2011年9月16日金曜日

放射能の単位とその危険性のお話〔前編〕


放射能の大きさには主に、3つのあらわし方があります。

シーベルト(Sv)は、  「放射線が人間のからだに与える影響の強さ(危険度)」。
ベクレル(Bq)  は、   「放射性物質が1秒間に出す放射線の数」。
グレイ(Gy)     は、  「放射性物質の出すエネルギーの合計」。


■ 放射線の場合、体温が0.000239℃上がるくらい浴びると即死


放射性物質が核分裂して、α線、β線、γ線、中性子線を出すとき、

そのエネルギーの総合計を熱量の単位で表したものがグレイ(Gy)です。

放射線を浴びた1kgの物体が1Jの熱を得たときに、1グレイ(Gy)浴びたと言います。


1.基本式

基 本 式:熱 量=比熱×(密度×体積)×温度差Δt

熱量の換算:1 J(ジュール)=2.778×10-7 kWh =2.389×10-4 kcal

1 cal(カロリー)=1.163×10-6 kWh =4.186

 J

熱量のSI単位はJ(ジュール)で表す。従来はcal(カロリー)が用いられており、ここではcalによる計算式も併記する。
電力Wと熱量Jの関係 : 1W=1J/s(毎秒1Jの仕事率)
電力量=電力W×時間 : 電力と、電力が仕事をした時間との積は電力量(電気の仕事量)といい、電力量=熱量として下式 (1)、(2) を得る。


原子力災害特別措置法では、1グレイ(Gy)=1シーベルト(Sv)です。

1グレイ(Gy)浴びるというのは、即死のレベルです。

しかし、このとき人間に与えられた熱量は、体温を0.000239℃上昇させる熱です。

お風呂に入っても、体温が1~2℃上がります。

この人間を死亡させる放射線のエネルギー1グレイ(Gy)と
実際に熱量換算した体温上昇の0.000239℃とのギャップは、
放射線が細胞というミクロの世界を走りぬけ、
その生体構造をめちゃくちゃに破壊するという性格の違いによるものです。

■ 外部被ばくを表すミリシーベルト(mSv)という単位~


一般人の被ばく許容線量は1ミリシーベルト(mSv)

放射能単位の意味

シーベルト(Sv)・ミリシーベルト(mSv)・マイクロシーベルト(μSv)


α線(アルファ線)は、一番危険です。
次にβ線(ベータ線)

放射線が人間に影響を与える危険度がシーベルト(Sv)です。

シーベルト(SV)への換算

 α線(アルファ線)      グレイ(Gy)を20倍する
β線(ベータ線)         グレイ(Gy)を5倍から10倍する―これを1倍とする学者が多い。
γ線(ガンマ線)・X線    グレイ(Gy)と同じ(1倍)
  中性子線            グレイ(Gy)の5倍から20倍



つまり、

α線(アルファ線)は、20倍の危険度で考えているのが、シーベルト(Sv)という単位です。

この単位系には、3つの単位があります。
シーベルト(Sv)と
ミリシーベルト(mSv)と
マイクロシーベルト(μSv)です。
最後のマイクロシーベルト(μSv)は普通、マイクロシーベルト毎時(μSv/h)と、
1時間あたりの放射線量で使います。

この3つの違いを理解することが放射線の危険性を理解することにつながります。
シーベルト(Sv)からミリシーベルト(mSv)への単位は1000分の1。
1ミリシーベルト(mSv)から1μSv(マイクロシーベルト)へも1000分の1です。
つまり、1シーベルト(Sv)   =1000ミリシーベルト(mSv)
1ミリシーベルト(mSv)=1000μSv(マイクロシーベルト)
です。

そして、3つの単位の意味を知ることも大事です。
1シーベルト(Sv)は即死の単位です。
     正確には、
      2シーベルト(Sv)で5%即死、
      4シーベルト(Sv)で50%、
      8シーベルト(Sv)で100%即死です。

1ミリシーベルト(mSv)は一般人の被ばく年間許容線量です。
    これは安全な数値ではありません。
    それが1ミリシーベルト(mSv)浴びると、1万人に1人~4人のがん死が増えるレベルです。

1マイクロシーベルト毎時(μSv/h)は、
    福島第一原発が3月12日から3月15日にかけて、
    1号機~4号機まで爆発を起こした後、
    3月15日に埼玉県さいたま市で観測した値です。
    埼玉県衛生研究所のモニタリングポスト(地上18m)が3月15日午前11時に
    観測史上最大の1.22μSv/h (マイクロシーベルト毎時)を記録しています。
    これは異常な値で、もしこのまま1年間続くとすると、年間10ミリシーベルト(mSv)に相当します。

      1.22μSv/h × 24時間 × 365日 = 10,512μSv


3月15日は地表では、だいたい3時間くらい1.0μSv/h (
マイクロシーベルト毎時)を超えていたと言われます。
放射線測定量
埼玉県川口市A中学校大気中の放射線量=2011年3月15日測定量により筆者作成

■ 0.16マイクロシーベルト毎時(μSv/h)を超えると
年間被ばくが1ミリシーベルト(mSv)を超える


1時間あたりの空間放射線量(マイクロシーベルト毎時 μSv/h)から、
年間の被ばく線量(ミリシーベルトmSv)を計算する方法は、

×24時間×365日=×8760です。

8、7、6と1ずつ数字が下がっていき最後に0をつける、という覚え方もあります。

概算として、簡単に「9000倍する」という方がわかりやすいと思います。

埼玉県さいたま市で、現在通常観測される値は、屋外で0.10~0.18ぐらいです。

これは、
福島原発事故が起きるまでの数値

0.03~0.06マイクロシーベルト毎時(μSv/h)から比べると、

約2倍から3倍の数値です。

常に放射性物質が上から降ってくる状態と言えます。
もともとある自然放射線を0.05マイクロシーベルト毎時(μSv/h)とすると、

0.16マイクロシーベルト毎時(μSv/h)を1年間浴びると、
もう一般人の年間被ばく許容線量の1ミリシーベルト(mSv)に達します。

0.16-0.05(自然放射線 バック・グラウンドと言います)=0.11

0.11×9000=990 マイクロシーベルト(μSv) 

⇒0.99ミリシーベルト(mSv)≒1ミリシーベルト(mSv)

もし、あなたの街の空間放射線量が0.27マイクロシーベルト毎時(μSv/h)だったら、

年間の被ばく放射線量は2ミリシーベルト(mSv)になります。

0.38マイクロシーベルト毎時(μSv/h)なら、3ミリシーベルト(mSv)に、
0.49マイクロシーベルト毎時(μSv/h)なら、4ミリシーベルト(mSv)に、
0.60マイクロシーベルト毎時(μSv/h)なら、年間被ばく放射線量は5ミリシーベルト(mSv)
になります。

フランスの民間団体IRSNは、
「年間被ばく放射線量が5ミリシーベルト(mSv)の地域である、
福島県全域・宮城県南部・茨城県北部の人々を避難させよ」と呼びかけています。

もし、あなたの街が0.60マイクロシーベルト毎時(μSv/h)になったら、
真剣に居住地を変えることを考えなくてはいけないと思います。                 
【川根眞也】
市民の外部被ばくレベル
文科省のSPEEDIを元にIRSNが作成した被ばく地図(日本語訳=真下俊樹・地名と見出し、凡例=川根眞也)
 放射能の単位とその危険性のお話〔後編〕
Categories: くらし文化

■ α線(アルファ線)を出すウラン・プルトニウム

 放射性物質は、ほっておくと、その原子核が分裂します。
これを自己崩壊と言います。
ウランやプルトニウムは自己崩壊して、
そのときにα線(アルファ線)を出します。

これは、陽子2個と中性子2個がくっついたヘリウムの原子核と同じものです。
アルファ線はたった紙1枚で防ぐことができます。

 しかし、これはα線が人体に入ると一番危険だということです。
一番近くの細胞にα線を当ててそのエネルギーを全て失い、
同時にその細胞を殺すか、がん細胞に変える力が一番大きい放射線だからです。

 ウランやプルトニウムは空気中で燃えやすく、
酸化ウラン・酸化プルトニウムの微粒子となって空気中を飛びます。
この粒子は非常に小さいもので、何10kmと飛び、
人間が吸い込むと肺の中の非常に細かな気管支、そして、肺胞にまで入っていきます。

ウランは、
癌・白血病、先天性の奇形・異常、そしてその他全身にわたる様々な疾病・障害を引き起こします
呼吸によって体内に入ったプルトニウムは肺がんを引き起こします

また、
水に溶けるプルトニウムは食べ物や水を通して、
胃腸からからだに入り、おもに骨にたまって、白血病の原因となります。

  内部被ばくで怖いのはウラン・プルトニウムだと言われるのは、このためです。
長崎原爆の原料はプルトニウムでした。
半減期2万4000年のプルトニウム239は、今も長崎市西山地区で検出されています。
市民の外部被ばくレベル
文科省のSPEEDIを元にIRSNが作成した被ばく地図(日本語訳=真下俊樹・地名と見出し、凡例=川根眞也)

 β線(ベータ線)を出すヨウ素131・セシウム134・セシウム137

 放射性ヨウ素131や、放射性のセシウム134セシウム137
β線(ベータ線)を出して崩壊します。
い金属(アルミニウムなど)や木で防ぐことができます。

 しかし、このβ線はα線についで危険な放射線で、
体内に入るとその周辺の細胞にβ線をあてて、
そのエネルギーを失いながら細胞を殺すか、
あるいは傷つける、またはがん細胞に変えます。

ヨウ素131は半減期8日です。
つまり、
最初ヨウ素131が100個あったとしたら、
8日目で50個になります。16日経つと更にその半分の25個に。

 100個⇒50個⇒25個⇒12.5個⇒6.25個⇒3.12個⇒1.56個⇒0.78個(⇒は半減期)

 つまり、7半減期(8日間×7=56日)経つと、
100個あった放射性ヨウ素131は、100分の1以下になります。

しかし、その56日間、ヨウ素131は集中的にβ線を出し続ける
ということでもあります。
ヨウ素は甲状腺ホルモンをつくる物質なので、
人間のからだは放射性ヨウ素だと知らずに、
甲状腺にためこんでしまいます。
このヨウ素131を吸ったり、水道水や食べ物からからだの中に取り入れたりすると、
甲状腺がんを引き起こす可能性が高くなります。
空間放射線量
空間放射線量=2011年3月15日 埼玉県川口市A中学校にて筆者測定

■X線・CTスキャンも安全ではない~日本人のがん死の4.4%は放射線検査によるもの
 放射性物質が出す放射線には、γ線(ガンマ線)という電磁波もあります。
X線やCTスキャンの放射線はこのγ線です。
これは、コンクリートの壁でやっと止まるくらい、透過力があります。
なので、肺がんや脳血栓の検査に使われる、X線やCTスキャンに利用されています。

 新聞やテレビに出てくる放射線の専門家はよくX線やCTスキャンと比べて、
「だから、これくらいの放射線は大丈夫」と言います。本当にそうでしょうか?

 X線を年に何度も浴びたり、
同じ部位のCTスキャンを数年間に渡って何度も取ったりすることは、
その部位の発ガンリスクを非常に高めます。

エジソンはX線画像を見ることができるX線透視装置を発明しましたが(1896年)、
その実験台に助手のC.ダリーを使いました。
ダリーは実験のために、両手、両足に何度もX線を浴びました。
彼は、皮膚がんを発病し、結局手術で両手両足を切断後、がんが原因で死にました。

エジソンは
「X線が私の助手のダリー氏に有害な影響を与えた・・・」
と気づいて、すべてのX線の研究をやめました。
その後、学会は、X線の量を少なくし、X線技師が年間に浴びてもいい被ばく線量を決め、
X線をとるときはX線技師は鉛の部屋に避難することが義務づけられるようになるのです。

 日本人はヨーロッパの多くの国の人々に比べ、
X線・CTスキャンの受診率が非常に高いです。
イギリスの7倍もの頻度です。

日本のすべてのがん死のうち、4.4%はこのγ線による検査(X線・CTスキャン)によるもの」 
というイギリスの報告(A・べリングトン 2004年 『医療用X線による発ガンリスク』)もあります。
X線検査やCTスキャンは本来、肺がんが疑われる人、
脳の血栓ができている兆候がある人が受けるべきものであり、
人間ドッグで健康な人が受けるべき検査ではありません。
朝日新聞2011年5月19日 より
「牧草汚染 刈取り保管を「朝日新聞」2011年5月19日 より

 ■ 旧ソ連よりもひどい日本の放射能安全基準~放射能汚染食品に注意しましょう

 1ミリシーベルト(mSv)などは、
体の外から放射線を浴びる外部被ばくと呼ばれる放射線の影響です。
ところが、
いわゆる「放射線防護の専門家」が
ほうれん草の放射能汚染のレベル(ベクレル毎キログラム)を、
このミリシーベルトに換算して、
「これくらいのほうれん草なら、1日100g毎日食べても大丈夫」などと言っていますが、
これはでたらめです。

体の内部から放射線を出す状態の方が危険なので、
外部被ばくの基準である、年間1ミリシーベルト(mSv)までは安全ということはありません。

プルトニウム239の場合は、許容限度は4000万分の1グラムです。

放射性核種によって、
内部被ばくの影響度はまったく違います。

 日本の内部被ばく放射線許容線量に関係する飲料水や食品の規制値は
福島第一原発事故後の3月17日厚生労働省によって勝手に引き上げられました。

飲料水は、
事故前10ベクレル毎キロ(Bq/kg)だったのが、
乳幼児100ベクレル毎キロ(Bq/kg)、
大人300ベクレル毎キロ(Bq/kg)に。
牛乳については、
事故前のチェルノブイリ原発事故際、
放射能汚染の輸入食品の基準値が
20ベクレル毎キロ(Bq/kg)だったのが、
200ベクレル毎キロ(Bq/kg)になっています。
野菜・魚・肉については同じく
輸入食品の基準値が370ベクレル毎キロ(Bq/kg)だったのが、
500ベクレル毎キロ(Bq/kg)になっています。

 一方、チェルノブイリ原発事故があった
ウクライナでの規制値は、
乳幼児用飲料水40ベクレル毎キロ(Bq/kg)、
牛乳100ベクレル毎キロ(Bq/kg)、
野菜40ベクレル毎キロ(Bq/kg)、
魚・肉は100~150ベクレル毎キロ(Bq/kg)です。 

ちなみに、
ドイツは
幼児・若者について特別に定めていて、
その規制値はすべて4ベクレル毎キロ(Bq/kg)です。

 日本の安全基準は旧ソ連よりもひどい、ということです。
放射能汚染された食品は体内に蓄積していき、発ガンリスクを高めます。
汚染された地域の食品を日本政府は全部買い上げて、
幼児や若い世代には、
特別の安全な食べ物を提供する責任があります。

 セシウム137の半減期は30年。
つまり、
7半減期で100分の1に減ると考えると、30年×7=210年。

100ベクレル毎平方メートル(Bq/m2)汚染された土があったとすると、
その放射能が100分の1の1ベクレルベクレル毎平方メートル(Bq/m2)になるには、
210年かかるということです。
その土地で作られた野菜は放射性セシウムを取り込むことになります。
福島を中心とする広範囲の土地の放射性物質の調査を徹底的に行い、
土壌改良をする必要があります。
 未来を汚染する原発。人間と生物は原発と共存できません。【2011年6月16日記=川根眞也】
つまり、アルファ線(プルトニウム)やベータ線(ストロン チウム90)を直接DNAに照射し
8月26日(木)『安全なお米を給食に』衆議院内集会 増田麗奈(いのちを守る お母さん全国ネット) 藤波心(脱原発アイドル) 藤内  川根眞也(中学理科教員 ) Ustreamでそのようすが動画を見られます。
1時間58分くらいから、川根が吠えてま す。
ブレンド米に汚染米が混ぜされてしまうのではないか。
きちんと0.1ベクレル/ kgまで測定し、公表してほしい。
毎日食べるものは4ベクレル/kgを、と。 

「110826 子供たち内部被ばくゼロ緊急院内集会」 http://www.ustream.tv/recorded/16878593 
<写真1> 脱原発アイドル 藤波心さんと川根 
<写真2> 2011年8月26日読売新聞 朝刊 埼玉県版 川根の頭が写っています  
2011年8月25日埼玉県危機管理室  さて、本題です。

8月25日、全頭検査するとして出荷停止になっていた、
福島、岩手 、栃木の肉牛が出荷停止解除になり、
政府の暫定規制値500ベクレル/kg以下であれば 、
スーパーや肉屋さんの店頭、学校給食に出ることになりました。  
埼玉県のホームページにはこう書いてあります。
牛肉を食べても安全だったと言って います。 
「本県で、
これまでに検出された
放射性セシウム最大値1,568ベクレル/kgの牛肉を200g 食べた場合の人体への影響は、
約0.005ミリシーベルトとなります。
(胸のX線検診の被 ばく量 約0.05ミリシーベルトの10分の1) 
国の定める暫定規制値は、
食品の全体から 
セシウムの被ばくが年間5ミリシーベルトを超えないようにする考え方です。
この肉を 2か月間(1日200g)食べ続けた場合の被曝量は0.3ミリシーベルトで、
1年間に一般の 人が受けても良い線量限度(1ミリシーベルト)より低く、
体への影響は心配ありませ ん。」  

まず、
こういう「健康への影響はありません」という計算はすべて、
放射線医学総合 研究所がやっています。

彼らが政府や厚生労働省、文科省、農林水産省に基準を指示し ているのです。

上の文章で、
放射線医学総合研究所の根本的な誤りは3つあります。 

① 胸のX線とセシウム137の食べ物による摂取とをごっちゃにしている。
  胸のX線検診 は「外部被曝」。セシウム137の食べ物による摂取は「内部被曝」。     欧州放射線リスク委員会(ECRR)議長クリス・バズビー氏が
  暖炉にたとえて説明しま すが、
  木炭の暖炉にあたって体をあたためているのと、
  その燃えている炭を口に放り込 むのとを一緒にしているのが、
  放射線医学総合研究所の考え方。上記の埼玉県の考え方 です。  
 
 ② 放射線医学総合研究所の立場は、
  「外部被曝」:「内部被曝」=1:1としていま す。
   実際には、「内部被曝」の影響は、
   外部被曝の少なくとも300倍以上の影響があ ると言われています。
   それは、たった年間外部被曝線量1ミリシーベルト(mSv)の地 域で
   ガンの発生が30%も増大したことが示しているとおりです
  (チェルノブイリ原発事 故の際のイギリス、
   ウェールズのストロンチウム90による汚染)。
  つまり、
   問題なのは 、
   何ベクレル/kgかだけでなく、その放射性物質が何?であって、
   体のどこに蓄積する か?ということであって、
   プルトニウムやストロンチウム90は
   ほんのわずかでも発がん リスクを高めるのです。
   そして、
   このプルトニウムとストロンチウム90はDNAに結合す ることがわかっています
   
  つまり、
   アルファ線(プルトニウム)やベータ線(ストロン チウム90)を
   直接DNAに照射し、DNAを切断、異常結合を生み出します。
   放射線医学総合 研究所や国際放射線防護委員会(ICRP)は
   こうしたゲノム科学の成果を一切無視してい ます。 
   <写真3> 矢ヶ﨑克馬 琉球大名誉教授 ガンマ線とアルファ線のDNA切断の違い  
③ 放射線医学総合研究所は、
  チェルノブイリ原発事故以降の
  ベラルーシ共和国やウク ライナ共和国における
  セシウム137の体内の蓄積によるさまざまな健康被害をまったく 無視しています。
  セシウム137で汚染された牛肉をどんなに食べても、
  何ミリシーベル ト(mSv)にしかならないから、健康に影響ない、
  と言っています。
  彼らの計算は
  体全 体にセシウム137が平均的に広がることを前提に計算されたものです。
  人間は肉のかた まわりではありません。
  しかし、実際はセシウムは膀胱にたまり、
  「チェルノブイリ膀 胱炎」を引き起こしたり、
  脳に蓄積して左脳の細胞を破壊し、知能低下をもたらすこと 、
  心臓に蓄積して心筋梗塞を引き起こすこと、
  などの健康被害を引き起こします。
   Vol.41 “チェルノブイリ膀胱炎”―長期のセシウム137低線量被曝の危険性
   児玉龍彦 東京大学先端科学技術研究センターシステム生物医学ラボラトリー 
  (兼任:東京大学アイソトープ総合センター長)
    http://plusi.info/wp-content/uploads/2011/08/Vol.41.pdf 
   これから子供たちに起きること 被曝は何をもやらすのか-知能の低下、
   左脳に損傷 
   (週刊現代 2011年7月16日・23日合併号)
    コンスタンチン・ロガノフスキー ウクライナ医学アカデミー
    放射線医学研究センター
     http://www.globe-walkers.com/ohno/interview/loganovski.html  
   政府の暫定規制値が500ベクレル/kgですから、
   480ベクレル/kgの牛肉が商品として 売られ、
   学校給食に出ることも当然あります。
   牛肉を使うべきではありません。  
   そして、前号(14)で書いたように、
   高濃度にセシウム137汚染された稲わらを食 べて、
   牛は体内をセシウム137汚染してしまいました。
   実は、牛の飼料になった稲わら は約1割であり、
   残りの9割は田んぼにすき込んで肥料にしてしまっています。
   秋田県、 福島県、宮城県、茨城県、栃木県、千葉県などの
   穀倉地帯のうちかなりの部分がセシウ ム汚染されてしまいました。  
 
白米への移行係数は0.16です。
つまり、
土壌が1000ベクレル/kgセシウムで汚染され ているとすると、    
   1000×0.16=1.6ベクレル/kg の白米ができるということです。  
ところが、土壌が10000(1万)ベクレル/kg汚染されている場合、
    10000×0.16=16ベクレル/kg の白米ができます。  
こうしたお米は妊婦や幼児、子ども、青年に食べさせるべきではありません。
筑波大 学の末木啓介准教授が調べた土壌のセシウム汚染マップをもう一度掲載します。
この地 図で、
濃いオレンジ色で作れられたお米は16ベクレル/kgを超える可能性があります。
   つまり、

アルファ線(プルトニウム)や

<写真4> セシウム137、134の土壌汚染 筑波大学 末木啓介准教授作成

<写真5> 土壌(1kg)あたりからのセシウム137のお米への移行係数

農家の方がたが非常に苦しい思いをしています。
ただし、政府の暫定規制値500ベク レル/kgですから、
出荷制限を受けることなく売れるはず。
しかし、市民が買わないと いう事態が発生します。
東電はすべての農家の補償をすべきです。  
もはや、消費者だけが我が物顔に商品を選んでいる時代は終わりました。
生産者と消 費者が直接結びつき、信頼できる関係を築きあげなければ、
安全な食べ物を手に入れる ことができなくなりました。
生産者が独自に行う
自主規制(たとえば、1.66ベクレ ル/kg以下)を応援するだけでなく、
高濃度の汚染されたお米が出てしまったところが あるところでは、
農家を物質的にも精神的にも支える必要があります。

被災地の野菜、米を食べようという運動を私は否定します。
しかし、一時的に消費者 があえて、汚染された野菜、米を買い、
東京電力に買い上げさせることもあってはいい のではないでしょうか?
消費者が直接、東電の損害賠償請求することがあってもいいと 思います。

海の汚染も進んでいます。政府はまったく対策をとっていません。
海流の流れを分析し 、
海底の汚染度、
予想される海水の汚染度を早急に調べるべきです。
そして、明らかに 危険な区域では、漁業の漁獲禁止区域を設けるできです。

<写真6> 魚の種類とセシウム137の濃縮係数の目安 AERA 2011年7月18日号

連絡が遅れましたが、
本日、夜、「内部被ばくを考える市民研究会」を発足させます 。
みなさんのご支援、ご協力、ご参加をお待ちしています。

「内部被ばくを考える市民研究会」の発足集会
日時:8月29日(月)夜19:00~20:30
場所:JR浦和駅東口前 浦和PARCO10階 浦和コミュニティーセンター第14集会室
問い合わせ:川根眞也 080-3086-1417(さいたま市立三室中学校教員)
E-mail  shinyakawane.ceaf@nifty.com

※ 内部被ばくについて、自主的に学習し、
周りの方々に広めていくための会を作りま す。
政府の食品の暫定規制値500ベクレル/kgの撤回をもとめていきます。
ビキニ事 件の際の
「原爆マグロ」の廃棄処分の基準(=約1.66ベクレル/kg)を基準に
食品 を提供しようという生産者を紹介します
学校をいくつかまとめたグループと自主規制 をする生産者とを結びつける関係を作り、
安全な学校給食を実現させます。この会はそ ういう会です。
「一肌脱ごう!」という方はご参加ください。
以上   

内部被ばくを考える市民研究会(準)    川根 眞也
自宅   埼玉県川口市西川口3-12-10大和ハイツ301号 〒332-0021
TEL 048-255-6106
FAX 048-255-6106
MOBIL 080-3086-1417
E-mail  shinyakawane.ceaf@nifty.com
勤務先  さいたま市立三室中学校
埼玉県さいたま市緑区馬場1-38-2  〒336-0912
電話 048-874-2331
FAX 048-810-1125

<写真1> 脱原発アイドル 藤波心さんと川根
<写真2> 2011年8月26日読売新聞 朝刊 埼玉県版 川根の頭が写っています

<写真3> 矢ヶ﨑克馬 琉球大名誉教授 ガンマ線とアルファ線のDNA切断の違い
<写真4> セシウム137、134の土壌汚染 筑波大学 末木啓介准教授作成
<写真5> 土壌(1kg)あたりからのセシウム137のお米への移行係数
<写真5> 土壌(1kg)あたりからのセシウム137のお米への移行係数
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