年次推移
更新日:2010年11月30日    掲載日:2006年10月01日
1.まとめ
- がんの死亡数と罹患数はともに増加し続けている。
 - がんの死亡数と罹患数の増加の主な要因は人口の高齢化。
 
●人口の高齢化の影響を除いた年齢調整率でみた場合
| 全がん | 死亡 | 男女計 | 1960年代に微増、その後1990年代前半まで微減し、1990年代後半から減少。 | 
| 男性 | 1980年代後半まで増加し、1990年代後半から減少。 | ||
| 女性 | 1960年代後半から減少。 | ||
| 罹患* | 男女計 | 1975年以降1990年代前半まで増加しその後横ばい、2000年前後から再び増加。 | |
| 男性 | 1990年代前半まで増加しその後横ばい、2000年前後から再び増加。 | ||
| 女性 | 1990年代前半まで増加しその後横ばい、2000年前後から再び増加。 | 
●主要部位別の年齢調整率の近年の傾向
| 死亡 | 男性 | 増加 | (なし) | 
| 減少 | 食道、胃、結腸、大腸(結腸および直腸)、肝臓、胆のう・胆管、肺、前立腺、白血病 | ||
| 横ばい | 直腸、膵臓、悪性リンパ腫 | ||
| 女性 | 増加 | 膵臓、乳房 | |
| 減少 | 食道、胃、結腸、直腸、大腸(結腸および直腸)、肝臓、胆のう・胆管、子宮、悪性リンパ腫、白血病 | ||
| 横ばい | 肺、卵巣 | ||
| 罹患* | 男性 | 増加 | 肺、悪性リンパ腫、白血病 | 
| 減少 | 結腸、大腸(結腸および直腸)、肝臓、胆のう・胆管 | ||
| 横ばい | 食道、胃、直腸、膵臓、前立腺 | ||
| 女性 | 増加 | 膵臓、肺、乳房、子宮、卵巣 | |
| 減少 | 肝臓、胆のう・胆管 | ||
| 横ばい | 食道、胃、結腸、直腸、大腸(結腸および直腸)、悪性リンパ腫、白血病 | 
2.がん死亡の年次推移
1)がん死亡数
- 男女とも、がんの死亡数は増加し続けている。
 - 2009年のがん死亡数は、1975年の約2.5倍。
 - がん死亡数の増加の主な原因は人口の高齢化。
 
 
2)がん年齢調整死亡率
- がんの死亡率が増加しているかを調べる場合、「年齢調整死亡率」がよく用いられます。
 - 「年齢調整死亡率」は、高齢化など年齢構成の変化の影響を取り除いたものです。
 
◆全がん
・年齢調整がん死亡率の推移(全年齢)

・年齢調整がん死亡率の推移(75歳未満)

・年齢調整がん死亡率の推移(75歳未満)

 
 
3)年齢階級別死亡率の年次推移(1965年、1985年、2009年の比較)
◆全がん
- 男性では40歳代から60歳代の死亡率は変化が小さく、80歳代以上の死亡率が増加。
 - 女性では40歳代から60歳代の死亡率が減少し、85歳以上の死亡率が増加。
 
 
◆部位別では
- 胃がん…男女とも40歳代から70歳代の死亡率が減少。
 - 結腸がん…男女とも50歳代から死亡率が増加。
 - 直腸がん…男性では50歳代から60歳代で死亡率が増加、女性では1980年代以降死亡率が減少。
 - 肝臓がん…生まれた年代によって死亡率が異なる(出生コホート効果参照)。
 - 肺がん…生まれた年代によって死亡率が異なる(出生コホート効果参照)。
 - 前立腺がん…60歳代後半から死亡率が増加。
 - 乳がん…30歳代後半から70歳代前半で死亡率が増加。特に50歳代の死亡率増加が目立つ。
 - 子宮がん…年齢階級を通じて死亡率が減少傾向だが、30歳代では1980年代以降死亡率が増加。
 - 卵巣がん…1960年から1980年に40歳代以上で死亡率が増加。
 
3.がん罹患の年次推移(全国推計値に基づく)
1)がん罹患数
- 男女とも、がんの罹患数は1975年以降増加し続けている。
 - 2005年のがん罹患数は1975年の約3倍。
 - がん罹患数の増加の主な原因は人口の高齢化。
 
 
2)がん年齢調整罹患率
- がんの罹患率が増加しているかを調べる場合、「年齢調整罹患率」がよく用いられます。
 - 「年齢調整罹患率」は、高齢化など年齢構成の変化の影響を取り除いたものです。
 
◆全がん
・年齢調整がん罹患率の推移(全年齢)

・年齢調整がん罹患率の推移(75歳未満)


・年齢調整がん罹患率の推移(75歳未満)

 
 
3)年齢階級別罹患率の年次推移(1985年、2005年の比較)
◆全がん
- 男性で60歳代から罹患率が増加。
 - 女性で40歳代から50歳代と70歳代後半以上で罹患率が増加。
 
 
◆部位別では
- 胃がん・・・男女とも30歳代以上のほぼすべての年齢層で罹患率が減少。
 - 大腸がん(結腸がん、直腸がん)・・・男女とも40歳代後半から罹患率が増加。
 - 肝臓がん・・・生まれた年代によって罹患率が異なる(出生コホート効果参照)。
 - 肺がん・・・生まれた年代によって罹患率が異なる(出生コホート効果参照)。
 - 前立腺がん・・・60歳代から罹患率が増加。
 - 乳がん・・・30歳代後半から罹患率が増加。特に40歳代後半から50歳代前半の罹患率増加が目立つ。
 - 子宮がん・・・20歳代から30歳代では罹患率が増加。50歳代から罹患率が減少。
 - 卵巣がん・・・40歳代から罹患率増加が目立つ。
 
4.がんの罹患と死亡の年次推移
- 男女計では、年齢調整罹患率は1975年以降1990年代前半まで増加しその後横ばい、2000年前後から再び増加。年齢調整死亡率は1960年代に微増、その後1990年代前半まで微減し、1990年代後半から減少。
 - 2009年の75歳未満年齢調整死亡率は、2005年に比べて8.6%減少(92.4 → 84.4人口10万対)。
 
・年齢調整死亡率と罹患率の推移(全年齢)

・年齢調整死亡率と罹患率の推移(75歳未満)


・年齢調整死亡率と罹患率の推移(75歳未満)

利用方法とデータソースについては集計表のダウンロードをご参照ください。

 
0 件のコメント:
コメントを投稿