2012年6月2日土曜日

大手製薬メーカーがワクチン事業にのめり込むわけ


大手製薬メーカーがワクチン事業にのめり込むわけ

大手製薬メーカーほど、意外に苦境に陥っていることは、前の「大手製薬メーカーが抗がん剤事業にのめり込むわけ」の記事でよく分かるとおもいます。
そのために、大手製薬メーカーが進出しようとしている、もう一つの分野があります。
ワクチン事業です。
エーザイは、開発したアジュバントを持ってサノフィと提携し、ワクチン開発、生産を行う、というような記事です。

医薬品の売上げ高ランキングでは、トップがファイザー 4500(億ドル)、2位サノフィ 4200、3位メルク 4000、4位 ロッシュ 4000。
国内メーカーは 武田薬品 15位 1400(億ドル)、17位 アステラス 990、19位 第一三共 850、 20位 エーザイ 800。
(売上げ高は棒グラフから読み取っているので、誤差が大きいかもしれません)

「金持ち喧嘩せず」です。

最近、伝染性疾患が増えて困っている訳でもないのに、次々にワクチン接種が導入されるのはおかしいとは思いませんか。
ワクチンは個人が接種を希望するのではありません。
国が国民を"管理"するために導入するといった面があります。ですから殆ど強制です。

さらに、国を越えて、地球上の全ての人間を管理しようという思想があります。
それがWHOです。
ですから、WHOから、各国に導入の圧力をかけることができます。

日本でも、最近、子宮頸癌予防ワクチン、小児肺炎球菌ワクチン、Hibワクチンが導入されましたが、その答申の文書にもこうあります。
(ワクチンを考えるー>ワクチン接種の基となった文書、を見てください。)

(別紙)
Hib、肺炎球菌、HPVワクチンについて
①WHOの勧告に含まれている
・ Hib、小児用肺炎球菌、HPV ワクチンは、2010年9月時点において、WHOが「全ての地域に向けて勧告」を行っている予防接種に含まれている。
(引用おわり)

WHO」の威光を背にワクチンの導入を迫る。
これでいいのでしょうか。
WHOが新型インフルエンザ騒動のときに、どのようなことをしたか思い出してください。

でも、WHOの圧力に誰も抵抗できませんね。
そこが、大手製薬メーカーの目のつけどころです。





アメリカの例ですが、ワクチンの導入される仕組みを示しております。
ACIPがWHOの影響を受けるのは当然でしょう。
日本も同じ仕組みと考えてよいでしょう。
一般の医師、国民の意向と関係無しに導入されます。




立花 隆著 「がん 生と死の謎に挑む」ーHIF-1遺伝子(1)

立花 隆氏の著書をあんまり引用したのでは、本が売れなくなり、著作権の侵害になるのではないかと心配しています。
これをお読みの方は、是非この本を買ってください。絶対に損はしません。自分一人ではこれだけの知見は集められません。

私が読んで、白眉だと思った箇所を紹介します。
「がんのしぶとさの理由」(157ページ)という章です。
「手術で切り刻んでも簡単にまいったといわないで、時間をおいてまた再発してきたりする。放射線でたたいたり、毒性の高い抗癌剤で攻めてもなかなかまいらない。そのしぶとさの根源が、生物の進化史上、きわめて古い時期に与えられた環境試練のなかで育てられた遺伝子にあるというのです。HIF-1は低酸素という生物に与えられたもっとも厳しい環境条件のなかで、身につけたサバイバル能力を体現する遺伝子です。
  低酸素の状態は生命の存続が危機にさらされた状態ですから、生命は動員可能なあらゆる能力を動員して、生き延びようとします。だからHIF-1は沢山の遺伝子のマスタースイッチになっていて、百以上の遺伝子のスイッチを入れて、低酸素状態に適応しようとします。」
また、HIF-1遺伝子は
「これはNスペの本篇のなかで紹介した事実の一つですが、いずれにしても、浸潤と転移の両方にHIF-1遺伝子と、HIF-1遺伝子がマスタースイッチとしてスイッチを入れて活性化された一群の遺伝子が深くかかわっていると予想去れています。」



田老町~宮古~大槌~釜石~大船渡を見て参りました

7月9日、盛岡の繋温泉で、同級生のY氏、F氏が医学部教授に就任なされたことの祝賀会を兼ねた同級会が開かれました。23人集まりました。一人ずつ近況を述べましたが、ほとんどの参加者は、地震の話から入りました。私も例外ではありませんでした。

翌日、そのまま古川に帰ったのではもったいない、岩手県沿岸部の津波の被災状況を見て帰ろうと計画しておりました。
盛岡から宮古まで約2時間、緑深い山の中の道をひたすら走り続けました。宮城県ではこのような体験はできません。岩手県は広い。
宮古市~浄土が浜~田老町~宮古市~山田町~(吉里吉里)~大槌町~釜石市~大船渡市~陸前高田市~気仙沼市~一関市~古川と、前日古川を出発して540Km走りました。
被災状況を子細にみることはできず、走り抜けた感じです。

tarou.JPG田老町の巨大な堤防を見たかったのです。
堤防の上立ってみると、あまり高く感じないものです。

左の写真は堤防の上より撮ったものです。
左側の道路は国道45号線です。
町並は全く無くなっています。
木造の民家は全く残っておりません。
瓦礫の撤去が進んでいる印象を受けました。
右側は運動公園でした。さらにその外側に、もう一本堤防があります。
右下の写真は、上の写真で堤防が左にカーブするあたり、白い建物の向こう側を撮ったものです。
tarou3.jpg











miyako.jpg
宮古港の被害は外見的にはよくわかりませんでしたが、復旧が早いように見えました。
しかし、人の姿はすくなく、港の喧騒は聞こえず、静まり返っていました。








被害を受けた市、町はどこも酷いのですが、特に印象に残ったのは、山田町と大槌町でした。
yamada.JPG山田町では火災の跡がのこった3階建てのアパートが印象に残リました。











写真は大槌町の町役場の建物とおもいます。ootuchi.JPG
建物は海に向かって建てられています。
大地震のあと、この建物の前で町長さんはじめ町役場のかたがたが会議をしていて、その最中に津波にのまれて亡くなったとのことです。









ootuchi2.JPG
上の写真より左の方に目をやると、左の写真のような光景です。津波の被害の凄まじさがわかります。すごいエネルギーです。
このような建物が沢山残っておりました。









大船渡市は、見てきた中では、被災面積が一番広い印象を受けました。oohunato.JPG













陸前高田市を通るのは二度目です。今回は北から、大船渡側から入りました。
初め、今泉街道(国道343)を通って帰ろうと考えていましたが、ちょうどこの日(10日)、気仙大橋の仮橋が完成し、通れることがわかりました。
気仙大橋の仮橋を渡るときに、左手に、高田の松原の名残りの一本松がみえました。


岩手県の沿岸部の市、町の津波被害をみた印象は、「被害の範囲は見渡せる範囲」、ということでした。つまり、山が海辺まで迫っていて平地が狭い。そのため、被災地の幅、面積が意外に小さいのです。その分、建物の被害は徹底的です。地盤沈下は陸前高田市で目立ちました。
















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4つのワクチンメーカーに合計1016億円! この記事、どう思われますか?

私はインフルエンザワクチンは効かない、不要だと考えています。
10数年まえから、自治体の助成もあり、65歳以上の方々にインフルエンザワクチン接種が推奨されております。また、医療関係者は率先して打たなければならないような、圧力も感じます。
しかし、私は一度も打ったことがありません。前橋スタディの成績を知っていたので、打つ気になりませんでした。

もう一つショックだったのは、10年前くらいになりますが、休日当番で診療に当たっているとき、埼玉から帰省していた10歳くらいの女児が、インフルエンザワクチンを二回も接種したのに、インフルエンザかかって診察にみえられたことでした。今年(H13)も、男子中学生が二回もインフルエンザワクチンを接種していたのに、インフルエンザで休日診療に来ました。

インフルエンザ疑いの患者さんに、鼻に綿棒を入れてインフルエンザテストの検体をとります。そのときに、くしゃみ、咳を吹きかけられること、しばしばです。それでも、私自身は今のところインフルエンザと思われるものを発症したことはありません。いわゆる風邪、上気道炎は年に3、4回発症します。
職員のインフルエンザワクチンの接種は、自主判断に任せておりますが、この数年打たなくなりました。一、二人インフルエンザらしいものにかかりました。でも、一日休んだだけで回復しました。
新型インフルエンザ騒動のときも、全員ワクチン接種はしませんでした。何も問題ありませんでした。
冬は、どちらかというと、腹痛、嘔吐下痢症で休む職員がおおいです(全員ではありません)。

下の記事は、国庫より1016億円を、4つの製薬メーカーに助成目的で分け与えられることを報じております。
一つの企業に239~299億円!! すごいですね。
ワクチンメーカーはいいですね。

新型インフルエンザワクチンとありますが、新型のインフルエンザウイルスに対するワクチンなのか、インフルエンザワクチン製造の新しい手法なのか、この記事ではよくわかりません。どうも両者のようです。
しかし、わたしは、この政策決定、おかしいとおもいます
2009年の新型インフルエンザ騒ぎのときは、一体どこが新型インフルエンザなのかわからなかった。
厚労省は危機を煽り、混乱をひどくしただけだった。
WHOにも煽られたことを忘れないでおきましょう。
製薬メーカーは不要なワクチンを高く売りつける、ということも忘れないでおきましょう。

1016億円はすごい金額です。
赤ちゃんも含めた国民一人当たり900円の負担です。
八場ダムの総工事費が4600億円といわれております。
いかに大きな金額であるかわかるとおもいます。

平成24年2月24日のNHKのニュースを覚えておきましょう。
「今シーズンのインフルエンザワクチンは無効率が100%に近い」と。
NHK_infuluenza.png
vacc_hojokinn.jpg



YouTubeの子宮頸がんの画像・・・コルポスコピー

私は、不活化ワクチンは効きが悪い、10数年効果が持続するはずがない、がん予防の効果は証明されていない、このワクチンの注射は痛みが酷い、ということより、「子宮頸がん予防ワクチン」の接種に反対しています。
また、ワクチンは、10万人~100万人接種すると必ず死者が出る、ということも反対する理由の一つです。

子宮頸がんで死亡する女性はもともと少ないのです。
ですから、このワクチンによるがんの"予防効果"は、永遠に証明されることがないと考えております。

一本16000円(200$)!です。
厚労省がこの値段を認めているのです。
もう、売ったもの勝ち!なのです。


子宮頸がんの実物を見ずして議論を進めることに、大きなハンディキャップを感じておりました。いろいろ模索しておりましたが、YouTube にコルポスコピー (colposcopy)および子宮頸部円錐切除術(conization)のビデオがあることがわかりました。それらの画像はとてもリアルで、非常に参考になりました。

http://www.youtube.com/watch?v=b4vLftXlk78&feature=relatedコルポスコピーと生検(biopsy)の一般的手技の説明。
http://www.youtube.com/watch?v=rjHI2SU5l7k&feature=relatedCIN2 病変(前がん状態)の電気メスによる切除....不要だというコメントがあります。
http://www.youtube.com/watch?v=EToWSoJ-Ws0&feature=related子宮頸部の円錐切除...これも酷い。日本ではこんなことは行われていないでしょう。
医療関係者以外の方は見ないほうがいいです。


下の3つは子宮頸部の病変の高細度画像です。参考になります。
http://www.youtube.com/watch?v=Jb2vY1ZXbt4&feature=related
Conizationのビデオの場合、図で子宮頸がんの部分が示されていますが、私の目ではどこががんだかわかりません。切除前に、子宮頸部を消毒するためにイソジンを含んだ綿球で綿球でぬぐいますが、そのときに子宮頸部の硬さがわかります。子宮頸部に硬い部分があるようにはみえません。



私は消化器内科、呼吸器内科もやってまいりました。
私はがんの専門医を名乗りませんが、これらの診療科をやっていたため、がんの診断との縁が切れないのです。

私は上部消化管の内視鏡検査(胃カメラ)を行っております。
食道がんの場合、肉眼的に、周りの正常な粘膜との違いより(盛り上がり、固さ、出血)、診断することができます。

食道の粘膜、子宮頸部の粘膜とも扁平上皮の粘膜です。


CANCER EPIDERMOIDE INFILTRANTE DEL CUELLO UTERINO. DR. ARIEL RODFRIGUEZ, UNION MDICA, SANTIAGO, RD

「子宮頸部の類上皮浸潤癌」というタイトルです
これは60歳女性のもの。
左下方の部分の構造が異なっており、固い感じがあります。
私の目にも、"がん" だとわかります。

このように、"がん" の診断は、肉眼の「見た目」がすべてなのです。
他の手段による診断は必ず混乱(過剰診断)を引き起こすのです。

子宮頸がんの集団検診は「細胞診」なのです。
細胞診の場合、子宮頸部のどこから得られたものなのか、どんな状態なのか、分からないのです。
スライドグラスに固定され染色されたの細胞の、核の大きさ、形から悪性度を診断していくのです。




Virus del papiloma humano en la mujer y el hombre.

「女性と男性におけるヒトパピローマウイルス」というタイトルです。

タイトル画面および40秒あたりのものは、子宮内膜が外に顔を出しているもので、病気でもがんでもありません。

1分16秒あたりから、ヒトパピローマウイルス感染による病変の画像がはじまります。

ヒトパピローマウイルスは子宮頸部の扁平上皮を重層化させる、というのがよくわかります。
これを"がん"というのでしょうか?

サーバリックス、ガーダシルが効くのは、下のビデオの病変に対してであって、上のビデオのような本ものがんを予防するとは到底思えません。

また、下のビデオの、子宮頸部粘膜の島状の病変から、上のビデオのような子宮頸部深く浸潤癌になるとは考えにくいとおもいます。

この二つは別物にみえます。

見やすいように、上のビデオの画像をスクリーンショットしたものを、提示しておきます。

Screenshot1.png正常な子宮頸部粘膜


















Screenshot2.png血液のみえるのが子宮口です。
その下に白い班状の部分が、
ヒトパピローマウイルスの感染により、
扁平上皮が重層化している部分です。














Screenshot4.png上の子宮頸部の画像に比べると形が不自然であることがお分かりいただけると思います。
子宮口より左したの部分が陥凹しています。
医師の目には、この辺が がん化 しており、内部に浸潤しているな、と考えます。











CIN1.jpg子宮頸部の粘膜の組織診断の標本です。
上の病変はどれに当たるかを考えるためにだしました。
(説明は後日にいたします。)




サーバリックスでの死亡例について考える

14歳の女子中学生が「子宮頸がん予防ワクチン」の接種後2日めに死亡していたことがわかりました。
生命の躍動に輝く、人生のもっとも楽しい時期の死亡だけに、とても悔やまれます。

厚労省の専門調査会の見解は、持病の心室性頻拍症で死亡した、とのことです。

心臓突然死は、心臓が心室細動という不整脈に陥り、心臓のポンプ機能が失われることで起こります。
心室性頻拍症は心室細動につながることのある、どちらかというと重篤な不整脈です。
死亡の危険性は無いとはいえません。

若年者の、死につながる不整脈疾患というと、Romano-Ward症候群、Burgada症候群、WPW症候群(心房細動になった場合)、などが考えられます。
また、心奇形、肥大型心筋症のような心疾患、ウイルス性心筋炎のときに心室性拍症、心室細動になることがあります。

不整脈の重症度、危険度は、24時間心電図検査(Holter ECG)を行わないと評価できません。
心室性頻拍症と診断されているということは、24時間心電図検査を行っているはずです。
どの程度の不整脈なのか、是非自分の目で確認したいところですが。

それにしても、亡くなったお子さんは、ワクチン接種までは普通の学校生活をしていたと思われます。
本当にひどい不整脈ならば、運動制限をされたり不整脈のお薬を服用していたかもしれません。
ひどい不整脈を持っているということが分かっているなら、医師は「予防注射をは薦めない」と言うべきだったと思います。


サーバリックスは、アジュバントのために、酷い痛みと発熱が伴ないます。
このようなストレスが、危険な不整を引き起こす可能性は否定できないと思います。
アジュバントはサルモネラ菌の分解物+水酸化アルミニウム・・・なんか、黒魔術の世界に迷い込んでしまったような錯覚を覚えます。

考えてみてください。
健康な女子中学生がワクチンの副作用で突然死が起こるとしたら「不整脈死」しかないということを。
イギリスの死亡例もそうだったでしょう。

もうひとつ。
ヒトパピローマウイルスの自然感染が起こった場合、全く無症状なはずです。
ヒトパピローマウイルスの感染で死ぬことは絶対にありません。

ヒトパピローマウイルス様粒子(VPL)とアジュバント(サルモネラ菌分解物+水酸化アルミニウム)の組み合わせがワクチンと称しても、如何に異常なものであるかということを。


下の写真は、8月4日、朝日新聞に出された全面広告です。
地元の河北新報にもあったと聞きました。
「子宮頸がん予防ワクチン」を推進する顔ぶれがわかりました。

朝日新聞の全国版で一面広告をだすと、2~3000万円かかるだろうと聞きました。
宮城県内版だと120~130万円だそうです。
どこがこの広告の資金を用意したのでしょうか。

「9月末までに初回接種を!」なんて、品を感じないですね。
「私たちはHPVワクチンの接種と検診を推奨します。」というのは、なんか矛盾を感じますね・・・。
いいえ、矛盾じゃないのです。自分たちの仕事と収入が増えればいいのです。

しかし、1例でも死亡事故があった直後にこのような広告をだす人たちは、どんな神経をしているのだろう。

サーバリックス新聞.JPG





ワクチンによる死亡についての考察はこの段階では十分ではありませんでした。
「ワクチンを考える資料」にある「肺炎球菌ワクチンによる死亡、と考えられる一例」をおよみください。

海外からの救援金が高齢者の「肺炎球菌ワクチン」に化けた!

先月、当診療所に、高齢者への「肺炎球菌ワクチン」接種事業について協力の可否を問う書類が来ていたのを知っておりました。
あまり考えずに、協力する旨の返事を出しました。
先週より、ちらほらと高齢者の方がワクチン接種に見えられるようになりました。
このワクチンは、以前から高齢者に接種しておりましたし、2、3年前から市の助成で希望者に接種しておりましたので、あまり考えずにおりました。

昨日、その財源を知ってショックを覚えました。
復興支援のために海外から日赤に寄せられた「海外救援金」が財源に当てられたのです。
岩手県の場合、14億円の事業費。
(宮城県の資料はまだみつけられません)

そのうちなくなると思いますのでコピーしておきます。
ー 引用はじまり( 岩手日報のホームページより) ー
 日本赤十字社と県、県医師会は8日から、県内の70歳以上の高齢者を対象に、肺炎球菌ワクチンの無料予防接種を実施する。接種費は日赤が全額負 担。東日本大震災の被災者を中心に、免疫低下による呼吸器疾患の増加が懸念されており、来年3月末までの助成期間中に多くの接種を呼び掛けている。

 対象は県内に居住し、来年3月31日までに70歳以上になる高齢者。宮城、福島両県から避難し本県に居住している人も対象となる。

 現在、県内の70歳以上は約26万人で、希望する17万人を上限に助成する。1人8千円の接種費は日赤が全額負担し、事業費は14億円。復興支援のため海外から日赤に寄せられた「海外救援金」を財源とする。

 希望者は県医師会指定の医療機関や老人保健施設、県立病院など県内624施設で接種でき、期間は来年3月31日まで。民間施設は8日から、県立病院と県立地域診療センターは15日から実施する。

(2011/11/08)
ー 引用終わり ー

このワクチン接種を行いますと、医療機関に1回あたり8千円が振り込まれます。
当院では4300円台でワクチンを購入しておりますから、その差額(3700円)が注射手技料となります。
製薬メーカーからの卸への仕切り価格は4千円くらいでしょう。
これがメーカーの売上になるわけです。

私の注射手技料の原資が「海外救援金」なのです。
本来なら、被災者のために使われるべき金が、医者と製薬メーカーに流れる。
これでいいのでしょうか。
(私は手数料の分を被災地に寄付します。)

高齢者用の「肺炎球菌ワクチン」は決して新しいものではありません。
10数年も前から使われておりました。
気管支肺炎を繰り返す患者さん、慢性気管支炎の増悪を繰り返す患者さん、気管支喘息の患者さんなどに肺炎予防の目的で注射しておりました。
私の20例ぐらい経験では、「是非とも必要なワクチン」という実感は得られませんでした。
高齢者の入院を減らしたというような報告のあることは知っております

元気な高齢者がワクチンの接種を望んでいらっしゃいます。
こういう方には不要です。

高齢者が肺炎になるのは「誤嚥」が大きな原因であり、これはワクチンでは改善のしようがないのです。
さらには加齢による免疫機能の低下、栄養状態の悪化により肺炎にかかりやすくなります。
これらもワクチンでは改善のしようがありません。
また、高齢者の肺炎の起因細菌は、肺炎球菌だけではありません。
連鎖球菌、肺炎桿菌(クレブシエラ菌)、ブランハメラ菌、緑膿菌、腸球菌、レジオネラ菌などなど。
ですから、このワクチンは、たとえば高齢者の肺炎の原因が10あるとしたら、その一つの対策でしかないということです。
おそらくその一つにもならない。

あえて言いましょう。
「不要なワクチン」の押し売り、在庫一掃セールです。
国内で販売されている肺炎球菌肺炎予防ワクチンは、米国系の「MSD株式会社」のものだけです。
MSD株式会社の親本社は米国の「メルク」、「子宮頸がん予防ワクチン 」"ガーダシル"を製造販売している製薬メーカーです。
高齢者に肺炎球菌による肺炎が広がるかどうかはまだ「危惧」の段階なのです。
震災、津波被害の後、避難所の生活でインフルエンザの感染が広がると危機が煽られたけど、あまり広がらなかった。

<肺炎球菌ワクチンが効かないと考える理由>抗体による感染防御は、対象の分子量が小さいものの場合に有効である。
毒素(ジフテリア菌、破傷風菌などがつくって放出するもの)、ウイルス(はしか、風疹など)には有効性がある。
細菌はウイルスに比べると面積比で数百倍~数千倍も大きい。細胞膜の構成要素もウイルスに比べたらはるかに多く複雑である。
おでき、扁桃炎、麦粒腫などの細菌感染は、感染と発症の繰り返しを経験する。
肺炎の繰り返し感染はさすがに少ないが、女性の膀胱炎はよく繰り返す。
はしかの場合のような「二度かかかりしない」ということは起こらない。
抗体には白血球による貪食を促進させるオプソニン効果というものがあるが、細菌感染の防御に基本は白血球の貪食能である。


海外からの救援金が高齢者の「肺炎球菌ワクチン」に化けた!(続)

以下の文章は宮城県医師会の「会員向け掲示板」に投稿したものです。
是非見ていただきたく、前の文章との重複する部分もありますが、そのまま載せます。

高齢者用肺炎球菌ワクチンの接種を求めて、70歳以上の方がちらほら見えられて
います。
ワクチン接種の前に「余計なことですが」と断りをいれてから、「無料というこ
とは誰かが費用を払ってくれているわけです。どなたがワクチン代を 払ってく
れているかご存知ですか?」という質問をしています。
いまのところ、「日赤が払ってくれている」と答えた方はひとりもいらっしゃい
ません(対象30人くらい)。
次に、岩手日報のホームページの記事を見せて、海外より復興支援のために日赤
に寄せられた「海外救援金」が財源であることを説明いたしておりま す。
皆さん、意外な顔をします。
中には、ワクチン接種を止める、という方もいらっしゃいました。

昨日、石巻の方(50歳代女性、高血圧症)で、津波で家を流されたために古川に
避難している方にこの話をいたしました。
「被災者のために送られたお金がどうしてこういう使い方がされるの」と、今に
も泣き出しそうでした。

私が接種手技料としてお金を得ますが、それは海外から被災者のために送られた
お金の一部ということになります。
ですから、私は全額被災地に寄付いたします。

11月13日、1シーズンしか履いていないスノータイヤを、仮設住宅の自治会に届
けて参りました。
中学校の校庭に仮設住宅が建てられておりましたが、一角にオレンジの大きなタ
ンクがありました。
自治会の方に、「あれは飲料水のタンクですか?」と質問してしまいました。
「いや、下水の貯蔵タンクです」ということでした。
仮設住宅には下水用の配管が無いのです。
TVの画像を注意してみるとわかります。

以下に「岩手日報」のホームページの記事をコピーしておきます。

ー(引用始まり)ー

 日本赤十字社と県、県医師会は8日から、県内の70歳以上の高齢者を対象
に、肺炎球菌ワクチンの無料予防接種を実施する。接種費は日赤が全額負 担。
東日本大震災の被災者を中心に、免疫低下による呼吸器疾患の増加が懸念されて
おり、来年3月末までの助成期間中に多くの接種を呼び掛けてい る。

 対象は県内に居住し、来年3月31日までに70歳以上になる高齢者。宮城、
福島両県から避難し本県に居住している人も対象となる。

 現在、県内の70歳以上は約26万人で、希望する17万人を上限に助成す
る。1人8千円の接種費は日赤が全額負担し、事業費は14億円。復興支 援の
ため海外から日赤に寄せられた「海外救援金」を財源とする。

 希望者は県医師会指定の医療機関や老人保健施設、県立病院など県内624施
設で接種でき、期間は来年3月31日まで。民間施設は8日から、県立 病院と
県立地域診療センターは15日から実施する。

(2011/11/08)

ー(引用終わり)ー

宮城県大崎市古川
さとう内科循環器科医院
佐藤 荘太郎



子宮頸がんワクチン(ガーダシル)の副反応の1例

平成23年12月初旬、子宮頸がんワクチンの副反応と思われる患者さんを診療する機会があった。

Aさんは13歳の女子中学生。11月末に1回目の子宮頸がんワクチン(ガーダシル)を注射した。
翌々日から、微熱、頭痛、腹痛、吐き気があり、食事がとれない、学校にいけない、授業が受けられない状態となった。
とくに吐き気と腹痛(疝痛)がひどかった。
近医受診し、解熱剤、抗生剤を処方されたが、全く症状改善しなかった。
ワクチンの副反応が強く疑われたため、当医院を紹介され受診した(注射後10日目)。

採血のデータでは白血球減少(3200),小球性の貧血(RBC391,Hb 7.6)があった。
肝機能(AST35, ALT22)、腎機能(尿素窒素,血清クレアチニン)の異常値はなかった。
血清タンパクのパターンでも、α2、γ-グロブリン分画の上昇はなかった。
CRP 0.03mg/dl, 血清鉄16μg/dl、TIBC 491μg/dl であった。

翌日も、吐き気が強く食べられないというので、来院していただき、制吐剤を点滴した。
鉄分も注射で補った。
制吐剤と当帰芍薬散を処方した。
その2、3日後から体調回復し学校にいけるようになった。

ワクチンの副反応による体調不良が約2週間も続いたことには驚くしかない。
鉄欠乏の状態がどれくらい増悪要素となっていたかはわからない。

採血のデータには、免疫反応の亢進、臓器障害を思わせるものは全くなかった。
臓器傷害、免疫の異常状態がないと思われるのに体調不良が長期に続いた、ということは大きな知見であった。




H24年2月にみえられたときには、顔色もよく、クラブ活動(バスケットボール)を再開したいといっておられました。
鉄剤のみ服薬していただいております。

その時の検査データです。
WBC 7900、 RBC 468、 Hb12.6、 PLT 22.7、 AST(GOT)25、 ALT(GPT)16、 Fe 33μg/dl, TIBC 316μg/dl。



大崎市で"ガーダシル"が注射されていることを初めて知ったが、驚きだった。
宮城県の婦人科の医療機関では、"ガーダシル" が使われるよう推進されているようです。



【血圧が下がりすぎたときの体験】

呼吸、循環、体温、血圧、消化と吸収...生命活動のすべてが自律神経によって調節されている。
自律神経の調節がうまくいっていないときは活動ができない。
あるいは生命の危機に直面するのかもしれない。
副交感神経の過度の緊張は徐脈、低血圧を起こす。
低血圧もある限界以下になれば、戻れない。

ある日の午後、後片付けをして少し汗をかいた。
夕方、一段落して、テーブルで缶ビールを飲み始めた。
半分ぐらい飲んだところで、目の前が暗くなるような、なんともいえない気持ち悪さが始まった。
血圧が下がりすぎたのだろうと考えたので、床に仰向けに、膝を立てて寝た。
心房細動になったのだろうか、心室細動なのか、死ぬかもしれない、と思った位であった。
2、3分症状が回復しなかった。
意識は失われなかった。
そのうち腹がおかしくなってきて、下痢をもよおしてきた。
このためだったかと理解した。
副交感神経の緊張亢進のため血圧が下がったのである。

私は血圧が下がり過ぎたと直感して床に寝て、血圧を上げる手段を講じた。
テーブルに突っ伏したままだったら回復が難しかったかもしれない。
あるいは床に落ちて頭を打ったかもしれない。
生命の脆さを実感させられた出来事であった。




インフルエンザワクチンの副反応

R子さんは77歳の女性。甲状腺機能亢進症の既往、家族歴のある方である。
時々、高血圧を気にして受診なさる方であるが、降圧剤は服用せず、いつも元気な方である。

その方が、12月中旬、「なんだか具合が悪い」と訴えてみえられた。
微熱もあった。
私から「ワクチンしたんでないの?」と水を向けたら「そのとおり」ということだった。
採血をさせてもらったが、甲状腺機能も含め、全く異常値はみられなかった。
一週間後に結果を聞きに見えられたが、症状は殆どなくなって、元気を回復していた。
約10日間具合が悪かったということである。

この10年位、「ワクチンは効かない」、「不要だ」と言い続けておりますが、残念ながら成果は上がっておりません。
冬が近づくと、かかりつけの患者さんまでもが接種を望んでいらっしゃいます。
上の患者さんは隣町のかたであり、私が注射したものではありません。

副反応について、昨年あたりまでは「2、3分以内にじんましん、呼吸困難がおこることがあります。おこるとすれば注射してすぐ、見ている間におこります。もうおこらないでしょう」、「3日めあたりに赤くなってかゆくなることがありますよ」、「ひどいときは軟膏を塗れば楽になります」と説明しておりました。かゆくなる副反応で死亡することはありません。

今年からさらにこうつけ加えております。
「本当の副反応は、注射して次の日あたりから10日間くらい、なんだかだるくなることです。ときには死亡することがありますよ。10万人から100万人にひとりぐらいですけどね」と。


<インフルエンザワクチンが効かないと考える理由>
平成24年1月20日、NHKのニュースでインフルエンザが大流行の兆しと。
その通りになるかどうは別として、毎年1000~2000万人位の人々がインフルエンザワクチンを接種しているにも関わらず "大流行" すること自体がワクチンが効かない証拠である。
昔、大学のウイルス学の授業で、「ウイルス感染の流行は、3人に1人位感染して抗体を持つと流行は止まる」と聞いたのを覚えている。
細菌学・ウイルス学の教授は 故 石田 名香雄 先生だった。

ウイルス学の実習で、インフルエンザウイルスを発育鶏卵(殻を破る数日前、殆どヒヨコ)で培養したことがある。現在でもインフルエンザワクチンのもととなるウイルスは発育鶏卵で培養する。現在のワクチンは、インフルエンザウイルスのHA画分を集めて、ホルマリンで不活化する。
ホルマリンによりウイルスのタンパクは変性する。変性するということは、タンパクの三次元構造が変わることである。
すなわち、もとのウイルスのものとは似ても似つかなくなったものを、ワクチンとして注射しているとは考えられないだろうか。

母里 啓子さんの著書で知ったのだが、故 石田 名香雄先生が1981年「インフルエンザ・ワクチンに関するラウンド・テーブル・ディスカッション」でこのように述べている。
「ここにいるウイルス学者で、インフルエンザ・ワクチンが効いていると思っている学者は1人もいないだろう。

平成24年2月24日、NHKの全国ニュースで「今年のインフルエンザワクチンは無効率が100%」と。
変ないいかたですね。要するに有効率0%、全く効かないということです。
このニュースを忘れないでおきましょう。

NHK_infuluenza.png

2月26日、休日当番でした。インフルエンザの方が沢山見えられました。
気になったのが、小児~学童でインフルエンザワクチンを2回接種しているのにインフルエンザを感染発症している方が多いことでした。

日本臨床内科医会では毎年インフルエンザワクチンの有効性を「前向き調査」で研究しております。「前向き調査」とは、ある方にインフルエンザワクチンを接種するとき、注射しない、大体おなじような条件の方を同時に登録するのです。そして次の5月あたりに、電話して「今シーズンはインフルエンザにかかりましたか」と尋ねるのです。
このようにして調査したのが下のグラフです。
一ヶ所でも、接種群と非接種群で感染率が同じ、あるいは接種群で感染率が高かった階層が見つかった場合、ワクチンは効かない、と判断すべきなのです。数学の「背理法」よる証明の考え方です。
お金をかけ、痛い思いをし(実際には生命を危険にさらして)、わずかに患者発生数に差があるなどというワクチンは、価値無し、と考えるべきです。

このグラフはもう一つの事を教えてくれます。
インフルエンザは若年者(0~19歳)ほどかかりやすく、高齢者はあまりかからないということです。さらに、高齢者ではワクチンの有効性も、ありとは言えません。

2月24日のニュースでも、老人介護施設の管理者のかたが、「ワクチンは効かない」というような恨み言をいっていたのを覚えています。

infulu1-3.jpg




肺炎球菌ワクチンによる死亡、と考えられる一例

以下の文章は、ワクチンの副作用に関心をもっている方からいただいたFaxの文面の一部です。
掲載については了承をいただいております。
プライバシーの保護のため一部の語句を改変してあります。( )内の部分です。
「昨年」というところは平成22年のことです。亡くなったかたは女性です。

" 昨年の12月に、(難病)をわずらっていた60歳のいとこが、肺炎球菌ワクチン接種後3日めに亡くなりました。
接種後、具合が悪いと言っていて、3日めに眠るように亡くなりました。
家族はワクチンのせいだと思うけど、しかたがないという見解です。"

亡くなられたかたのご冥福をお祈り申しあげます
それにしても、60歳での死です。早すぎる死かもしれません。

この事例は、「ワクチンの副反応による死亡」について大きなヒントを与えてくれます。
すなわち、ワクチンにより激烈な臓器障害がおこり、多臓器不全に陥って死亡するのではない、ということです。
静かに "眠るように  死亡する"、のではないかということです。

難病自体は落ち着いていて、体調は悪くなかったはずです。
そうでなければ、担当医はワクチンを薦めなかったと思います。
自宅で亡くなりました。
ワクチン接種により、持病が急激に悪化して死亡した、とは考えられません。

"ガーダシル"の副反応に苦しんでいたお子さんでは、炎症反応(白血球数および分画, CRP, α2-グロブリン)の動きや、肝腎機能の異常値は全くみられなかった。
インフルエンザワクチンで体調を崩していた女性もそうであった。

ワクチンの副反応では、明らかな炎症反応、臓器障害がみられない。
入院して病院で亡くなることも少ない。
そのため、状況からワクチン接種が原因で死亡したと考えられる場合でも、「持病の増悪」のために死亡したとされる。

しかし、

小児の場合、ワクチン接種後に突然死がおこることが知られている。
上の方の死も、「ワクチンによる突然死」といっていいのではないだろうか。
平成23年7月に「子宮頸がん予防ワクチン(サーバリックス)」接種後に亡くなったお子さんは、3日めの朝に心肺停止の状態で発見されたようだ。
このお子さんの死もまた、「ワクチンによる突然死」といっていいのではないだろうか。


犯人は足跡を残さない。



子宮頸がんワクチンのあとじんま疹がつづく・・電話での相談から

「2回目の子宮頸がんワクチン(サーバリックス)の注射をしましたが、翌日よりじんま疹がでるようになり、約一ヶ月続いています。3回目の注射はどうしたらよいでしょうか?」という相談がありました。

このような副反応は必ずしも子宮頸がんワクチン特有の反応ではなく、他のワクチン、あるいは飲み薬でもおこることがあります。
このような状態を、"何かの物質で"「感作」されたといいます。
免疫学的記憶の状態です。
この免疫学的記憶は、一度成立しますとなかなか消えません。
免疫反応の特徴でもあります。
ワクチンにはプラスのことばかり期待しますが、このようなマイナスの面も現れるのです。

今の蕁麻疹は次第に消えていくと思います。
つぎの注射までに体の反応性(免疫学的記憶)が消えてしまうことはあるかもしれません。
しかし、一般的、経験的には5ヶ月くらいではその記憶は消えず、2回目より強い反応が現れると予想されるのです。
ですから、3回目のワクチン接種はかなり冒険です。
絶対に注射すべきではありません。

この種のワクチンは、効果が期待できるとはとても思えません。
「がん予防効果」は、永遠に証明されることがないと、考えております。
打たないからといって何も失う物はありません。

「20代の女性に子宮頸がんが増えている」ということはウソです。脅しです。
検診、診断に問題があると考えております。
(罹患率と死亡率のカーブの間に相関がみられません。)
この辺の問題について、近々ブログで論じます。

下の2つのグラフは「子宮頸がん ワクチン ファクトシート」からとりました。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000bx23-att/2r9852000000byb3.pdf#search='子宮頸がん ワクチン ファクトシート'

左の図で、1965年、1985年、2008年と子宮頸がんによる死亡は減っているのです。
右の図で、25-29歳の年齢区分で、子宮頸がんによる死亡は10万人に0.5人です。

右の図の曲線は左の図の灰色の曲線と同じもの(2008年)と思います。
二つのグラフは2008年のものなのに、85歳の死亡数が合いません(35対11)。
このグラフは、メーカー(GSK)のつくった医師向けのパンフレット、全国紙の一面広告にも使われていました。
(当ブログの「サーバリックスでの死亡例について考える」の末尾の方に、その広告があります。)

この曲線は非常に不自然です。
左の図で、灰色の曲線だけが他の2つと異なっています。
灰色の曲線も、紫と橙の曲線と同じ傾向(年齢が上がると徐々に死亡が増える)でなければなりません。
灰色の曲線で、69歳より右側の曲線を左下に外挿した曲線が考えられるのです(点線の部分)。
あるいは、橙と灰色の曲線は重なるのか。


子宮頸がん死亡率推移.jpg子宮頸がん年齢別死亡率.jpg




うたの向こう側の世界・・・ちあきなおみの歌

ちあきなおみの歌についてブログで取り上げたい、とずっと思っていました。

でも、このひとの歌をどう表現したらいいのか、考えあぐねていました。

 2012年2月、NHKの「クローズアップ現代」で、由紀さおりの歌をとりあげていました。

ご存知のように、彼女の歌が欧米で大ヒットしました。

 番組の終わりのほうで、ゲストの詩人のアーサー・ビナード氏が、彼女の歌を評して、「歌の向こう側の世界を表現している」、と言ったことばが印象にのこりました。

そうなんです。
ちあきなおみの歌も、「歌の向こう側の世界」、を表現しているのです。 


ちあきなおみの歌はうまいな、と思ったのは、10年も20年も前だと思います。
インスタントコーヒーのコマーシャルに流れた歌を、とても印象深く記憶しておりました。
2、3年前、曲名を探してみて、「黄昏のビギン」とわかりました。



YouTubeで彼女の歌を片っ端から聴いてみました。
ものすごくうまい。

「黄昏のビギン」と「星影の小路」、双璧と思います。
ちあきなおみの歌は人を幸せにする歌ですね。

ことばがすーっと心にはいってきます。

そして、歌い方の多様性。

「すみだ川」を聴いてみてください。

伝統的な歌い方というかもしれませんが、三味線の音に合うように、声、歌い方を替えているのです。
見事です。


ちあきなおみの歌を考えるのにとても貴重なビデオがあります。
「あかい靴」です。
これを見たのは2年くらい前ですが、とても印象深く記憶しております。

残念ながらYouTubeから削除されておりますが、まだネットにありました。

歌う前に彼女はこう語ります。

「私にはなぜか、あの異人さんに連れていかれた女の子というのが、小さい子供だとは思えないんです。聴いてください、赤い靴」
 バックの演奏も、とくにピアノの伴奏が素晴らしい。
 (ちあきなおみのファンのかたは保存したほうがいいです。)

「歌の向こう側の世界」を表している極致の歌が「ねえ、あんた」と思います。
歌なのか一人芝居なのか。
このような歌、パフォーマンスは後にも先にも無いとおもいます。
 


もう一つあげるとすれば「紅とんぼ」でしょうね。
演歌の形式をとった最高傑作と思います。
こちらは何度でも聴けます。
YouTube ちあきなおみ 紅とんぼ 
こちらは作曲者の舟村 徹氏がギターをひいています。
YouTube ギター(船村徹)で歌う ちあきなおみ の紅とんぼ

冬隣、紅い花、もいい。

ときどき、車を運転しながら、ちあきなおみのCDを聴いていますが、こういうときはこの歌がぴったりです。 思わず、歌ってしまいます。
YouTube ちあきなおみ かもめの街

「矢切の渡し」は某男性歌手の歌で耳に入っておりましたので、まあ、聴かなくてもよいかな、と思っておりました。
今回、何の気なしに聴いてみて、「おっ!、これは凄い」と思いました。
歌い出しの歌詞の、道行きの男と女の台詞の歌い分け、ちょっと驚きました。
2番の歌詞の後半は、映画か芝居の一場面を見ているようです。
「矢切の渡し」はこういう歌だったかと、聴き直しました。
ちあきなおみの「芸」が、よく現れている、よくわかるビデオと思います。
ちあきなおみの歌がわかるフアンが沢山いる、というのもいいですね。
YouTube Chiaki Naomi Yagirino Watashi 矢切の渡し

ここまで書いてきて、彼女の歌について、「うたの向こう側の世界」を表している、という言葉でくくれるものではないなあ、と考え直しています。

基本的に歌のうまさ。

ささやかれるような歌い方の、ことばにこめられた情感の豊かさ。
刺激的な響きのない、ふくらみのある声。
 こういうものが彼女のうたの魅力と思います。
 
(NHKさん始め、著作権の主張で、私が気に入っていた、ちあきなおみさんの動画が大量に削除されてしまいました。NHKのステージライブは、舞台装置、カメラワークなど、なにからなにまでとても立派で、また、ちあきなおみさんの歌もとてもよくて、宝物のように思っておりました。タイトル、テロップに英語を入れると、世界中の人に見てもられます。お願いです。これ以上削除しないでください。v.youku.comを紹介するのは本意でありません。しかし、ちあきなおみさんの良質なビデオ画像が沢山みられるのです。)


ちあきなおみのシャンソン

ちあきなおみの歌についてブログに書いてみました。
そうしたら、かえって余計に、ちあきなおみの歌が気になってしまい、また聴き直してみました。

今回、とくに印象に残ったのがシャンソンでした。

「それぞれのテーブル」は、たわいないストーリーのシャンソン、と言ったら失礼だろうか。
レストランにいたら、別れた彼が、恋人と一緒に店に入ってきた。
ばつの悪さ。
しかし、懐かしい。
うれしい感情が蘇る。
彼の仕草を見てしまう、彼の声に耳を傾けてしまう。
でも、もう別々のテーブルにいるのね....。

詞の世界が、「ラ ボエーム」のようには成功していない。
なんかもたもたしている。
(曲自体が、バックの演奏が....)

でも、女性の心の動きをとらえた佳品とおもいます。
歌い始めの「店のドアが開き 入って来た人は 貴方だった」のところの、「あなただった」の歌い方、表情がとっても微妙。

若い頃のことをふと思いだすと、胸が苦しくなることがある。
それは人生が後半に入ったことを自覚したから。
世界は自分と関わりなく変わっていくことを知ったから。
「ラ ボエーム」はそんなシャンソンに思えます。

20代に過ごした、街、アパルトマンを訪ねてみた。
あの頃の愛、夢、語らい。
しかし、今は変わってしまった...。

暗い藍色の照明の舞台に、黒のドレスのちあきなおみが現れます。
ステージのデザイン、渋い、素晴らしいです。




本家のシャルル アズナブールの「la boheme」も聴いてみました。
心地よい響きの声、ほれぼれするフランス語とおもいます。

シャルル アズナブールは白いナプキンのようなもので手を拭きながら、歌い始めます。絵の具のついた指を拭いているのですね。
絵を描きながら、若い人に、自分の若いときの話をきかせようか、というシチュエーションなのですね。
「若い頃のことを話そう。20歳にもならない君たちにはわからないかもしれない。そのころはモンマルトルで絵描いて生きていた。幸福だった。自分の才能を信じ、時代の夢を生きていた。」
「モンマルトルを訪ねてみたが、昔の面影はなくなっていた。あのアトリエもなくなっていた。もう何も言うことはない。」
歌い終わり、ナプキンのようなものを捨てて去ります。
Youtube シャルル アズナブール ラ・ボエーム
歌詞の訳はここがよいとおもいます。
フランス語歌詞 日本語訳 ラ ボエーム

ちあきなおみは、一輪の赤い薔薇をもって舞台に現れます。
歌詞は、恋人の女性の立場から、追憶として書かれております。
そして歌い終わり、椅子のうえに薔薇を落とします。

若いときの思い入れと熱狂を、今はたゆたうような「一抹の夢」にしてしまうところが、いかにも日本的かな、と思いました。
美しいビデオとおもいます。

(私は大学生のとき、第2外国語にフランス語を学びました。2、3年前から、テレビの語学番組を利用しながら、スペイン語に手をだしております。どちらも、ちょっとだけできる、という程度ですが。)

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