2011年10月26日水曜日

チェルノブイリ事故発生から25年間の健康被害まとめ


明日に向かってできることさんのブログより

チェルノブイリ事故発生から25年間の健康被害まとめ

東北地方太平洋沖地震が起きて半年になろうとしている。
福島原発は収束の兆しが見えず、
現在も放射性物質を拡散させている。
マスコミや国の隠蔽により、国民への情報公開が進んでいない。
しぶしぶ小出しに出してくる情報を見る度に
”遅すぎる”と感じるのは私だけではないだろう。
30日に文部科学省は、放射性物質の分布状況などについての調査
「放射線量等分布マップ」のうち、
「放射性セシウムの土壌濃度マップ」を作成、発表した。

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チェルノブイリ原発事故での
強制移住基準
(1平方メートル当たりの放射性セシウム137が148万ベクレル)
を超える汚染濃度が測定されたのは、
飯舘村、南相馬市を加えた計6市町村に上った。
菅前首相が27日、
「長期間にわたり住民の居住が困難になる地域が生じる」
との見通しを示した地域が中心になる。
海外のメディアは
「フクシマはチェルノブイリよりも深刻な事故になった」
と伝えているところもある様だ。
広島の被曝医師・肥田舜太郎先生は
「放射線の病気が始まってくるのは、
恐らくこの秋から来年の春にかけて。
たくさん出てくるだろうと私は想像しています。」
と言う警告をされている。

チェルノブイリ原発事故のその後をたどれば、
現在、日本の大人達が子供達の為に何をしなければならないのか
が見えてくるのはないだろうか。
そう思い、
WEBから拾える
チェルノブイリ原発事故後の子供達への放射線の影響について、
25年間に起きた事を年代を追って調べてみた。
日本のケースにそのまま当てはまる訳ではないかもしれないが、
参考にしていただければと思う。

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◆チェルノブイリ原発事故の発生から
                2011年までの周辺住民への健康被害

●1986年

・4月26日 
ソビエト連邦(現:ウクライナ)のチェルノブイリ原子力発電所4号炉で
原子力事故発生。

・4月27日 
スウェーデンのフォルスマルク原子力発電所にて
この事故が原因の放射性物質が検出。
チェルノブイリ周辺住民、約16万人が移住避難開始

・4月28日 
ソ連が事故を世界に公表

・5月 3日 
    日本で雨水中から放射性物質が確認された。

・5月 6日 
    大規模な放射性物質の漏出は終わったとの見解をソ連政府が発表。

    ・爆発した4号炉をコンクリートで封じ込めるために、
      延べ80万人の労働者が動員された。
      203人が即座に入院し、
      内31人が死亡、28人が急性放射線障害だった。
      彼らは事故を収束させるべく集まった消防と救急の労働者。
        (Wikipedia)

     ・約1000キロ離れたチェコでは、
       1950年~1999年の期間、
       男児の出生率が51%~52%で推移しているが、
       1986年のみは50%を割り込んでいた
        (2009年。ニューヨーク科学アカデミー)

     ・ウクライナでは86年以降、
       自然流産の主な原因である卵巣の機能低下が2.9倍となった。
        (2009年。ニューヨーク科学アカデミー)

●1987年(1年後) 

     ・1987年一部地域での小児甲状腺癌の増加が認められる
        (1995年 WHO調査結果。IAEAは否定)

     ・1987年1月に
       ダウン症の子どもが急激に増えた。
       1986年4月の事故当時、
       母親はごく初期の妊娠時期だったと思われる。
         (ベラルーシ先天性疾患研究所)

     ・1987年にベラルーシでもっとも汚染の激しかったゴメルでは、
       出生率の有意な低下が見られた。
        (2009年。ニューヨーク科学アカデミー)

     ・1987年にベラルーシの死産率は、ドイツの4倍となった。
       スウェーデン、ポーランド、ハンガリー、ギリシャについても、
       ドイツの2倍ほどに上昇した。
         (2009年。ニューヨーク科学アカデミー)

     ・1987年3月、事故から約10か月後、
       イギリスのイングランド、ウェールズの一部では、
        周産期死亡(妊娠第22週~出生後7日未満)が2倍以上
        になった。(2009年。ニューヨーク科学アカデミー)

     ・ギリシャでは
       1987年年1月~3月、出生率が10%低下した。
        (2009年。ニューヨーク科学アカデミー)

●1988年(2年後) 

    ・大人については  
     糖尿病、
     慢性気管支炎、
     虚血性心疾患、
     神経系統の病気、
     胃潰瘍、
     慢性呼吸器系の病気などが、
     1988年には、それ以前に比べて2倍から4倍に増加
     また、

     子供たちは
     種々の機能失調、
     神経衰弱、
     貧血、
     扁桃腺や
     耳鼻咽喉系の慢性疾患などを持った
     の割合が著しく増加した。
    (1989年。IAEA非公式会議。ベラルーシの保健大臣からの報告)

   ・約1200キロ離れたクロアチアでは、
    86年末から87年初にかけて、
    また88年9月に
    死産が有意に増加
    第2のピークは、汚染された牛肉を食べたことが原因の可能性
    (2009年。ニューヨーク科学アカデミー)

●1989年(3年後)

    ・ベラルーシ共和国ゴメル州チェチェルスク市。
     子供たちの80%は免疫力が弱っていて、
     1989年この地方の子供たち600人を調べたところ
     60%に貧血症が見られた。
      その他、
     カタル(炎症のひとつ)が多く、  
    頭痛、
    眠気、
    甲状腺肥大などの症状を持っている。
       (『チェルノブイリ5年目の報告 汚染大地』
                                 1990年朝日新聞原発問題取材班)

●1990年(4年後)

    ・1987年に続き
      ダウン症の子どもの増加がピークに。
      (ベラルーシ先天性疾患研究所)

    ・ベラルーシ,ウクライナ,ロシアのCIS3カ国で
     小児甲状腺ガンが急激に増加

    ・ベラルーシのホメリ州と
     ウクライナのキエフ州ににおいて
     1983年から1990年までのデータを用いて行われた調査では、
     事故後、
    新生児に
    低酸素症、
    新生児呼吸窮迫症候群、
    血液疾患などの罹病率の増加が見られ、
     この研究の結果、
    母親、胎児、子供の健康は
   妊娠女性と子供の各器官と体組織の適応異常や
   病理学的異常とともに放射線による著しい影響を
   受けていることが結論づけられた。(Wikipedia)

●1991年(5年後)ソ連崩壊

    ・1991年よりウクライナの死亡率が出生率を上回りはじめる

    ・ベラルーシでの急性白血病、慢性白血病、ホジキン病は
     事故後最初の5年間が最も高い発生率を示した

    ・ウクライナにおいて
      血液悪性腫瘍の発生は
      小児においては事故後5年が最も多かった

●1992年(6年後)

    ・ベラルーシ国内で何らかの慢性疾患を持つ子供は、
      10.9%(1987年)から30.3%(1992年)に増加
     (ベラルーシに国家登録されている子供たちの健康状態について、
                                     1987年~1992年データの予備的な解析)

●1994年(8年後)

    ・ベラルーシの放射能汚染地域における
     胎児と新生児の先天性疾患に対する
     国の遺伝子モニタリングのデータを用いた調査によると
     1982-1985年に比較して、
     事故以降の1987-1994年では、
     多発奇形、多指症、四肢減形成の頻度の増加が見られた
                                                            (Wikipedia)

●1995年(9年後)

    ・1976年と1995年のベラルーシの比較。
      悪性の腎臓腫瘍 男4倍以上、女2.8倍以上。
      悪性膀胱腫瘍 男2倍以上、女1.9倍以上。
      悪性甲状線腫瘍男3.4倍以上 女5.6倍以上。
      悪性結腸腫瘍は男女とも2.1倍以上。
      放射線管理区域のゴメリ州は
      腎臓ガンは男5倍、女3.76倍。
      甲状線ガンは男5倍、女10倍
            (ゴメリ医大、バンダジェフスキー博士)

●1996年(10年後)

    ・ベラルーシの
      非ホジキン性リンパ腫、
      骨髄異形成症候群は事故後10年で最も高い発生率を示した。

    ・ウクライナにおいて事故後10~14年後に
      汚染地域での小児の急性白血病が増加した。

    ・ベラルーシの事故現場から200キロ以上離れた村で、
     子供達の23%が白内障にかかったり、
     失明したりしている。
     その村では
     84%以上の子どもたちに不整脈。
     多くの若者が心筋梗塞にかかっているような状況。
     80%の子どもが、
     胃炎や潰瘍を患っている。
     特にひどいのは12歳から15歳の子供達。
     胃の粘膜が萎縮し、70過ぎの老人のよう。
      (原子力物理学者ワシーリー・ネステレンコ)

●1997年(11年後)

    ・1997年に
     死亡した大人と子どもの内臓のセシウム137の分布について。
     大人は比較的平均してセシウムが内臓に分布。
     だが子どもは甲状腺に1200ベクレル(1kgあたり)の高い値の
     セシウムが蓄積している。
     大人では約400ベクレル。
     このほか大人は蓄積が少ないのに子どもは多いという内臓は、
     心筋(大人約150ベクレル、
     子ども約600ベクレル)、
     小腸(大人300ベクレル弱、
     子どもは700ベクレル弱)。
     (「人体に入った放射性セシウムの医学的影響」
                          元ゴメリ医大の学長バンダジェフスキー氏)

●1998年(12年後)

    ・ベラルーシの健康な子供は
                     2~5%しかおらず
     発病一歩手前の不健康な子が60%、
     あとは恒常的に病気を抱えている。
     がんを中心に自己免疫異常や呼吸・循環器系疾患が増え、
     平均寿命は1985年の72.6歳から
     1998年は67.1歳にまで落ち込み、
     特に男性は62歳まで低下。
     甲状腺がんの発病者数は10年前(1977年)の75倍、
     汚染地帯のゴメリ州だけをみると200倍に達する。
     (医療施設側の説明や現地紙の記載)

    ・チェルノブイリ原発から80キロ西にあるウクライナの農業地帯の
      Narodichesky地区に住む子供は、
      事故から十年以上を経ていながら、
      慢性的な低線量被曝下にあり、
      1993-1998年の6年間にわたる追跡調査によると、
      土壌に含まれるセシウム137の濃度に比例して、
      赤血球、
      白血球、

      血小板の減少、
      ヘモグロビン濃度の低下が観測され、
      気道閉塞および
      拘束性肺機能障害の有意な増加が観測されている。
       (Wikipedia)

     ・1998年のゴメリ州の
       死亡率は14パーセント、
       出生率は9パーセント。
       妊娠初期の胎児死亡率が高く、
       新生児の一部は発育不全と先天障害者だったという。
       新家庭で多くが子供をもっていないという。

●1999年(13年後)

    ・ベラルーシの乳がん発生数は
     1986年が1745例に対し、
     1999年には2322例に増加した。

●2000年(14年後)

   ・2000年までにロシアでは270万人が事故の影響を受け、
    カルーガで行われた検診では癌の症例が著しく増加していた。
    乳癌が121%、
    肺癌が58%、
    食道癌が112%、
    子宮癌が88%、
    リンパ腺と造血組織で59%の増加。(Wikipedia)

   ・ベラルーシでは
    1990-2000年の癌患率が40%増加した。
    最も汚染の強かったGomel Provinceで52%と最も高かく、
    汚染の少なかった
    BrestとMogilev Provincesで33.32%の増加だった。

   ・2000年4月26日の14周年追悼式典での発表によれば、
    ロシアの事故処理従事者
       86万人中5万5000人が、既に死亡しており、
    ウクライナ国内(人口約5000万人)の、
    国内被曝者総数342.7万人の内、
    作業員は86.9%が病気に罹っている

●2001年(15年後)

   ・子供の甲状腺癌の発生率が
     1990年の2000例
     から
      2001年には
      8,000~10,000例に急激に上昇したと推定
       (ベラルーシ政府)

●2002年(16年後)

    ・ベラルーシで
     45~49歳における乳癌患率が1982年に比し2倍に増加した。

●2003年(17年後)

   ・被ばくした両親から生まれた
    10-14歳の女児において
    1993年から2003年の間に
     悪性新生物または良性新生物の罹患率の上昇を認めた

●2004年(18年後)

   ・ウクライナでは2004年までに、
    事故の影響で
    流産・死産を起こしたと考えられる件数が5万件に達した。
    (2009年。ニューヨーク科学アカデミー)

●2011年(25年後)

    ・チェルノブイリ2世。
      小学校4年生くらいでも
      昼間におもらししてしまう子供が増えている。
      ホルモン機能、神経細胞をいためるため。
      手や手首が欠損している子供たちが多い。
      脳の発達が遅い子どもが多く親の育児放棄も多い。
      その多くの子供は孤児院や施設に入っている。
      心筋梗塞で運び込まれる30代の若者も増加。
      セシウムは心臓にたまりやすい。
      特に男性にたまりやすい。
      突然死する人も多い。
      放射能のせいと医者はいわない。
      まだ科学も医学もおいついていない。
      (野呂美加氏 講演メモ)

    ・ウクライナのチェルノブイリ連合(NGO)は、
      現在までの事故による死亡者数を
       約73万4,000件と見積もっている。
      京都大学原子炉実験所の今中哲二によれば、
      チェルノブイリ事故の被曝の影響による
      全世界の癌死者数の見積りとして
      2万件から6万件が妥当なところとの見解を示しているが、
      たとえ直接の被曝を受けなくとも
      避難などに伴う心理面・物理面での
      間接的な健康被害への影響に対する
      責任が
      免責されるわけではないと指摘している。
        (Wikipedia)


◆参考

チェルノブイリ原子力発電所事故 - Wikipedia
http://j.mp/qdhigI

チェルノブイリ原発事故の影響 - Wikipedia
http://j.mp/oU3Hpp

勝毎ジャーナル
http://www.tokachi.co.jp/kachi/jour/belarus/1.html

ベラルーシにおけるチェルノブイリ原発事故後の小児甲状腺ガンの現状
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/saigai/Sgny-J.html

チェルノブイリ原発事故によるベラルーシでの遺伝的影響
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/saigai/Lazjuk-J.html

スリーマイル島、チェルノブイリ原発事故と被害の実態
http://www.nuketext.org/threemile.html

NHK「チェルノブイリ原発事故その10年後」ネステレンコ教授パート書き起こし
http://famasaki.com/japan/20110401010746/

olivennews
http://www.olive-x.com/news_ex/newsdisp.php?n=109795

ベラルーシの部屋ブログ
http://blog.goo.ne.jp/nbjc

ミンスク・シンポジウムでの報告より
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/Chernobyl/JHT/JHT9502.html

チェルノブイリへのかけはし 野呂美加氏 講演メモ
http://www.facebook.com/note.php?note_id=123139101113072

白毫寺 春高
http://byakugoji.blog90.fc2.com/blog-entry-21.html

木下黄太のブログ
http://j.mp/raRgec

中村隆市ブログ 「風の便り」
http://www.windfarm.co.jp/blog/blog_kaze/post-5042

チェルノブイリ原発事故と発がんとの関連
http://ameblo.jp/md-traveler/entry-10843615183.html

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