福島第1原発 40代の男性作業員 急性白血病で死亡


福島第1原発:作業員、線量計の警報無視 ベータ線被ばく

 東京電力の20代の男性社員2人が福島第1原発で汚染水浄化システムの部品交換中にベータ線に被ばくした問題で、東電は30日、現場にいた社員3人が線量計の警報を無視して作業を続けていたと発表した。放射線管理員は同行していなかった。
 東電によると20代の社員2人は30代男性社員と一緒に28日、淡水化装置のフィルターを交換するため、部品の一部を水中から出し、新しい部品を挿入する作業をしていた。
 ベータ線被ばく量15ミリシーベルトで線量計の警報が鳴ったが、残っていた作業がわずかだったため、一緒にいた30代社員とともに最後まで作業を続けたという。30代社員の被ばく量は1.1ミリシーベルトだった。【林田七恵】
毎日新聞 2011年8月31日 1時27分


東京電力は30日、福島第1原発の復旧作業に当たっていた40代の男性作業員が急性白血病で死亡したと発表した。この作業員の被ばく線量は0・5ミリシーベルトで、東電は「医師の診断によると作業と死亡の因果関係はない」と説明している。
 東電によると、男性は8月上旬から1週間、放射線管理などの業務に従事。体調不良を訴え診察を受けたが、その後死亡した。内部被ばくはゼロだった。就労前の健康診断では問題がなかったという。16日に元請け企業から東電に連絡があった。
 東電によると、急性白血病に関する厚生労働省の労災認定基準は年間5ミリシーベルト以上の被ばく、1年間の潜伏期間などがある。この男性の福島第1原発での作業は、基準に達しないという。
 同原発の作業に従事する以前の職歴については分かっていないが、東電は「これ以上調査する予定はない」としている。
 (共同通信)
東電によると、男性は8月上旬から1週間、放射線管理などの業務に従事。
体調不良を訴え診察を受けたが、その後死亡した。内部被ばくはゼロだった。
就労前の健康診断では問題がなかったという。16日に元請け企業から東電に
連絡があった。

東電によると、急性白血病に関する厚生労働省の労災認定基準は年間5ミリシーベルト
以上の被ばく、1年間の潜伏期間などがある。この男性の福島第1原発での作業は、
基準に達しないという。同原発の作業に従事する以前の職歴については分かって
いないが、東電は「これ以上調査する予定はない」としている。





東電作業員3人、福島原発でベータ線被曝

東京電力は29日、福島第一原子力発電所の作業員3人が計画外のベータ線被曝ひばくをしたと発表した。

 3人はいずれも東電社員の男性で、28日朝、汚染水処理装置で浄化した水の塩分を取り除く装置のフィルターを交換する作業をしていた。
(2011年8月30日10時17分  読売新聞)

急性白血病:福島第1原発作業員が死亡 東電が発表

 東京電力は30日、福島第1原発で作業に携わっていた40代の男性作業員が急性白血病で死亡したと発表した。外部被ばく量が0.5ミリシーベルト、内部被ばく量は0ミリシーベルトで、松本純一原子力・立地本部長代理は「医師の診断で、福島での作業との因果関係はない」と説明した。
 東電によると、男性は関連会社の作業員で8月上旬に約1週間、休憩所でドアの開閉や放射線管理に携わった。体調を崩して医師の診察を受け急性白血病と診断され、入院先で亡くなったという。東電は16日に元請け企業から報告を受けた。事前の健康診断で白血球数の異常はなく、今回以外の原発での作業歴は不明という。【林田七恵】
 2011年8月30日


過去の記事
毎日新聞 2011年6月15日 東京朝刊新聞記事

クローズアップ2011:内部被ばく 東電、甘い計算法主張

福島第1原発1号機原子炉建屋の1階で圧力計を設置する作業員ら=2011年6月3日、東京電力提供
福島第1原発1号機原子炉建屋の1階で圧力計を設置する作業員ら=2011年6月3日、東京電力提供

 ◇厚労相「内部被ばく100ミリシーベルト限度」

 東京電力福島第1原発で、限度を超えた被ばくをする作業員が相次いでいる。特に放射性物質を体内に取り込む内部被ばくが深刻だ。細川律夫厚生労働相は14日、内部被ばくが100ミリシーベルトを超えた人を作業から外すよう東電に指示したが、被ばく量の算定を巡って東電と厚労省が対立、作業員の安全を優先した対策が遅れた。作業の長期化が避けられない中、被ばくの実態把握さえおぼつかない現状は、東電が工程表で公約した復旧作業にも影響しかねない。

 ◇根拠薄い「政治判断」

 「東電は当初、内部被ばく線量を甘い方法で計算していた」。厚労省の幹部は憤る。
 福島第1原発の作業員から緊急時の上限の250ミリシーベルトを超える被ばくをしたとみられる2人の存在が発覚した5月30日には、内部被ばくの線量は不明だった。線量計算を巡り厚労省は、同原発で最初に水素爆発があった3月12日を起算点にするよう東電に求めた。しかし、東電側は「いつ内部被ばくしたかは不明。3月末まで作業したなら震災当日と月末の中間の3月21日前後を起算点にすべきだ」などと主張した。
 内部被ばくは「ホールボディーカウンター」という機器を使い、ある時点の線量を測った上で過去にさかのぼって総量を積算する。さかのぼる期間が長いほど積算線量は高くなるため、東電側の計算では厚労省より積算線量が低くなる。厚労省労働基準局の職員は「厳しく計算するよう説得したが向こうも譲らず、にらみ合いが続いた」と証言する。
 ただ、東電の測定値は「暫定値」で、最終的な線量は放射線医学総合研究所(放医研)が精密に検査し算出する。放医研は厚労省と同じ起算点を用いて6月10日、2人の内部被ばくを590~540ミリシーベルト、外部被ばくと合わせて678~643ミリシーベルトで確定させた。
 東電も最終的には放医研に合わせて計算し直して13日に同省へ報告、新たに6人の上限超えが判明した。
 一方、細川厚労相が「内部被ばくの限度は100ミリシーベルト」と指示したのは根拠の薄い「政治判断」だった。
 最初の上限超え発覚後、厚労省は同様の作業をしていた約130人の内部被ばく線量を測るよう東電に指示し、6月3日に報告させた。この時点では新たな上限超えはいなかったが、100ミリシーベルト超が3人いた。当時は線量計算を巡り東電と争っていた時期で、厚労省は「100ミリシーベルト超の3人も最終的に上限超えの可能性が高い」と判断、作業から外すよう指示していた。
 その後、東電が計算し直した13日の報告を同省は「実態に近い」と評価。この報告では新たな上限超え6人のほか、200ミリシーベルト超の作業員が6人いたため、この6人も念のため作業から外すよう事務レベルで指示した。
 しかし、細川厚労相は「100ミリシーベルト超」で作業から外した3日の指示にこだわり、事務レベルの指示を変更した。基準が後退したと受け取られるのを恐れたとも見えるが、労基局の高崎真一・計画課長は「東電の対応が遅れがちな点も踏まえた政治判断」と説明した。【井上英介】

 ◇基準高すぎる

 元原発作業員が東電に損害賠償を求めた訴訟で原告代理人を務めた鈴木篤弁護士は「原告は年間70ミリシーベルトの外部被ばくで多発性骨髄腫が労災認定されたが、5ミリシーベルトで白血病が労災認定されたケースもある。今回の内部被ばくには絶句するしかない」と話す。その上で「100ミリシーベルトという基準は高すぎる。そもそも、内部被ばくの基準がなかったのは大問題だ」と指摘している。

 ◇3月の作業員、2割未検査

 被ばく線量が250ミリシーベルトを超えた作業員8人は、事故発生直後に構内で作業していた。東電の松本純一原子力・立地本部長代理は「発生から1週間はマスク着用の徹底や空気中の放射線測定ができていなかった」と説明する。
 最初に250ミリシーベルトを超えたことが判明した2人は、3、4号機の中央制御室の運転員で、3月11日はマスクを着けていなかった。新たに判明した6人について東電は「マスク着用の指示は出した」としているが、現場でどの程度徹底されていたかは不明だ。
 現状把握も追いついていない。放射性物質がピークだった3月に同原発で作業していた3726人のうち、内部被ばく量が判明しているのは約6割の2367人。残る1359人の半分は検査すら受けていない。
 測定器(ホールボディーカウンター)はわずか4台しかない。東電は「よそから運ぶにも専門業者に依頼したり設置場所の補強工事が必要で時間がかかっている」と釈明する。
 現場から約20キロ離れた前線基地の「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町)で車両の除染作業に携わる下請け会社の男性(28)は「内部被ばくの基準を設けるのは当然だが、それ以前に検査の環境を整えるべきだ」と訴える。ホールボディーカウンターが足りないためなかなか検査を受けられず、作業員の不満がくすぶっているという。
 東電は5月に見直した工程表に「作業環境の改善」を盛り込んだ。休憩所の増設など一部は着手しているが、「上限超え」が増える中、作業に支障が出る恐れもある。
 松本本部長代理は会見で「作業員が足りなくなる事態にはならない」と強調した。経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は「作業員が足りなくなれば、他の電力会社などの協力で人材を確保しながら、工程に支障がないよう努めたい」と話す。小林圭二・元京都大原子炉実験所講師(原子核工学)は、「東電や政府はメンツをかけて工程表通りに復旧を進めようとしているが、作業員の人命や健康を軽視している」と憤る。【岡田英、久野華代、袴田貴行、河内敏康】
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 ■福島第1原発での限度を超えた被ばくを巡る動き■
4月27日 50代女性社員が法定の限度(女性は3カ月で5ミリシーベルト)を超える17.55ミリシーベルトの被ばくと東電が発表
5月 1日 40代女性社員が7.49ミリシーベルトの被ばくと東電が発表
  30日 30代と40代の男性社員が、緊急時被ばく限度の250ミリシーベルトを超える被ばくの可能性があると東電が発表
6月 7日 厚生労働省が労働安全衛生法に基づき福島第1原発に立ち入り調査
  10日 放射線医学総合研究所の評価で30代社員の被ばく量は678ミリシーベルト、40代社員は643ミリシーベルトと判明。経済産業省原子力安全・保安院が東電を厳重注意。厚労省が是正勧告
  13日 新たに6人が250ミリシーベルトを超えた可能性があると厚労省が発表
  14日 細川律夫厚労相が、内部被ばくが100ミリシーベルトを超えた作業員は作業から外すよう東電に指示






 2011年5月14日の毎日

東京電力福島第1原発事故の復旧作業で、作業員の安全確保のルールや手順がなし崩し的に緩和されていることが、作業員らの証言で分かった。放射性物質が体に付着する「身体汚染」をした場合、体を洗う「除染」で完全に落とさなければならなかったが、今は完全に除染できなくても体のどこに付着しているかを示す「確認証」があれば作業に戻ることができるという。他にも多くの規制が緩んでいるため、作業員らは不安を訴え、専門家は懸念を示している。
 同原発構内の放射線量は高く、水素爆発した3号機の原子炉建屋付近には毎時900ミリシーベルトと高い放射線を出すがれきが見つかっている。通常、1日の作業で1ミリシーベルトを超す被ばくが見込まれる場合、元請け会社は作業員の予想被ばく線量を記した作業計画書を労働基準監督署に届け出て受領印をもらい、東電に写しを提出する。この際、元請けによっては、下請けにも写しを「特別許可書」として渡すルールがあるが、この特別許可書も現在なくなっているという。
 ある下請け作業員は通常渡される特別許可書をもらわず作業し、約2時間半で1.3ミリシーベルト浴びた。他の作業員ら計約10人で構内拠点の免震重要棟に戻り、防護服を脱いでスクリーニング(検査)したところ、それぞれ首や後頭部に身体汚染が確認された。
 約20キロ離れた拠点施設のナショナルトレーニングセンター「Jヴィレッジ」(福島県楢葉町)で専用の特殊シャンプーで洗ったが、作業員のうち3人は除染できず、いわき市の東電施設でもう一度洗ったものの、やはり落ちなかった。
 このため3人は、体の絵とともに汚染部位などが記載されている「確認証」を東電から発行され、作業に復帰したという。確認証があれば、復帰後のスクリーニングで汚染が検出されても問題視されないが、作業員は「除染しないまま作業に戻れば通常なら始末書もの」と疑問視する。
 また、身体汚染をした場合、作業員の所属する会社は、作業経緯や内容、汚染の状態などを報告書にまとめて元請けに提出し、元請けは東電に連絡することになっているが、いまだ報告書は提出されず、汚染を知る元請けや東電から提出も求められていないという。
 作業員は「東電も元請けも『この現場で汚染しない方がおかしい』との考えでしょう」と述べ、緊急時のためルールがなし崩しになっていると指摘。「原発を何とかしたいとの気持ちから(作業員の)みんなも『汚染しても仕方がない』という雰囲気だが、正直、不安はある」と語った。
 東電広報部は確認証について「(検査で)高い数値が出た人に異常がないことを示すものだが、いずれにせよ落ちるまで除染している」と説明。特別許可書(東電側では作業計画書)などについては「コピーを受領するだけ」とし、基本的に作業員と元請けとの問題との立場を示した。【町田徳丈、市川明代、日下部聡】
 2011年5月14日


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