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2012年1月31日火曜日

フクシマの真実と内部被曝  院長の独り言さん







フクシマの真実と内部被曝20120129水俣(2) 投稿者 onodekita


動画で見る炉心溶融


1F-1,1F-3の爆発の違い


Hiroshima Nagasaki Atomic bombing 広島 長崎 原爆投下


Fukushima Day 174- CEREA simulation map shows dispersion of radioactive cesium-137 in North America


Nuage radioactif sur la France


アルカリ金属の性質 空気酸化や水との反応


はだしのゲンから、原爆投下の動画



(時間的に流せなかったが、見て欲しい動画)
【世界の核実験地図】Ctbtomedia 2053ByIsaoHashimotoJapan762


◆関連ブログ
奇形動植物のまとめ2011年08月07日
原発事故を台所で考えてみる・・2011年08月19日
原発と原爆はおなじもの・・橋爪文氏2011年10月02日
はだしのゲンの作者-中沢啓治2011年11月06日
チェルノブイリよりも放出量は多く、世界で初めて大都市が放射能汚染を受けた~NHK海洋汚染から2012年01月17日
放射能と人体(9)ICRPと低線量被曝-科学的に証明する気はない2012年01月09日
熊本でもキメラ植物2011年12月18日
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チェルノブイリ汚染からみるフクシマの地球規模汚染2011年11月12日

◆その他の講演
2012年01月27日
やましろ病院での講演会「フクシマの真実と内部被曝」(2012.1.26)
フクシマの真実と内部被曝 熊本市医師会講演会(2012.1.18)2012年01月19日

肥田舜太郎 内部被曝の恐怖 「何ミリシーベルト以下なら大丈夫」はウソ

内部被曝の恐怖 「何ミリシーベルト以下なら大丈夫」はウソ

― “最後の被爆医師”が語る人体に与える内部被曝の脅威 ―

【解説:内部被曝と外部被曝】
内部被曝と外部被曝では、被曝の仕方が全く異なる。内部被曝では、透過性の低いアルファ線、ベータ線のエネルギーがほとんど体外に逃げることなく、人体に影響を与える。これに対して、外部被曝では透過性の低い放射線は届かず、主に透過性の高いガンマ線で被曝する。体内に摂取した際に危険なのはアルファ線、ベータ線を出す核種である。

◆「年間何ミリシーベルト以下だから大丈夫です」というのは大きなウソ

放射線というのは、人間には見えません。色も臭いもない。見た目には認識できません。
肥田舜太郎
肥田舜太郎氏
私はこれまでずっと広島・長崎で被爆した患者を診続けてきました。原爆のときは、火傷をしたり全身の粘膜から血が噴き出したり、頭髪が抜けるなどの急性症状がありましたが、今回の福島原発の場合は、長期的な「内部被曝」の影響が心配されます。

よく年間何ミリシーベルトだとか、毎時何マイクロシーベルトまでなら大丈夫だとか言われていますが、これは外部被曝の場合のことです。内部被曝というのは外部被曝と違って、放射性物質を体内に取り込んでしまい、1日24時間ずっと被曝し続けるというものです。

その影響は、その人の年齢や健康状態、生活態度、免疫の状態にもよりますし、その症状がいつでてくるかも、誰にもわからないことだからです。医者である私にだってわかりません。個人差があるので「必ず危険」だとも限りませんが、その人が病気になったり死んだりする可能性をアップすることだけは確かです。

日本の政府や学者がついているいちばん大きなウソは、「(外部被曝線量が)年間何ミリシーベルトなら大丈夫です」ということ。内部被曝のことを全く考慮していません。体内に入る放射性物質は「それ以下なら大丈夫」ということはない。少しでも体内に入ったら、長期的に被曝し続ける。微量な被曝であれば大丈夫というのは間違いです。

専門家というのは、政府の責任を隠したり、業界の利益を守ったりするために、ときに意識的にウソをつくことがあります。中には知らなくて言っている人もいますが。正確には、「今は大丈夫です。でも先々は病気になる可能性もありますし、何とも言えません」と言うべきでしょう。

福島原発事故後の例で私が実際に報告を受けたもので言えば、多くは放射線に敏感な子どもに初期の被曝症状が現れています。

下痢が続いて止まらない、しばらくしたら口内炎が出るとか、のどが腫れて痛いとか。多くの母親が心配していたのは子どもの鼻血です。鼻血がずっと続いて止まらない。そのうちに、両親にもそんな症状が出てくる。これは福島に限りません。私のところには、東京や神奈川、静岡などからもこういった相談が寄せられました。

広島・長崎でも、爆心地近くにいて大量の放射線を浴びたわけではないのに、時間がたつにつれて被曝の症状が現れてくる人が数多くいました。こうした長期被曝患者に特徴的だったのは、猛烈な倦怠感があって動けなくなり、働けなくなるという症状を訴える人が多かったことです。集中力がなくなったり下痢が続いたり。本人もどうすればいいのかわからない。勤め先や家族の中でも信用されなくなり、社会的な存在価値を失ってしまう。医学的にはどこも悪くないので、医者にかかると「ノイローゼ」(当時は神経衰弱)と診断されてしまいます。私たちはこれを「原爆ぶらぶら病」と呼んでいますが、この人たちは生きていくのが本当につらかっただろうと思います。

被曝をできるだけ少なくするために、「原発からとにかく遠く逃げろ」とか「汚染されてない食べ物を食べろ」などと言われています。でも、そんなことは誰にでもできるわけではない。

家も仕事も地元の人間関係も放り投げて逃げられる人が、どれだけいるでしょうか。事故がおきて9か月以上経っています。これまで1日3食として800食以上、まったく汚染されていない食べ物を食べ続けている人は少ないでしょう。

遠くに逃げても生活できて、汚染されていない食べ物を調達できるというのはごく一部の人々です。ほとんどの人々は、放射能汚染されたこの日本で生きざるをえない状況になっています。

「被曝をできるだけ少なくするために、『原発からとにかく遠く逃げろ』とか『汚染されてない食べ物を食べろ』などと言われています。でも、遠くに逃げても生活できて、汚染されていない食べ物を調達できるというのはごく一部の人々です。ほとんどの人々は、放射能汚染されたこの日本で生きざるをえない状況になっています」と語るのは、広島市への原爆投下により自身も被爆した医師・肥田舜太郎氏。それでは、今後どうやって放射能から身を守ればよいのだろうか? 肥田氏に聞いた。

*  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *  *

◆放射線に対抗する唯一の方法は、生まれつき持っている免疫力を弱めないこと

私は、「自分で自分の身体を守るしかない」とはっきり言います。特別な方法はありません。「放射線に対する免疫力を弱めないように、健康に生きる」という、この一点につきます。

人間の祖先は40億年前にこの地球上に現れてから、紫外線と放射線でどんどん死んでいきました。奇形もどんどん生まれていった。しかし、長い年月を経て進化を続け、放射線に抵抗できる免疫をつくってきました。その結果、いま紫外線や放射線の影響を受けても、地球上で毎年生まれれる新生児10万人のうち、1人くらいの奇形が生まれるレベルにまで免疫を高められたんです。

ですから、放射線に対抗する手段は、これまでの「動物としての人間の生き方」に学ぶしかない。夜更かしして夜遅くまで遊び回るなんて、せいぜいここ数十年のもの。その前は太陽とともに寝起きしていました。いちばん大事なのは「早寝早起き」です。そうしないと、先祖から引き継いできた免疫力が低下してしまいます。

それから、食べ物の食べ方。日本人の主食はコメですが、よく噛まない人はその8割9割を便として排出してしまっています。これは、口の中で唾液中の酵素ジアスターゼとコメが十分交わらずに腸がうまく吸収できないためです。ですから「食事のときによく噛め」というのは、人間の免疫力を保持するための鉄則なんです。免疫という意味で言えば、味噌や梅干しなど、日本の伝統食品である発酵食品が放射線から守ってくれるというのも頷ける話です。

肥田舜太郎 人間は6つのことしかできません。睡眠、食事、排泄、働く、遊ぶ、セックスです。この一つ一つに、健康に生きていくための法則がある。これは広島・長崎の被爆者を長生きさせるために、被爆者と一緒に研究し、実践してきたことで得た教訓です。誰にどんな影響がでるかわからないからこそ、免疫力を保持し、健康を守って生きるしかないのです。

多くの学者はそのことを言わない。「年間何ミリシーベルトまでなら安全です」と言うだけです。内部被曝を受けていれば、先々は安全かどうかなんて誰にもわからない。彼らは「わからない」ということを認めたくないのです。

◆原爆の長期的な影響は、米国の「軍事機密」として隠されてきた
肥田舜太郎
出征時の肥田氏。’44年に軍医となり広島陸軍病院に赴任、’45年に自らも被曝し、その後被曝者の救助にあたった
日本の医学界は、放射線被爆の長期的な影響をずっと無視してきました。なぜそうなったかと言えば、広島・長崎に原爆が落ちてすぐ、日本が降伏して米国の軍隊が占領し、総司令官が統治を始めました。そして「米国の軍事機密」だとして、原爆の影響について研究したり論文を書いた
り、学会で論議したりすることを禁じたからです。

その後、日米安保条約が結ばれ、米国の「核の傘」に守ってもらうために「被爆の実態は軍事機密」としておかなければならない時代がずっと続きました。ですから、日本人は広島・長崎の原爆による影響として、どんな症状が出て、何人死んだのかという長期的なデータを持たずにきたのです。

日本政府は米国が「してはいけない」と命令したから、何もしなかった。被爆者が苦しんでいるのに、政府はまったくおかまいなしでした。そして占領軍が帰って5年後の1950年に、原子爆弾被爆者の医療に関する法律をつくり、本人が申し出た場合だけ「被爆者手帳」を発行するようになりました。

でもこれは、年に1回無料の健康診断をするというだけのものでした。多くの人にとっては、結婚とか就職とか生命保険に入るときとか、いろいろな場面で被爆者として差別されるようになってしまった。長期被曝の影響を受けたと思われる人が、名乗り出づらい風潮ができてしまったのです。そのうち、日本人は誰も原爆の問題で騒がなくなりました。

ソ連でも、チェルノブイリの患者を精密に調べた医師(バンダジェフスキー博士)が、「放射線の影響で心筋梗塞になりやすい」ということを論文に出しました。すると、政府の「放射線は無害」という方針に反したとして、別の冤罪で捕まって逮捕されるというような時代がありました。ソ連も核兵器を持ち続ける必要があったからです。

福島原発の事故でも、長期的な被曝の影響が心配されます。私が広島・長崎で診てきた症状が、先々に出てくる恐れがあります。

きちんと治療と補償が行われるためにも、「軍事機密」として調査を行わなかったかつての過ちを繰り返してはならない。私たちは政府や東電に徹底した情報公開を求めたうえで、正しい知識と効果的な対処法を身につけていかなければならないと思います。

被爆者健康ハンドブック
被爆者に対して、わかりやすく解説された「被爆者健康ハンドブック」。保険や補償の話から、長生きするための日常生活の心得に至るまで、詳しく書かれている
【肥田舜太郎】
’17年広島生まれ。医師。広島市への原爆投下により自身が被爆、その後被爆者の救援・治療にあたる。臨床体験をふまえて「原爆ぶらぶら病」と呼ばれる症状や、内部被曝、低線量被曝の影響に関する研究にも携わった。

2011年6月30日木曜日


尿から微量の放射性物質 福島市の子供10人から 仏研究所「内部被曝の可能性」

2011.6.30 12:21
 福島県内の保護者らでつくる市民団体「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」などは30日、福島第1原発事故の影響調査のため福島市内の6~16歳の男女10人の尿を検査した結果、全員から微量の放射性物質が検出されたと発表した。
 放射性セシウム134の最大値は8歳の女児で尿1リットル中1・13ベクレル、セシウム137の最大値は7歳男児で同1・30ベクレルだった。
 尿は5月下旬に採取し、チェルノブイリ原発事故で周辺の子供の被ばく量を調査した経験がある、フランスの放射線測定機関「アクロ研究所」に検査を依頼した。
 アクロのデービッド・ボアイエ理事長は記者会見で「福島市周辺の子供らに極めて高い確度で内部被ばくの可能性がある。事故前の数値はゼロだったと考えられる」と話した。
 

2011年6月25日土曜日







6月16日付け『東京新聞』こちら特報部
子に体調異変じわり
 原発50キロ 福島・郡山は今
 大量の鼻血、下痢、倦怠感…
 「放射線と関係不明」

原発から50キロ 福島・郡山では今

 収束の兆しさえ見えない福島第一原発の事故。放射線汚染の範囲は拡大し、避難区域の外側でも、子どもの健康被害を不安視する声が目立ち始めた。しかし体調不良と放射線の関係には分からないことが多い。それだけに親たちは疑心暗鬼で苦しむ。子どもたちを守るために今、できることとは-。 (出田阿生)

 「上の子が一週間くらい毎日大量に鼻血が出続けていたので心配で…。下の子も、時期は違うけれど、やはり一週間くらい鼻血が出て」。思い詰めた表情で母親(39)が、医師に相談していた。

 NPO法人「チェルノブイリへのかけはし」が十二日、福島県郡山市で開いた医師による無料問診会。放射線被害を心配する親子連れ計五十組が参加した。同市は福島第一原発から約五十キロ。

 この親子の場合、震災後いったん埼玉県内に避難したが、三月下旬に郡山市に戻った。すると小学校一年の長女(6つ)が、四月上旬から三週間、鼻血が出続けた。このうち一週間は両方の鼻から大量に出血。耳鼻科で診察を受けたが、「花粉症では」と言われた。「花粉症なんて初めて言われたし、普段は滅多(めった)に鼻血を出さないんですけど…」と母親は言う。長男(2つ)も四月下旬から五月に鼻血を出し続けた。

 診察した小児科医の橋本百合香さんは「放射線被害かどうかは判断できないが、ひとまず小児科で血液検査をして白血球を詳しくみてもらって。記録を残すことが大事」と助言した。
 母親によると、小学校ではクラスの一割が避難していなくなった。次々と児童が転校するので、新入生には出席番号がつけられていない。放射性物質が濃縮されやすい牛乳を給食で出すかどうか、学校ごとに対応が異なる。「うちは保護者の選択制。娘が仲間外れにされたくないというので、今は飲ませてます」

 福島市から四カ月の長女咲空(さくら)ちゃんを連れてきた平中昭一さん(40)は「症状は出ていないが、二十四時間不安で、外出を一切させていない。自衛といってもどうしたらいいのか」と苦悩の表情。生後、他人をほとんど見たことがないという咲空ちゃんは、記者が近づくとおびえた。
 問診会場近くの植え込みで、放射線測定器をかざすと、毎時二・三三マイクロシーベルトの値を示した。地面から離すと一マイクロシーベルト台に下がる。郡山市内の十二日の最大値は一・三八マイクロシーベルト。東京都内で計測された同日の最大値が〇・〇六三五マイクロシーベルト。約二十二倍だ。市内の最大値は三月十五日の八・二六マイクロシーベルトで、五月中旬からは一・三マイクロシーベルト前後で推移している。

 文部科学省では三・八マイクロシーベルトが計測された学校では屋外活動を制限するとしているが、一方で年間の積算線量の子どもの上限値を一ミリシーベルトから二〇ミリシーベルトとしている。これは毎時一・三マイクロシーベルトの場所で一年間暮らせば十分に到達してしまう値でもある。
 「医者や学者も言うことが違い、避難の基準が分からない。飯舘村は一カ月も放射能を浴びさせて、値が低くなってから避難させた。国も県も信用できない」。長男(6つ)を連れた母親(40)は、こう憤る。自宅は新築。避難して経済的にやっていけるのか、何年後に戻れるのか…。費用や子どもの心に与える影響を考えると踏み切れない。

 「放射能を気にする人と、まったく気にしない人に分かれる」と母親は言う。
 対応の差が、家庭や地域での人間関係の不和を生んでいる。「私は避難したい。でも自衛官の夫が『俺が三十キロ圏内に行ってるのに』と取り合わず、夫婦げんかばかり。地元では一時避難した人に『逃げた』と陰口をたたく人もいる」
 問診会には、親自身が体調不良を訴えて訪れる例も。女児(7つ)の父親(38)は「福島県内を車で回って営業をしている。三週間くらい三八度近い微熱が続いて、中耳炎と副鼻腔(びくう)炎になった。今まで風邪ひとつ引いたことがないので不安だが、本社は福島県外で、上司が理解してくれない」。母親(39)は「小学校では今、りんご病(伝染性紅斑)やおたふくなど、冬に流行する伝染病がはやっている。免疫力が落ちることと関係あるのだろうか」と不安げに話した。

 問診会のボランティアスタッフをしていた郡山市の主婦服部美穂さん(37)は「放射能は怖い、とあおるようなことだけは避けたい。でも、原発事故のときは何も知らされず、子どもたちは外で遊んでいた。情報を出す側に頼り過ぎてはいけないと思うようになった」。

 主催団体によると、東京都内や福島県内で計四回開催した問診会では、微熱やのど・鼻の痛み、鼻血、下痢、頭痛、倦怠(けんたい)感、アレルギーの悪化などを訴え、投薬でも治りにくいとの声が多かったという。同団体の野呂美加代表は「極端な不安症に陥っている親は一割くらい。大半は、子どもに普段と明らかに違う体調異変があって連れてきている。放射線被害の症状は、医療機関で『分からない』と言われがち。判断は難しいが、まずは事実としてきちんと記録を残すことが大事」と話す。

<デスクメモ> 「脱原発は集団ヒステリー」とは原子力村の本音だろう。そんなごう慢な意識で選別した「情報」を誰が欲し、信じるか。人は、どれほど厳しい現実であれ真実を知り、その上で進む道を選ぶ権利がある。尊厳にかけて。医師として率直な見解を示した菅谷市長に敬意を表したい。 (充)

http://www.asyura.us/bigdata/up1/source/4837.jpg








6/6 福島県知事に対し福島大学教員有志による「要望書」を提出しました
201166日月曜日

201166


福島県知事 佐藤雄平 殿


荒木田岳(福島大学 准教授)
石田葉月(福島大学 准教授)
井本亮 (福島大学 准教授)
遠藤明子(福島大学 准教授)
熊沢透 (福島大学 准教授)
後藤忍 (福島大学 准教授)
小山良太(福島大学 准教授)
澁澤尚 (福島大学 准教授)
中里見博(福島大学 准教授)
永幡幸司(福島大学 准教授)
村上雄一(福島大学 准教授)
森良次 (福島大学 准教授)


要望書


 この度は、東日本大震災という未曾有の災害のなか、不眠不休で復旧作業をされている知事以下県職員のみなさま方には、心より敬意を表します。震災、津波の被害に加え、福島第一原子力発電所の爆発事故にともなう広域の放射能汚染は、福島県の浜通りのみならず、中通り、さらに会津地方にまで及んでおります。その汚染レベルは、一部の地域を除き、年間被ばく量が20mSvを下回るとされておりますが、本来、公衆の被ばく線量限度は年間1mSvであり、この基準を適用すると、中通りをはじめとする多くの地域について、早急に被ばく線量低減のための手立てを講じる必要があります。
 年間100mSvを下回る、いわゆる低線量被ばくがもたらす健康影響については、専門家のあいだでも意見が分かれています。したがって、行政としては、予防原則に則り、低線量被ばくは危険であるという前提にたち、県民ができるだけ無用な被ばくを避けられるよう諸策を講じることが急務であると思われます。以上を踏まえ、我々は、以下のことを要望します。これらの要望は、一時的には、福島県民に不安を与え、県に対するイメージを悪化させるような内容かもしれません。しかし、被ばくの健康影響を矮小化しようとせず、むしろ、予防原則に則って危険の可能性を公に認め、被ばく線量を低減するための措置を積極的に講じることこそが、県民から信頼され愛される福島県を再び取り戻すための唯一の道であると、我々は確信します。よろしくご検討くださいますようお願い申し上げます。

【要望1】

 福島県は、低線量被ばくの健康影響に詳しい専門家として、次の二つの立場の学識者をそれぞれ放射線健康リスク管理アドバイザーとして招聘してください。

(1)被ばく量が少なくなればリスクは減るものの、どんな低線量でもリスクはゼロでないとする立場 
(2)内部被ばくのリスクを重視し、低線量であっても決してリスクは小さくないとする立場

 この二つの立場は、低線量被ばくの健康影響はほとんどないと主張する現アドバイザーの山下俊一氏、高村昇氏、神谷研二氏とは異なるものです。低線量被ばくの健康影響についての様々な見解を県民に示すことは、県民をいたずらに不安にさせるという懸念があるかもしれません。しかしながら、一面的な情報だけを流し、見せかけの「安心」を作り出しても、長い目でみれば、県民の健康を守ることにつながるとは思えません。低線量被ばくの健康影響に関する専門家の見解は定まっていないという事実がある以上、県民ひとりひとりがその事実を受け止め、考え、議論していかなくてはなりません。そのための下地を作ることは、県行政の重要な役割であるはずです。医療現場におけるセカンド・オピニオンの重要性が指摘されているように、様々な立場のリスク管理アドバイザーに意見を求める機会を県民に与えることは、むしろ、県民の健康を守るうえで有効であると考えます。

【要望2】

 福島県は、県民の被ばくによる長期の健康影響を疫学的に明らかにするために調査検討委員会を発足させ、その座長には、低線量被ばくの健康影響はほとんどないと主張してきた山下俊一氏が就任しました。この人選のプロセス及び根拠を説明してください。

【要望3】

 先の調査検討委員会を含め、今後行われる疫学調査につきましては、研究計画、データ、分析過程を細やかに公表するとともに、調査結果の正当性に対する第三者による評 価体制を整えてください。疫学調査の結果が、仮に、これまで健康リスク管理アドバイ ザーが発言してきた内容と食い違うものになったとしても、その結果が正しく公開され るよう透明性を確保することが重要であると考えます。第三者によるチェック機能により透明性を確保することの重要性については、今回の事故における原子力安全・保安院 や原子力安全委員会の独立性に関する教訓などからも明らかです。 
 なお、長期の疫学調査の必要性は否定しませんが、県民の健康チェックは、何よりも まず、県民の被ばく線量を少しでも低減し、健康を維持するために行われるべきであると、我々は考えます。

【要望4】

福島県は、公衆の被ばく線量が年間1mSv以下に収まることを短・中期的な目標とし、それに基づいた具体的な除染計画(表土の除去、高圧洗浄など)を迅速に作成し、公表してください。
国際放射線防護委員会(ICRP)が福島原発事故を受けて表明したコメントでは、公衆の被ばく線量限度は年間1mSvであり、20mSvはあくまで非常時に暫定的に許容されるレベルであることが示されています。つまり、行政は、子供が長時間過ごす学校などを優先的に除染するのはもちろんのこと、すべての地域に住むすべての住民の被ばく線量が年間1mSvを下回るように努力し続けなければなりません。
ただし、余計な被ばくは少なければ少ないほどよいという観点から、我々は、究極的には、平常時のバックグラウンドの放射線レベルに戻すことが理想であると考えております。県としても、長期的には、医療を除く人工線量をゼロにすることを目標に据え、諸策を講じてください。

【要望5】

福島県は、県民が外部被ばくをどれだけ受けているかチェックできるような体制を早急に整えてください。具体的には、モニタリングポストの拡充、ホットスポットマップの作成、バッジ式線量計の配布、サーベイメータ式線量計の配布または貸与、といった策を迅速に講じてください。

【要望6】

福島県は、県民が内部被ばくをどれだけ受けているかチェックできるような体制を早急に整えてください。具体的には、ホールボディカウンター(WBC)の県内病院への設置及びその支援、ならびに無料検診サービスの整備を、迅速に進めてください。

【要望7】

福島県は、県民が日常生活を送るうえで余計な被ばく(内部、外部とも)を避けることができるように、県民に向けたガイドラインを作成してください。また、被ばくを避けるためのマスク等の日常品を配布してください。



以上


  1. 河野太郎公式サイトより

昨年の文科省調査によると年間20ミリシーベルトは危ない

毎週火曜日に、自民党のシャドウキャビネットの行政刷新・公務員制度改革チームがミーティングをしている。
今日の昼、恒例のマトンカレーを食べながらのミーティングの席上で、副担当の古川俊治参議院議員から、放射線の影響に関する文科省の調査の結果についてのプレゼンテーションがあった。
以下、古川俊治参議院議員のプレゼン内容である。
文部省が委託した財団法人放射線影響協会「原子力発電施設等放射線業務従業者等に係る疫学的調査」(平成22年3月)によると
一、食道がん(p=0.039)、肺がん(p=0.007)、肝臓がん(p=0.025)、非ホジキンリンパ腫(p=0.028)、多発性骨髄腫(p=0.032)で、累積線量とともに有意に増加する傾向が認められる。その増加は累積10-20ミリシーベルトから現れている。
つまり年間20ミリシーベルトどころではなく、累積で10ミリシーベルトからこうしたがんにより、健康に影響が出ているということを、文科省の調査が示している。
二、全悪性新生物の死亡率は、累積線量とともに有意に増加する傾向を示し(p=0.024)、死亡率の増加は、累積10ミリシーベルト以上から認められ(観察死亡数/期待死亡数(O/E比):1.04)、累積20ミリシーベルト以上では、更に高まっている(O/E比:1.08)。
繰り返すが文科省の調査によると、年間10ミリシーベルトではなく、累積して放射線量が10ミリシーベルトを超えたあたりから、がんによる死亡率が増えている。
文科省は、年間20ミリシーベルトを主張してきたが、自らの委託調査は、その数字は安全ではないとしている。
三、白血病を除く全悪性新生物の死亡率も、累積線量とともに有意に増加する傾向を示し(p=0.024)、死亡率の増加は、累積10ミリシーベルト以上から認められ(O/E比:1.04)、累積20ミリシーベルト以上では更に高まっている(O/E比:1.07)。
四、報告書は、異なる対象者について実施した別の調査では、喫煙者(及び喫煙本数1日25本以上の者、年間総喫煙量30パック以上の者)の割合が、累積線量とともに増加していたとしている。
そのため、今回の調査で、食道や肝臓、肺のがんが累積線量とともに有意に増加していたのは、喫煙等の生活習慣が関係している可能性も否定できないと結論づけている。
しかし、1、今回の調査結果を否定し得る根拠となるかどうかについて、何らの統計学的な根拠も示されていない。
2、そもそも喫煙する放射線従業者は、何故被爆量が多いのか疑問がある。(放射線作業現場は喫煙者がより多く被爆するような環境になっているということか?)
3、同様に喫煙によりリスクが上がるはずの心・血管疾患、脳血管疾患、呼吸器系の疾患と肺炎及びインフルエンザでは何れも累積線量とともに有意に増加する傾向は認められておらず、食道や肝臓、肺のがんの増加だけを喫煙の影響とするのは、誠に恣意的である。
4,原子力産業従事者を対象とした15ヵ国国際共同研究結果、及び英国放射線業務従事者研究結果でも、白血病を除く全悪性新生物の死亡率には累積線量と有意な増加傾向が認められている。
15ヵ国国際共同研究論文の著者等は、「白血病を除く全悪性新生物の死亡率と累積線量との有意な増加傾向は、喫煙あるいは他の職業ばく露による交絡の影響の可能性が部分的にはあるかも知れないが、それだけではリスクの増加を説明しきれない」、としている。
5、文部科学省は、学校・校庭等の利用を、年間20ミリシーベルトまで許容範囲としているが、セシウム137(半減期約30年)などの半減期の長い放射線同位元素による汚染も発生しており、累積では20ミリシーベルトを大きく上回る可能性がある。
6、その上、成長期にある子どもたちの放射線感受性は、成人の2-3倍と考えられる。
やはり、年間20ミリシーベルトを子供たちに適用すべきではないのではないか。

2011年6月21日火曜日

福島県内4,400箇所測定データによる年間(2011/3/11-2012/3/11)積算被曝量推定 by AkiraOkumura

AkiraOkumuraさんのブログより








福島県内4,400箇所測定データによる年間(2011/3/11-2012/3/11)積算被曝量推定 by AkiraOkumura
 2未満  2~4  4~6  6~8  8~10  10~12  12~14  14~16  16~18  18~20  20~22  22以上(単位 mSV)

 福島市の時間変動を仮定して推定  南相馬市の時間変動を仮定して推定  いわき市の時間変動を仮定して推定 (どれか1つチェックのこと)
 福島白地図(少しずれてます)  文科省積算線量推定マップ(4/26) 
福島県内 4,400 箇所の放射線量を可視化して、ついでに年間積算被曝量も推定してみた (宇宙線実験の覚え書き) をご本人の許可をいただき、1画面にまとめたものです。
詳細は上記エントリをご覧ください。
ver1.1(2011/5/11) 2010/3/11-2011/3/11 とか書いていて1年間ずれていたのを修正;;
ver1.0(2011/5/06) 最初のリリース
by www.nnistar.com / twitter:@nnistar

読書会に爆破予告? 多様性をめぐり分断深まるアメリカの今 2023年6月27日 LGBTQ アメリカ

  読書会に爆破予告? 多様性をめぐり分断深まるアメリカの今 アメリカ各地で広がっている、ある読書会。 子どもたちに多様性への理解を深めてもらいたい。そんな思いから始まりました。 しかし今、こうした読書会が爆破予告や反対デモで、中止に追い込まれる事態が相次いでいるといいます。 い...