2011年10月29日土曜日

二本松市復興計画基本方針


 はじめに

このたびの東日本大震災は、本市において3月11日に震度6弱という、
かつて経験したことのない激震を記録し、市内においても住宅の倒壊、
道路をはじめとする公共施設の損傷等、甚大な被害が発生したところであり、
その後も4月7日震度5強、4月11日に震度5弱の余震があり、
さらには震度4以上の強い揺れが幾度となく発生するなど、
市民生活に大きな影響を与えました。
この大地震という自然災害による未曾有の被害に加え、
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、
放射性物質が放出されたことにより初めて原子力緊急事態宣言が
発せられました。
さらには放射性物質により農畜産物の出荷制限がされるなど、
一向に事態収束の兆しも見えない原子力災害への対応、
浜通りからの避難者の受入等、目まぐるしく、
かつ、厳しい状況の変化にさらされてきました。
このような中、二本松市では、地震発生後直ちに
「二本松市地震災害対策本部」を設置し、
「市民の生命を守り、安全を確保し、市民生活を守る」ことを最優先に、
余震が続く中、水道や電気・通信・道路等、ライフラインの確保と
災害復旧に総力を挙げて対応してまいりました。
特に、原子力災害は、市民の健康、生活の面での影響が懸念され、
市内の農業・商業・工業、全ての産業・経済に
甚大な影響を及ぼしておりまして、原子力災害の一刻も早い収束は、
全ての市民の切なる願いであり、一日も早く市民の暮らしを回復させ、
安全と安心を取り戻すための取り組みを進めていく必要があります。
今後は、共助・公助の精神を大切に相互に助け合い、市民の力を結集して、
この未曾有の危機を乗り越え、
地震発生以前より、もっと素晴らしい日本、二本松市を築くために、
すべての市民と思いを共有しながら
復興に向けて希望の旗を掲げ一丸となって
復興を進めていく必要があります。

1  基本理念  


「二本松市復興計画基本方針」は、
平成23年3月11日に発生した東日本大震災及び原子力災害で
甚大な被害をこうむった本市の復興に向け、
その基本的な理念及び緊急かつ重点的に取り組む事項などを明確にし、
二本松市復興の方向性を示すものであります。
今後、この基本方針に基づいて、
復興の具体的な取り組みと事業をまとめた
「二本松市復興計画」を策定する予定です。

復興計画の策定に当たっては、
議会、市民、学識経験者、関係団体・機関などの様々なご意見を伺い、
計画に反映させてまいります。
また、
「元どおりに戻す」という「復旧」だけでなく、
「市民生活が震災前以上の元気・活力を備えることができるよう、
暮らしの再建を図る」という「復興」を目指すこととします。



基本理念1

安全・安心のまちづくり(施策の柱1)


1 原子力への依存なく、地域住民の安全が確保され、
       安心して暮らすことが出来る地域社会の再構築を図ります。
2 「脱原発」により放射能の不安がなく、
       すべての市民が生涯にわたり
        健康で安心して暮らせる環境づくりを推進します。

基本理念2

地域経済の持続的な発展(施策の柱2)


1 東京電力福島第一原子力発電所事故による放射能災害で、
      市民が被った全ての損害と風評による被害に対する
      賠償の完全実施を求めるとともに、
      風評を払拭するために全力を挙げて取り組みます。

2 復興の原動力となる地域経済の持続的な発展を図るために、
       地域資源を活かした多彩な産業振興を図り、
        恵まれた立地条件を活かした新たな産業の育成を目指します。

基本理念3 


人づくり、地域づくり(施策の柱3)


1 市民が生涯にわたり、自分の夢や目的の実現に向けて
       自らの力を発揮することのできるまちづくりを目指す。

2 地域の絆を大切にし、地域が自ら考え、
       まちづくりのアイデアを結集して
       市民一人ひとりの意欲や取り組みが生かされるよう、
       行政が先導役となり市民との連携による協働で復興に取り組む。



2  復興の基本的考え方

(1)計画期間
    市内全域に甚大な被害が発生していることから、
    復興を達成するまでの期間を、おおむね10年間とします。
      また、
    平成27年度までの5年間を前期集中復興期間とし、
    平成28年度からの5年間を後期発展的復興期間
      と位置付けることといたします。

    さらに、
     前期集中復興期間の計画期間を3期に区分し、
 
     市民生活基盤や公共施設を復旧させる
     「復旧期」として3年間(平成23年度~25年度)、

    災害の影響により生活・事業等に支障をきたしている方々への支援や
    二本松市の再生に向けたインフラ整備などを充実させる
    「再生期」として5年間(平成23年度~27年度)、

    市政の発展に向けて戦略的に取り組みを推進していく
    「発展期」として9年間(平成24年度~32年度)を、
    それぞれ設定します。

     また、
     平成28年度からの後期発展的復興期間については、
    復興の達成状況や原発事故の影響等を再検証し、
    新たに必要となる事務事業等の検討を行い
    次期長期総合計画の中に盛り込んで、
    更なる二本松市の発展に向けた取り組みを推進します。



(2)計画の進行管理


    迅速な復興を達成するため、復興計画の進行管理については、
    計画のマネジメントサイクルに基づき、
    市が行う施策の実施状況や進捗について明らかにし、
    計画の実効性を高め、その着実な推進を図るとともに、
    次に実施する取り組みにつなげていきます。

(3)計画の実効性の確保
    復興計画を推進するに当たっては、
    多大な経費を要するとともに、税収入の減収が見込まれることから、
    これまで以上に厳しい行財政運営を余儀なくされることは論を待ちません。
     今後もなお一層の行財政改革を進めていくことは当然ですが、
    自助努力のみで復興をなし得ることは到底不可能であり、
     国、県、民間からの人的・物的支援が何よりも重要になってきます。
    とりわけ、
    長期間にわたる国の財政支援なくして復興は不可能であることから、
    災害復興交付金や地方交付税等、自由度の高い財政措置を
    十分な規模で行うよう国に強く要請し、復興のための財源を確保し、
    財政計画との連動を図りながら復興事業を実施していきます。


(4)計画の見直し
    東京電力福島第一原子力発電所の事故は、
    いまだ収束への道筋が見えず、予断を許さない状況が続いていることや、
    これからの社会経済情勢の変化や復興の状況等を踏まえ、
    必要に応じて、所要の見直しを行うこととします。

(5)復興の主体
   復興活動は、行政、企業、団体、NPOなど、
   多様な活動主体が互いに手を携え、
   共に歩んでいくという連携・共助の精神を共有し、
   「絆」という人と人との結びつきを核として取り組んでいく必要があります。
   復興の主体は、市民一人ひとりであり、
   民間をはじめ様々な主体による復興に向けた事業や取組が
   幅広く進められていくことによって、
   復興事業の効果が相乗的に高まります。
   市はこうした復興に向けた活動の先導役となるとともに、
   それらを全力で支援していきます。

3  復興の基本となる取り組み  


Ⅰ.放射性物質の除染


☆ほぼ全域が放射性物質に汚染されている二本松市の復興は、
    放射性物質を取り除くこと、いわゆる除染抜きにはあり得ません。

☆除染は、市民の健康を維持するために、最も重要で有効な手段であります。

☆市民、関係機関、行政が互いに協力し一刻も早く除染を進め、
    市民の不安を和らげ、夢と希望を持って復興を成し遂げる必要があります。

☆学校、通学路、公園など身近な生活空間での除染を最優先に取り組みます。

☆除染を行い、農産物や食品への影響を低減させ、
    社会不安を小さくすることにより風評被害を克服し、
    市内すべての産業の復興を図ります。

☆大気、土壌、地下水、農畜産物等の環境放射線等の
    きめ細かいモニタリングで迅速な状況把握を行い、
    市民へ正確な情報提供に努めます。

☆除染等の原子力被害対策は本来、その原因者である
   東京電力及び国の責任において実施されるべきものでありますが、
   原子力災害の一刻も早い収束は、全ての市民の切なる願いであり、
   一日も早く市民の暮らしを回復させ、安全と安心を取り戻すために、
   除染を進めて参ります。

Ⅱ.放射線からの健康管理対策


☆放射線からの健康影響について市民の不安を軽減するために、
    被ばく線量低減対策として、除染を進めます。

☆放射線の影響を最も受けやすい、子供や妊婦等に
   フィルムバッチの配布やホールボディーカウンターによる
   被ばく量の推定と長期的な健康管理体制を構築します。


Ⅲ.賠償、補償の支援


☆全損害の迅速な賠償・補償がなされるよう、
    東京電力及び国に求めるとともに、市民や事業者の
    原子力損害賠償の確保が円滑に進められるよう支援体制を構築します。

☆市の行政損害についても賠償されるよう東京電力並びに国へ要求します。


4  復興の方向性  


震災被害はもとより原子力災害による被害は甚大で、
市民生活の全般にわたって極めて大きな影響を与えていることから、
市政全般について分野毎の復興の基本的な方向性を以下のとおりとします。

本市の復興に向けた施策を展開する上で、
放射性物質の除染、放射線からの
健康管理対策、賠償・保障の支援の取り組みが基本であり、
最優先に取り組んでいく必要があります。
しかしながら、市民生活が震災前以上の元気・活力を備えることができるよう、
暮らしの再建を図る復興を早期に実現するためには、
この基本となる取り組みと並行して
復興の各種施策に取り組まなければなりません。

このようなことから、復興の施策を展開する上で、
市全体の産業振興のあり方や公共施設・防災施設の整備・配置などを
抜本的に見直し、
各分野とも復旧期・再生期・発展期の各段階を踏まえて
効果的な施策の展開を図ります。

なお、最終的には、本市の長期総合計画に掲げた将来像、
“自然の恵み 先人の知恵 いまに息づく文化の香り
「いま拓く 豊かな未来 二本松」”
の実現に向けて、
「安全・安心のまちづくり」
「地域経済社会の持続的な発展」
「人づくり・地域づくり」を施策の柱として取り組みを進め、
市民が「幸せ」を実感できる地域社会を実現していきます。


施策の柱1

 安全・安心のまちづくり 


①原子力への依存なく、地域住民の安全が確保され、
   安心して暮らすことが出来る地域社会の再構築を図ります。


○今回の原子力災害で深刻な被害を受けた本市においては、
   「脱原発」という考え方の下、原子力に依存しない社会を目指し、
    太陽光、風力、小水力、バイオマスなど
    地域資源を活かした再生可能エネルギーの飛躍的な推進を図るとともに、
    省資源、省エネルギーやリサイクルなどを強力に推進し、
    環境との共生が図られた社会づくりを進めます。

○ほぼ全域が放射性物質に汚染されている本市の復興は、
    除染抜きにはあり得ません。除染は、市民の安全・安心を確保するために、
    最も重要で有効な手段であり、
    市民・関係機関・行政が互いに協力し一刻も早い除染を行います。

○大気、土壌、地下水、農畜産物等の環境放射線等の
    きめ細かいモニタリングで迅速な状況把握を行い、
    市民へ正確な情報提供に努めます。

○地震により被災した道路をはじめとする
    公共インフラの復旧を最優先に取組みます。

○災害に強い、安全・安心の
   「人が輝き、地域が輝く 美しい豊かな二本松」を築くために、
   公共施設等の耐震化や災害時にも持続可能なインフラの整備を図ります。

○まちづくりを進める上での
   各種規制の緩和・撤廃、優良農地等農振除外基準の見直し、
   用途地域の変更等の速やかな実施や
   これらを市町村へ権限移譲を行なうことを、国・県に対し求めていきます。

○安全・安心に暮らせる優良な宅地の供給と、
   安心して働ける場を確保するため積極的な企業誘致や工場用地等の
   整備を促進します。

○地域防災計画の見直しなど防災体制を抜本的に見直すとともに、
    持続的な減災システムを構築し、高度な情報機器だけに頼らない
    地域防災力等の防災基盤が強化されたまちづくりを進めます。


○交通基盤、情報通信基盤等のハード・ソフトの両面において
    様々な手段を確保し、万一の際に対応できる、
    安全で安心な社会を構築や、
    災害時にも迅速で確実な情報伝達・提供を可能とする重層的な
    情報通信ネットワークの構築を目指します。

○様々な自然災害等を想定し、
   再構築された防災機能を最大限活用した実践的な
   防災訓練や避難訓練の定着を図るとともに、
   災害に備えて食糧、日用品、燃料等の一定量の備蓄、供給体制についても
   官民あげて取り組み、大規模災害への備えを整えます。
     また、
  市役所庁舎被災時のバックアップ機能を視野に入れた
   自治体クラウドの導入を推進します。

○災害等の発生時に外部電源途絶や断水等の事態であっても、
    応急避難場所としての機能を果たすことができる
    防災機能を兼ね備えた行政施設、教育施設等の再整備を促進します。

②「脱原発」により放射能の不安がなく、すべての市民が生涯にわたり健康   で安心して暮らせる環境づくりを推進します。 


○健康であることは、
市民一人ひとりの幸せを実現するために最も重要な条件の一つです。
今回の
東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染に対し、
「脱原発」の考えの下、市民の健康を守るために、
あらゆる手段を講じていきます。

○特に影響が大きいとされる子どもたちへの配慮として、
すべての小中学校校庭の表土除去及び
教室への空調設備の設置を行ないます。

○内部被爆に対する健康影響調査を実施します。

○食の安全確保の観点から、
農産物等の安全評価のための放射線計測を実施します。

○市民の心のケアの取り組みを強化していきます。

○今後、長期間継続的に市民の健康管理を行なうとともに
健康づくり体制を強化します。

○保健・医療・福祉スタッフの確保や
各機関の十分な連携補完体制の確立により、
災害時にも安心できる保健・医療・福祉提供体制の構築を目指します。

○訪問診療、訪問看護、訪問リハビリテーションなどの在宅医療を推進し、
既存の医療機関における診療と併せて、
多様で臨機応変な医療提供体制を整備します。
また、
介護予防の取組や病気にかかりにくい健康づくりに力点を置いた
保健活動等を充実し、
誰もが生涯を通じて健康で暮らせる地域社会づくりを進めます。


○既存制度に基づくサービスに加えて、
地域包括ケアシステムや住民主体による地域での支え合いを中心とした
地域福祉の取組による支援を積極的に展開し、
地域全体で高齢者や障害者、子どもを支え合う、
新しい地域コミュニティの構築を目指します。

○地域や年齢・性別、障害の有無等に関わらず、
だれもがスポーツに親しめるよう、スポーツ環境の充実強化に努め、
いつまでも健康で明るく活力に満ちた生活を送ることができる
市民総スポーツ社会の実現を図ります。 

○社会的弱者といわれる高齢者や障がい者等の要援護者は、
それぞれ情報の取得手段が限られていることから、
災害発生時において迅速かつ安全に対応できるよう、
災害状況や避難場所などの災害情報を伝えるための
情報提供システムの確立と災害時支援体制の充実を推進します。


施策の柱2  


地域経済の持続的な発展 


1東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射能問題での
  産業全体の風評被害を払拭するために全力を挙げて取り組む。 

○「がんばっぺ二本松」をスローガンに
二本松のもつ豊かで美しい自然・歴史・文化等を最大限に活用し、
その魅力を日本全国に向けて積極的に情報発信し、
農業・商業・観光業をはじめとするすべての産業の再生を図ります。

○風評被害を払拭するため、
空間・土壌・農産物・製造品等の放射線モニタリングを強化し、
迅速で正確な情報発信に取り組みます。

○観光資源の再生や観光地の正確な情報の発信で
「安全」「安心」を強く国内外に発信し、
観光自粛や風評被害の影響の早期払拭に努めます。
また、復興状況に応じた取組を進め、二本松の観光に
「輝き」と「元気」を取り戻します。

○中小企業を中心に、
工場の操業停止や事業縮小に追い込まれることが予測されるとともに、
従業員の解雇、休職や新規学卒者の内定取消し等の雇用問題等が
深刻化していることから、被害にあった企業に対して
雇用を維持するための支援を行うとともに、
離職者等を復興事業等で積極的に雇用するなど、
市民の雇用と生活資金の確保を進めます。

○風評により損害を受けた事業者・農業者等の支援と、
その全損害の迅速な賠償・補償がなされるよう、
東京電力及び国に求めるとともに、
市民や事業者の原子力損害賠償の確保が円滑に進められるよう
支援体制を構築します。

○関係団体や金融機関等との連携による相談体制を充実させ、
事業の維持に向けた総合的な金融支援を講じるとともに
企業が抱える様々な課題の解決を支援し、
地域経済の早期復興を目指します。

○地域の商店街が
賑わいを取り戻し地域経済やコミュニティの核となり発展できるよう、
引き続きハード・ソフト両面の支援を実施します。


2復興の原動力となる地域経済の持続的な発展を図るために、
  地域資源を活かした多彩な産業振興を図り、
  恵まれた立地条件を活かした新たな産業の育成を目指す。 


○産業全体の復活・発展を目指した条件づくりとして、
土地利用規制の緩和や耕作放棄地の活用を推進します。

○地域資源を活かした農業再生の戦略は、
高付加価値化(6次産業化やブランド化による雇用の確保と所得の向上)、
低コスト化(生産コストの縮減による農家の所得の向上)、
農業経営の多角化(地域資源を活かした新たな収入源の確保)
によって、農業経営の強化・発展と農村の活性化を図ります。

○経済基盤を再構築するため、
ものづくり産業の復興と、
商業や観光の再生と賑わいづくり、
市民生活を支える雇用の創出を最優先課題として、
復興に向けた取組を強化します。

○産業基盤の復興に向けた物流拠点の整備や
工業拠点となるインフラの整備を促進します。

○ものづくり産業の復興を目指し、
引き続き企業誘致を強化するとともに、
次代を担う新たな産業の育成・振興を支援します。

○地域特性を十分に活かせるよう、
再生可能エネルギー関連産業をはじめとする次代を担う産業の集積や、
未来のものづくりを担う人材の育成、
産業活動の基礎となる道路整備をさらに進め、
第1次産業から第3次産業までバランスのとれた産業構造の創造や、
エネルギーや環境問題等をクリアした、
先進的な産業エリアとなるような取り組みを進めます。

○少子高齢化や消費行動の変化など、
時代の動きに対応した商業の再構築を図るため、
コンパクトで機能的な商店街の整備など、
先進的な商業の確立を目指します。

○新しい広域観光ルートの構築や
戦略的な観光地整備などの取り組みを進め、
交流人口の拡大や観光による地域経済の活性化を図ります。

○復興道路として
「災害に強い高規格幹線道路等の幹線道路ネットワーク」を整備し、
これを補完する生活道路などを含めた
信頼性の高い道路ネットワークの構築を促進します。


施策の柱3  


人づくり、地域づくり 


1市民が生涯にわたり、自分の夢や目的の実現に向けて
  自らの力を発揮することのできるまちづくりを目指す。 

○子どもの豊かな心や社会性を育むため、
心の教育を充実するとともに、
児童・生徒が地域の一員である自覚を高める郷土教育や
体験学習を推進し、子どもの健全な発達を支援する
教育相談体制の整備充実を図ります。

○子どもがいじめや児童虐待を受けることなく地域の人々に暖かく見守られ、
健やかに、そしてたくましく育ち、
また
子どもを育てる親が孤立せず安心して子育てをすることができるよう、
地域全体で子どもや子育て世帯を支える社会の構築を進めます。

○子どもたちの学力・規範意識・体力の低下が懸念される中で、
これからの人生を生き抜く上で必要となる確かな学力の習得や
体力を向上させることのできる教育環境の整備促進に努めます。

○子育てに関する総合的な拠点機能を充実させるとともに、
地域の子育て支援体制の担い手となる人材の育成や
民間ボランティアとの連携、
地域による児童の健全育成活動を促進し、
育児をしている勤労者が仕事と家庭を両立できるよう、
企業・事業所等と連携して環境整備を進めます。

○充実した人生を送るため、
生涯にわたる多様な学習機会の提供や
市民芸術・文化活動を支援するとともに、
市民主体の学習活動への参加を促進します。

○文化芸術活動の発表や交流の場を提供し、
市民の創作・研究等創造的な活動を支援するとともに、
郷土の伝統的な文化芸術や文化財を市民共有の財産として、
保存と継承、発展を図り、文化芸術のかおり高い地域づくりを推進します。

○障がい者など
社会的弱者といわれる方々がより弱い立場に立つおそれがあることから、
ユニバーサル社会の実現など、
誰もが生き生きと復興に参加できるような社会を目指します。

2地域が自ら考え、まちづくりのアイデアを結集し、
  市民一人ひとりの意欲や取り組みが生かされるよう、
  行政が先導役となり市民との連携による協働で復興に取り組む。

○大規模災害が発生した場合、
公共の防災機関だけでは対応は困難であり、
住民による自助・共助の防災対応が必要となります。
「自分たちのまちは自分たちで守る」という理念のもと
自治会や町内会など
地域住民等で組織される自主防災組織の活動が重要であり、
住民意識の醸成を図るとともに、
組織づくりやリーダーの育成を推進し、
活動の充実に向けた支援を行います。

○各地域で組織された自主防災組織と公共の防災機関が連携し、
各種の自然災害を想定した実践的な防災訓練、避難訓練等を通じて、
地域全体で防災に取り組む体制を確立します。

○企業、ソーシャル・ビジネス、NPO 等の各種団体の活動や
寄付・ボランティア等、
共助の精神で活動する「新しい公共」の力を
最大限に活かした取り組みを推進します。

○地域づくりにおいては、
女性や高齢者、障がい者など多様な人々が
合意形成プロセスに積極的に参画することにより、
生涯現役社会や男女共同参画社会といった
真の参画型社会の形成を目指します。

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