フランス南部の核関連施設で爆発 1人死亡、4人負傷
フランス南部のマルクール原子力施設にある低レベル放射性廃棄物処理・調整センターで12日午前11時45分(日本時間午後6時45分)ごろ、爆発があり、1人が死亡、4人が負傷した。仏原子力安全機関(ASN)は原因を調べる一方で、放射能漏れはないとして同日午後に収束を宣言した。
マルクールは南部の都市アビニョンから30キロ離れたガール県にあり、多くの原子力関連施設が集まっている区域。爆発があったセンターはこの中にある仏電力公社の子会社が運営する施設。フランス原子力庁によると、低レベルまたは非常に低レベルの放射性廃棄物を処理する溶融炉という。直後に火事が起きたが、すぐに鎮火したという。
ASNは朝日新聞の電話取材に「事故で負傷した4人は被曝(ひばく)していない。施設の内部と外部に放射性物質による汚染はない」と説明し、13日にも調査を担当する査察官を現地に派遣する考えを明らかにした。仏政府は、政権ナンバー4で原発問題に詳しいコシウスコモリゼ・エコロジー担当相を現地に派遣した。
AFP通信によると、この施設の近くでは、仏原子力大手アレバが核兵器から抽出したプルトニウムを使い、プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を製造している。一帯に稼働中の原発はない。
仏内務省によると、事故時に施設にいた従業員に対し、待機や避難の命令は出していないとしている。ただ、地元紙(電子版)によると、警察は施設の一帯の立ち入りを一時禁止した。
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