農地の除染はどうするの? 表土削る、反転耕…土壌に応じ

2011.12.25 18:31 (1/3ページ)

福島第1原子力発電所の事故が起きてから、学校や住宅などに降った放射性物質を取り除く「除染作業」が行われています。建物では、洗い流すなどの方法があるようですが、農地では、どのような除染が行われるのでしょうか。=匿名
■3つの主な方法
原発事故による放射性セシウムの拡散で、汚染された農地の除染が課題になっている。除染作業は、推定年間被曝(ひばく)線量が20ミリシーベルトを超える地域については国が、それ以下の地域は各市町村がそれぞれ主体となって進めることになる。
原子力災害対策本部は今年9月、農地除染の基本方針を公表。推定年間被曝線量が20ミリシーベルトを下回る地域で「2年後までに50%減少させ、長期的には1ミリシーベルト以下程度に空間線量率を引き下げる」との目標を掲げた。
具体的な方法として提示されているのは、(1)表土の削り取り(2)水による土壌の攪拌(かくはん)・除去(3)プラウと呼ばれる農機具で表土と下層の土を入れ替える反転耕-など。「実際の除染では、農地の状態などで方法を使い分けたり、いくつかの方法を組み合わせて実施することも考えられる」と農林水産省の担当者は語る。
通常、土壌に降った放射性物質のほとんどは深さ5センチまでの表土にとどまるといわれる。そのため原発事故後、土が耕されず、手つかずのままとなっている農地については「表土の削り取り」が有効とみられている。


計画的避難区域に指定されている福島県飯舘村の農地を使って行われた国の実証試験では、約4センチの表土削り取りで、土壌の放射性セシウム濃度は75%低減することが確認された。マグネシウム系固化剤を用いて表土を固め、白っぽくなった部分を約3センチ削り取った場合の低減率は82%だった。固化剤を使えば、削り残しを防ぎ、放射性セシウムを含む土ほこりが立ちにくいといった利点があるという。
一方、国は今年、土1キロ当たり5000ベクレルを超えた地域に対して作付け禁止を指示したが、“制限区域外”とされた地域では田起こしが行われ、収穫も終えている。
ただ、11月には行政の調査で「安全」とされた福島市大波地区や福島県伊達市のコメから国の暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)を上回る放射性セシウムを検出。来年の作付けに向け、除染を臨む声は今後、高まるとみられている。
耕起後の農地除染については、表土を下層に反転させる「反転耕」を基本に作業が進みそうだ。
表土は、45センチの反転で25~40センチ、60センチの反転で40~60センチ土中に移動するとされ「30センチ程度の反転で作物の放射性セシウムの吸収量は低減できる」と農水省の担当者。ただし、「地下水の高さによっては、反転させることで放射性物質が地下水に流れ込む恐れもある。土壌の状況を見ながら方法を変えていかなければいけない」と福島県農業振興課は課題も明かす。
反転耕以外にも、水田の表層土壌を浅く代かきし、細かい土粒子が浮遊した濁水をポンプで排水する方法も効果が期待されている。汚染水は凝集剤を投入し、放射性物質を吸着した土のみを分離、廃棄する仕組みだ。放射性セシウムを吸収しやすい砂を多く含む土壌には、セシウムを吸着しやすい粘土を混ぜるといった方法も有効とみられている。


■課題は仮置き場の設置場所
国や自治体は現在、農業関係者を対象に、各種除染方法の周知を進めている。今後は、どの方法が適切か見極めるための条件や除染の手順、作業を行う際の注意点などを分かりやすく記したマニュアルも作成する予定だ。
政府は復旧・復興予備費などを活用して除染を本格化させたい意向で、各自治体も除染計画の策定を急いでいる。だが、作業を進める上で大きなハードルとなるのが、除染時に出る汚染土壌の処理だ。
汚染土壌について原子力災害対策本部は、4センチの表土削り取りにより、10アール当たり約40立方メートルの廃棄土壌が発生すると試算。各自治体には、あらかじめ廃棄土壌の発生見込み量を計算し、仮置き場の確保の見通しを立ててから作業を開始するよう求めている。
だが、仮置き場の設置場所自体が決まっていない自治体も多い。林野庁は汚染された土壌や稲わらなどを一時的に保管する仮置き場として、要請があれば国有林内の敷地を自治体に無償貸与する方針を示している。
それでも、保管場所とするには「地域住民の同意が前提になる」と同庁の担当者はいう。国有林が水源地に近いケースなどは交渉難航も予想される。(三宅陽子)

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