2011年7月17日日曜日

福島 乳牛は 殺処分(asahi.com)殺処分後、 食肉 に回す 

2011年5月9日15時0分 朝日新聞

今月末までの住民の避難が求められている福島県内の
計画的避難区域にいる牛の移動について、
全国24都道府県が受け入れる意向を示したことがわかった。
農林水産省が受け入れを募っていた。
約9300頭が対象だが、受け入れ可能頭数は1万頭を超える。
同区域は畜産地帯で、農家が避難するうえで牛の処置が大きな課題になっていた。
農水省と福島県は、肉牛の繁殖用雌牛はなるべく移動させ、
乳牛の大半は殺処分で食肉とするなどの方針を決め
9日までに区域にあたる飯舘村、葛尾村などへ説明した。

農水省によると、同区域には東日本大震災直前の時点で
牛約9300頭、
豚約1万頭、
鶏約91万羽がいた。
このうち価値が高く、農家の希望も強い牛の処置を優先して検討してきた。
 農水省と福島県は全9300頭の牛について種類別に協議。
肉牛のうち、子牛はなるべく通常通りに競りにかける。
肥育牛は、適齢期なら食肉処理し、適齢期に達していなくても多少なら前倒し出荷を促す。
繁殖用の雌牛は県内外に移動先を探す。
乳牛は体力的に長距離の移動に耐えられず、牧草の放射能汚染も広範囲に広がる見込みのため、大半を殺処分し、食肉に回す

農水省は、主に繁殖用雌牛が対象となる移動について、全都道府県に受け入れの可否を打診。
畜産地帯の北海道や鹿児島県を始め、
東京都や大阪府なども含めて24都道府県が可能と返答した。公営牧場が中心だった。
受け入れの条件は買い取りや預託など様々だが、総計で1万頭を超えたという。
今月末までの避難は困難とする飯舘村などは、
理由の一つに牛の処置が決まらないことを挙げてきたが、
農水省は各都道府県の受け入れ条件を紹介し、早期の避難実現につなげたい考えだ。
ただ農家ごとに希望する受け入れ条件は異なるうえ、
距離的に近い地域に人気が集中するとみられ、移動先がまとまるかは不透明だ。

農水省は、
人の基準と同じ10万カウント(cpm)を超える放射線量の家畜は移動させない方針だ。
牛の出荷や移動を前に福島県は6日、同区域内の牛の検査結果を公表。
調べた770頭のうち1万cpmを超えた牛はいなかった。
農水省は、同区域の鶏は出荷や移動が困難とみている。

また、緊急時避難準備区域にも
牛約7500頭、
豚約1万3千頭、
鶏約107万9千羽がいたが、
処置の検討は計画的避難区域が優先されている。

一方、福島第一原発から半径20キロ以内の警戒区域内にいた
牛約3500頭、
豚約3万頭、
鶏約67万5千羽は事実上、放置されている。(大谷聡)

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