陸側の遮水壁 設置見合わせへ
10月27日 5時57分東京電力福島第一原子力発電所で、
原子炉建屋の地下などにたまる汚染水が漏れた場合に、地下水となって周辺に広がるのを防ぐため、陸側に設置が検討されていた建屋を囲む形の遮水壁は、効果が低いとして、当面設置を見合わせることになりました。
福島第一原発では、原子炉建屋の地下などにたまった高濃度の汚染水が、仮に建屋の外に漏れた場合、地下水となって海や敷地の外などに広がるのを防ぐため、1号機から4号機の海岸沿いに遮水壁を設けるほか、陸側にも建屋を囲む形の別の遮水壁を設けることを検討してきました。ところが東京電力が、敷地内の地層や地下水の流れを調べたところ、地下水は山側から海側に流れているため、もともと建屋などの汚染水が山側に漏れ出るおそれは低く、山側の遮水壁は効果が低いことが分かったということです。また建屋を囲む遮水壁を設けると、地下水も建屋周囲に流れ込まなくなって水位が下がるため、逆に建屋などの汚染水が地下水側に流れ出るおそれが高まるということです。このため東京電力は、海岸沿いの遮水壁の準備工事を28日から始める一方、陸側の遮水壁は、当面設置を見合わせることにしました。海岸沿いの遮水壁は、2年ほどで完成するということで、東京電力は「海岸沿いの遮水壁だけで海への流出はほぼ防げる。陸側の遮水壁の必要性は海側の遮水壁が完成したあと再び検討したい」と話しています。
ANN:福島第一原発から出た汚染水が海に流れ出ないようにする遮水壁について、東京電力は、28日から設置工事を始めます。
遮水壁は、1号機から4号機の護岸をコの字に囲む全長800メートルで、鋼鉄製の管約700本を打ち込んで並べていきます。まず、ボーリング調査で地下水が流れる層の深さなどを確認し、福島県から埋め立ての許可が得られ次第、打ち込みを始めます。当初は建屋の四方を取り囲む計画でしたが、陸側へ設置すると建屋周辺の地下水位が下がって逆に建屋の中から汚染水が漏れ出す恐れもあるなどとして、海側のみに設けることにしました。工期は2年の予定です。
CG映像:東京電力作成
福島第1原発:遮水壁、陸側は見送り 海のみ28日着工
東京電力は26日、福島第1原発から出た放射性汚染水の地下水への流出を防ぐ遮水壁(地下ダム)を1~4号機の陸側に設置するのは「効果がない」として見送り、海側のみに設けることを決めた。工事は28日から着手する。
東電は当初、高濃度汚染水がたまった1~4号機の原子炉建屋とタービン建屋の四方を取り囲む計画だった。東電は陸側に設置した場合の解析を実施。
(1)山から海に傾斜した地形で地下水は海に一方向に流れ、建屋より内陸側に設けても汚染水が海に漏れるリスクは変わらない
(2)建屋周辺の地下水位が下がり建屋内から汚染水が漏れる可能性が逆に高まる
(3)既存設備の撤去や移設が必要--として、陸側のほぼ「コ」の字形の部分は「設置すべきでない」と結論づけた。
一方、海側については28日から地下水の深さを確認するためのボーリング(掘削)調査を開始。工事期間は2年で、長さ22~24メートルの矢板を約800メートルにわたって約700本打ち込む予定。【岡田英】
メルトスルー「遮水壁」の基本設計を発表 投稿者 samthavasa
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