2011年9月13日火曜日

尿からセシウムが検出された子供たちのその後

一回目の尿検査でセシウムが検出された子供たちが、3ヵ月後に二回目の尿検査を受けた
藍原氏の話は、あちこちワープしてしまうため、動画に忠実に文字起こしをしていません。管理人の方で、理解しやすさを優先して、前後の話をまとめて、再編集しています。

動画の0033:50から文字起こし。

藍原:
今年5月に、(福島県の)10人の子供の尿を検査したところ、セシウムが検出されたことは、vdeonews.comで報告したんですけれど、この同じ10人の子供たちが再び、尿検査を受けました。

ただ、今回は、前回の検査のときの10人に加えて、新たに別の子供5人が検査に加わって15人の検査が行われ、その結果が出ました、という報告です。

これは福島老朽原発を考える会「放射能測定プロジェクト」の青木さんとか、子供たちを放射能から守る福島ネットワーク、略称「子供福島」というんですが、そのお母さんたちが協力して毎回やっているんですが、今回はその二回目です。

この10人の子供のうち、9人の子供は前回と比べてセシウムの検出の値が、20~70%以上低くなったんです。前回のセシウム検査のときより、2~7割、数値が下がったということです。

ところが、たった一人ですが、ほぼ横ばいか、前回より微増の数値が出たという子供が出ました。

また、今回、新たに加わった5人のうちの一人の男子高校生なんですけれども、今回の全部で15人のうち、最高の数値を示したのです。

どういった理由で、こうした数値が出たのか、福島老朽原発を考える会や子供福島の団体が考えたところ、今回の検査で前回の数値より下がったという9人は何をしたかというと、山形県、北海道、宮城県など他県に避難していたり、一時的に、福島県を離れて過ごしたという子供たちなんです。

神保:
追加被曝がほとんどなかったということですね。

藍原:
そうです。追加被曝を避けるような行動を取っていたと。

まあ、水とか飲食に気をつけたり、マスクを着けたり…。

一回目の検査の結果は、その10人の子供たちにも知らされており、「やっぱり内部被曝していたんだ」ということで衝撃を受けて、それまでの食生活や生活習慣など、あるいは行動範囲なんかにも気をつけて継続的に内部被曝をしないような方法を取ったということです。

一人だけ横ばい、もしくは微増の子供は、福島県内産の野菜をよく食べていたということが親から報告されています。
この子は他県に避難した他の9人と違って、福島県内にとどまっていて県内の野菜をよく食べていたということです。

(管理人:
NHKスペシャで、大塚元厚労副大臣は「野菜の放射能検査は、検査体制が追いつかないので、規制値を超えた野菜の流通を完全に止められてはいない」と、野菜の安全性を否定しています


あと、この子は、文化部の部活に入っているんですが、学校の近くの側溝から被曝したんではないかと、親御さんは、この子の暮らしぶりを振り返って見て、そう言っていました。

神保:
部活の教室の窓を開けていて、そのときに側溝に溜まっていた放射性物質が風に舞って教室内に入ってきたのかもしれませんね。

内部被曝ですから、側溝のそばにいるだけでは、そのときは外部被曝しますが、内部被曝はしませんものね。

でも県内にいた子供は、前回の検査のときから下がっていなくて、県外に出ていた子供は下がったということが顕著に出てしまったということですね。

(体内のセシウムの値が)下がったということについては、崎山先生矢ヶ崎先生のときもやりましたけど、物理学的半減期と生物学的半減期があって、時間が経つと少しずつ体外に出て行くと。

ただし、ストロンチウムのような核種は骨に蓄積されてしまうので、なかなか出て行きませんけど。

そうでないと、数値が下がったということの説明がつきませんものね。

藍原:
矢ヶ崎先生もおっしゃられていたように、半減期が短いということは、崩壊が短期間で集中的に行われるということなので、子供に対する影響というのは、特に内部被曝に関しては、二度目に検査して数値が下がったからといって、影響が少なかった、ということは決して言えない、ということです。

神保:
しかも、これは尿から出た分を計っているだけですから、体内に(放射性物質が)どれだけ残っているかがわかるわけではない、ということですね。必ずしも、全部が尿で出て行くわけではないわけですから。

藍原:
そうですね。

それで、この検査で大事なことを言っておきたいのですけれど、今回の15人のうち、いちばん数値が高かった男子高校生ですが、セシウム134は1.82ベクレル/リットル、セシウム137が1.65ベクレル/リットルなんですね。

神保:
この数値は、どれくらい高いと言えるんですか。

藍原:
実は、この数値に対する評価はしていないんです。

福島県は、県民を対象にした大規模な健康管理調査をやるのですが、これは、それこそ世界最大の放射線被曝の調査といわれているもので、これから本格的な調査に入ることになっています。
これの先行調査として、飯館村や川俣町のような線量が非常に高い地域の住民を対象にした尿検査をやっているんですが、その場合のND値(検出限界値)が、
なんと13ベクレル/リットルに設定されているんです。

神保:
では、(先の15人の子供のようなケースでは)出ないんだ。

藍原:
出ないですし、変化も出ないために(本当は、どれくらい内部被曝しているのか)分らない。
今回の15人の子供の場合なら、県の先行調査を受けた場合、全員がNDになってしまう
んです。

神保:
要するに、検出されませんでした、という結果にされてしまうということですね。

藍原:
県民としては、前に調査したもの、今回調査したものとの違いを把握して、自分たちの生活を変えることによって、数値を減らしていくことが可能なのかどうかを知りたいわけです。

この福島老朽原発を考える会子供たちを放射能から守る福島ネットワークが、15人の子供を対象に自主的に行った今回の検査では、それが可能であることが分ったわけですね。

県の先行調査では、ND値を13ベクレル/リットルに設定しているので、結局は、調査のための調査になっていて、本当に県民が求めていることを知るための検査になっていないんです。

この検査の主語が、「県が」、あるいは「研究者が」になっていて、「県民が」が主語になっていないんです。

福島県民の検査結果を基に論文を書けば、どんな学者でも世界的に有名になれる

神保:
なんか人体実験のように聞こえるんですけと。

藍原:
これは本当に世界最大の放射線被曝の検査になりますので、研究者たちは、どんな角度で論文を書こうが、すべて世界初の論文ということになって、それが、これから何百と生み出されることになるのです。

論文は、どんな切り口でもいいわけです。

たとえば、「0歳から5歳まで(の調査)」とか、あるいは「高齢者を中心とした(調査)」とか、どの断面を切って論文を書いても、すべて世界初の論文になるんです。

神保:
これから、そうした(福島初の)論文が世界中の文献に引用される、というわけですね。

藍原:
何かのレギュレーションを作る際の基のデータとして活用されたり…。

神保:
目的が、どうも怪しくなってきてるんだ。

藍原:
県民の側からすれば、自分たちが知りたいことが分かる調査になっていないんです。

神保:
それは、先週の藍原レポートに出てきた話だけど、ND値を下げれば、そうしたニーズに応えるためには時間がかかる。
非常に微妙な数値まで計らなければならないので時間がかかるわけですよね。
それこそ、何時間も計らなければならない、というような。

福島県の先行調査では、ゲルマニウム半導体検出器で計っているんですが。

(管理人:
尿の中の放射性物質がどれくらいあるかを検査するには、主に
ゲルマニウム半導体検出器か、NaIシンチレーション型検出器を使って検査するのですが、あらかじめND値(検出限界値)を計測器に設定しておいてから尿の検査をします。

このとき、ND値を10ベクレル/リットルに設定するのと、3ベクレル/リットルに設定するのとでは、当然、3ベクレル/リットルに設定したほうが精度の高い検査結果を得られます。

仮に、ある子供の尿中に2ベクレル/リットル(今回の15人の子供のような場合)のセシウムが含まれている場合は、ND値を10ベクレル/リットルに設定していた場合は、0から9.99…ベクレル/リットルは検出されることはなく、その子供は「セシウムがND」となってしまうのです。

この結果を受け取った子供や親御さんに、そうした知識がないと、「セシウムが出なかった」とぬか喜びしてしまって、生活改善によって体内の放射性物質を減らす努力をしなくなってしまい、結局、もっと内部被曝してしまうようなことが起きてきます。

一方、ND値を2ベクレル/リットルに設定していた場合は、子供は多かれ少なかれ被曝しているので、ほぼ確実に検出されることになり、生活改善によって放射性物質を減らす努力をするようになります。

ただ、ND値を2ベクレル/リットルに設定した場合は、それだけ精密な検査になるので、尿から放出される微量の放射線を検知するには、それだけ検査に時間がかかってしまうのです。

関連記事は、この記事と、この記事です)
藍原:
NaIシンチレーション型検出器ではなくて、ゲルマニウム半導体検出器です。

神保:
ということは、ND値を下げれば下げるほど長時間、計測しないといけないわけですね。

藍原:
分りやすく言うと、ND値は計測の時間をかけると、どんどん下がっていくということです。

神保:
時間とND値が反比例していくということですね。

そうすると、たくさんの人を調べて、医学的に何かの実績を残したいということになれば、ND値を低くして(一人一人を時間をかけて計るより)できるだけたくさんの人を調べたほうが、その調査に意味が出てくるのかもしれない、ということ。

結局、どこを見て、どこを優先して仕事してんの、ということが分る一つのバロメーターになるのが、ひょっとしてND値をどこに設定するか、という問題なのかもしれません。

(管理人:
検査する側の人間たちが、ND値をどこに設定しているかを知れば、検査する側の目的、意図が分ります。
ときとして、それが人々の命より、科学者の功名心のほうtが優先されてきた、ということは歴史上、何度も繰り返されてきた事実です)


これは非常に重要ですね。

今回の子供たちが、このレベル(低線量レベル)でも、(生活のあり方や、食べ物を見直すことによって)セシウムの数値が上がったり下がったりすることが分ったじゃないかと。

県の調査ではND値が13ベクレル/リットルでしょ。

で、子供たちの(尿から出た)ほうは1.8ベクレル/リットルとか、1.6ベクレル/リットルでしょ。
県のND値は、その約10倍ですね。

藍原:
研究の非常に大事なところは第三者によって検証されうるという可能性を、どこまで残しているかということです。
研究の基になつているものが、非常に信頼性が高いかどうかということがあるかと思います。

今回のように、一人一人が程度の差はあれ、それぞれ内部被曝していても、13ベクレル/リットルまでND(検出されない)ということになると、仮に検査はNDだったから大丈夫ですよ、ということになれば、それが論文になったときに、果たして検証できるのかということになる。

要するに、本当の被曝線量が被験者に教えられない、ということで、誰も検証できなくなってしまうわけですから、ND値の値は、あるいはND値をどこに設定するかという以前に、検査数が少なくてもいいから、本当の被曝線量を県民に知らせて、それが実際の被曝を減らすということに役立てられるようならなければいけないと思います。

そこが研究者の倫理というのでしょうか、そういったものがあると思うんですけれど。

そのへんに関しては、福島県では、どうも議論があまりなされていなくて…。

これちょっと、先々週でしたか、子供の甲状腺被曝で、45%の子供が被曝していたということがありました。

原子力安全委員会が甲状腺のスクリーニングについて、毎時0.20マイクロシーベルトという基準をつくったんですけれども、これは1歳児がいちばん甲状腺被曝するのが高いということで、これは世界で初めて出てきた基準なんですね、0.20って。

ところが、これが、どういう形でつくられた基準かというと、物理ファントムという人体の模型を使って、その中に線源を入れて、それを外から計るというような形で、はじきだしたものなんです。

果たして人体って複雑なもので、血液の流れもあれば、リンパの流れもあれば体温もあるし、体のサイズも年齢によって相当違うっていうこともありますから、ファントムっていうのを使って、本当にどこまで分るのかっていうことが非常に疑問だったんですね。

で、そこで沢田先生にお伺いしてみました。

お伺いしたところ、ファントムによる計測といいますか、実験の発想というのが、そもそも外部被曝の視点から抜け出せていない、というふうに思うと、おっしやっていました。

物理ファントムとは?
20110912-1.jpg

測定効率の校正においては、ファントムと呼ばれる人体の形状に似た「標準体積線源」を用います。
これは、体内から放出される放射線の測定が、放射性物質の分布状態に大きく影響されるためです。

米国規格(ANSI N13.35)に規定されている標準ファントム(BOMABファントム)を作成し、我が国で唯一保有しています(図2)。このBOMABファントム内部に 封入されている放射性物質の量は、我が国の国家標準とトレーサビリティを有しています。

この標準ファントムによる校正は、測定の間隔が開いた時等、測定精度に影響があり得る場合には必ず、また、できれば定期的(たとえば3年程度ごと)に実施することが適切です。


以上、放射能医学総合研究所  標準ファントムの使用 より


神保:
沢田先生って?

藍原:
このあいだ、丸金に出ていただいた沢田昭二(名古屋大学名誉教授・原水爆禁止日本協議会代表理事)先生です。

先生は、「どのようなファントムを使って、ファントムの中にどのような線源を入れたか、というようなことを見なければわからないけれども」と前置きされて、
「体内に入った放射性物質の移動が複雑な動きをするとともに、局所的な被曝を与えるというものであるから、こういった形で実験をしてそれを元に基準値をはじき出すというのはあまり有用ではないのではないか、とおっしゃっていました。

神保:
ま、今回は内部被曝なわけですからね。

このND値を13ベクレル/リットルに設定しているということですが、これ、誰の金でやっているのかということですが、福島県のプロジェクトですか?

藍原:
これは県のプロジェクトです。

(管理人:
福島でヒロシマ、ナガサキと同じことが行われるに詳しく書いています)

神保:
県民の要請に応えていない県のプロジェクトなど、ありえないわけだから、それこそ県議会で、なんでこれが13ベクレルなんだ、とか、あるいは何を目的にして13ベクレルを設定したのか、みたいなことは、やっぱりしっかり追及しないと。

ND値なんていう話は普通は知らない難しい話だから、専門家たちによる暴走になってしまう。

僕も含めて、メディアからの声が上がってきて、そのうち県議会も放っておけなくなって、というようにしないと、多分、簡単に科学者たちは世論に呼応しなかったりしますからね。

最後は、研究費はどこからもらっているのか、というような話になると思うので、ここは改善の余地があるのではないかという気がします。

これは、今からでも変わる可能性はあるんですか?

藍原:
県民が声を上げて、もっとていねいに調査しろと、なおかつ、私たちは知る権利があるというふうにきちんと主張していく、そうすれば、動かせると思いますけれども。

神保:
今の県の調査では、最初の尿検査で6ベクレル出て、次の検査で12ベクレル出ても、倍に増えていても、ND、NDとなると。

藍原:
実際は、もっと少ない値だと思いますけれど、分りませんけれど。

神保:
普通はね。

でも、仮に、そのくらい出たとしても、0.01の人と同じ扱いになるということですね。NDということになってしまうのですから。

藍原:
そうです、NDで同じ枠の中に囲まれてしまって。

神保:
こうなると、果たして低線量被曝調査といえるのかどうか、という話になってきますね。

藍原:
そうなんですね、落とし穴だらけなんですね。

よく見ていかないと、ちょっと神経質だといわれるくらいでも、人間の健康と命に関わる問題ですので、うるさいくらいに言っていかないと。

神保:
まったくですね。

日本語では、「神々は細部に宿る」って言うじゃないですか。

英語では、藍原さんもご存知でしょうけれど、
"the devil is in the details"って言うんですよ。

細かいところでインチキをして、結局、全体が骨抜きにされてしまうということに対して、警戒を呼びかけ、警鐘を鳴らしているという話が、
"the devil is in the details"ということなんです。

神々っていうのは、細部に入れてしまえば自分たちのいいようにできるよ、っていう、逆に諺というものが上からの視点でできているものと、下からの視点でできているものと違いがあるんじゃないとかいうことで、社会学的にしっかり分析してください、と言ったことがあるんだけど、まあ、本当にデビルがいっぱい、いるわけですよね。

このND値を、どこにするかによって、調査の意味がまったく変わってくるなんて、完全に"the devil is in the details"の典型だと思うので、藍原さんのようなジャーナリストが見ていくということで指摘されていって、これが広がっていくといいなと思います。

藍原:
実は、医系技官といって、厚生労働省のお医者さんの資格を持っている方の中には、やはりこういったことに対して、若干、クエスチョンを持っている方もいます。

この取材の中では、「いや、これは実は原子力安全委員会が決めたものであって、私たちは…」というように。

まあ、それは言い逃れかも知れませんが、そういったことも出てきているので、必ずしも、こうした検査の基準を作った人たちが一枚岩になって、これは素晴らしいものだと推進しているわけではないのですから、政治家の役割が重要なんではないかと思うのですが。

神保:
後はメディアですね。






Author:ダンディ・ハリマオさんのブログより
科学者のエゴと狂気が、福島県民の命を縮め、やがては死に至らしめることになるかもしれない
鉢呂経産相
が「死の町」発言で辞任に追い込まれました。
それを仕組んだ悪魔の子飼いたちは祝杯を挙げたことでしょう。

新規原発立地をめぐる土地取引や、多額の献金によって得た金で政権を維持してきた自民党は、ここぞとばかり攻撃の矛先を向けています。

原発推進のために国民をマインド・コントロールしてきた新聞は、この機を逃すまいと、国民を再び原発推進に向けようとしています。

民意をコントロールし、悪魔の僕となって原子力を推進してきた人間たちが福島にもたらしたのが、今のフクシマの姿です。

事故が起こることが分かっていながら、金や権力のために原発を推進し、福島を「死の町・フクシマ」にした張本人たちが、「原発は危険だから、原発は止めるべきだ」と主張している鉢呂元大臣のような人間を追い落としたのです。

マインド・コントロールから冷めない国民の多くは、自分たちのことを被爆させた本当の犯罪者たちの言うことを聞き、自分たちを安全な場所に連れて行こうとした人間を排除したのです。

これは、ちょうど、麻薬漬けの人間を助け出そうとしている人間を追い払い、逆に麻薬を与えてくれる人間の言うことを聞くようなものです。

つまり、ほとんどの人たちは、禁断症状を乗り越えて麻薬から手を切ることより、今のまま麻薬漬けでいるほうを選んだのです。

まったく愚かしいことです。

神保氏は、"the devil is in the details"という諺を紹介しました。
これは、本質を突いています。

このことは、このブログで一貫して言ってきた、「被害者=加害者」の法則と同じことです。

藍原氏の福島現地レポートは、この「県民健康調査管理検討委員会」という、被曝調査委員会が決めたことが実際に行われていることを報告したものです。

座長には山下俊一が就いていました。
国際原子力マフィアのIAEAと協力関係を締結している放射線医学総合研究所や、ヒロシマ、ナガサキで原爆の被爆者を呼びつけて、何ら治療もせず、冷酷に辛い検査だけを何年にもわたってやり続けたABCCが名前を変えた放射線影響研究所などが名を連ねています。

詳しくは、福島でヒロシマ、ナガサキと同じことが行われる

この委員会の要綱の中には、「福島県民を治療する」という意味の文言はどこにも出てきません。
つまり、調査だけを行うというものです。

ヒロシマ、ナガサキで行われたことと同じことを、福島の被曝者に対して生涯続けるために設置された委員会です。

20110829-3.jpg

先行調査で、13ベクレル/リットルをND値に決めている、ということは、「福島の人たち、それも赤ちゃんまで、年間20ミリシーベルトの被曝を許容する」というものと、本質的には同じです。

「20ミリシーベルト」が「13ベクレル」にバトンを渡しただけなのです。

福島県のホットスポットで暮らしていく限りにおいては、年間20ミリシーベルト以上、被曝されられます。

そして、その中から、尿検査でND値13ベクレル/リットル以下の内部被曝である、という検査結果が出た人、つまり、NDと表示された人は、「セシウムなどの放射線核種は不検出」であると断定されてしまうのです。

こうした人たちは、治療の対象にはならない、別な言い方をすれば、論文を残して世界的に有名になりたいという功名心に駆られた科学者たちの調査の対象にならないことを意味します。

13ベクレル/リットル以上の人たちだけが、彼らの興味の対象で、それはガンになる確率が高い人のことを言います。

しかし、この世界一大規模な放射線被曝検査を実施する「県民健康調査管理検討委員会」は、治療には一切、触れていないのです。

福島に集まってきた、こうした科学者は、福島県の人たちの健康や生命を守るためではなく、住民を踏み台にして、自らの野心を達成しようとしているのです。

これから福島に集まった科学者たちは、嬉々として論文を量産していくでしょう。

福島の人たちを“使って”得られたデータを基にして作成された論文は、世界中の文献の中に組み込まれていきます。

"the devil is in the details"
この諺どおり、デビルが細部に宿るのです。












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