2012年4月5日木曜日

ブラウン管破砕カレットを利用した放射線遮蔽材開発、実用化へ前進 リサイクルしたテレビのブラウン管の放射線遮蔽利用へ民間が技術開発


ブラウン管破砕カレットを利用した放射線遮蔽材開発、実用化へ前進

リサイクルしたテレビのブラウン管の放射線遮蔽利用へ民間が技術開発
独立行政法人物質・材料研究機構
NIMSの元素戦略材料センター 資源循環設計グループは、平成23年7月より使用済ブラウン管テレビのブラウン管ガラスから得られるガラスカレットの放射線遮蔽能力の有効性から、それを生かした材料の開発を提案していたが、この度、民間企業がこの提案を受けて二種類の材料を開発した。

概要

  1. 独立行政法人物質・材料研究機構(理事長:潮田 資勝)の元素戦略材料センター資源循環設計グループ(グループリーダー:原田 幸明)は平成23年7月に、家電リサイクル法で集められた使用済ブラウン管テレビのブラウン管ガラスから得られるガラスカレットが放射線の遮蔽に有効であることを確認し、その放射線遮蔽能力を生かした材料の開発を提案していたが、民間企業がこの提案を受けて二種類の材料を開発した。
  2. ひとつは、清水建設株式会社(代表取締役社長:宮本 洋一)による「ブラウン管破砕カレット利用コンクリート」である。これは、コンクリートの原材料の一つである骨材としてブラウン管破砕カレットを利用し、従来のコンクリートとほぼ同じ強度を保ちながら透過放射線量を50cmの厚みで従来のコンクリートの半分程度、100cmの厚みで1/4程度に落とすことができる能力を持っている。このコンクリートは建物などの建築構造用に使用することは現時点では考えていないが、汚染した瓦礫や土壌の集積や格納、汚染水ピットの蓋、などプレキャストコンクリートとして多様な遮蔽用途が期待される。
  3. いまひとつは、株式会社R JAPAN(代表取締役:知念 武志)による「ブラウン管破砕カレット利用遮蔽用防水材」であり、これはブラウン管破砕カレットを樹脂に埋め込んだもので、透過放射線を半分に減らせる厚みである半価層に必要な重量が鉛や鉄、従来型コンクリートより一割以上軽量になる。また表面が平滑であるため放射性物質の表面付着時も洗浄し再利用できる。
  4. コンクリート利用の場合は鉛の溶出が懸念されるが、コンクリート供試体の状態で土壌汚染対策法の基準値以下の溶出に抑えられることも確認されている。

プレス資料中の図3:放射線透過率の試験結果(鉛板および普通コンクリートも併記)


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