六ケ所村の再処理工場  平均的な原子力発電所から、環境に出される放射性物質の1年分を、この再処理工場から出される量は、1日で抜いてしまう


六ヶ所再処理工場が、1日で33京ベクレル(原発1年分超)の放射能を、環境に放出するワケ

2012年07月22日 | 日本とわたし


千葉「京都大学原子炉実験所助教の小出裕章さんです。小出さん、今日もどうぞよろしくお願い申し上げます」

小出「よろしくお願いします」

千葉「今日は、毎日新聞論説委員の池田昭さんと一緒に、お話を伺います」

小出「はい」

池田「あ、よろしくお願いします」

小出「はい。池田さんよろしくお願いします」

池田「どうも」

千葉「さて小出さん、先週このコーナーでですね」

小出「はい」

千葉「え……リスナーの方から頂いた質問で、
青森県六ケ所村の再処理工場から環境に出される放射性物質が、めっちゃめちゃ多い、ということで。
年間で33京ベクレルもある
という、お話について、伺ったんですけれども」

小出「はい」

千葉「平均的な原子力発電所から、環境に出される放射性物質の1年分を、この再処理工場から出される量は、1日で抜いてしまう、ということでしたよね」

小出「そうです」

千葉「まあ、再処理工場は、それぐらい多くの放射性物質を環境に出す、というお話で。
わたくしめっちゃめっちゃ驚いたものですから、もう少し、このことについて、今日は詳しくお伺いしたいと思っております」

小出「はい」

千葉「で、早速なんですが」

小出「はい」

千葉「なんでですね。再処理工場は、そんなに放射性物質が出るんですか?」

小出「はい。再処理工場という名前を聞くとですね、普通の方の中には、原子力発電所が生み出す放射能を、なにか処理してくれる、消してくれる工場なのかと、考える方が結構いらっしゃることに、私は気が付きました」

千葉「はい」

小出「しかし、再処理工場というのは、もちろん、放射能を消したりすることができるわけではありませんで。やることは、プルトニウムという、長崎原爆の材料になった物質を、ただ取り出すということをやる工場、です。
それで、ちょっと、皆さんにイメージを持っていただきたいのですが。
原子力発電所でウランを燃やしていますが、そのウランは、直径1センチ高さ1センチ、という、まあちょっと大きめの枝豆の豆のようなですね、ぐらいの大きさの瀬戸物に、焼き固めてあります」

千葉「はい」

小出「それを、燃料棒という、まあ、細長い物干し竿のようなものの中に、ずらりと並べて詰めてある、のです。
で、運転中はその、ウランが燃えて、核分裂生成物、いわゆる死の灰ができていくのですが、
それと同時に、プルトニウムという、長崎原爆の材料もできていくという、そういう物理的な性質を持っています


千葉「ええ」

小出「で、原子力発電所が、長い間運転していると、燃料の焼き固めた瀬戸物の中に、核分裂生成物とプルトニウムが、どんどん溜まってきますし、
燃え残りのウランもまた、残っているという状態で、いわゆる、使用済みの燃料になります。
で、通常運転中は、それらすべてが、燃料棒という金属の鞘の中に閉じ込められている、ことになっていますので、
原子力発電所から出てくる放射能は、基本的には、あまり多くないという状態にした、のです」

千葉「はい」

小出「ただし、再処理という作業の目的は、プルトニウムを取り出すということなのです。
一体じゃあ、瀬戸物に焼き固めたウランの塊の中から、プルトニウムをどうやったら取り出すことができるのか、ということを皆さんに想像して欲しいのですが。
まず、その、金属の棒の中に入っていたら、全く手をつけることができませんから、金属の棒を、再処理工場で、一番初めてちょんぎってしまいます」

千葉「はい」

小出「つまり、せっかく放射性物質を閉じ込めていた金属の鞘を、バラバラにしてしまって、瀬戸物をむき出しにするという作業から始まるのです。
次に、瀬戸物の中には、核分裂生成物と、プルトニウムと、燃え残りのウランが渾然一体となって、まあ1つの瀬戸物の塊を作っているのですが、
その中からプルトニウムだけを取り出す、ということをしようとしたら、どうしたら良いでしょうか


千葉「もう、バラバラ……に、しちゃうんですか」

小出「はい(苦笑)。まあバラバラに、まあ例えば、瀬戸物を砕く、という事もいいかもしれませんけど。
砕いたところで、いずれにしても、ウランと燃え残りのウランと、核分裂生成物とプルトニウムが、渾然一体となった、ただただまあ、バラバラになった瀬戸物になるだけなんですね。
ですからどうするかというと、瀬戸物をどろどろに溶かして、液体にすると言っているのです」

千葉「はい」

小出「皆さん、家庭の茶碗とかですね、お皿とか箸置き、それをどろどろに溶かすということが、想像できるでしょうか」

千葉「いやあ……、あんまり想像できませんよね」

小出「ですよねえ。
要するに、大変まあ、困難なことをやろうとしているわけで。
濃度の濃い硝酸を、温度をかけて温めて、その中で、瀬戸物をどろどろに溶かしてしまう、というのです。
んで、その上で、薬品を加えていって、燃え残りのウランと、核分裂生成物と、プルトニウムを、
ケミカル、まあ化学的な精査操作をして、分けるというのが、再処理という作業
、なのです。
で、原子力発電所では、せっかく瀬戸物の中に閉じ込めていた、あるいは、燃料棒の中に閉じ込めていたという放射能を、
全部バラバラにして、剥き出しにして、液体にして分離するというのが、再処理という作業
なのです。
もう、途方も無い危険な作業ですし、放射能が外に出てきてしまうということは、もうどうしようもないことなのです」

千葉「んー、せっかく閉じ込めていた、その放射性物質、放射能を、そうやってバラバラにすることによって」

小出「はい」

千葉「外に出しちゃうということなんですか?」

小出「そうです」

千葉「え……でも、そんなにたくさん、環境に出てしまうということを、国は認めてるんですか」

小出「もちろん、です。
元々、この再処理という作業は、はじめに聞いていただきましたように、長崎原爆を作る材料だったプルトニウムを、どうしても取り出さなければいけないという、軍事的な要請で始められたのです」

千葉「ほう」

小出「んで……軍事的な要請というのは、安全性も経済性も無視できるという、条件がありますので、ようやくにして成り立った技術なのです。
ただ、日本というこの国は、取り出したプルトニウムを、原爆にするのではなくて、また、原子力発電所の燃料に使うんだ、ということを言って、再処理ということをやろうとした、のです。
でも、軍事的な目的でやろうと、商業的な目的でやろうと、やることは同じなわけですから、
膨大な放射性物質が、環境に出てくるということは避けられない
ことになった、のです」

千葉「え、でも小出さん」

小出「はい」

千葉「33京ベクレルなんてものすごい量の、まあ放射性物質が出てくるわけですから」

小出「はい。それはあの、クリプトン85という、たった1種類の放射性物質で、それだけ、です。
その他にも、トリチウムであるとか、炭素14であるとか、もう様々な放射性物質を、環境に出す
ことになります」

千葉「はい。これは、出すのを防ぐ技術ってのは今、無いんですか?」

小出「クリプトン85というのは、希ガス、と私達が呼んでいる放射性物質でして、
完全なガス体で、どんなことをやっても、他の物質と化合しないし、フィルターというものにもくっつかないという、そういう特殊な性質をもっています。
そのため、再処理工場側は、クリプトン85に関しては、一切補足しないで全量を放出する、と言っています」

千葉「うーん」

小出「ただし、やり方はあるのです。
例えば、クリプトン85というその……気体……まあガスなのですけれども、マイナス153度まで冷やすことが出来れば、液体に出来ます」

千葉「はい」

小出「液体に出来れば、もちろん閉じ込めることが出来る、わけですから、お金をかけて、やろう、やる気になればできるのです。
ただし、そんなことはしない、というように、再処理工場が言っています」

池田「うー……」

千葉「お金かかるからですか」

小出「お金がかかるからです。
すでに国の方は、クリプトン85を閉じ込める技術を開発するために、確か160億円だったと思いますが、研究開発資金を投入しました。
そして、出来るということは分かったのですが、実際にやろうと思うとお金がかかるし、仮に閉じ込めたとしても、それをずうっとお守りをするのも大変なので、もう初めから放出してしまう、ということにしました

池田「あの小出さん」

小出「はい」

池田「先日来ですね、」

小出「はい」

池田「あの……福島原発、からですね」

小出「はい」

池田「あの、たとえその使用済燃料棒ではないとはいえですね、あの、燃料棒の取り出しの映像が映ってますよね」

小出「はい」

池田「あれ見ても、多くの人達が見たと思うんですが、かなりゾッとする話なんですが」

小出「そうですね」

池田「それをどろどろにしちゃう、ということになるとですね」

小出「はい」

池田「これはかなり愚かな、行為の繰り返しと」

小出「はい。私は、やるべきでないと思います」

池田「うーん……」

千葉「ん……」

池田「ですよね……」

小出「はい」

池田「あれでも、ぞっとするような映像を見せつけられてるような気がするんですね」

小出「そうですね。まあ原子力というものに手を染めてしまえば、どうしても放射性物質を作ってしまう、わけです」

池田「そうですね」

小出「はい。大変な困難な問題を、これからずうっと抱えていくことになります」

千葉「分かりました。小出さんどうもありがとうございました」

小出「はい。ありがとうございました」

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六ヶ所村再処理工場の全景


いったい、原子力業界の人間は、なにを考えてこんなことをやってるのやろう。
この再処理については、原子力の親玉のアメリカでさえ、カーター政権時代に、政策で禁止してるっちゅうのに。
それは1977年のことで、今からもう35年も前の話やし。
ただ、その後で、あの、思い出すのもおぞましい、ブッシュが共和党の政権を取り戻した2001年に、
『国際原子力エネルギーパートナーシップ(GNEP)』構想っちゅう、おなじみ大文字のアルファベットが並ぶ悪巧みが打ち出されて、
アメリカが中心になって、原子力先進諸国(もちろん日本もグルやったんやろ)、濃縮・再処理技術を放棄した諸国に対し、
発電用の核燃料を供給したる、使用済燃料の引き取りもやったるわ、とか言うて、甘い話を餌に妙なちょっかい出しとったんやけど、
そんな愚かで意味の無い構想なんか、もちろんオバマ政権は却下。無かったことになってるねん。

再処理なんか多分無理。
最初は夢を抱いて、必死で研究開発してたんやろけど、
現実的に賢う考えてたら、もうとっくの昔に中止して然るべきことのはず。

原発廃炉も大事やけど、この六ヶ所を動かしてしもたら終わり。
施設周辺の農産物、海産物、さようなら。
イギリス(セラフィールド)やフランス(ラ・アーグ)の再処理施設周辺では、小児白血病が増えてて、それを政府も認めてんねん。
おまけに、そこにも活断層があるやもしれんと言うてる学者がおんねん。
そんな、プルトニウムだらけのとこに、おっきな地震が起こったら、どないなると思う?
だいたい、プルサーマル発電も、高速増殖炉も、もうあかんのに、なんでそんな再処理工場なんかが必要なわけ?
意味ないやん。

もうええかげんに退場して!
日本から追い出してやりたいけど、そうはいかんわ。
なにがなんでも、あんたらを、日本の法で罰したる!

けどな、あんたらがなんぼ罰せられても、あんたらが撒いた放射能汚染も、放射能のゴミも、それからボロボロの原発も、みんなみんな残り続けるねん。
それが、日本の未来をどれだけ大変なもんにするか、そのことの罪深さを、思い知らせてやりたい。

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