ペトカウ効果

ペトカウ効果を支えたノーベル生理学医学賞者ラルフ・スタインマン教授の「免疫学研究」
2011-10-24 15:00:47
テーマ:★原発とめよう!九電本店前ひろば★
京都の諸留さんが、野田政権による原発売り込み再開と復活しはじめた「安全神
話」に怒りをこめた反論で、国民に警告を発しています。

=====以下転載=====
[2011(H23)年10月17日(月)PM18:30 送信]
《パレスチナに平和を京都の会》の諸留です
* *転送転載 自由**
--------------------------------
3・11福島第一原発事故から7ヶ月が経過した今、危険な誤った考えが、ま
た浸透しつつあります。原発の新しい「安全神話」が、これほどの甚大な被害
と、放射性物質の環境への垂れ流し状態が、今も進行中だというのに・・!

全く「国民全体が狂っている」としか言いようがない。

その典型が「事故に耐え得る安全な原発を作り原発再開を!」の考えが
堂々と、今、また復活する兆しを見せている。

それらの主なものは、
(1)硬い岩盤まで掘り下げた地下に原発を作ればよい
(2)外部電源喪失の対処法には(ヨーロッパで既に開発済みの)喪失時には重カで
水が自動的に落ちる原発の建設
(3)地震の揺れや津波の高さの想定値を見直し補強や堤防の「かさ上げ」等で原
発の安全度を高めれば良い
(4)「低線量の被曝は健康に影響がなく、むしろ免疫力を高めるので体に良い」

等など・・・の、放射線医学専門家と称する無責任な一方的なエセ学者情報が
ちまたに溢れています・・・

今、また、まことしやかに「垂れ流し」始めつつある、これらの情報の間違い
と、その危険性、無責任さを、以下指摘しまする。

(1)の改築説は、
高額な原発建設費用の更なる上乗せになるだけでなく、回収工事に際し、既存
の原発の解体・移動も技術的に全く未知の作業だ。原発改築移動は住宅や工場の
それとは全く異なり、極めて困難かつ長期化する作業になる。仮に岩盤まで掘り
下げたとして、美浜原発や敦賀「もんじゅ」のように真下の岩盤自体に活断層が
存在する原発は、そっくり移動させる以外にないだろう。原発の解体・移動・再
建築には膨大な費用がかかる。「原発を廃止すれば発電コストが上がり料金も上
がるから」は原発推進派の脅しだ。「安全な原発」は水力や火力発電より単価コ
スト(1キロワット当たりの費用)が高くなるのは当たり前のこと。今まで不当に
安価に見積もられてきただけのこと。

(2)の緊急時水力落下装置も、
人の作った装置である限り、事故を完全に防ぎきれない。

(3)の想定値見直しと補強による安全度向上説は、
今までも原発の危険性が指摘されるたびに指摘されてきた事。それによって安
全が確保できるなら、今回の福島原発事故は事前に回避出来たはずだ。設計段階
でいくら安全基準値を高めても、施工工事段階で"ド素人"が施工する現状を改め
ない想定値見直しと補強は、空理空論、絵に描いた餅でしかないことは、今回の
福島原発事故も含め、過去に起こった何百回もの原発事故を回避できなかったこ
とからも明らかなこと。

以上(1)~(3)の各説に共通する間違いは、アクシデント発生想定値の見直しや
部分的補強施工等の「小手先の問題点」がたとえ解消されたとしても、さらにそ
れ以外にも、前回お知らせした「元原発配管一級工事士平井憲夫氏の生々しい現
場経験者の証言」で明快に指摘されている、様々な事故発生原因が全く問題にさ
れていないという点である。

以上の技術上及びコスト上の諸問題が、仮に、全てクリアされ、安全運転で再
稼働したとしても、その後に数万年、数百間年に渡って子々孫々にまで高濃度放
射性物質を積み残し、地球的規模で環境汚染・破壊し続ける、放射性廃棄物の処
理方法の問題もある。

最後の、(4)の説は、少しこいみった説明を要する。
この(4)「低線量の被曝は健康に影響がない」説の代表者が、近藤宗平(大阪大
学名誉教授)氏だ。この近藤氏の弟子筋が、事故後福島に乗り込み放射線健康リ
スクアドバイザーと称する福島医大理事長付特命教授山下俊一氏だ。山下氏は
「年間10ミリシーベルト(mSv)以下の被曝は健簾に問題はない」「放射能をむや
みに恐れるストレスのほうが問題」等、一方的な説を、あたかも100%完全な
学説であるかのような、"素人こけおどし!の「御高説」を「一方的」「つまみ
喰い的」に垂れ流し続けている。

この近藤宗平氏や山下俊一氏らの主張を、近藤宗平著『人はなぜ放射線に弱い
か』を参考に、要約すれば、

(a)分裂期の細胞のDNAを放射線は確かに破壊し、細胞のガン化、奇形化の可能性
は高まるが、それら異常細胞、変形細胞を排除する仕組み(免疫機能)の働きに
よって、修復細胞数が、破壊細胞数を上回る限り、放射線を浴びても「安全は保
たれる」とする、いわゆる、「しきい値あり」説や「ホルミシス」説の蒸し返し説。

(b)広島やチェルノブイリの被爆者の「ガン発生者数」の数値の中には、放射線
によるガン以外にも、熱線や、爆風や、戦後の食糧難が原因で早死にした人の
「数」が考慮されず「一把ひとからげ」の数値だから、放射線自体による死亡者
数はもっと少ない筈とする説。

(c)地球上の自然放射線の高い地域と比べても平均寿命に差が無いこと

(d)モルモットに始め低線量γ線を照射した後で、高線量γ線を照射しても、始め
に低線量γ線を照射したモルモットのグループの生存率が高かったという実験結果

・・・などを根拠として、低線量被曝量は人体に影響が無いか、あるとして
も、無視し得る程の極めて微量の影響しかない、との「御高説」である。

以上、この(4)説を展開している近藤宗平氏や山下俊一氏の説は、一方的な見
解でしかないこと、両氏に代表される「低線量被曝量無害説」には、全く正反対
の学説も数多く報告、提起されている事を指摘しておく。個別の学説の疫学的、
細胞免疫学的な真偽については専門的になるので省略する。

この「低線量被曝量問題」に関心のある方の為に、参考として
○ECRR(欧州放射線リスク委員会)事務局長クリス・バズビー博士の「バズビー
博士「日本人への提言」(原タイトル:内部被曝に警鐘~クリス・バズビー博
士:2011年7月21日(成田空港)インタビュー)
http://www.ourplanet-tv.org/?q=node/1190この「全文文字起し」は、
[2011(H23)年8月8日(月)PM18:00送信の私(諸留)のお知らせでも既報。
○肥田俊太郎・鎌仲ひとみ著『内部被曝の脅威』ちくま新書
○ラルフ・グロイブ/アーネスト・スターングラス著/肥田俊太郎・竹野内真理訳
『人間と環境への低レベル放射能の脅威』あけび書房
を挙げておく。

(4)説の近藤宗平氏や山下俊一氏の説の論点の骨子は、
内部被曝の影響を故意に無視するか、
あるいは、「せいぜい、外部被曝と同じもの」、と切り捨てている点だ。

もともと、内部被曝問題が注目され始めた「きっかけ」は、1991年の湾岸戦争
や2003年のイラク戦争以降の、つい最近のことである。米軍の劣化ウラン弾(DU
弾)によるイラクやアフガニスタン民間人や米軍将兵の健康被害発生が問題化し
てからである。

ちなみに、現在政府や自治体、そして国民大衆もマスコミなどで
「刷り込まされて」「盲信させられて」いる
放射線暫定安全基準値それ自体も、日本政府が決めたものではなく
国際放射線防護委員会(ICRP)の基準値を、そのまま
右から左へと日本政府が「横流し」させ「単純機会的に適用させた」にすぎない。
この国際放射線防護委員会(ICRP)基準値も、1933年に
マンハッタン計画開始前夜に制定された
「始めに原爆開発ありき」の不動の大前提に基づいて
制定された「一定度の被曝やむなし」を前提とした
「被曝やむなし値」であって、けっして「人体安全を最優先した値」
などではなかったことを、深く銘記すべきだ!

ミーシャー(スイス人)によってDNA(デオキシリボ核酸)が発見されたのは1871
年だが、そのDNAにニ重らせん構造があることの確認と、それがとてつもなく
膨大な複雑なものであり、DNAは遺伝子によって物理的物質を形作る生命体の
最も重要な分子であると提示されたのは1953年、ジェームス・ワトソンとフラン
シス・クリックの提示が最初であった。

今私たちが問題にしている、国際放射線防護委員会(ICRP)基準値が制定された
当初もその後の改訂を経た段階でも、遺伝子によって物理的物質を形作る生命体
の最も重要な分子である、まさにDNAそのものを、放射線は「直撃」し「ダメー
ジを与える」ということが解ったのは、国際放射線防護委員会(ICRP)基準値制定
のずっと後であったことを、はっきり頭に叩き込んでおくべきである。

結論から言えば、国際放射線防護委員会(ICRP)の安全基準値などは
最初からDNAへの影響云々など、一切念頭に無しに制定されたシロモノなのだ!
こんな国際放射線防護委員会(ICRP)の基準値など
信用するほうが「愚か者」か、「無知のドシロウト」と言うしか他あるまい!

あるいは、原爆投下翌日以降に、
ヒロシマ、ナガサキの爆心地に立ち入って救援活動や肉親探しをした人が
「原爆症」として、ようやく認定されたのもつい最近のことであるのと
思い重ねてみても、
国際放射線防護委員会(ICRP)基準値が
低線量被曝量被曝など、考慮してきていなかったかが
歴然としている。

特に、内部被曝に際しての「ペトカウ効果」(高線量放射線の反復放射より
も、低線量放射線の長時間、放射によって生じる活性酸素が細胞膜を破壊し、細
胞膜中の免疫メカニズムも破壊されることでガン以外にも様々な疾病発生の原因
となるとの説)を、近藤宗平氏や山下俊一氏は完全に黙殺している。

今年(2011年度)のノーベル生理学医学賞者の一人であるロックフェラー大の
ラルフ・スタインマン教授の「生体にとっての異物を感知する仕組み」の研究で
も、この異物の見張り番の「樹状細胞」が働く場所が「細胞膜」にあることを突
き止められた。まさにこの「免疫の活性化機構」の舞台ともいえる「細胞膜」
が、放射線被曝によって作られる活性酸素(フリー:ラジカル)によって破壊さ
れるというのが「ペトカウ効果」である。スターングラスの「ペトカウ効果」説
の正しさを、更に背後から支えたのが、今年のノーベル生理学医学賞者ラルフ・
スタインマン教授の「免疫学研究」であった!

【参考資料】
ラルフ・グロイブ/アーネスト・スターングラス著/肥田俊太郎・竹野内真理訳
『人間と環境への低レベル放射能の脅威』あけび書房、『内部被曝の脅威』肥田
舜太郎/鎌伸ひとみ著 ちくま新書

これまでの外部被曝量だけでは説明がつかなかった、不整脈・腎機能疾患・知
能発育低下・胃腸病などなど‥‥約40種以上もの、様々な疾患の原因となる臨床
例が報告されている。

「低線量被曝」論の是非、真偽については、「細胞生理学」「免疫学」の専門
分野であるので、素人の我々一般市民大衆には、いずれが正しいか、否かは極め
て解りづらい。

しかし、専門家の間ですら見解が大きく食い違う問題である以上、シロとクロ
の中間の、いわゆる「グレーゾーン」の領域の問題は、100%正しい(あるい
は100%間違い)の結論が出るまでは、「危険である」と認識するのが、安全
論上からも基本的、常識的であることは、素人にも解りきった、自明のこと。

今後、福島を中心とする福島原発事故被爆者も含む研究調査が進めば、ある程
度の免疫病理学的判断が固まるまでは、それまでに何年、何十年要するか解らな
いが、原発は止め、低線量被曝量も含め、放射線被曝には慎重な対応をとるのが
正しい判断である。

「低線量放射線は安全」などの、「もっともらしい」、「素人こけおどし」
の、「知ったかぶり」、「エセ御用学者の御高説」が、またぞろ一人歩きし始め
ようとしている。NPOを自称する、胡散臭い「有機農業支援団体」が「フクシ
マの被災農家を支援しよう!」と、さも知ったかぶりして、「安全でない」か
「安全か」さえも定かでないフクシマ産農産物の販売と、その積極的摂取運動を
展開させている!

今現在も、大気中にも、地下の水脈にも、土壌にも、あらゆる環境中へ高濃度
の放射性物質の「垂れ流し状態」が続いているにも関わらず、「低濃度の放射性
物質に神経を過敏にさせてその危険を騒ぎ立てる貴方(諸留)は、小を見て大を
問題にしない視野狭窄な者、エゴイストだ!」とまで言い切っている。こうした
自称NPO有機農業支援者が、関西を始め全国各地で、公然と汚染農産物を販売
している・・!驚いたことに、そんなNPO有機農業支援者が反原発支持者なの
だから・・・全くもって開いた口が塞がらない。狂っているのは東電、政府、自
治体、学者だけではない。私たち市民一人一位までもが、骨の髄まで狂っている
としか言いようがない。放射能汚染で脳神経細胞まで汚染されてしまっているの
だろうか?・・・と、疑いたくなる!

東電はもとより、政府や自治体、ひいては上述の様な愚かなNPO有機農業民
間団体も含め、かれらの判断基準となっている、放射線量の安全基準値の根拠と
している放射線計測器ひとつに関しても、実態はお寒い状態である。

一例を挙げよう。
LB2045 ガンマスペクトルメーター(ドイツ製ベルトルード社 約300
万円)でも、
ヨウ素とセシウムは分けて検出可能でも、セシウム134とセシウム137は分
けられない。

日本政府や自治体を始め民間で使用されている計測器の場合は、日本政府が勝
手に設定した暫定基準値がセシウムは500ベクレル(Bq)/Kg。この
LB2045 ガンマスペクトルメーターではセシウム137の子どものドイツ
の基準値4ベクレル(Bq)/Kgと大人のドイツの基準値8ベクレル(Bq)/Kgまで対応
できるように、検出限界値は1ベクレル(Bq)/Kgまで計測可能。しかるにわが国
政府や自治体を始め民間で使用されている計測器の場合は、そこまでの精度は無
く、お粗末な場合は、500ベクレル(Bq)/Kg未満の場合だと、たとえ499ベ
クレル(Bq)/Kgの放射線量であっても計測不能(NDと表示される)としか表示さ
れない。

更に、このドイツ製のLB2045 ガンマスペクトルメーターさえ、測定可
能な放射線核種はヨウ素、セシウム以外でも約50種類以内まで。原子炉から出
る放射性物質の核種約120種類の6割以上が計測されない。更に、毎年最低1
回必要な「ゼロ点調整」には、同じ新製品購入額の約半額相当のメンテナンス料
か要る、シロモノ!

アメリカ製やフランス製の放射線検出器では、初めから計測不可能な核種があ
ることは、業界では周知のこと。沖縄の飛島に駐留米軍が演習と称して劣化ウラ
ン弾を1300発程投下した後、放射線計測器で測定しても、放射線核種のウラ
ンは全く計測されなかったという。計測されないのは当たり前。最初からウラン
などの核種は計測できない計測器を持ち込んでいたからである。放射能対策には
万全であるはずの最新精鋭米軍部隊ですら、この程度である。いわんや民間や自
治体の計測機など、どの程度の信頼性があるというのか。肌寒い思いである。

こんな高額で当てにならない放射線計測器を使っての安全基準値、それも、し
かも「暫定」の安全基準値の放射線測定結果を、あなたは「鵜呑みしてる(させ
られている)」だけではないの?

ちなみに、この「暫定」という言葉で「限定」させてあるところも、クセもの!

(1)福島第一原発事故発生という緊急非常時に際して「とりあえず設定はした」
が、事態が収束したと思われる頃に「値を小さく、より厳密に修正する可能性が
ある」・・・
という含みを持たせた「やむを得ない緊急非常時の値」という意味

(2)今後事態が更に悪化し、第2、第3の大規模な事故が常時、一層の高濃度の
放射性物質が飛散するような場合が生じた場合でも、現行の200ミリシーベルト
(mSv)の「値を更に大きく。より緩い(より危険な高濃度の)値に修正する可能
性もある」・・・との含みも待たせた意味

(3)元々、わが国(日本)では、海外からの輸入農産物以外には、全く放射能汚染
安全基準値の概念も数値も存在しなかったので、事故発生に直面し、急遽あわて
て、ドロナワ式に設定した「にわかづくりの値」・・との意味も含ませている。

ただそれだけの値、安全基準値などではなく、「まず初めに原発ありき・・」
を不動の大前提とした「我慢強要値」・・・それが今の放射能の「暫定安全基準
値」なのです!

この点は、くれぐれも、勘違いしないで欲しいものだ。
こうした「お粗末なシロモノ」の放射線計測器、「暫定安全基準値」でしかな
いことからも、前述の山下某教授といった連中の言うことの間違い、欺瞞性、イ
ンチキ性は明らかにされた筈!

9月2日に正式に発足した野田政権は、これだけ「反原発・脱原発」の動きが高
まっている中、現在停止中の原発を稼動させよう、原発輪出も推進しようとして
いる。ベトナムへの原発輸出を野田政権は既に決定した。またヨルダンへの輸出
も、現在は、中断しているが、近々再開され輸出されるであろう。

日本の原子炉は、既に何度も指摘したように、元来原子力潜水艦搭載用の原子
炉(加圧型にしろ、沸騰水型にしろ)であるから、大量の冷却水を必要とする。

ヨルダンのような、ただでさえ、水不足の地域に、大量の水を要する。今回事
故を起こし、現在、停止中の福島第一原発の1・2・3号機だけでさえ「1時間
あたり16トン」(1機当たり約5トン強)もの大量の水を要するシロモノ。そ
んな怪物のようにガバガバ水を飲み込み、垂れ流す原発が、水資源に苦しむヨル
ダンに売り込もうとすること自体、狂気の沙汰!アラブ民衆にまで放射線汚染商
品を売り込もうとする、日本の「原子力ムラ」「原子力利権漁りゴロツキ巨大企
業」の横暴を阻止しよう!

民主党政権は、原子力推進政策を放棄しないどころか、一層押し進めることが
明らかになった。「原発は持たない」「作らない」「輸出もしない」の、安全で
健康で信頼できる社会が実現するまで闘おう!


さて、まずこの数字を見ていただきたいと思います。

影 響       ICRP発生数      ECRR発生数
ガン死      1,173,606     61,619,512
全ガン      2,350,000    123,239,024
小児死亡             0      1,600,000
胎児死亡             0      1,880,000
生活の質の喪失         0            10%
(出典:ECRR2003年勧告)
ICRP:国際放射線防護委員会   ECRR:欧州放射線リスク委員会

この表は、低線量放射線の影響を史上初めて提唱したスチュワート(初代委員長)を筆頭に、本書に登場する低線量放射線問題と向き合ってきたブルラコーワ、バーテル、スターングラス、グールド、マンガーノらも名を連ねている欧州放射線リスク委員会(ECRR)の2003年報告のものです。

表を紹介した上記新刊訳者の竹野内真理さんは、「まず、この表を見て驚くのが、全世界で今までに核開発のために117万人ものガン死者、235万人という夥しい数のガン発生をICRP自らが認めているところです。保守的な数値でも十分に恐るべき数値であり、ゴフマンの、「自分も含め、低線量放射線のリスクを知っていた科学者たちは、ニュールンベルグのような裁判にかけられるに値する」という表現が、だいそれたものと思えなくなる数値である。」と述べ、もっと驚くことは、「欧州放射線リスク委員会(ECRR)の評価数値では、左のICRPの数値のそれぞれ60倍近くとなっている。

ちなみに今回の福島原発事故による今後50年間の200km圏内のガンの過剰発生数は、ICRPの予測で約6,000人、ECRRが約41万7000人(!)となっています。

今回も60倍以上の差があるのだが、それにしても、なんと恐ろしい数字なのだろう。」と「あとがき」に書いています。


1、低線量被曝研究の歴史―肥田舜太郎上記新刊「訳者あとがき」より

『1975年の「核兵器全面禁止国連請願」に参加した私は、ニューヨークでピッツバーグ大学のスターングラス教授から、広島・長崎の被爆者に多発している病態不明の疾病は、大気圏核実験に参加して放射性降下物(以下、「死の灰」という)からの放射線に内部被曝した被曝米兵の疾病と同じで、きのこ雲から降下した放射性物質が体内に入り、核分裂を起こして出す微量の放射線によって、内部被曝をしたために起こると教えられ、眼の前の霧が晴れた思いがしました。

さらに教授から、アメリカの核実験の時期と乳幼児の死亡率のピークが見事に相関することを発見し、それが実験で飛び散った死の灰が牧草に入り、牧草を食べた牛のミルクを通じて乳幼児が被曝して死亡するという構図を教えられたのです。その理論的な根拠が「ペトカウ効果」でした。

スターングラス教授は、1972年にアブラム・ペトカウが発表した「液体中にある生物組織に低線量の放射線を長時間照射すると、高線量の放射線を短時間照射するより細胞膜にはるかに大きな生物学的障害を発生させる」という「ペトカウ効果」を学んで、既存の理論では証明できなかった数多くの障害の原因が、核実験や原発事故などでばらまかれた放射性物質による被曝であることを分かりやすく説明してくれたのです。

そして、彼から新著の『低線量放射線(英文タイトルは下記)』を贈られて翻訳し、時事通信社から出版しました。『死に過ぎた赤ん坊』は放射能の内部被曝に関する、恐らく日本での最初の出版物だったと思います。』


2、アブラム・ペトカウとは―肥田舜太郎、鎌仲ひとみ『内部被曝の脅威』より

『放射線の人体に対する影響の医学的な解明を阻んでいた壁の一つは、放射線に対する細胞膜の強大な障壁だった。アブラム・ペトカウは1972年、マニトバにあるカナダ原子力委員会のホワイトシェル研究所で全くの偶然から、ノーベル賞に匹敵する次のような大発見をした。即ち、「液体の中に置かれた細胞は、高線量放射線による頻回の反復放射よりも、低線量放射線を長時間放射することによって容易に細胞膜を破壊できる」ことを実験で確かめたのである。

ペトカウは牛の脳から抽出した燐脂質でつくった細胞膜モデルに放射線を照射して、どのくらいの線量で膜を破壊できるかの実験をしていた。エックス線の大装置から15.6 シーベルト/分の放射線を58時間、全量35シーベルトを照射してようやく細胞膜を破壊することができた。

ところが実験を繰り返すうち、誤って試験材料を少量の放射性ナトリウム22が混じった水の中に落としてしまった。燐脂質の膜は0.00001シーベルト/分の放射を受け、全量0.007シーベルトを12分間被曝して破壊されてしまった。彼は何度も同じ実験を繰り返してその都度、同じ結果を得た。そして、放射時間を長く延ばせば延ばすほど、細胞膜破壊に必要な放射線量が少なくて済むことを確かめた。

こうして、「長時間、低線量放射線を放射する方が、高線量放射線を瞬間放射するよりたやすく細胞膜を破壊する」ことが、確かな根拠を持って証明されたのである。これが、これまでの考え方を180度転換させた「ペトカウ効果」と呼ばれる学説である。

人体の細胞は全て体液という液体に包まれている。体内で放射されるアルファ線、ベータ線などの低線量放射線は体液中に浮遊する酸素分子に衝突して、電気を帯びた活性酸素に変化させる。荷電して有害になった活性酸素は、電気的エネルギーで、内部を守っている細胞膜を破壊し、大きな穴を開ける。

その穴から放射線分子が細胞内に飛び込み、細胞内で行われている新陳代謝を混乱させ、細胞核の中にある遺伝子に傷をつける。遺伝子を傷つけられた細胞が死ねば何事も起こらないが、生き延びると細胞は分裂して、同じところに同じ傷を持つ細胞が新しく生まれる。分裂は繰り返され、内臓組織は細胞がたえず生まれ変わって生き続けるが、傷もそのまま受け継がれ、何かの機会に突然変異を起こす。細胞が内臓、諸臓器を構成する体細胞なら白血病、癌、血液疾患などの重篤な慢性疾患を起こして死に至らしめる。

また、生殖に関わる細胞なら代々、子孫の細胞に傷が受け継がれ、何代目かの子孫に障害を発生させる。これがペトカウ効果説に導かれた低線量放射線の内部被曝の実相である。』

『グールドはコンピューターを駆使して、増加している1319郡に共通する(乳がんの)増加要因を探求し、それが郡の所在地と原子炉の距離に相関していることを発見した。即ち、原子炉から100マイル以内にある郡では乳癌死者数が明らかに増加し、以遠にある郡では横ばい、または減少していたのである。乳癌死者数の地域差を左右していたのは、軍用、民間用を問わず、全米に散在する多数の各種原子炉から排出される低線量放射線だったのである。

1996年にグールドはこの調査結果をニューヨークの「四つの壁と八つの窓(Four Walls Eight Windows)」という小さな出版社から
『内部の敵』という書名で出版した。書名は、人間を体内からゆっくり破壊する低線量放射線という敵と、データを改ざんしてまでそれを隠蔽し続ける国内の敵を意味している。』


3、小出裕章京都大学助教授の人形峠訴訟「意見書」より2005年
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/genpatuindex.html

『ここで、再度、確認しておきたいが、放射線の物理的な性質そして生物の細胞の構造・機能からして、『どんなに微量であっても被曝による影響がある』のである。そのこと自体はすべての学者が認めることであり、科学的に議論の余地はない。物理学的なエネルギーのやり取りだけから判断すれば、体温を 1000分の 1 度しか高めない程度の極々微量のエネルギーであっても、そのエネルギーが放射線から受けるものである場合には、人間は死んでしまう。それほどわずかのエネルギーで生命体が大きな危険を受ける理由は、生命体を構成している分子結合のエネルギーレベルと放射線の持つエネルギーレベルが5桁も6桁も異なっているからである。

そのことは、放射線被曝が高線量であろうと低線量であろうと関係なく、個々の細胞あるいは DNA のレベルでいえば、同じ現象が起き
ているのである。それが細胞死を引き起こしたり、組織の機能を失わせたりすれば急性障害となるし、そうならなければ、傷を受けた細胞がやがてガンなど晩発性障害の原因になるのである。

だからこそ、ICRP でさえ「生体防御機構は、低線量においてさえ、完全には効果的でないようなので、線量反応関係にしきい値を生じることはありそうにない」4)と述べているのである。このこともまた、長い放射線影響研究から導かれたのであって、先述の K・Z・モーガンさんは「私たちは当初、あるしきい値以上の被曝を受けなければ、人体の修復機構が細胞の損傷を修復すると考えていた。しかしその考え方が誤りであった」3)と述べている。ましてや最近になって、低線量での被曝では細胞の修復効果自体が作動しないというデータすらが現れてきた。』

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