チェルノブイリの汚染区分と、福島第1原発事故の汚染状況を比較すると見えてくるもの


チェルノブイリの汚染区分と、福島第1原発事故の汚染状況を比較すると見えてくるもの

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昨日、私はいたって簡単な自分が放射能汚染と闘っていく上での考え方を整理してみました。
こんなことです。
第1に、何が、どれだけ、どこに降ったのか。
第2に、どれだけが危険あると言えるのか。
第3に、どこからを「除染」する対象とするのか。
これをすることにより、「何と闘うのか」、「どこまで闘うのか」という目標と範囲を設定できます
昨日は第2番目を考えてみました。これは三つに分かれます。
空間、土壌、そしてもうひとつは農産物です。
3月、4月においては空間線量が重要でしたが、今は東北、関東は一部の地域を除いて、0.04~0.08マイクロシーベルトの間にありますので、問題視する必要とはなくなりました。
土壌放射線量は、残留放射能問題としてかなり長期間私たちを苦しめることでしょう
土壌の残留放射線量を考えるひとつの手がかりとなる指標はチェルノブイリにあります。
旧ソ連の放射能汚染土壌の区分は以下です。単位はすべてbq(ベクレル)/平方メートルです。
➊148万以上・・・・・・・・・・・・・・・立入禁止区域
➋55万5千~148万・・・・・・・・永久管理区域
➌18万5000~55万5千・・・一時的管理区域
➍3万7千~18万5千・・・・・・・汚染区域
➎3万7千以下・・・・・・・・・・・・非汚染区域
日本政府の単位は、なぜかすべてキログラムですので換算せねばなりませんが、こんな換算でいいとします。正確には土壌の体積で変化しますので、あくまでひとつの目安です。
・5000bq/㎏⇒⇒10万bq/㎡
農水省の土壌暫定規制値5000bq/㎏は、チェルノブイリの「汚染地域」、しかも上限値に近い数値であることが分かります。
農水省は遅まきですが、8月末になってようやく土壌放射線量マップを出しました。おそらく耕耘によって線量が減る時期を待っていたのだと思われます。
ちなみに、政府が「汚染」マップという表現をとらないのは、
放射性物質は法律上クリーン物質なために、いくら放出しても法律違反ではないからです。
政府・東電が原子力賠償法で賠償すると言っているのは、あくまで農産物が売れなかったことに対する被害や、避難地域の人たちが避難せねばならなかったことに対する被害に対してであって、放射能汚染そのものではありません。
したがって、今でもそうですが、
政府・東電は土壌や海の放射能汚染は一切視野に入ていませんでした。
放射能の漏洩と被曝を規制する法律がないためです。
規制する法律がないので、当然のこととして賠償も除染もする必要がない、というのが政府の建前です。それがここまで除染が遅れた真相です。
脱線しますが、朝霞で作ろうとしている
国家公務員住宅の予算は105億円、
一方福島県の除染予算は5億円です。
日本政府の体質が実によくわかる数字ですね。
ですから、政府は除染活動をするためにはわざわざ除染新法を作らねばなりませんでした。底抜けに愚かなことです。
さて、そのような政府対応は別にして、
福島県内では避難地域に赤丸の2万5千bq超え
各所に点在しています。単位はヘクタール。(欄外資料参照)
これを、さきほどの5千bq/㎏⇒10万bq/㎡で換算してみます。
2万5千bq/㎏超・・・・50万bq/㎡超
・・・チェルノブイリの一時的管理   区域・永久管理区域に相当
1万~2万5千・・・・・3千bq/㎏・・・・20万~50万bq/㎡
・・・・・同上の一時的管理区域に相当
5000~1万bq/㎏・・・・10万~20万bq/㎡
・・・・同上の汚染区域と一時的管理区域に相当
なお、チェルノブイリの「非汚染区域」は1850bq/㎏以下に相当します。妥当な線だと私も思います。
まず土壌に関して、政府は「汚染」を認めることからはじめねばなりません。
そもそも「暫定」規制値の「暫定」という意味を、「今まで放射線量を規制する法律がなかったので急遽作りました」などというトンチンカンな提出の仕方をするからいけないのです。
これでは「暫定」はやっつてけ仕事ですといわんばかりです(実際にそうですが)。
「暫定」の意味は、「緊急時だから高い数値に暫定的に設定してあります」という意味の「暫定」です。
当然、放射能「汚染」をいかにして下げていくのかという目標と対になっていなければなりません。
チェルノブイリでも暫定規制値はありました。当初の野菜の暫定規制値はこうです。
・1986年事故当初のウクライナ(当時ソ連)の暫定規制値・・・・3700bq
・1987年の同上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・740
・1991年の同上・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・600
・同年に改定された現行規制値・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・40~70(種類によって違う)
ご覧のように、チェルノブイリでは、当初は野菜の暫定規制値は日本以上(*500bq)に高かったわけですが、1年で一桁にまで下げ、更に5年後にはそれを更にもう一桁下げてほぼ10分の1にまで下げています。
日本政府は、「暫定」の意味を正しく説明していなかったために、この規制値が一人歩きしてしまって、あたかも「ここからは安全」、「超えたから危険」といった閾値のようになっています。
野菜、米にしても、土壌にしても暫定規制値は、あくまで1年以内に大幅に引き下げられるべき文字通りの「暫定」的なものでしかなく、次のステップに移行する最初の階段でしかないのです。゛
そのためには、現状を真正面から認識せねばなりません。
福島県を中心にして東日本には、約3万ヘクタールもの
チェルノブイリの区分に従えば
「一時的管理区域」と「永久管理区域」
が拡がっており、
2500ヘクタールの「汚染区域」が存在するのです。
これを何年かけて除染して清浄化するのか、という国家目標を立てるべきです。それを政府が明確にしないから、いつまでも「東日本はおしまいだ」といった流言蜚語が絶えないのです。
■写真 少年の頃に読んだロバート・ハインラインの「地球の緑の丘」という小説の題名を思い出しました。
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      日本農業新聞 8月30日 農水省放射性物質分布図(土壌線量です)
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