ストロンチウム、462兆ベクレルが海に流出

 2011年12月18日3時2分
東京電力福島第一原発から事故後、海洋に放出された放射性ストロンチウムの総量は、少なくとも約462兆ベクレルになることが朝日新聞の試算でわかった。水産庁は魚介類への蓄積を調べるサンプリング調査の強化を検討している。
 試算は東電などが発表した資料をもとに行った。4月に2号機、5月に3号機から流出した放射能汚染水については、流出源である両号機の建屋内のたまり水に含まれる放射性ストロンチウムの濃度を、流出した水の体積にかけて算出。これらに、今月4日に流出が確認された処理水に含まれていたと見られるストロンチウムの量を足し合わせた。大気から海への降下量は含まれていない。
 東電は4~5月に海に流出した汚染水中の放射性ヨウ素とセシウムの総量を推定約4720兆ベクレルと発表した。ストロンチウムの量はその約1割に相当する。
 世界最悪の海洋汚染とされる英セラフィールドの核燃料再処理工場からの汚染水の放出では、ピークの1970年代、年間約500兆ベクレルのストロンチウム90が放出されたとされ、それに匹敵する量だ。
 ストロンチウムは骨に蓄積して体外に排出されにくく、骨のがんや白血病を引き起こすおそれがあるとされ、詳細な調査の必要性が指摘されてきた。
 だが、測定に2~3週間かかるほか、セシウムとともに存在し、量はその1割以下と推定できるなどの理由で、魚介類の調査はほとんどされていない。
 水産庁による魚介類調査は、所管する水産総合研究センターが実施した4~7月の計6種類の魚のみ。8月30日、福島県沖約50キロでとれたマダラから1キロあたり0.03ベクレルを検出したとの調査結果を発表したが、原発事故前の国の調査で、付近の魚類から最大0.094ベクレルが出ており、マダラへの蓄積が原発由来かははっきりしていない。
 魚介類など海洋生態系への詳しい影響調査を求める声はこれまでも、水産庁などに多数寄せられていたが、4日の処理水の海洋流出などもあり調査の必要性が高いと判断した。
 同センター中央水産研究所の渡辺朝生・海洋・生態系研究センター長は「魚介類への影響を把握するにはサンプリングを長期間続ける必要がある。これまでの調査は海面近くの魚が中心なので、海底にすむ魚類も見なければならない」と話す。
 東北大農学研究科の片山知史教授(水産資源生態学)によると、骨までまるごと食べるコウナゴやシラスなどへの蓄積に特に注意する必要があるという。「ストロンチウムは低濃度でも生物に蓄積しやすい。きめ細かい調査が必要だ」と指摘する。(今直也)
 〈放射性ストロンチウム〉 化学的な性質がカルシウムに似ており、骨にたまりやすい。セシウム137に比べて体外に排出されにくく、骨のがんや白血病を引き起こすおそれがあるとされる。半減期はストロンチウム89が約50日、90が約29年。

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