福島原発の周辺住民の内部被ばくを推し量る上で重要なデータがある。
国内の原子力施設にある内部被ばくの測定装置、ホールボディカウンターが国内に40台以上あるとのこと。
このホールボディカウンターで福島に立ち寄った福島以外の原発作業員が、元の職場に戻るために内部被ばくの調査を行ったところ、精密検査を必要とする被ばくレベルの1500cpmを超えた人が4000人以上もいた。
原発作業員は放射線管理区域への立ち入りの際に、ホールボディカウンターで内部被爆の全身測定をするのだそうだ。
彼らは放射線量の高い福島第一原発の復旧作業に携わったわけではなく、福島に立ち寄っただけの人々で、原子力施設での被爆とは基本的に関係ない。従って、周辺住民の被ばくの実態を推測できると柿澤議員は主張している。

彼らの内部被ばくの実態を聞いたらびっくりだ。
原子力保安院の寺坂保安委員長は柿澤衆議院議員の質問に答えている。

体内被ばく、1500cpmを超えた人・・・4956件
このうち、事故発生後に福島県内に立ち寄ったケース・・・4766件
さらにそのうち、10000cpmを超えたケース・・・1193件
2011年5月16日 (月) 衆議院予算委員会 柿澤未途(みんなの党)議員の質問に対する原子力保安院の答弁。




※cpmという単位の意味は1分間に体内から放射される放射線の量を表す。電離放射線障害防止規則は、原子力施設を運用する事業者に対し、原発の放射線管理区域に入る作業員について3か月に1回の検査を行うよう規定している。

医学的に1500cpmを超える内部被ばくをした場合、精密検査を必要とされている。福島に立ち寄っただけで1500cpmの内部被ばくをしてしまった人が4766人もいるとは驚きだが、その25%にあたる1193人もの人が1万cpmの内部被ばくをしていることになり、福島の住民が、これと同じような内部被ばくをしてしまっている可能性があるわけだ。
1500cpmで精密検査を必要とされる内部被ばく量なのに、10000cpmという内部被ばくはかなり危険なのではないか。
ある例では、北陸電力志賀原発(石川県)で働いていた作業員が3月13日に福島県川内村の自宅に戻り、数時間だけ滞在して家族と共に郡山市に1泊して福島県外に出た。
その後、志賀原発でホールボディカウンターで検査を受けたところ5000cpmの内部被ばくが確認されたという。
計画的避難区域において事故後2ヶ月もの間、普通に生活していた住民もたくさんいる。いったいどれほどの内部被ばくをしてしまった可能性があるのか考えると不安で夜も眠れない方もおおいのではないか。
計画的避難区域に限らず、福島市内においても有志が放射線測定器を使って細かく放射線量を測定してみると、毎時20~25マイクロシーベルトを観測した学校もある。
毎時20マイクロシーベルトなら年間175ミリシーベルトに達する。原発の敷地内で175ミリとかという話ならまだわかるが、福島市内でそのような高線量の放射線が測定されているということを問題ないから騒ぐなと言う方が無理がある。
いったいどれほど多くの国民が内部被ばくをしているのか実態がよくわからないが、このような事実から推定すると、1500cpmを超える内部被ばくをしている人はざらにいることになる。
内部被ばくの被害の大きさという観点でみるなら、福島原発事故は既にチェルノブイリを超えているのが実態ではないのだろうか?

予算委員会で、福島原発周辺住民の内部被ばくの追跡調査を行うべきと柿澤議員は政府に要望した。

5月23日、福島県は、福島第一原発事故による周辺住民への放射線の健康への影響を調べるため、15万人以上を対象に、長期間の健康調査をすることを決めた。
健康の追跡調査は警戒区域や計画的避難区域を中心に15万人以上を対象として、今後30年間に渡り、健康への影響を継続的に調査する。

それにしても、これだけの重大な事実をテレビ、新聞などマスコミは積極的に取り上げて国民に知らせようとしないのはなぜか?
衆議院の予算委員会で取り上げられた問題で、原子力保安院も正式に公表されたデータでその信ぴょう性は疑いようもないのに。

福島第一原発の作業員でホールボディカウンターを測定した作業員の中には3万cpmを超える内部被ばくが確認できたケースもあるというが、福島に立ち寄っただけで1万cpmを超えた人が4766人の25%にあたる1193人もの人がいたという事実から推測すると、一般人の内部被ばくの被害は恐ろしいことになっていて不思議はない



50k離れた福島市内で100万ベクレル超/情報を隠蔽 福島県知事


<放射能汚染 福島市内も恐怖>事実なら死の町
東京電力福島第一原子力発電所で最初に水素爆発があった3日後、
原発から約50キロ離れた福島市内の雑草から、
1キログラム当たり100万ベクレルを超える高い放射能が検出されていたことが分かった。
福島県は政府に連絡したが、公表されたのは、翌日に別の場所で測った6千分の1ほど低いデータだけだった。県は「意図的に公表しなかったわけではない」としている。(国も県も公表しなかった事実を認めようとしない。南足柄茶は570ベクレル/キロ当たりで出荷停止となっている。野草の100万ベクレルの現実とは?  100万ベクレルにはセシウムも入っており、まだかなりの超高濃度の放射能が野菜や草や家や土に存在していることになる。野草に降り注いだ大量に降り注いだ放射能を小さな幼児も吸っている。人間が住む場所ではないと思う)(チェルノブイリ原発事故のロシアでは今でも30キロ県内及びキエフにかけ大規模な立入禁止区域を設定している。)
 
 福島県は3月15~16日に第一原発から福島市までの国道沿いや、福島市の県原子力センター福島支所など5地点で、雑草や水道水(上水)、雨水を採取し、放射能を測った。 
 その結果、5地点から採った計七つの試料のうち、ヨウ素が10万ベクレルを超えたのは五つの地点に上った。
川俣町の国道114号と349号の交差点付近の雑草からは、放射性ヨウ素が1キロ当たり123万ベクレル、放射性セシウムが10万9千ベクレル。福島市の国道114号付近の雑草からはヨウ素が119万ベクレル、セシウムが16万9千ベクレル検出された。

しかし、県が当時公表したのは、同支所の水道水から出た放射性ヨウ素の177ベクレル、放射性セシウムの33ベクレルだけだった。
公表を限定した理由について、県は「数値の高低ではなく、直接体内に入る可能性があるため、上水を優先した。それ以外は政府で発表すると思っていた」としている。
(国も県も官庁は情報を隠蔽する体質を大昔から持っている。それが官僚体質) 

 政府の現地対策本部によると、測定結果は、県から報告を受けた同本部がファクスで経済産業省の原子力安全・保安院に連絡している。
3月16日以降の周辺モニタリング結果は、文部科学省が一括して発表する段取りだった。このため、15~16日のデータの発表を県と文部科学省のどちらがするのか、あいまいになっていた可能性があるという。
(逃げ逃げ逃げ、公表しなかった原因などない。公表しなかった事実があるのみである)
<黙殺された飯舘村>
この結果、当時、膨大な量の放射能が人間にも降り注いでいたことが判明するが、30キロ圏外の住民は、無防備のまま放置されていた。国際機関のIAEAが3月31日に飯舘村についても避難指定するよう勧告したにもかかわらず、国も県も無視続け、4月22日になりやっと計画的避難地区に指定、5月15日から住民の避難が開始された。この間、1ヶ月半の間も住民に放射能が降り注いでいた。
30キロ圏外の浪江町の住民も、これまで当紙面に掲載してきたとおり完全に無視されていた。
国会において、原発事故の原因究明と事故後の情報隠蔽責任について特別法廷の開催が望まれるものである。
国も県もレベル7にしたことから、国際的には何が発覚しても恐れるものはないのであろうが、怖いのは放射能に汚染された福島県民・国民一人一人である。
(データ類や県などのコメントは朝日掲載記事を参照)

県、高放射能データ公表せず 

3月、福島市などで検出

2011年6月5日 Asahi.com
東京電力福島第一原子力発電所で最初に水素爆発があった3日後、原発から約50キロ離れた福島市内の雑草から、1キログラム当たり100万ベクレルを超える高い放射能が検出されていたことが分かった。福島県は政府に連絡したが、公表されたのは、翌日に別の場所で測った6千分の1ほど低いデータだけだった。県は「意図的に公表しなかったわけではない」としている。
県は3月15~16日に第一原発から福島市までの国道沿いや、福島市の県原子力センター福島支所など5地点で、雑草や水道水(上水)、雨水を採取し、放射能を測った。
その結果、5地点から採った計七つの試料のうち、ヨウ素が10万ベクレルを超えたのは五つに上った。川俣町の国道114号と349号の交差点付近の雑草からは、放射性ヨウ素が1キロ当たり123万ベクレル、放射性セシウムが10万9千ベクレル。福島市の国道114号付近の雑草からはヨウ素が119万ベクレル、セシウムが16万9千ベクレル検出された。
しかし、県が当時公表したのは、同支所の水道水から出た放射性ヨウ素の177ベクレル、放射性セシウムの33ベクレルだけだった。公表を限定した理由について、県は「数値の高低ではなく、直接体内に入る可能性があるため、上水を優先した。それ以外は政府で発表すると思っていた」としている。
政府の現地対策本部によると、測定結果は、県から報告を受けた同本部がファクスで経済産業省の原子力安全・保安院に連絡している。3月16日以降の周辺モニタリング結果は、文部科学省が一括して発表する段取りだった。このため、15~16日のデータの発表を県と文部科学省のどちらがするのか、あいまいになっていた可能性があるという。
福島市などの雑草から高濃度放射能 原発事故直後

政府の原子力災害現地対策本部と福島県災害対策本部は3日、

福島第1原発事故が発生した直後の3月15日に、
福島市など4カ所で採取した雑草から
1キログラム当たり30万~135万ベクレルと非常に高い放射能を検出しながら、
発表していなかったことを明らかにした。
事故で放出された放射性物質が付着したためとみられる。
食品衛生法による野菜の暫定基準値は放射性ヨウ素が2000ベクレル、

セシウムが500ベクレル(いずれも1キロ当たり)。
付近で栽培された野菜を食べたり農作業を行っていたりすれば、
放射性物質を摂取した危険性もあり、政府や県の情報公開の姿勢が問われそうだ。
最も高かったのは、

福島市立子山でヨウ素119万ベクレル、
セシウム16万9000ベクレルの計135万9000ベクレル。
さらに
川俣町役場近くでヨウ素123万ベクレル、
セシウム10万9000ベクレルの計133万9000ベクレル。
田村市船引町新舘で
ヨウ素86万2000ベクレル、
セシウム10万6000ベクレルの計96万8000ベクレル
同市の
阿武隈高原サービスエリアでヨウ素27万7000ベクレル、
セシウム3万1100ベクレルの30万8100ベクレルを検出した。

 政府と県によると、測定は県原子力センター福島支所が実施

データを政府の原子力災害対策本部に集約し公表するはずだったが、
事故直後の混乱でデータが紛れるなどしたという。
 県原子力安全対策課の小山吉弘課長は「公表されるべきだったが、結果的に抜け落ち、未公表自体にも気付かなかった。大変申し訳ない」と話している。