TPPとは? なぜ反対か? 2011年11月12日 松本 はじめに TPPを考えるに際し、いまの世界がどういう時代であり、どういう状況か、共通の認識を確認したいと思います。 まず、人間とは、毎日、水を飲み、食べ物を食べないと生きられない動物です。 そのために、自然に働きかけ(労働)食物を得て、生きています。採取・狩猟時代は、基本的に保存できない食べ物がほとんどで、そのために短時間だけれど毎日働いていました。穀物の農耕・牧畜の発展に伴い食べ物の保存が可能になり、それに関連する道具の発展など富の蓄積が行われるようになりました。それによる人口の増加、交通手段の発展、集落同士の交流の発展が、余剰の生産物の物々交換を促進しました。この物々交換の発展が貨幣を生み、余剰生産物の交換ではなく、貨幣を得るための生産物=商品の生産につながっていきます。 生産が、自己の消費と生産物による徴税、使役が、社会の主たる生産であるときは、商品経済ではないので、経済法則が法則と明確になってきません。 富の蓄積が、貨幣の蓄積となり力を持つようになり(資本の形成)、生産手段・道具、動力化・機械化の発展が商品生産を促し、より富(貨幣など)を得ようと農民。農奴を労働力として大量生産を行うようになります。 商品、市場、資本、労働力がそろってきて資本主義的な生産、消費社会が形成され、その経済活動が分析の対象になってきました。商品生産の発展に追従するように経済学が発展してきたといえます。 マルクスにより資本主義の分析が「資本論」として結実しました。その資本論を日本の宇野孝蔵氏が経済学の原理論として、発展させました。 マルクス以降は、ケインズも含め経済政策論であり、資本主義を分析したものではありません。マクロ経済学、ミクロ経済学は、或る意味シミュレーション技法と言ってもいいものでしかありません。 マルクスの時代は、金融資本が未発達で、さらに、安直に暴力的に外国の資源などを奪い合う帝国主義的な状況への過渡期で、ほとんど理論的なものになっていません。 二度の世界大戦は、資源の枯渇が原因ではなく、賃金労働の余剰労働による資本の蓄積が、生産と消費のバランス崩し、不況のサイクルの繰り返しの後、金融資本の投機とその崩壊を生み出したのが主たる原因と思われます。 第2次世界大戦後、アメリカは、戦後復興の利益を独占してきましたが、各国が生産を回復してくるなかで、相対的に経済力が低下してきました。さらに、「冷戦」の名目で、軍事支出を拡大、維持する政策をつづけ、ベトナム戦争への巨額な軍事費で大きな財政負担を抱えることになりました。 1960年~1975年 ベトナム戦争 1964年 トンキン湾事件 1965年 北爆開始 1971年 ドルの金本位制停止(ニクソンショック) 1973年 円の変動相場制移行 1981~1989年 レーガン大統領 1985年 プラザ合意 ドル安政策、協調介入 1989~1993年 G.ブッシュ大統領 1991年 湾岸戦争 1993~2001年 クリントン大統領 2008年 リーマンショック 1.TPPとは 別名: 環太平洋戦略的経済連携協定、環太平洋パートナーシップ 英語:Trans-Pacific Partnership、Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement 2002年10月、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の前身は、アジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議において、ニュージーランドとシンガポール、チリの3ヵ国が署名した経済協力の構想(Pacific Three Closer Economic Partnership)。全ての産業品に対し関税を撤廃するという枠組みは、ニュージーランドとシンガポールとの間の2国間協定「ANZSCEP」をベースとしているとも言われている。 2006年にAPEC参加国であるニュージーランド、シンガポール、チリ、ブルネイの4ヵ国が発効させた、貿易自由化を目指す経済的枠組み。工業製品や農産品、金融サービスなどをはじめとする、加盟国間で取引される全品目について関税を原則的に100%撤廃しようというもの。2015年をめどに関税全廃を実現するべく協議が行われている。 2009年11月にオバマ氏が訪日中に米国のTPP参加を表明。このとき、当時の民主党鳩山首相にTPP参加を求めたという話がある(TBS岸井による) 当初の4加盟国につづき、アメリカ、オーストラリア、ベトナム、ペルーが参加を表明し、ラウンド(交渉会合)に臨んでいる。次いで、マレーシア、コロンビア、カナダも参加の意向を明らかにした。 2010年夏ころに、当時の山田正彦農水相がTPPという言葉を閣僚懇で聞きたのが始めらしい。 2010年10月 カナダは酪農などの市場開放が十分でないとの理由でTPPへの参加を断られた。 韓国は参加に前向きな姿勢を見せていたが、その後TPPへの参加が自国に不利に働くとみて米国との二国間交渉に切り替え、米韓FTAで合意、妥結に至っている(アメリカは批准、韓国は未批准)。 中国は関心を示し情報収集などを行っていたが、その後の判断で参加しないことを明らかにした。ベトナムは、associate(準参加国)として、交渉に参加しているものの、今後、正規の交渉メンバーとして臨む覚悟があるかどうかについて疑問視する見方もある。インドネシアやタイは参加していない。ニュージーランド政府は「TPPにそれほどメリットがあるとは考えていない」とアメリカの外交文書が伝えていたことがウィキリークスに暴露されている。台湾とフィリピンは参加の意向を表明したことがある。 2010年10月に開かれた「新成長戦略実現会議」で、菅直人内閣総理大臣(当時)がTPPへの参加検討を表明した。 2010年11月、すでに米国、オーストラリア、ペルー、ベトナム、マレーシアの5ヵ国がTPPへ参加、次いでコロンビアやカナダも参加の意向を表明している。 2010年11月9日の閣議決定ではTPPへの参加は決定されなかったが、「関係国との協議を開始する」との決定が下された。 2010年APECのAPEC首脳会議において採択された首脳宣言である「横浜ビジョン」では、TPPは「ASEAN+3」「ASEAN+6」などと並んでFTAAPを実現するための具体的な経済的な枠組みの候補の一つに挙げられた。 2011年10月、野田佳彦・新内閣総理大臣を中心に、TPPへの参加の是非を問う議論が急がれている。この11月のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)までに結論を出したい意向があるとされる。 アメリカの思惑 ウィキリークス 米国公電「TPPで日本と韓国を潰せる」 #1 ニュージーランド外交貿易省のマーク・シンクレアTPP首席交渉官は「TPPが将来のアジア太平洋の通商統合に向けた基盤である。 もし、当初のTPP交渉8カ国でゴールド・スタンダード(絶対標準)に合意できれば、日本、韓国その他の国を押しつぶすことができる。それが長期的な目標だ」と語った。(米国大使館公電から)環太平洋経済連携協定(TPP)交渉でニュージーランドと米国は、農地への投資制度や食品の安全性などの規制や基準を統一した「絶対標準」を定め、受け入れ国を広げることで経済自由化を進めようとしている――。 http://quasimoto.exblog.jp/15866946/ 「TPPのための米国企業連合」のTPPに対する要求 〈市場開放〉 すべての分野、いかなる形の貿易をも含む包括的なものでなければならない。原産地規則は柔軟であるべきだ。米国産業に対する既存の市場開放を後退させてはならない。 〈知的財産権〉 知的財産権は米国の経済成長と雇用を支えている。知的財産権の保護規定は米国がTPP諸国と結んだ既存の通商協定に基づくべきだ。 〈投資〉 米国の対外投資にとって安定した非差別的な法的環境の典型をつくり出すために、強力な投資保護、市場開放規定、紛争解決を組み込むべきだ。 〈簡素化された貿易〉 物品、サービスがTPP加盟国間で生産から供給に至るまでタイムリーで効率よく安全に移動でき、米国の産業と労働者に経済的機会を提供するものであるべきだ。 〈規制の統一〉 TPPは規制による障壁という21世紀の貿易に対する主要な問題に立ち向かうべきだ。 〈公正な競争〉 反汚職の規定が必要。国有企業と民間企業、外国企業が一つのフィールドで競争することを保証すべきだ。 TPPのための米国企業連合 「TPPのための米国企業連合」の要求書に名を連ねた主な企業、業界団体は次の通り。 AT&T(通信)、ベクテル(建設)、ボーイング(航空・宇宙・軍事)、カーギル、モンサント(以上農業関連)、キャタピラー(建設機械)、シェブロン(石油)、シティグループ(金融)、コカコーラ(飲料)、ダウ・ケミカル(化学)、フェデックス、ユナイテッド・パーセル・サービス(以上運輸)、ゼネラル・エレクトリック(電機・金融)、ヒューレット・パッカード、IBM(以上コンピューター)、インテル(半導体)、ジョンソン・エンド・ジョンソン、ファイザー、アボット・ラボラトリーズ(以上医薬品)、リーバイ・ストラウス(アパレル)、マイクロソフト、オラクル(以上ソフトウエア)、タイム・ワーナー(メディア・娯楽)、ウォルマート・ストアーズ(小売り) 米国商工会議所、全米製造業者協会、先進医療技術協会、アメリカ生命保険会社協議会、アメリカ大豆協会、サービス産業連合、トウモロコシ精製協会、米国蒸留酒協議会、IT産業協議会、全米豚肉生産者協議会、全米小売連盟、アメリカ医薬品研究製造業者 1.前提条件(自由化例外品目の提示)を持っての交渉参加は認めない。 →自由化対象外品目は、交渉の中でしか決定しない。 2.WTO協定の義務を順守して、日本郵政への優遇処置の撤廃。 →2010年5月21日ジュネーブで行われた協議で、米国と欧州連合が日本郵政に関する懸念を表明。 WTO協定の下で日本が履行を約束した内国民待遇規定(輸入品・サービスに適用される待遇が、同種の国産品・サービスと比べて差別的であってはならないという原則)を順守するように要請している。 3.アメリカ産牛肉に対する規制撤廃。月齢制限の撤廃、SRM(特定危険部位)の範囲の見直し 先にアメリカとFTA協定を結んだ韓国も、月齢30ヶ月以上の米国産牛肉の輸入を規制しており、今回のFTA合意内容からは外され、継続協議となっている。 米韓FTAについて by 斎藤 やすのり衆院議員(民主党、衆議院 / 宮城2区 / 1期 ) ○韓国の国家予算は日本の10分の1であり、人口も少ない。2大財閥の現代とサムソンの2社がGDPの40%を占めている。韓国はGDPの7割が輸出入を占めている典型的な外需国で対外貿易の依存度が極めて高い(日本は2割程度)。だから、韓国と日本を同じポジションで比較してはいけない。 ○医薬品分野において米国の要求が丸呑み。FTAにおいて「医薬品・医療機器委員会」を設置することが合意され、米国の医療機器輸出に対して規制を加えることが非常に困難になっているし、高額医療の負担が国民に帰結すると懸念されている。また政府による医薬品の許可の遅延で発生した損害は米国企業に補償を行わねばいけないし、米国のメーカーは自社の薬価が低く決定された場合、これを不満として政府に決定の見直しを求めることが可能。つまり、国が主体的に薬価を決めることが困難に。 ○農協、漁協、労金の保険販売や韓国郵政の保険業務を韓国政府の金融監督委員会の規制下に置き、同種の民間保険と同一のルールを適用せねばならない。また韓国郵政は保険に関する新商品の販売を禁止する。 (1)サービス市場開放のNegative list: サービス市場を全面的に開放する。例外的に禁止する品目だけを明記する。 (2)Ratchet条項: 一度規制を緩和するとどんなことがあっても元に戻せない、狂牛病が発生しても牛肉の輸入を中断できない。 (3)Future most-favored-nation treatment: 未来最恵国待遇:今後、韓国が他の国とFTAを締結した場合、その条件が米国に対する条件よりも有利な場合は、米にも同じ条件を適用する。 (4)Snap-back: 自動車分野で韓国が協定に違反した場合、または米国製自動車の販売・流通に深刻な影響を及ぼすと米企業が判断した場合、米の自動車輸入関税2.5%撤廃を無効にする。 (5)ISD:Investor-State Dispute Settlement。 韓国に投資した企業が、韓国の政策によって損害を被った場合、世界銀行傘下の国際投資紛争仲裁センターに提訴できる。韓国で裁判は行わない。韓国にだけ適用。 (6)Non-Violation Complaint: 米国企業が期待した利益を得られなかった場合、韓国がFTAに違反していなくても、米国政府が米国企業の代わりに、国際機関に対して韓国を提訴できる。例えば米の民間医療保険会社が「韓国の公共制度である国民医療保険のせいで営業がうまくいかない」として、米国政府に対し韓国を提訴するよう求める可能性がある。韓米FTAに反対する人たちはこれが乱用されるのではないかと恐れている。 (7)韓国政府が規制の必要性を立証できない場合は、市場開放のための追加措置を取る必要が生じる。 (8)米企業・米国人に対しては、韓国の法律より韓米FTAを優先適用 例えば牛肉の場合、韓国では食用にできない部位を、米国法は加工用食肉として認めている。FTAが優先されると、そういった部位も輸入しなければならなくなる。また韓国法は、公共企業や放送局といった基幹となる企業において、外国人の持分を制限している。FTAが優先されると、韓国の全企業が外国人持分制限を撤廃する必要がある。外国人または外国企業の持分制限率は事業分野ごとに異なる。 (9)知的財産権を米が直接規制 例えば米国企業が、韓国のWEBサイトを閉鎖することができるようになる。韓国では現在、非営利目的で映画のレビューを書くためであれば、映画シーンのキャプチャー画像を1~2枚載せても、誰も文句を言わない。しかし、米国から見るとこれは著作権違反。このため、その掲示物に対して訴訟が始まれば、サイト閉鎖に追い込まれることが十分ありえる。非営利目的のBlogやSNSであっても、転載などで訴訟が多発する可能性あり。 (10)公企業の民営化 TPPの具体的な対象項目 【24の作業部会】 1 首席交渉官協議 2 市場アクセス(工業) 3 市場アクセス(繊維・衣料品) 4 市場アクセス(農業) 5 原産地規則 6 貿易円滑化 7 SPS(衛生植物検疫措置) ※検疫だけでなく、最終製品の規格、生産方法、リスク評価方法など、食品安全、動植物の健康に関する全ての措置。 8 TBT 工業製品等の各国の規格及び規格への適合性評価手続き(規格・基準認証制度)が不必要な貿易障害とならないよう、国際規格を基礎とした国内規格策定の原則、規格作成の透明性の確保を規定しています。 9 貿易保護 10 政府調達 11 知的財産権 12 競争政策 アメ車は日本のエコカー税制優遇を得られないから撤廃しなければならない! 13 サービス(クロスボーダー) 14 サービス(電気通信) 15 サービス(一時入国) 16 サービス(金融) 17 サービス(e-commerce) 18 投資 19 環境 20 労働 外国人が職業移民できるよう、医療関¬連資格試験などを英語で受けられるように。 21 制度的事項 22 紛争解決 23 協力 24 横断的事項特別部会(中小企業,競争,開発,規制関連協力) TPP賛成派の論拠 鈴木宣弘:TPPをめぐる議論の間違い ── 推進派の俗論を排す (News Spiral) http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/10/tpp_tpp.html 「TPPをめぐる議論の間違い」 (1)TPPはアジア太平洋地域の貿易ルールになるから参加しないと日本が孤立する (2)中国も韓国もTPPに強い関心を示しており、やがて入ってくる (3)TPPに入らないと、韓国に先を越された日本の経済損失が取り戻せない (4)TPP以外のFTAが具体化していないから、これしかない (5)「TPPおばけ」で根拠のない不安を煽っている (6)例外は認められるから大丈夫、不調なら脱退すればよい (7)所得補償すれば関税撤廃しても大丈夫 (8)日本のコメは品質がよいし、米国やオーストラリアの短・中粒種のコメの生産力はそれほど高くないので、関税撤廃しても、日本のコメ生産が極端に減少することはない。 (9)貿易自由化して競争すれば強い農業ができる (10)競争を排除し、努力せずに既得権益を守ろうとしいては、効率化は進まない (11)3,000円のカリフォルニア米で牛丼が100円安くなるのならTPPに参加した方がいい (12)過保護な日本農業はTPPでショック療法が必要だ (13)強い農林水産業のための対案がないではないか 地域の中心的な「担い手」への重点的な支援強化も必要である。今後農業をリタイアされる方がい (14)ぎりぎりまで情報を隠し、議論を避け、「不意打ち」的に参加表明すればよい 【参考文献】 鈴木宣弘・木下順子『震災復興とTPPを語る-再生のための対案』筑波書房、2011年 鈴木宣弘・木下順子『TPPと日本の国益』大成出版、2011年 * 日本を含めTPPに参加表明している10カ国のGDP比。米国67%。日本24%。2カ国だけで91%。オーストラリア約4%、それ以外の七カ国を合わせて5%。実質的に日米のEPA。 * TPPでアジアの成長を取り込む?TPPに参加しているアジアの国はシンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイの4カ国。これらの国のGDPを全部合わせても2.4%しかない。どこを取り込む?中国も韓国もTPPに入るなんてことは言っていない。 * 日本のGDPにおける第一次産業の割合は1.5%しかない。1.5%を守るために残りの98.5%を犠牲にしてよいのか?日本が輸出で稼げると思われている自動車や家電製品などの耐久消費財の輸出額は837億ドル、GDP比で1.652%。なぜ98.5%を犠牲となるのか? * 2010年度名目GDP479兆円の内訳。民間最終消費支出約280兆円。民間住宅12.8兆円。企業の設備投資65.8兆円。政府消費支出96兆円。公共事業20兆円。純輸出5.5兆円。純輸出のGDP比はわずか1.14%。日本は内需の国。 * TPPに参加しないとバスに乗り遅れる?日本はTPP加盟国ではシンガポール、チリ、ブルネイ、ベトナム、マレーシアとFTA締結済、ペルーとはFTA署名済。米国は、シンガポール、チリ、オーストラリア、ペルーとFTA締結済。バスに乗り遅れているのは米国。 * 日本の関税率は高い?農産物の関税率は日本11.7%。米国5.5%。鉱工業品(非農産品)は日2.5%、米3.3%。電気機器が日0.2%、米1.7%。輸送機器が日0%、米3%。化学品は日2.2%、米2.8%、繊維製品が日5.5%、米8%、非電気製品は日0%、米1%。 * 関税率が貿易にとって重要だったのは昔の話。現在重要なのは為替レート。日本は戦後1ドル=360円。変動相場制に移行した1973年から円高傾向が続き、今や76円。5%程度の関税差なんてドルが5%下落すれば吹き飛ぶ。リーマン・ショックから比べてもドルは40%以上下落。 * 日本は農家を保護し過ぎ?日本の農家が政府からもらっているお金の割合は収入の15.6%。欧州農家の割合いは80~90%。保護主義を目の敵にする米国でも24.6%。農業は市場経済に委ねればよいというものではない。食料確保は国家安全保障の問題。 * TPPの真の問題は非関税障壁の撤廃。非関税障壁とは国家全体の利益あるいは国内の産業やその従事者を保護するために法的な措置を通じて外国の参入を制約すること。例えば輸入に対する数量制限、外国企業の参入禁止、参入への高い障壁、国内産業への助成、など。 * 想定される非関税障壁の具体例…狂牛病の月齢制限撤廃。郵政資金の国内運用禁止。遺伝子組み換え作物、ポストハーベスト、日本で禁止されている添加物や医薬品の使用認可。労働力の自由化。言語障壁の撤廃。混合診療の解禁、国民皆保険制度の撤廃など。 * 日本がTPP加盟後、非関税障壁を撤廃できない場合は、外国企業や投資家から訴えられる可能性あり。その調停機関が国際投資紛争解決センター。世界銀行の本部に事務局を持つ国際機関で、外資系の投資企業が投資相手国の政府を訴えて損害を弁済させることが可能。 TPP賛成派(分かっている範囲内で、賛成派の主な人たち) 主な政治家・・・野田佳彦首相、菅直人前首相、前原誠司政調会長、玄葉光一郎外相、安住淳財務相、仙谷由人元官房長官、みんなの党一派、河野太郎、石破茂その他 主な言論人・・・竹中平蔵、星 浩、櫻井よしこ 、辛坊治郎、高橋洋一、阿比留瑠比、松本健一 、財部誠一、屋山太郎、勝間和代、猪瀬直樹、古賀茂明、三宅久之、古森義久、田勢康弘、岸博幸、堀江貴文、田中直毅、田村秀男、伊藤洋一 、池田信夫、谷内正太郎 、花岡信昭、大前研一、伊藤元重、田嶋陽子、高野孟、福田和也、田久保忠衛 、田原総一郎その他 |
10 名前:Hiroshi Matsumoto 投稿日:2011/11/15(火) 13:15:23 | 修正 | |
TPP勉強会資料―参考文献 2011年11月12日 松本 1.TPP亡国論(集英社新書) 中野 剛志(2011・3・17) 2.「農政」大転換(宝島社新書) 山田正彦(2011.6) 3.食糧危機が日本を襲う!(角川SSC新書) 柴田 明夫 (2011・7・9) 4.日本の魚は大丈夫か(NHK出版) 勝川俊雄(2011・9) 5.日本の再生―機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却 植草 一秀(2011・10) 6.恐慌の黙示録(東洋経済新報社) 中野 剛志(2009・4) 7.属国―米国の抱擁とアジアでの孤立(凱風社) ガバン マコーマック(2008・8) 8.世界恐慌の足音が聞こえる(中央公論新社) 榊原英資(2011・9) 9.利権の亡者を黙らせろ(講談社) 苫米地英人(2011・6) 10.「脱原発」成長論(筑摩書房) 金子 勝(2011・8) 11.農業がわかると、社会のしくみが見えてくる(家の光協会) 生源寺眞一(2010・9) 12.さよならニッポン農業(生活人新書) 神門 善久(2010・6) 13.官僚亡国(朝日新聞出版) 保阪正康(2009・9) 14.日本国の正体(講談社) 長谷川幸洋(2009・7) 15.日本 権力構造の謎(早川書房) カレル・ヴァン・ウォルフレン(1990・9) 16.消費税は0%にできる(ダイヤモンド社) 菊池英博(2009・7) 17.消費税のカラクリ(講談社現代新書) 斉藤貴男(2010・7) 18.日本経済が何をやってもダメな本当の理由(日本経済新聞) 櫨 浩一(2011・6) 19.生きるための経済学“選択の自由”からの脱却(NHKブックス) 安冨 歩(2008・3) 20.超訳『資本論』(祥伝社新書) 的場 昭弘(2008・4) 21.池上彰の講義の時間 高校生からわかる「資本論」(集英社) 池上 彰(2009・6) 22.図解雑学 マルクス経済学(ナツメ社) 松尾 匡(2010・10) 23.マルクスの経済学がよくわかる本(秀和システム) 安倍真也・宮崎哲也(2009・12) 24.賃労働と資本(岩波文庫) カール・マルクス(1927・10) 25.家族・私有財産・国家の起源(岩波文庫)フリードリッヒ・エンゲルス(1965・10) 26.思想としての近代経済学(岩波新書) 森嶋 通夫(1994・2) |
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