甲状腺 ベラルーシから見た福島 甲状腺がんの不安

2011.11.19 08:32 (1/2ページ)
15歳で甲状腺がんの摘出手術を受けたリュドミラさん。首には今も傷跡が残る=ミンスク市内
15歳で甲状腺がんの摘出手術を受けたリュドミラさん。首には今も傷跡が残る=ミンスク市内
女性の首から胸のあたりには、ネックレスのようなU字型の傷跡が残り、のどには筋肉を切除したくぼみがあった。
「今はなるべく気にしないようにしている。そうすれば他人も気にしなくなるだろうから」。そう話すリュドミラ・ウクラインカ(35)は、旧ソ連・ベラルーシの首都にあるミンスク教育大で心理学を指導している。
リュドミラは、1986年にベラルーシの隣国・ウクライナ(旧ソ連)のチェルノブイリ原発で事故が起きた際、原発から北約300キロにあるモギリョフ市の祖母の家で過ごしていた。しかし、原発事故を知ったのは1年以上たってから。その間、森で採ったキノコや野いちごを食べた。周囲では放射能汚染の影響を心配しロシア側に避難した人もいたが、一家はつてがなく移住できなかった。
事故から5年後の15歳のとき、健康診断でがんが疑われ、精密検査で甲状腺がんと診断。ミンスクの病院で摘出手術を受けた。胸やのどの傷は手術の際のもので、傷を隠すためにえりの長い服を着るなど精神的に苦しんだ。
現在も毎日ホルモン剤を飲む生活が続くが健康状態は良好だ。ただ、6歳の長女、アンナが体調を崩すたび「放射能の影響ではないか」と不安になる。「あのときロシアに知り合いがいたら…」と声を落とした。
甲状腺の定期検査をしているブレスト州立内分泌(ないぶんぴつ)診療所所長、アルトゥール・グリゴロビチ(44)は「1グレイ(グレイ=吸収放射線量)以上の放射線を受けた人には遅かれ早かれ影響は出る。影響は100年は続くだろう」と断言した。
■  ■  ■
91年に独立したベラルーシは人口約970万人で面積は日本の半分程度。チェルノブイリは国境に近い。


事故は86年4月26日に起きたが、旧ソ連はすぐに公表せず、海外からの指摘で発覚した。事故後1週間で原発から半径30キロの住民は強制移住させられたが、それ以外の地域では長期間事故を知らずに過ごした住民もいた。4年後からベラルーシやウクライナでは子供の甲状腺がんが多発。事故で広範囲に放出された放射性ヨウ素が原因とされる。
ヨウ素は、新陳代謝に必要な甲状腺ホルモンの合成に欠かせない必須元素で、特に成長途上の子供の甲状腺にたまりやすい。だが、体は放射性か、そうでないか区別できない。原子力事故の際には放射性ヨウ素を取り込む前にヨウ素を満たすためにヨウ素剤の服用が予防になるとされる。ポーランドではこの薬品が配布されたが、ベラルーシでは配布されなかったという。
ヨウ素は海藻に多く含まれるため、内陸のベラルーシでは慢性的にヨウ素が欠乏し、取り込みやすい状況があったとの指摘もあるが、結果的にベラルーシでの0~18歳の小児甲状腺がんの患者は事故後14年間で882人。事故前11年間の患者が7人だったことと比べると劇的に増加した。一方、ベラルーシの西隣のポーランドではほとんど出ていない。
■  ■  ■
東京・霞ケ関の文部科学省で10月に開かれた福島第1原子力発電所事故の勉強会。ホルモンの働きを診る内分泌外科医として医療に携わり、現在は長野県松本市長を務める菅谷昭(67)は意見を求められ、チェルノブイリ原発事故の教訓を生かすべきだと訴えた。
菅谷は事故から5年後、日本の医療団の一員に加わり、ベラルーシを訪れ、原発事故による甲状腺がん患者の治療に携わった。
その経験をもとに菅谷はいう。「チェルノブイリの低濃度放射能汚染地帯で何が起きているのか。福島のこれからのために知るべきことだ」
(敬称略)
旧ソ連・ウクライナのチェルノブイリ原発事故から25年。
9月に隣国のベラルーシを訪問した日本医科大の清水一雄教授を団長とする健康被害調査医師団に同行し、事故の影響が続く現地を取材した。ベラルーシの経験から福島第1原発事故を考える。


東日本大震災:

チェルノブイリのデータ役立てて 小児がん治療、

ロシア人医師来日へ

参加者
中川原 章(千葉県がんセンター センター長)
アレクサンドル ルミャンツェフ
(ロシア連邦立小児血液・腫瘍・免疫研究センター センター長)
(ロシア医学科学アカデミー会員)
鷲見 学 (厚生労働省健康局がん対策推進室 室長)

お昼休み後
「チェルノブイリと小児がん」~チェルノブイリが教えたもの~
「放射線と子ども」~子どもの発育と放射線~



旧ソ連のチェルノブイリ原発事故(1986年)の影響による
小児がん患者らの治療にあたってきたロシア人医師が、
福島第1原発事故で健康への影響が懸念される子供たちのために
役立ててほしいと、治療データなどを持って来日する。
交流のある千葉県がんセンター(千葉市中央区)の
中川原章センター長(64)に働きかけ実現、
18日に千葉市内で開催されるシンポジウムで研究成果を報告する。
来日するのは、
「ロシア国立小児血液・腫瘍・免疫研究センター」(モスクワ)のセンター長、
アレクサンドル・ルミャンツェフ教授。
研究センターは事故による小児がん研究の拠点として、
約10万人の被ばくした子どもたちのデータを蓄積し、
6000人以上を治療した。
シンポジウムでは、小児がん治療の実績や、
食物連鎖による食品への放射性物質の蓄積などについて報告する。
今年6月、
研究センターの新病棟完成の記念式典に招待された中川原医師に、
ルミャンツェフ教授が「日本のために、ロシアの研究成果を役立ててほしい」
と申し出た。
中川原医師は「チェルノブイリ事故で苦しむ子供たちのために
先頭に立って治療に当たった医師。
福島のことは人ごとだとは思えなかったのでは」と語る。
シンポジウムは18日午前10時から千葉市中央区の「ホテルポートプラザ千葉」で、「チェルノブイリと小児がん 命と絆を守る」と題して開かれる。入場無料。
問い合わせは千葉県がんセンター(043・264・5431)。【久野華代】
毎日新聞 2011年11月16日 東京夕刊

小児がんシンポジウム:チェルノブイリで治療の医師報告 千葉で250人 /千葉

 旧ソ連(現ウクライナ)のチェルノブイリ原発事故後、小児がん治療に長年携わってきたロシアの「国立小児血液・腫瘍・免疫研究センター」の研究者らが参加するシンポジウム「チェルノブイリと小児がん 命と絆(きずな)を守る」が18日、医療関係者など約250人が参加し、千葉市中央区千葉港の「ホテルポートプラザちば」で開かれた。
 同センターは、事故による小児がん研究の拠点として、
約10万人の被ばくした子どもたちのデータを蓄積している。
セッションに参加した同センターの
アレクサンドル・ルミャンツェフ・センター長は
「放射性物質による甲状腺がんが増えたのは
事故から5~7年後のことだった。
発症しやすいのは、
事故当時、3歳以下か15~18歳の未成年
いまでも事故前の水準まで発症率が低下していない
などとロシア側の現状を報告。
データを示しながら、
チェルノブイリ事故と東京電力福島第1原発事故の
被災状況の比較などを行った。【味澤由妃】
ルノブイリと小児がん」というセッションで、アレクサンドル ルミャンツェフ教授(ロシア連邦立小児血液・腫瘍・免疫研究センター)という方が、「チェルノブイリ原発事故が教えたもの」と題して講演されました。

通訳を介して聞いたので、なかなか理解が難しかったのですが、
理解できたことは、まず福島の放射線を出している原因物を封じ込めよ、ということ、子どもを2.3ヵ月きれいな空気、水、食べ物のところで生活させると、体内の放射線の影響はかなり減少する、ということ、甲状腺がん以外のがんはチェルノブイリでもまだ増えていないこと、内部被曝をできるだけ避けるようにすること、等が強調されていました。

他に興味深かったのは、中地敬さん(財団法人 放射線影響研究所)が、広島・長崎の原爆の被爆者のデータをとり続け、免疫機能に対する影響を調べているという発表です。
日本は広島・長崎の経験があるのに、原発反対と結びつけて語られることは多くあるけれど、医学的な研究がどのようになされているのか、あまり聞いたことがなかったので、とても興味深かったです。
しかも、チェルノブイリ事故の時、ロシアが参考にしたのは広島・長崎のデータだったそうです。

福島原発事故は、チェルノブイリを超えてしまったのです。そのことを考えると、政府の当初の対応や、発表は何だったんだろう、と思わざるを得ません。
そんなことをいろいろ考えさせられました。
財団法人 放射線影響研究所
財団法人放射線影響研究所(ほうしゃせんえいきょうけんきゅうしょ、Radiation Effects Research Foundation)は、被爆者の健康調査及び被爆の病理的調査・研究を行う研究機関。 日本国の法律に基づき設立された財団法人で、日本国政府とアメリカ合衆国政府により設立・運営されている。日本側の所管省庁は厚生労働省外務省




















福島県の子供36万人全員 生涯にわたり甲状腺検査

2011/10/10 01:41

SANKEI_EXPRESS__2011(平成23)年10月10日付EX(X6面)

子どもたち3人の甲状腺の超音波検査を終え、帰途に就く家族。今年4月1日時点で18歳以下の福島県内の子ども全員が検査対象となる=9日午後、福島市の県立医大病院

福島県は9日、東京電力福島第1原発事故に伴う県民健康管理調査の一環として、今年4月1日時点で18歳以下の県内の子供全員の甲状腺検査を、福島市の県立医大病院で開始した。約36万人を対象に生涯にわたって甲状腺をチェックする世界でも類を見ない調査となる。
 甲状腺はのどの付近にあり、昆虫のチョウが羽を広げたような形の組織で、体の代謝を支えるホルモンなどを分泌。放射性ヨウ素がたまりやすく、1986年のチェルノブイリ原発事故では子供の甲状腺がんが多発した。保護者の間に不安が広がっていることを受け、全ての子供を対象とした検査に乗り出した。
検査は超音波を使い、首の断面画像や甲状腺の大きさを記録。異常がないか複数の医師で診断し、結果は約1カ月後に郵送で通知する。病変の恐れがあれば後日、採血や尿検査のほか、細胞を採取する詳細検査を行う。
初日は計画的避難区域などに指定された飯舘村と浪江町、川俣町山木屋地区の子供144人が検査を受けた。内訳は0~5歳が24人、6~10歳が48人、11~18歳が72人で、22人は県外の避難先から訪れた。3町村の計4908人を検査した後、他の地域にも拡大、2014年3月までに県内を一巡する。その後は2年ごと、20歳を超えると5年ごとに生涯にわたって検査する

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