビル・ゲイツ氏の次世代原発に関しては、少なからず期待を寄せている方もおられますが、小生としてはビル・ゲイツ氏には原子力ではなく、トイレのイノベーションに注力して、“トイレの神様”として後世に名を残して頂きたいと思う次第です。happy02

オバマ米政権の小型原子炉開発計画、雇用と輸出に寄与も-商務省




2011・2月16日(ブルームバーグ):米商務省は、オバマ政権の新世代小型原子炉を開発する計画が製造業の雇用と輸出の促進につながる可能性があるとの見通しを示した。 
 商務省国際貿易局は16日のリポートで、電力会社が現在使用している原子炉の約3分の1サイズの「小型モジュラー炉(SMR)」の開発は、「米企業と従業員にとって極めて大きい新たな商機」をもたらす可能性があると指摘した。 


  同リポートによると、米国の原子炉の発電能力は通常800-1200メガワット。オバマ米大統領が提出した2012年会計年度(11年10月-12年9月)の予算教書には、東芝傘下の米原子力会社ウェスチングハウス・エレクトリック(WH)や米バブコック・アンド・ウィルコックスなどが小型原子炉を設計し米当局から認可を受けるのを支援する予算6700万ドル(約56億円)が盛り込まれた。小型原子炉の発電能力は300メガワット以下となる。 


東芝は独自の小型原子炉「A4」を開発中、10年代後半に実用化SURU,A4は出力1万ー5万kw、熱の冷却材似液体ナトリウムを使用、
原子炉を小型化、保守管理の費用を減らし、約,30年野長期連続運転が可能になる、
東芝,MS会長のビルゲイツ氏が出資する原発ベンチャーの、米テラパワーとの燃料交換せずに最長、100年運転できる小型の新型原子炉で技術可能性を検討中、


ビル・ゲイツ氏が投資先の米原子力ベンチャーのテラパワー、東芝と提携して開発協議に着手したとされる、次世代原発(TWR)のプレゼン資料がネットでDLできることをTWEITTERで教えてもらい読んでみました。


テラパワー「Nuclear Initiative (2009年4月」
≪主要仕様≫
■燃料は、劣化ウラン(U238、TRUなど含む)
■初期点火にのみ、濃縮又は分裂性ウラン(U235、233、Pu239等)利用
■核反応の種類 
☆核反応サイクルに関しては、上記内容以外の、明確なコメント無
☆「Steady-State Wave」つまり「ゆっくりとした反応の波で燃焼が進む」という主旨のコメント
☆図解では、従来型の、U238→U239→Pu239 では無い様に見える、が、それ以上の具体的コメントはない
☆「いつかは、高速粒子ビーム(高速中性子)のみでいける!」とのコメントもある
⇒最終的には、高速中性子によるU238の直接分裂を利用するプラン可能性もあるのかもしれない。


・初期u235点火で⇒遅め中性子→劣化U→Pu増殖
・ゆっくり反応という点では既存概念でいうところの、CANDLE型、高速増殖炉などに類似します。そうすると


濃縮U→→→→→→→→→→U238(劣化U)→→→Pu239
  (遅い中性子による共鳴吸収)        →U238  
     又は
  (高速中性子)


となるはずですが、このあたりの反応の詳細は明確なコメントはやはりみあたりません。説明本文を読む限りでは、同じにも思えます。
☆劣化ウラン(TRUなど含む)を40~100年分を一度に格納し、濃縮・再処理・燃料サイクル無のワンススルー方式
⇒だから、燃料効率が良く、廃棄物問題を解決できる、との主旨
■制御方法・効果については
・制御棒、装置などはない。
・明確な技術的コメントはないが、恐らくU238の共鳴吸収由来のドップラー効果による自律的な反応制御(つまり、既存出力が高くなると自動的に新規出力がセーブされるという様なイメージ)
■冷却材にナトリウムを使用
・ナトリムのリスク防止策に関しては、具体的技術コメント無
■発電方式は、蒸気タービン方式


≪開発コンセプト、スケジュール≫
☆開発コンセプトとしては、co2削減、事故リスクの削減、クリーンエネルギー開発、廃棄物減量、安全性や、最良技術の選択努力、情報公開など、一通りの「抽象的な努力宣言」はあるが、具体策・技術的裏付けに対する情報、コメント等は無
☆10年以内の実験操業、15年以内の商用炉の操業を目指す。
☆どのプランも、これから、技術的実現可能性の実験、法適合性検証、出力規模サイズの検証、安全性、信頼性、コスト、実現可能性検証が必要、との断りあり。



ビル・ゲイツ財団、途上国向けのトイレに助成金

  • 2011年07月20日 18:49 発信地:ワシントンD.C./米国


英ロンドンで「ワクチンと予防接種のための世界同盟
(Global Alliance for Vaccines and Immunization、GAVI)」
の会議に出席する米ソフトウェア大手マイクロソフト
(Microsoft)創業者のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏
(2011年6月13日撮影、飼料写真)。(c)AFP/BEN STANSALL
【7月20日 AFP】米ソフトウェア大手マイクロソフト(Microsoft)創業者のビル・ゲイツ(Bill Gates)氏が創設した慈善財団ビル・アンド・メリンダ・ゲイツ財団(Bill and Melinda Gates Foundation)が、アフリカで衛生上の大問題となっているトイレの設置事業に巨額の資金援助を行う計画だ。

 同財団によると世界の開発途上国では安全で衛生的なトイレを利用できない人は26億人に上っている。

■衛生的なトイレで下痢の死者を4割減

 ルワンダの首都キガリ(Kigali)で19日開幕したアフリカ衛生会議(AfricaSan)から、電話で取材に応じたゲイツ財団の衛生プログラム担当ディレクター、Frank Rijsberman氏は、アフリカでは大都市でも「下水につながっている水洗トイレ」を使用している人はひと握りだと言う。

「都市で使われているのは、いわば『空飛ぶトイレ』だ。ビニール袋を持って歩き、その中にして道端に捨てる。気持ちも悪いし、子どもたちがその近くで遊び、排泄物との接触から慢性的な下痢を引き起こす。5歳以下の子どもだと、下痢はエイズやマラリアよりも死亡率が高い」

 同氏は、2010年10月に発生し、ことし6月末までに5500人が死亡したハイチでのコレラの流行は、国連(UN)平和維持部隊の排水方法が不適切だったのが原因だったと指摘し、アフリカやその他の発展途上国で衛生的なトイレを増やせば、下痢によって亡くなる人の数は世界で4割ほど減るだろうと述べた。

■1日5セント以下の画期的なトイレを

 ゲイツ財団では、下水道や汚水処理場などに多額の費用がかかる、先進国で一般的な水洗トイレを貧困国で普及させるのは難しいとして、全く新しいトイレを考案する必要があるとしている。

 アフリカ衛生会議の機会をとらえてゲイツ財団では、排泄物や汚水を集め保管し、さらに排泄物から再生可能エネルギーや肥料を生み出す新技術に4200万ドル(約33億円)の助成金を出すと発表した。すでに、水を使用しないトイレやマイクロ波で排泄物から燃料を作るシステムといった案があがっている。

 ゲイツ財団が「新たなトイレ」として挙げている条件は、住民1人当たりのコストが1日5セント(約4円)以下で、設置・使用・維持が簡単なことだ。(c)AFP/Karin Zeitvogel


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