2011年10月15日土曜日

「野菜・米の500ベクレル」は絶対に受け入れてはならない カレイドスコープさんのブログより


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チェルノブイリ原発の爆発後、日本の家庭の食卓に上った料理に入っている放射性物質の量は、その1年後にもっとも多くなったのです。

チェルノブイリ原発事故で放射性物質が日本に飛んできたときは、一日食べても0.8ベクレルだった
この記事は、前の記事・「汚染食物は大人が責任を取って食べろ」という論理破綻の続きです。

こんなことを認めてしまえば、東電始め原子力マフィアの思う壺です。
彼らは、こう言うのです。

「何でもかんでも東電が悪い、経済産業省や文部科学省、御用学者ら原子力ムラの連中が悪いと言うけれど、国民だって、自分たちに責任があると反省しているからこそ放射能に汚染された食べ物を食べているんだろう」。

これでは本当の犯罪者たちを断罪できなくなってしまいます。
ですから、酷く放射能汚染された食物は、拒否の姿勢を見せ続ける必要があるのです。
本来なら食べてはいけないものを拒むのは当然のことなのですから。

さて、これから、すべての食材が程度の差こそあれ汚染されてしまった世界で、私たちは、どうやったら内部被曝を極小にできるのか、という話です。

1.病気になることを納得して食べる。せめて子供を守るため、大人が率先して汚染度の高い食物を食べる。
2.消費者側で高性能の検出器を用意して、安全度の高いものだけを食べる。
3.上のいずれでもない第三の道。

前の記事で、大雑把に3つの選択肢を挙げましたが、このように考えていくと、どうやら1.については別の次元の話になりそうです。
私たちは、何も思想や哲学を求めているのではなく、明日から内部被曝を減らしていく方法を模索しているのですから。

実際は、上に挙げた選択肢のような単純なものではないはずです。市民のアイデアを集め、それを結集しながら、現実とすり合わせを行った結果、いくつかのことを複合的に組み合わせた方法になるはずです。

そこで、次に2.について。

まず、その前に、国の決めた暫定基準値は、野菜・米などの穀類は500ベクレル/kgまでは「問題なし」として市場に流通させてしまおうというものですが、これがどんな数字なのか、おさらいしましょう。

下の図は、文部科学省の委託により財団法人日本分析センターが環境放射能と放射線についてまとめたウェブサイトからのものです。

トップページの中段にある「経年変化図」をクリック→日常食→「Cs-137」のチェックボックスをクリックすると出てきます。

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【 解説 】 
この図は、日本各地の日常食中に含まれるCs-137の量(1人1日あたりの食事中のCs-137量)について、1974年度から2009年度までの変化を表しています。

Cs-137濃度はゆるやかに減少していましたが、1986年か ら1987年にかけてチェルノブイリ原子力発電所事故の影響により若干増加しました。2010年3月現在、日常食中のCs-137は1970年代の1/4 程度のレベルです。


これはセシウム137が、食事によって一日当たり、どれくらい体内に取り込まれていったかを示しています。

1960年代までは、米ソ、中国が大気圏中で核実験を繰り返していたため、線量が高くなっていましたが、それ以降、チェルノブイリ原発事故が起こる1986年4月までは漸減しています。

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これは上の図を拡大したものです。

爆発時の1986年4月は一気に跳ね上がっていますが、ピークをつけるのは翌年の1987年の中ごろです。

これは、おそらく、爆発当初、当時の政権が放射性物質の危険性を国民に知らせなかったことによるものです。
そして、その後も、農家は今までどおり農作物を作り、市場に出荷した結果です。

政府が、国内の農業生産において何らかの規制をかければ、食卓に上がった放射性物質の量が1年後にピークをつける、というようなことは起きなかったはずです。
当時の日本政府の認識は、同じように「大したことない」だったのでしょう。

ですから、セシウム137が土壌に沈み込む間、そのままセシウム137を吸着した農産物が食卓に上がっていったのです。
当然のこと、1年間は、どんどんセシウム137の量が増えていきます。

しかし、それでも一日当たり0.08ベクレルから0.8ベクレルです。

たった0.08~0.8ベクレル…。
(「たった」とは。どんな微量でも放射性物質は危険なのですが、私も麻痺しているようです)

繰り返しますが、ご飯、おかず、朝食のパン、牛乳、お茶、お菓子、日本酒などを飲食しても一日当たり、最高で0.8ベクレルだったのです。

それでも、晩発性のガンが増えました。

食材ごとのセシウム137、ストロンチウム90の推移を見る場合は、下の画像のあるページから入ってください。(画像クリック)

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今回、「暫定基準値」はどのように決められたかというと、ICRPの勧告した放射線セシウム(1年当たり実効線量5ミリシーベルト)、放射線ヨウ素(同50ミリ シーベルト)をベースに、それぞれの食品を飲食するときの量などを考慮して専門家が定めたものです。(斑目の原子力安全委員会)

その結果が放射性ヨウ素で飲料水、牛乳(原乳)なら1キログラム当たり300ベクレルセシウムは同200ベクレル、野菜類ならヨウ素同2000ベクレル、セシウムなら同500ベクレルといった上限値になったのです。

輸入食品については、チェルノブイリの後、セシウムについて1キログラム当たり370ベクレルという暫定規制値が使われていました。

(以上、「放射線に関する政府の規制-信じて良いのか悪いのか」の記事の真ん中辺り)

仮にセシウムだけを取っても、チェルノブイリ事故によって汚染された農産物が日本に入ってきても、日本政府が輸入禁止措置を決めた370ベクレル/kg以上であれば、返品扱いにして突き返していたのです。

ところが、当時の日本へのチェルノブイリ事故の影響と比べれば、その何万倍、何千万倍も重大な事故となった福島第一原発の事故では、超A級戦犯の斑目委員長率いる原子力安全委員会が、国際原子力マフィアのIAEAの片割れであるICRPの勧告した数値をそのまま受け入れてしまったのです。

そして各関係省庁は、責任の持って行き場が見つかったとばかり、何の根拠もない暫定基準値を国民の裁定を経ることなく採用してしまったのです。

それが今度は、同じセシウムで500ベクレル/kgなのです。
これは、チェルノブイリの緊急輸入停止措置の値の1.35倍の値です。

この国の基準値500ベクレル/kgで困ってしまったのが東京都。

朝日新聞(2011年9月30日)によると、

輸入食品の基準値は370ベクレル/kgと定 められてきた。
「両方の基準の間の輸入食品が見つかった場合の対処に困る」(都の担当部署)。
400ベクレルの食品が出た場合、国内産なら流通可能だが、 輸入品だと回収になり、消費者の混乱を招く恐れがあると考えたという。 


東京都は何と、輸入品の検査を中止してしまったのです。

輸入品の放射線量を検査する計測器は全部で4台あるものの、国産の食品の検査には転用せず、そのまま休眠状態。
都民の健康より、放射線基準値のダブルスタンダードの矛盾を説明できないという理由で、検査を取りやめ。

もともと石原知事は、現行の暫定基準値でも厳しすぎると、さらに数値を緩和するよう国に要望を出していたくらいだから、さもありなんです。

大勢の“調査サンプル”をつくりだすために、意図的、計画的に福島の子供たちを被曝させた山下俊一は、被曝児童36万人を前にして、「世界で例を見ない大規模な甲状腺被曝検査だ」とよだれをたらして喜んでいるのですが、これは私たちも同じことなのです。

歴史上、かつてないほど高濃度に汚染された食物を、政府と、斑目のようなインチキ学者の決めたことによって、何年も継続的に食べさせられようとしているのですから。

今までの歴史にないことが、私たちが実験台となって行われようとしているのです。
9月26日に放送されたNHKのクローズアップ現代「放射能から子どもを守りたい ~母親たちのネットワーク~」が物議をかもし出しています。

番組中に紹介された「海外の放射能基準値比較データ」(表のいちばん下にあるEUとアメリカの放射線汚染数値)が、実は、とんでもなく高い数値で、中には10年後には半分以上の国民が致死量に達する可能性が95%あるという学者まで出てきているようです。

この表。
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これについて、twitter上の批評をそのままご覧ください。
こうした内容のツイートがたくさん見受けられます。

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ちなみに表の「日本」の下の行にあるcodexとは、食品の国際規格のことで、その考え方には賛否両論があります。

NHKも早く東電の株を売らないと。
こんなことばかり報道していると、受信料を徴収できなくなるばかりか、数年後にはプロデューサーとディレクターは訴えられる可能性が出て来るぞ。

また、Facebookには、暫定基準値について、このようなコメントも。

【食料生産者の皆さんへ】
国の暫定基準値の500Bq/Kgは全面核戦争に陥った場合に餓死を避けるためにやむを得ず口にする食物の汚染上限です。

もしも放射性セシウム137が500Bq/Kgも含まれた食品を3年食べたら致死量に達します。

全てが基準値ぎりぎりではないとしても、重複内部被曝を考えれば政府の暫定基準値では10年後に半数以上の国民が致死量以上に内部被曝する可能性が95%を超えます。

つまり暫定基準500Bq/Kg未満で安全宣言すると言うことは、その食品を食べた人が10年後に半数は死亡してもかまわないと言っているのと同じだと言うことを忘れないでください。


この方は大学教授です。
微積分のプログラムを使って、今のままの食生活を送っていると、「このようなことになる」という結果を得たのでしょう。

圧力がかかったのでしょうか、それとも、少し大げさに書いてしまったと思ったのでしょうか、Facebook上には、すでに削除されて存在しませんので、こちらのサイト様で詳しくお読みください。

いずれにしても、ヨウ素2000ベクレル、セシウム500ベクレルなどという暫定基準値は、殺人的な数字で、旧ソ連以外のどの国も実際には受け入れたことはないし、だから今回、日本人が実験台になっている、ということには変わりがない、ということです。

私たちは、未知の領域に入っているのです。
この先に何が待っているのか、世界中のどんな学者も本当のところは分らないのです。

確実に言えることは、ガンになる人がドーンと増える、ということです。

で、政府、自治体は何をやっているかというと、

セシウム検出新米 /「セシウム検出新米も流通させろ!」農水省から驚愕のマル秘指令!!【セシウム検出新米】
千葉のコメ、規制値下回る 知事が安全宣言
政府の自暴自棄 日本、海外ソーシャルメディアの有名人に福島産品の安全性を「つぶやく」よう依頼

この記事にもありますが、今に始まったことではないとしても、外務官僚や千葉県知事は、私たちが考えていた以上に使えなかった、ということかもしれません。

政治家は政治家で、枝野は、日本にとって大変危険なTPP加盟に積極的で、フィリピン、ベトナム、マレーシアの人たちに、日本の汚染食物を押し付けようという算段らしいのです。

で、産地の福島県の方は、というと、
福島県が放射性物質の「計算間違い」 実はセシウム25倍だった!

実態は、福島県が発表した数字より25倍も汚染されていた…ということです。

いえいえ、県庁職員も忙しくて大変なのです。決して意図的に間違えたのはありません。まして、国や消費者を騙して、米を流通させてしまおう考えたわけではありません。

福島県は、義捐金の水増し金額を日本赤十字社に申告、それが発覚して90億円を返還しています。

このときも、忙しかったのです。騙そうとか、ズルしようとか悪気があったわけではありません。

福島県庁の人たちは、いつでも何をやっても悪くないのです。
ただ、当たり前のことが当たり前にできない烏合の衆に過ぎないのです。
責めても無駄です。
自明のことが分からなくなっているのですから。

こんなことばかりやっていると、「国や自治体はもう頼むから、私たち国民にこれ以上恥をかかせないでくれ」と叫びたくなってしまいます。これでは他の製品の輸出にも影響大でしょうに。

結論は、どんな角度から考えても、政府の暫定基準値などを信じて今までどおり食べていたら、「将来、どうなっても知りませんよ」ということです。
確実に寿命は短くなります。それも「かなり」です。

一方、福島市のほうは、とっくに化けの皮がはがされて有名無実化している佐藤雄平県政を見捨てて、それぞれ独自に復興への取り組みを始めたようです。

福島市が、今後2年間で市街地すべてを除染する、という計画を発表しました。しかし、除染土は、それぞれの自宅に仮置きします。  
「福島市の計画では、公共施設や住宅の除染で出た土は原則として各敷地内に仮置きする方針。
除去した土を入れた麻袋をプラスチックなどの容器に入れて穴に埋め、約30~50センチの土で覆うとしている。

埋めることで表面の放射線量は約98%カットされるという。

福島市は、市内数カ所に除染した土壌などの仮置き場を検討しているが、同場所への保管は道路や側溝などで出た放射性物質を含む土に限定した」。


廃土の捨て場所が決まっていない?

もっとも汚染がひどい飯館村でも、福島市と同じように除染計画を提出しました。

「飯舘村は、居住空間の追加被ばく線量を年間1ミリシーベルト以下に低減する除染計画を策定した。

宅地など居住環境は約2年、農地は約5年、森林は約20年で除染を終え、原発事故以前の環境回復を図る方針。

菅野典雄村長は28日、政府と県に計画を提出した。
計画によると村と県、国の連携とともに村民の参加を得ながら除染を進める」。


菅野村長の気持ちは分りますが、田畑を3.11以前の状態に戻すことは専門家の言を待つまでもなく不可能だと思います。

チェルノブイリ原発事故から25年経った今でも、現地では継続して危険な除染活動が続けられていますが、原発から半径60kmの立ち入り禁止区域外のウクライナ地方さえ、農産物や牛乳、そこで作られた乳製品などからは、基準値を大きく上回るセシウムが検出されているのです。

一方、飯館村の現状は、こういうことです。
飯舘村の土で栽培のコメ、基準5倍超セシウム

奇跡でも起きない限り、結局「頑張ったけれど、除染できませんでしたー」ということになります。

提案書では数千億円(当初、3600億円と聞きましたが、実際のところ、始まってしまえば数兆円規模の予算が必要になるでしょう。タカリがたくさん寄ってくるはずですから)の予算がかかる、ということですが、無駄金を使い尽くしてしまって、とうとう国の財政が破綻秒読みということにでもなれば、飯館村は廃村になります。

なんでも、村人たちの要望を集約して、そのまま持ってきたようですが、遠い将来のことまで村長は考えなければなりません。

除染事業には、タカリたちのいろいろな魂胆が見え隠れするのですが、いつまで「おためごかし」をやられては、増税の負担に喘ぐこちら側も倒れてしまいます。

除染が必要なのは関東も同じなのです。
関東の人たちも、我慢してじっと耐えていることを福島の人たちは理解してほしいものです。

菅野村長もそうですが、福島県の市町村の長が、実は原発が爆発したときに、住民を守るために具体的な手を何も打てなかったことは分っています。

彼らの能力では復興は難しいと思います。
原発立地、その周辺の自治体の首長は、とっとと交代すべきです。

これらの自治体の首長が言うように、方法論、技術論が固まっていないのに意気込みだけで除染を進めても、ドブに金を棄てることになることは自明の理です。

そして、やはり、というか住民を中心とするボランティアによって除染を行おうという計画のようですが、こんな体たらくではボランティアに参加する大勢の若者たちが、土埃を吸い込んで内部被曝してしまうでしょう。

原子力ムラの人間たちは、自分たちで原発事故を起こしておきながら、早くも飯館村に乗りこんでおり、今度は除染に関する既得権益を確保しようとの動きを見せているようです。

原子力ムラの学者、研究者たちは、福島市民や飯館村の村民、そしてボランティアの人たちに無償で除染の危険性について指導すべきです。
でも、タダではやらないでしょう。

官僚、政治家、学者、そして現地の被災者たち…。
どうやら、彼らは当たり前のことが当たり前だと認識できなくなっています。

人として、誰に教えられたでもなく、やってはいけないことさえ分らなくなっているのです。

まさに自明性の喪失。
これが広がると、やがてはカオスの状態となって国家の破綻につながるかもしれません。

500ベクレル/kgという暫定基準値の設置は、自明性を喪失した“有識者たち”による犯罪的行為であると言い換えることができます。

これが明らかに国による犯罪的行為であると認識できなくなってしまった私たちも、実は自明性を喪失してしまったのかもしれないのです。

(続きます)

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