市民放射能測定所が新装オープン ホールボディカウンター(WBC)」まで備えている


市民放射能測定所が新装オープン

市民の手で生かせ「チェルノブイリの教訓」

2011年9月28日(水)
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 「国や県がきちんとした健康管理をしてくれない中で、市民が自分で防衛しなければならなくなっている。本来は、『被ばく手帳』というようなものが市民に無料で配られるべきと思うが、実際には配られていない。自分を守るものとして手帳を持って記録し、測定していくことは意義のあること。たくさんの方が活用してくださればありがたい」。
 ついに来月、福島市内に、内部被ばくを測る「ホールボディカウンター(WBC)」まで備えた市民による放射能測定所が移転、拡充オープンすることになり、9月23日、現地で記者会見が開かれた。子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク代表で小児科医の山田真医師も出席し、その席上でこう語った。いよいよ福島では、市民がホールボディカウンターを管理して測定し、手帳による生活記録などにより、自己防衛を図るという状況に入っている。

「市民の情報交換の場に」と期待

 3.11以降、「内部被ばくが不安」という市民の声に応えて、7月中旬以降、市民スタッフやボランティアら地元の人らによる「CRMS 市民放射能測定所」(丸森あや理事長)が設立され、食品の放射能測定をしてきた。
 今回、地元の商店街やビルオーナーらの協力により、新しい場所に移転。「Days 放射能測定器支援基金」と「未来の福島こども基金」により約500万円のホールボディカウンターやその他の計測器の寄贈を受け、設備を拡充。今後、希望する市民を対象に、新たに内部被ばく測定も開始することになった。
10月から移転・拡充オープンする市民放射能測定所(福島市)
 医療機関などでホールボディカウンターを備えた施設はあるが、民間の市民団体が独自に持つのは県内では初めて。同測定所によると「全国でも珍しいのでは」という。
 新しい測定所の場所は、かつて「スズラン通り」と呼ばれた福島駅の周辺商店街「パセオ470通り」にある旧・仲見世に、今年建設された物販と飲食の新しい複合ビル「パセナカMisse(みっせ)」。ビル内には、子どもたちが遊べる「キッズルーム」や、市民が交流できるスペースなども併設されている。訪れた市民や親子連れなどの交流と情報交換の拠点になることと、中心商店街全体の活性化の拠点となることが期待されている。
 今後、予定している主な活動は以下の通りだ。
[1]いす型のホールボディカウンターによる内部被ばく測定(1基)
[2]NaI検出器3基とゲルマニウム検出器による食品の放射能測定
[3]ブックセンター併設と本の執筆などによる情報提供
[4]同測定所オリジナルの「生活手帳」出版と県民への無償配布
[5]国内外の専門家を招いた研究会や講演会、勉強会の開催
[6]子ども健康相談会の開催
[7]海外の専門家を招いた国際会議開催
 ホールボディカウンターの利用については10月1日以降、ホームページから事前予約を受け付ける予定で、利用料は20歳未満が無料、20歳以上は実費(数千円程度)となる見通し。
 ホールボディカウンターの検出限界値は約300ベクレルで、測定時間は約3分。高めの数値が出た場合には、さらに時間を延長して測る。測定器が示した数値を利用者に知らせ、追加被ばく予防に取り組んでもらうのが狙い。
 今後は郡山、いわき、南相馬、須賀川、会津若松、二本松など各市でも食品を中心とした測定所の開設が予定されている。県は今回の原発事故後、移動式の車載のホールボディカウンターを整備しており、今後は、民間と行政、双方での内部被ばく測定が進む見通しだ。

既に生物学的半減期迎えた核種も

 ホールボディカウンターの測定結果については、事前に利用者が理解していなければならないことがある。
 それは、原発の爆発で外部に放出された核種によっては、既に生物学的半減期(体内に止まる期間)を迎えたものもあり、測定結果は過去も含めた内部被ばくすべてを示したものではないこと、測定には誤差があることなどだ。同測定所では今後、定期的な学習会や医師らによる健康相談会も開催して、市民に理解を深めてもらうことにしている。

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