【福島産米、本検査ですべて規制値以下】
福島県が行った新米の放射性物質本検査で、最後まで残っていた二本松市と三春町の検体が国の暫定規制値を下回り、コメの作付けを認められたすべての福島県内市町村からの出荷が可能となった。予備検査で二本松市小浜地区産の玄米から暫定規制値と同じ500Bq/kgが検出されていたが、本検査では規制値を超えるコメは検出されなかった。
◆調査対象となるサンプル数が少なすぎ!
主食のコメの規制がテキトーに行われている
コメどころの新潟で、水田やコメの放射能汚染問題に取り組んでいる議員がいるという。すでに福島県産米も、作付け制限地域以外のものは「基準値以下」との結果が出て、出荷されることになったはずだが……。というわけで、筆者は新潟へと向かった。
その議員とは、新潟市議の中山均氏。歯科医師で、日本歯科放射線学会専門医でもある。福島県が行った新米の放射性物質本検査で、最後まで残っていた二本松市と三春町の検体が国の暫定規制値を下回り、コメの作付けを認められたすべての福島県内市町村からの出荷が可能となった。予備検査で二本松市小浜地区産の玄米から暫定規制値と同じ500Bq/kgが検出されていたが、本検査では規制値を超えるコメは検出されなかった。
◆調査対象となるサンプル数が少なすぎ!
主食のコメの規制がテキトーに行われている
コメどころの新潟で、水田やコメの放射能汚染問題に取り組んでいる議員がいるという。すでに福島県産米も、作付け制限地域以外のものは「基準値以下」との結果が出て、出荷されることになったはずだが……。というわけで、筆者は新潟へと向かった。
「まず問題なのは、調査対象となったサンプル数が少なすぎることです」と中山市議は言う。
コメの予備検査は収穫前約1週間前に行われ、福島県の場合は県内を約370地域に分けて、1地域につき数地点で検査した。
そして「本調査」として、予備調査で200Bq/kgを超えた地域を含む市町村は『重点調査区域』とされ、
15ha(1万5000平方メートル)ごとに2点、
それ以外の市町村では旧市町村ごとに2点(市町村で5点に満たない場合は5点)
が検査された。
今回、予備検査で規制値ピッタリの500Bq/kgが検出された二本松市でも、
本調査では下回ったというわけだ。
また新潟県の場合は、市町村ごとに早生品種とコシヒカリなどの中生品種各1点のみ。4000haを基準に調査点数が増えるが、作付け面積最大(2万4100ha)の新潟市でも、早生品種が7点、中生品種が1点でしかない。
「水や土砂の流れ方によって局所的に汚染度の高い場所ができるということは、多くの消費者が知っています。こんなおおざっぱな調査で『安心』だと言われても不安は残ります」
⇒「日本の食品規制値 チェルノブイリ原発事故経験国よりも高い」に続く
http://nikkan-spa.jp/85349
●ブログ「ナカヤマヒトシ通信 http://green.ap.teacup.com/nakayama/
取材・文/北村土龍 撮影/田中裕司
二本松市での本検査の地点を当初予定の
2011年10月29日 | 語られる言葉の河へさんのブログより
(1)朝令暮改
3月31日付け、JRいわき市発文書「東北地方太平洋沖地震及び東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う対応について」・・・・農作業延期の要請。<耕うん作業については、放射性物質が表層にとどまっている状態と思われることから、これ以上拡散させないため、当面は耕うんを行わないで下さい。>
4月7日付け、県いわき農林事務所&JRいわき市(連名)発文書・・・・農作業延期を解除。<原発事故を受け福島県は4月6日に農地の土壌を独自に調査した結果を発表>したので<その結果を踏まえて、いわき市内(第一原発半径30km圏内を除く)は農作業延期の要請が解除>され、<これにより、今後の農作業は通常どおり進めることができるようになりました。><土壌中の放射性物質については国の基準値がないため、最終的な判断は近日中に示される国の方針に基づき行われる予定>。
(2)土壌検査
土壌検査は、3月31日~4月1日の2日間に実施。4月5日に「分析結果の解析と評価」が行われ、翌日に発表された。
例えば、中通りの本宮市長屋地区。4月6日の発表では、4,984Bqだった。その2日後、国は暫定規制値を5,000Bqと定めた。
ちなみに
3月31日付け、JRいわき市発文書「東北地方太平洋沖地震及び東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴う対応について」・・・・農作業延期の要請。<耕うん作業については、放射性物質が表層にとどまっている状態と思われることから、これ以上拡散させないため、当面は耕うんを行わないで下さい。>
4月7日付け、県いわき農林事務所&JRいわき市(連名)発文書・・・・農作業延期を解除。<原発事故を受け福島県は4月6日に農地の土壌を独自に調査した結果を発表>したので<その結果を踏まえて、いわき市内(第一原発半径30km圏内を除く)は農作業延期の要請が解除>され、<これにより、今後の農作業は通常どおり進めることができるようになりました。><土壌中の放射性物質については国の基準値がないため、最終的な判断は近日中に示される国の方針に基づき行われる予定>。
(2)土壌検査
土壌検査は、3月31日~4月1日の2日間に実施。4月5日に「分析結果の解析と評価」が行われ、翌日に発表された。
例えば、中通りの本宮市長屋地区。4月6日の発表では、4,984Bqだった。その2日後、国は暫定規制値を5,000Bqと定めた。
ちなみに
福島県は、
面積が全国3位で、原発事故前のコメ収穫量は全国4位、
作付面積は81,300haだ。
そのうち土壌検査を行ったのは、県内全域で58地点にすぎない。
当初、各市町村ごとに裁定1地点含まれるよう選定し、
70地点を予定していたが、12地点は落ちてしまった。
(3)食品検査
(3)食品検査
サンプリング検査はおおざっぱで、
旧市町村ごとに2点のサンプルを検査するのみだ。
重点調査区域(<例>二本松市)に指定されていても、
約15ha(45,375坪)ごとに2点だ。
約15haで採れるコメの総量72,600kgのうち2kgだけだ
(0.00275%)。
ちなみに、福島では351,900トンのコメが収穫される(予想)。
ちなみに、福島では351,900トンのコメが収穫される(予想)。
8月、県西部の河沼郡会津坂下町で、
県内で初めて早場米「瑞穂黄金」が収穫され、
4サンプルのみが検査された。
放射性セシウムは検出されなかった、と県は発表した。
農民は、予想外の結果に喫驚した、という。
農民は、予想外の結果に喫驚した、という。
会津坂下町から10kmもない福島地裁会津若松支部の側溝汚泥から
237,000Bqの放射性セシウムが検出されていたからだ。
そして、水田土壌の検査でも868Bqが検出されていたからだ。
浜通りの田代忠一氏は、今年田植えをやめるつもりだった。
浜通りの田代忠一氏は、今年田植えをやめるつもりだった。
しかし、農水省農政事務所や県農林事務所から
「コメはどんどん作ってくれ。
玄米の段階で国、県がきっちり検査するから」
とハッパをかけられ、12,000坪作付けした。
9月末の予備調査でセシウムは検出されず、
320俵が収穫される見こみだ。
しかし、「自分が作ったコメが食えるかどうか自信がない」。
東京にいる息子から罵られた。
「国は補償金を出すことになったら莫大な金額になるから、
発表される検査結果は必ず規制値以下になるはずだ。
そんなことがわからない父ちゃんはバカだ、見損なった」
(4)偽装
田植え後の6月半ばごろから、
(4)偽装
田植え後の6月半ばごろから、
県内の卸業者は昨年使った「一空袋」【注】の収集に力を入れている。
ホームセンターでは、「一空袋」が山積みされ、
ホームセンターでは、「一空袋」が山積みされ、
福島県から遠い順に売り切れる。
「コシヒカリ」の袋が多いが、
山口県、鳥取県の「ひとめぼれ」の袋も売り切れた。
福島県の生産量の7割強は「コシヒカリ」と「ひとめぼれ」だ。
ある業者は、以前から取引のある関西の卸業者とすでに話がついている。その偽装作戦は、こうだ。
ある業者は、以前から取引のある関西の卸業者とすでに話がついている。その偽装作戦は、こうだ。
<「関西に行くには、東京まで常磐道か東北自動車道で行って、
その先は東名高速を使ったほうが早いかも。
でも、俺は磐越道で新潟県に出て、
富山、石川、福井、滋賀県、京都府を通って目的地へ向かう。
遠回りだけど、途中で福島県の新米を某県の新米に変身させる」
/一空袋のコメを某県の新袋に詰め替えるという。/
「一定の手数料を払うことで地元の業者と前々から話がついている。
関西の卸業者も『それなら堂々と引き受けられる』と喜んでいるし、
出来レースというわけだ。
たいして儲からないけど、コメを動かさないことには金が入ってこない。
銘柄はコシヒカリに限られる」/調べてみると、この業者が通る1府5県は例外なくコシヒカリを生産している。>
福島県庁幹部も、偽装が起きることを覚悟している、という。
主食のコメ大丈夫?安全宣言も消えぬ不安[東京新聞]
東電福島原発事故による放射能汚染が懸念される主食のコメ。福島県二本松市では先月下旬、国の暫定基準値と同じ1キログラム当たり500ベクレルの放射性セシウムが検出された。だが、それ以外に高濃度地点はなく、佐藤雄平同知事は今月、「安全宣言」を出した。しかし、消費者の不安が拭い切れたとは言えない。地元では、不安の一因であるサンプル検査に代わる「全袋検査」を求める動きも出ている。 (佐藤圭)
原発から約40キロ離れた二本松市の旧新殿村地区。中山間地の水田ではコシヒカリの稲刈りが最終盤を迎えていた。
米農家の菊地美男さん(67)は「この辺りの水田では、放射能は検出されなかった。今年の出来はいい。福島のコメを皆さんにぜひ食べてもらいたい」と力を込めた。
しかし、約1カ月前はそう言い切れなかった。農林水産省が決めた調査方法は収穫前の予備検査と、収穫後の本調査の二段階方式。その予備調査で、西へ約10キロの旧小浜町地区の水田のコメから1キログラム当たり500ベクレルのセシウムが検出された。
菊地さんは「今年は作っても、売れるかどうか分からなかった。あの時はもうダメだと思った」と振り返る。
その後、県は今月12日、作付けが禁止された双葉郡などを除く48市町村の本調査で、すべての地点で暫定基準値を下回ったと発表。二本松市を含む全域でコメの出荷が可能となった。佐藤知事は、「コメの安全性が確認された。農家も自信を持って農作物を作ってほしい」と強調した。
結果の詳細は、県が本調査した1275地点のうち、検出限界値(5~10ベクレル)以下が1515地点、100ベクレル以下が213地点、100ベクレル超200ベクレル以下が6地点、予備調査で500ベクレルだった旧小浜町地区の1地点のみ470ベクレル。
同地区で高濃度の検体が収穫された水田などのコメは、検査調査研究用に全量買い上げた。事態の収拾を急ぐ県は17日の中間報告で、同地区の高濃度セシウム検出の原因について「イネのセシウム吸収を抑えるカリウムが一般土壌に比べて少ないなど、複数の要因が重なった極めてまれなケース」と推定した。
だが、売れ行きへの不安は拭えない。菊地さんは「去年に比べると、だいぶ安くなるのではないか。風況被害が心配だ」と表情を曇らせる。
二本松市を管轄するJAみちのく安達の渡辺斉営農部長も「卸売業者との交渉は、昨年より1割程度低い価格でスタートしている。福島のコメは茨城、千葉県産のコメと同等が、それ以上の評価を得てきた。しかし、今年は肩を並べるのは無理だ」と語る。
二本松市内の本調査では、旧小浜町地区の一部を除けば、限界値以下が77%、100ベクレル以下が22%だった。
渡辺部長は「検査結果は全て正直に業者に話している。買ってくれないわけではないが、50ベクレル以上のコメはいらないと言われる。不検出(限界値以下)を指定する業者もいる」と話した。
福島県で独自に水田の土壌を調べている新潟大の野中昌法教授(土壌環境学)は「汚染の実態を反映していない。調査地点が少なすぎる。きちんと調査して対策を打たないと、来年以降も放射性物質が検出されることになる」と警告する。
農水省の調査方法は、出荷停止の作物が出た県とその周辺の作物が出た県とその周辺の17都県を対象に、予備調査で汚染の傾向を把握。本調査では、予備調査で1キログラム当たり200ベクレルを超えた市町村を重点調査区域として15ヘクタールごとに1地点、200ベクレル以下は旧市町村ごとに1地点の割合で資料を採取。本調査で500ベクレルを超えれば、旧市町村単位で出荷が禁止されるという仕組みだった。
全国で唯一、重点調査区域に指定された二本松市では、
国の基準を上回る
7.5ヘクタールごとに計288地点の調査地点を設けたが、
野中教授は「まだ不十分」と断じる。
「最初から、旧市町村ごとに200ヵ所程度の調査地点が必要だ。それこそ水田ごとやらなければ。旧小浜町地区のケースは、森林のセシウムが水田に流れ込んだと考えられる。森林、水系も含めた土壌、農業用水の詳細な調査が欠かせない」
こうした批判や消費者の不安を受け、いっそのこと出荷前の段階で、米袋ごとに検査すればいいというアイデアが持ち上がってきた。二本松市の三保恵一市長は予備検査後の今月3日、鹿野道彦農林水産省に全袋検査体制づくりを要請した。
全袋検査用の測定機器は既にある。たとえば、富士電機(本社・東京)が先月に発売した「食品放射能測定システム」。この装置では、米袋のままでベルトコンベヤーによる連続検査が可能だ。30キログラムの米袋であれば12秒、1時間で200袋を処理できる。
福島事故前の国の食品測定マニュアルでは、ゲルマニウム半導体測定装置による精密検査しか認めていなかった。放射性物質の線量がわかるが、1台1500万円と高く、測定に1時間もかかる場合もある。あくまでも抜き取りサンプル用だ。
一方、富士電機のシステムは事故後、コメや肉などの全量検査用に開発された。特別な技術も測定物を切り刻むなどの前処理も不要。価格は430万円とゲルマニウム装置の3分の1で、細かい分析はできないが、ヨウ素とセシウムが一定以上あるかどうかは判別できる。判定値を超えれば、ゲルマニウム装置で精密検査を実施する。
国は事故後、牛とコメの検査については、簡易機器の使用を認めるようになったが、あくまでも現行のサンプル検査などの効率化が狙いだ。
農水省農産企画課の担当者は「サンプル検査が妥当。全袋検査は検討していない」と説明する。
放射能測定機器の購入費用の2分の1を補助する国の制度があるが、簡単には手が出ない。渡辺部長は「二本松市産のコメを全部検査するとなると、検査機器が10台は必要だ。安心をアピールしたいが、独自にやるのは難しい。国の責任でやってほしい」と話す。
民主、自民、公明、みんな、社民各党の一部議員は、食品の全量検査などを国に義務付ける議員立法を目指している。
取りまとめ役の阿部知子社民党政審会長は「サンプル調査では、消費者の不安は消えない。全袋検査を徹底しない限り、規制値を超えるコメが市場に流通してしまう危険は残る」と訴えている。
(c)東京新聞 こちら特報部 23年10月23日朝刊
主食のコメ大丈夫?安全宣言も消えぬ不安[東京新聞]
日本は99.9%以上検査してない
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