東京新聞こちら特報部


【7/13東京新聞こちら特報部1/2】反原発訴訟今秋一斉提訴へ 司法の壁破れるか


弁護団結成 河合氏に聞く 「安全」うのみの裁判官 勝訴2件は下級審のみ

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【7/13東京新聞こちら特報部2/2】「福島」転換の契機 最高裁は国に追随

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【ニュース】東京新聞こちら特報部2/2 電力・・・ 永田町は東電「供給安定的」 小売り新規 家庭は選べず 大手10社が独占維持 「競争あれば原発消える」

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ひねもす日記さんのブログより

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信頼に足りる報道
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日本経済新聞
圧倒的案情報量+「いたずらに安心を煽らなかった」報道姿勢は、
他紙とはまったく異なっていて、私は高く評価しています。
http://www.nikkei.com

 ●特集 原発危機」
うまくリンクできなかった際は、上記から「特集」→「原発危機」
http://www.nikkei.com/news/special/top/g=96958A9693819595E3EBE2E3938DE3EBE2E7E0E2E3E39C9CEAE2E2E2;q=9694E3E0E2E1E0E2E3E3E5E6E2EA;p=9694E3E0E2E1E0E2E3E3E5E6E2E1;o=9694E3E0E2E1E0E2E3E3E5E6E2E0

NHK
批判する向きもありますが(的確なものも多いとは思いますが)、
「安心デマ」垂れ流しをいまも続ける民放
(骨のある報道を行っている日曜午前の時事番組などがあるのですが)
とは明らかに一線を画しています。
http://www.nhk.or.jp/
 ●福島第一原発事故関連ニュース
http://www3.nhk.or.jp/news/genpatsu-fukushima/top/index.html

ビデオニュース・トッドコム
マスコミが報道しない本当の情報の宝庫! 超お勧めです。
http://www.videonews.com/

 中でもお勧めのコンテンツを二つだけ紹介しておきます。
(どれも長いですが、たぶん、みなさんの価値観を変える
すごい!内容です)。

●「マル激トーク・オン・ディマンド(
20110325日)」
特別番組あえて最悪のシナリオとその対処法を考える
飯田哲也氏(
NPO環境エネルギー政策研究所所長)
小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)
矢ヶ崎克馬氏(琉球大学名誉教授)
松井英介氏(元岐阜大学医学部助教授)
青木理(ジャーナリスト)
宮台真司(社会学者、首都
大学東京教授)
神保哲生(ビデオニュース・ドットコム代表)
炉心溶融も圧力容器破損もとっくに予見されていた
(政府も東電も分かっていたはず)ことが分かります。
http://www.videonews.com/on-demand/511520/001784.php

 ●スペシャルリポート (20110519日)
核燃料露出の
1号機は既に人類未体験ゾーンへ
http://www.videonews.com/special-report/031040/001889.php
  小出裕章氏(京都大学原子炉実験所助教)
小出裕章氏は極めて優秀な原子炉の専門家。事故直後から
炉心溶融はもちろん、圧力容器破損を言い当てていますので、
他の発言や記事もチェックしてみてください。

■週刊現代
福島第一原発でなにが起きているか、正確に言い当て続けている点については
群を抜いていると考えています。
http://kodansha.cplaza.ne.jp/wgendai/

アエラ
http://www.aera-net.jp/

日刊ゲンダイ
http://gendai.net/


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信頼に足りるジャーナリスト・識者(またはその記事)
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大前研一 「産業突然死時代の人生論
炉心溶融してしまった福島原発の現状と今後
この事故分析が非常に優れています。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20110404/265766/?ST=business

ジャーナリスト 上杉隆
決して品行方正ではないし、わざと「おフザケ」をするなど、
「う~ん、ちょっとなぁ」と感じる部分は正直あるのですが、
それを差し引いなお余りある、信用できかつ貴重なジャーナリストだと思います。
http://uesugitakashi.com/

■Peace Philosophy Centre
ピース・フィロソフィー・センター
政治的な背景などはよく分からないサイトなのですが、
ここに掲載されているさまざまな専門家からの問題提起や対案提示を読むと
本当のことが報道されていない現状に、おそらくは愕然と(いや、慄然と)
されると思います。
http://peacephilosophy.blogspot.com/

日本科学者会議
抑制の利いた表現で、原子炉の状態など
わかりやすく解説してくれています。
http://www.jsa.gr.jp/

田原総一朗(公式ブログ)
かなり後になってから、ようやくコトの重大さに気づいた

 感があるのですが、そこは田原さん、鋭いです!
http://www.taharasoichiro.com/cms/

フランスからのニュース
フランス在住の翻訳に携わる有志グループによる、
福島原発と
東北関東大震災に関するフランスでの報道。
その温度差(とくに発生直後の状況分析の差がすごい)
をご確認ください。
http://www.francemedianews.com/


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放射線・放射性物質に関する情報(主に一次情報)
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放射線・原子力教育関係者有志による全国環境放射線
「東京の空間放射線量は毎時
0.06マイクロシーベルト」
なんて大嘘! 空間線量がもっとも信頼できるサイト。
とくに東京・千葉以北の方、必見です!
http://www.geocities.jp/environmental_radiation/

<<
重要な参考ページ>>
 東京都のモニタリングポストの空間線量の測定方法を
示したページです。
被曝線量の基準となる地表
1.0mでは、このモニタリングポストの
計測値の約
1.5倍となることを、しっかり説明してくれています。
http://ftp.jaist.ac.jp/pub/emergency/monitoring.tokyo-eiken.go.jp/monitoring/sokutei/sokutei.html


東京電力 福島第一原子力発電所 プレスリリース
周辺環境に関する情報は一応開示されているようです。
http://www.tepco.co.jp/nu/f1-np/press_f1/2011/2011-j.html

全国の放射能濃度一覧(個人サイト)
各種データにアクセスできる便利なサイトです。
参考値にしかならない空間線量が引用されるなど問題もありますが
たとえば「●●県産キャベツの汚染状況を知りたい」場合などは、
このサイトの検索システムは非常に優秀で便利です。
http://atmc.jp/

経済産業省 放射線計測値
各機関、事業者が公表しているモニタリングデータへのリンク。
参考値にしかならない空間線量に平気でリンクするなど
「こんな情報しか出せない(その問題点にすら気づいていない)から、
諸外国からも信頼されないのだ」ということがよく分かります。
http://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/monitor.html

「日本の環境放射能と放射線」
環境における放射能水準の調査結果、約
300万件が収録されているという
ものすごい(掛け値なしで貴重な)データベースにアクセスできます。
http://www.kankyo-hoshano.go.jp/kl_db/servlet/com_s_index

首相官邸
各種のモニタリングデータへのリンクがあります。
各機関、事業者が公表しているモニタリングデータへのリンク。
http://www.kantei.go.jp/saigai/monitoring/index.html

食品中の放射性物質の検査結果 (厚生労働省)
とりあえず、全国の食品に関する検査結果は網羅されているようです。
(下記以外の各都道府県のデータも含めて集計されているようです)。
http://www.maff.go.jp/noutiku_eikyo/mhlw3.html

 ●福島県 食品中の放射性物質の検査結果
http://www.maff.go.jp/noutiku_eikyo/mhlw3.html
 ●群馬県 放射性物質に係る県産農産物の安全性について
http://www.pref.gunma.jp/05/f0100188.html#bunsekikekka
 ●茨城県 福島第一原子力発電所事故に伴う県内農産物への影響について
http://www.pref.ibaraki.jp/important2/20110311eq/nousanbutsu/
 ●千葉県 県産農産物の放射能モニタリング検査結果
http://www.pref.chiba.lg.jp/annou/h23touhoku/

ドイツ放射線防護協会
「日本における放射線リスク最小化のための提言」
2011320日)」
日本で野菜から残留放射性物質が検出された直後、
ドイツの関係団体が出した提言の
日本語版です。
http://icbuw-hiroshima.org/wp-content/uploads/2011/04/322838a309529f3382702b3a6c5441a32.pdf

水道水(蛇口水)のモニタリング (文部科学省)
http://www.mext.go.jp/a_menu/saigaijohou/syousai/1303956.htm

国際環境NGOグリーンピース
魚介類、海産物の汚染状況などが掲載されはじめています。
日本政府がその調査を断るなどしたいきさつは、こちらから。
http://www.greenpeace.org/japan/ja/
 第三回調査(海洋)に関するまとめサイト
http://www.greenpeace.org/japan/ja/earthquake/monitoring/3rd/#result3


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空気中の放射性物質拡散シミュレーション
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日本は、文科省も学会までもが「知らしむべからず」の姿勢でした。
私は海外の情報利用をお勧めします。

■ドイツ気象局(トップページに拡散シミュレーションあり 時差に注意)
http://www.dwd.de/

イギリス気象局(トップページに拡散シミュレーションあり 時差に注意)
http://www.weatheronline.co.uk/

日本政府のスタンスに関する問題点の指摘
ガジェット通信:
http://getnews.jp/archives/108812

 ↓それでも利用したい方はどうぞ
●気象庁 環境緊急対応地区特別気象センターについて
「なにをいまさら
(-_-;メ」のSPEEDIによるシミュレーション
http://www.jma.go.jp/jma/kokusai/kokusai_eer.html


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危険! 強まる情報統制!
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福島原発に関する報道規制及び言論統制状態まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2130183431868236701

総務省
「東日本大震災に係るインターネット上の流言飛語への
適切な対応に関する電気通信事業者関係団体に対する要請」
露骨な言論統制!です。
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01kiban08_01000023.html

放射性物質予測の公表自粛の「お達し」
http://wwwsoc.nii.ac.jp/msj/others/News/message_110318.pdf


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いたずらに「安心を煽って」きた人たち
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原発業界御用学者リスト@ウィキ
原発関連御用学者リスト
http://www47.atwiki.jp/goyo-gakusha/pages/13.html

     
原発関連御用学者リスト (医学関係)
http://www47.atwiki.jp/goyo-gakusha/pages/125.html

原発崩壊】”安心”、を連発する御用学者を覚えておこう。
http://bbs.enbbs.jp/politics/1300695805.html

「デマを流し続けた御用学者たち」
動画サイトのリンクナなどがまとまっています。
http://blog.hisataka.biz/?p=915


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事故の概要
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ウィキペディア 福島第一原子力発電所事故の経緯
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E4%BA%8B%E6%95%85%E3%81%AE%E7%B5%8C%E7%B7%AF

ウィキペディア 福島第一原子力発電所事故
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E4%BA%8B%E6%95%85

ウィキペディ 福島第一原子力発電所
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A6%8F%E5%B3%B6%E7%AC%AC%E4%B8%80%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80


総理官邸
http://www.kantei.go.jp/

経済産業省
http://www.meti.go.jp/

東京電力
http://www.tepco.co.jp/index-j.html


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更新履歴
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【2011.05.20】
情報の内容を、事態の進行に即して必要となるものに、
大幅に改変しました。
情報の取捨選択を進めるとともに、問題点が明らかになった
サイトについては、問題点や疑義を明示して紹介するよう
改めました。
なお、計測のスタンダードとなる
「放射線・原子力教育関係者有志による全国環境放射線」を
加えたため、「放射線計測サイトへのリンク」は削除しました。

【201104.11】
情報を追加しました。一部を最新情報に更新しました。

【201104.10】
放射線計測サイト(首都圏で個人やオフィスが設置し、
リアルタイムで中継してくれている)へのリンクを追加しました。 
。他の専



En JAPONAIS Toutes les traductions (communiqués, pétitions…) sont réalisées par des bénévoles, que nous remercions chaleureusement de leur aide. 
Merci de nous signaler toute erreur ou précision sur ces traductions à communication@criirad.org

Présentation de la CRIIRAD
CRIIRADとは?

Pétition en japonais


(Japonais)Traduction: Fumiko HIRAKAWA MONCHOIS.

Communiqué CRIIRAD du 12/04/2011 : Fukushima Daiichi : classement au niveau 7 de l'échelle INES

日本 : 専門家が計算するあいだ、住民は被害を被る。 
Traduction : echo-echanges France-Japon - Révison : Azumi Okamura

Communiqué CRIIRAD du 30/03/2011 Japon : des millions de personnes à la merci de la radioactivité
日本:多数の人々が放射能にさらされたままになっている!

Communiqué CRIIRAD : Alerte radioactive sur le Japon 21/03/2011: les vents repoussent les masses d’air contaminé vers les zones habitées

CRIIRAD 声明文「日本における放射能警報」2011年3月21日 日本語訳 *

Synthèse du communiqué criirad du 20/03/2011 sur la contamination des aliments au Japon

CRIIRAD 声明文要約「日本での食品放射能汚染について」2011年3月20日 9時

Communiqué CRIIRAD contamination radioactive des aliments 20 03 2011

クリラッド : 声明文「日本での食品放射能汚染について」2011年3月20日 日本語訳 2

Communiqué du 17 mars : RADIOACTIVITE DE L’AIR : Les quelques résultats enfin disponibles sont très inquiétants !

大気中の放射線物質 入手できうるデータの結果から非常に懸念される状況である! 




「消される被曝者(1)広島・被爆者調査での『内部被曝の否定』」沢田昭二、他

日本政府は今後、福島周辺地域の住民に対し、原発事故による放射線の影響を調べる疫学調査の実施を計画している。今回の調査の中心となっているのは「放射線影響研究機関協議会」という組織。協議会の中心となっているのは「財団法人 放射線影響研究所」である。世界保健機構(WHO)もまた、調査における日本政府への協力を宣言している。
この調査は私たちにとって、どのような意味を持つのだろうか?
広島・長崎への原爆投下後、そしてチェルノブイリ原発事故の後にも、同様の調査が実施されてきた。広島やチェルノブイリでの被害と福島原発事故における健康被害にはある程度の違いが見られるが、共通点も多くある。更には広島・長崎で調査を行った「放射線影響研究所」とチェルノブイリで調査を行った世界保健機構(WHO)が、今回の福島での調査実施を担う予定となっているとうい事実がある。
それなら、これら2機関が過去に行った調査から学ぶことがあるだろう。
こうした視点から、2009年に出版されたチェルノブイリ原発事故の被害に関する詳細な報告書『チェルノブイリ―大惨事が環境と人々にもたらしたもの』(注1)とその他の資料を参考に、「調査」について考えてみました。
※仏語記事ではありませんが、重要度に鑑み例外的に取り上げます。また、長くなってしまったので、(1)広島編と(2)チェルノブイリ編に分けて掲載します。
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尚、今回は「調査」の在り方についてのみ触れますが、同書にはチェルノブイリ原発事故によって起きた健康被害と環境への影響が詳細なデータとともに示されており、一読の価値があります。英語ですが、ゆっくり辞書を片手に関心のある章を読まれることをお勧めします。
英語はちょっと。。と言う方には、この本の概要を紹介している下記の動画がおすすめです。 カール・グロスマンのテレビ番組「環境クローズ・アップ」による特集『チェルノブイリ原発事故、百万人の犠牲者』(日本語の字幕付きです)
インターネットにアクセスできない方用に、文字でも読めます。
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1.広島から学ぶ
今回の福島での調査の中心となっている「放射線影響研究所」の前身は、終戦直後の1947年に米国原子力委員会の資金で作られた「原爆傷害調査委員会」である。
冷戦下での核兵器開発を目的に広島・長崎の被爆者から放射能被害データの収集を行っていたとの見方が複数なされており、被爆者への検査を行うのみで治療は行わなかったとされる。米国主導の組織として世論の批判を受け、1975年に日米共同管理下に置かれる財団法人「放射能影響研究所」となって現在に至る。
日本政府と放射能影響研究所の前身である「原爆傷害調査委員会」は、原爆被害者における「放射性降下物」および「内部被曝」の被害を長い間認めて来なかった。内部被曝を軽視する姿勢は、福島原発事故における住民や原発作業員における内部被曝の軽視にもつながっている、と名古屋大学名誉教授で自身も被爆者である沢田昭二名誉教授は述べている。
沢田昭二 名古屋大学名誉教授による講演「放射線による内部被曝~福島原発事故に関連して~」
ヤブロコフ・ネステレンコ両博士による上記の本によれば、広島と長崎では原爆投下後の4年間、「原爆傷害調査委員会」以外の組織や個人による調査が禁止されていた。その間、約10万人の最も弱い人々が死んで行ったとされる。このように、最初に死んで行った人々の状況は、記録に残っていない。
また、日米政府による合同調査では、放射能による急性障害に関する調査の対象範囲を爆心地から半径2キロ以内に限定、放射線障害として認定する症状についても、脱毛と皮膚出血斑(紫斑)だけと定義して、一般的症状である下痢、嘔吐、食欲不振、倦怠感、発熱などは急性障害のあらわれとは認めなかった。
結論として、「原爆傷害調査委員会」が広島で実施した調査については次のことが言えるだろう。
 住民の健康被害を救済することには主眼を置いていなかった。
 データを収集する期間や対象者の居住地域、放射能障害と認定する症状を限定することで、放射能による影響・被害を小さく見積もっていた。
 放射性降下物の影響や内部被曝の影響を認めず、放射能の影響・被害を小さく見積もっていた。
(注1)ヤブロコフ、ネステレンコ、ネステレンコ著、ニューヨーク科学アカデミー出版。
Alexey V. Yablokov, Vassily B. Nesterenko, Alexey V. Nesterenko, 2009, Chernobyl: Consequences of the Catastrophe for People and the Environment.
この本についての紹介ブログ




「消される被曝者(2)『チェルノブイリ事故の死者4000人』の謎とIAEA・WHOの調査手法」ヤブロコフ他

(本編は「数字から消される被曝者たち(1)広島から学ぶ」の続きです。長いので2つに分けました。前書きにつきましては、まず(1)をご覧ください。)
2.チェルノブイリから学ぶ
(以下、『チェルノブイリ―大惨事が環境と人々にもたらしたもの』(注1)の「序章」1-3ページ、「健康への影響」3241ページ、「事故23年後の健康と環境への影響」318-326ページを主に参照。)
チェルノブイリ原発事故の後にも、広島とほぼ同じことが起きた。旧ソ連政府は国内の医師に対し疾病と放射線による被害を関連づけることを禁じ、全てのデータを3年間開示禁止にした。放射能による被害で治療を受けた患者のカルテすら開示されなかった。また後に述べるように、IAEAWHOからの圧力もあった。
本書の著者の一人であるネステレンコ博士は、旧ソ連の可動式原子力発電所「パミール」を開発したエンジニアで、事故当時はベラルーシ原子力センターの代表を務めていた。しかし同博士はチェルノブイリ原発事故の後、放射能の危険から人々を守るために自らの人生を捧げる決心をする。
チェルノブイリ事故の後に大量の放射線に汚染され健康被害に苦しむ子どもたちの現状を調査していた同博士は、調査を理由に旧ロシア政府に逮捕・投獄されたこともある。博士は残念ながら本が出版された直前の2008年に死去している。
このように、独立した専門家たちが現状を調査し結果を出版すること自体が、非常に多くの困難を伴う道のりだった。本書に記されているのは、こうした圧力に負けなかった技術者たちが残した記録でもある。
本書が書かれたきっかけについて著者は、チェルノブイリ原発事故の被害に関するIAEAWHOによる調査が惨事の結果を十分に反映していないとの問題意識から、独立した調査を実施するに至ったと述べている。
IAEAWHOによる調査の結果と今回発表された調査の結果は大きく食い違っている。IAEAWHOがチェルノブイリ事故での死者と放射能による癌患者の総数を「死亡者について直接の死因を特定することは難しい」との注釈付きで9000人、死亡者については4000人と見積もったのに対し、ヤブロコフ博士らの調査では事故が原因となって発生した死亡者数を985千人と指摘している。
著者は更に、IAEAWHOによる調査にかかわる専門家の中には、実際の放射能汚染による健康被害よりも、汚染地域における貧困や住民が持つ被害者意識の方が深刻な影響を与えた、と考え、チェルノブイリ事故の影響は一般に思われている程には深刻ではない、と結論づける者がいることを指摘している。著者はまた、こうした専門家の中には原子力産業との関係を持つ者が含まれている、とも指摘している(注2)。
IAEAWHOによる調査と本調査で、なぜこんなに数字が違うのか?
著者はIAEAWHOによる調査について以下の問題点を指摘している。
1)英語以外の文献をほとんど参照していない。多くの現場の関係者による収集データはスラブ語(ロシア語、ウクライナ語、ベラルーシ語)で作成されていたが、IAEAWHOは主に英語による350文献しか参照しなかった。本書ではチェルノブイリ周辺で収集されたスラブ語によるデータを含む約5000文献を参照している。
2IAEAWHOによる調査は、チェルノブイリ原発事故による放射性物質の57%が排出された東部ロシア、ベラルーシ、ウクライナ以外の地域を調査対象としていない。特に、イラン、中国、トルコ、アラブ首長国連邦、北アフリカ、北米などが放射能による汚染にも関わらず調査対象から除かれている。
3)チェルノブイリ原発事故による放射性降下物によって2%しか放射線濃度が上昇しなかった、とうい過少評価を行っている。
4)事故による被曝量と疾病・死亡の因果関係を厳密に求め過ぎている。チェルノブイリ周辺地域(ベラルーシ、ウクライナ、ロシア)では、何千もの科学者、医師、その他の専門家たちが、何百万人もの住民が放射性降下物による汚染で苦しめられるのを直接目にしてきた。「調査の枠組みに該当しない」という理由でこれらのデータを無視するべきではない。
その他、事故発生後の数日間、放射性物質の排出量その他についてのデータが全く計測されなかったために、正確な状況の把握が困難である、という点が指摘されています。
(注1)ヤブロコフ、ネステレンコ、ネステレンコ著、ニューヨーク科学アカデミー出版。Alexey V. Yablokov, Vassily B. Nesterenko, Alexey V. Nesterenko, 2009, Chernobyl: Consequences of the Catastrophe for People and the Environment.
今回は「調査」の在り方についてのみ触れますが、同書にはチェルノブイリ原発事故によって起きた健康被害と環境への影響が詳細なデータとともに示されており、一読の価値があります。英語ですが、ゆっくり辞書を片手に関心のある章を読まれることをお勧めします。
英語はちょっと。。と言う方には、この本の概要を紹介している下記の動画がおすすめです。
カール・グロスマンのテレビ番組「環境クローズ・アップ」による特集『チェルノブイリ原発事故、百万人の犠牲者』(日本語の字幕付きです)
インターネットにアクセスできない方用に、文字でも読めます。
本についての紹介
(注2)よく注意してみると、日本国内でも同じ論理が使われていることに気づく。勝間和代氏が中部電力によるCMや電気事業連合会によるラジオ番組への自らの出演について出した「お詫び」の中でも、事実に基づかない「住民の悲観的心理」への配慮が足りず申し訳無かった、という論理で説明がなされている。


「福島県周辺地域における土壌と食品の汚染、続く」在日フランス人向け公報・IRSN(6月8日)

フランス放射線防護原子力安全研究(IRSN)は6月8日、日本在住のフランス人向けに「福島第一原発事故に関する公報(6)」を発表しました。4月29日に発表された前回の公報の内容からそれほど変わっていませんが、新しいデータの発表に伴って茶葉やタケノコへの注意が加わっています。

また、福島原発の状況に大きな変化が見られない限りは今回の公報を最終回とする、という冒頭の宣言からは、今後しばらくは福島県をはじめとする4県(茨城、栃木、福島、宮城)を中心とする地域で土壌や食品の汚染が改善しないであろうとの見通しが伺えます。IRSNは先に発表した福島周辺における外部被曝量に関する報告書で、外部被曝量が年間10ミリシーベルトを越える地域に住む約7万人の住民について「至急退去が必要」と日本政府に強い対応を促しました。今回の公報でも、フランス人に対しこうした地域への立ち入りを控えるよう強く警告しています。(以下、要約です。)

1. 現状
住民への大きな影響は見られないと思われるものの、福島第一原発から排出されていると思われる放射性物質が引き続き空気中で観測されている。現在、短期的な被曝の危険性は、大気中に排出された放射性降下物、および海に排出された放射性物質に汚染された食品によるものが主となる。こうした汚染の影響を最も受けやすいのが茶葉を含む葉野菜であり、野菜を原料とした全ての食品、もしくは汚染された草や飼料を餌とする動物の乳である。これらの食品については汚染の度合いが低くなって来てはいるが、引き続き監視が必要である。海産物についても、海藻や海中生物が放射性物質に汚染にされている。

2. 一般のフランス人への勧告
食品への放射能汚染は低下してきているが、福島第一原発における事故によって発生した放射性降下物の被害を強く受けた県においては、引き続き厳重な注意が必要である。IRSNは下記を勧告する。
・ 生産地や放射線濃度が分からない生鮮食品(特に葉野菜、キノコ類、魚類)については長期間の摂取を控える。福島原発事故の後で生産された茶葉についても同様。
・ 同様に、福島、栃木、茨城、宮城、群馬、埼玉、東京、神奈川、千葉の各県で穫れたタケノコやクサソテツを摂取しないこと。
・ 福島、宮城の両県で生産された生乳や、生産地・放射線濃度が分からない生乳を長期間子どもに与えないこと。

3. 放射性降下物の影響が最も高い地域(福島周辺地域)に渡航する可能性のある者、および現地に居住する者への勧告
• IRSNは、宮城、茨城、栃木、そして特に福島県が福島原発事故による放射性降下物の深刻な被害を被ったと考えている。宮城、茨城、栃木の3県については、業務上の渡航および重要な所用がある場合には、下記の注意事項を全て遵守することを条件に渡航できることとする。しかし不要に放射能による被曝を受けることを避けるため、趣味や旅行などの重要な所用以外での渡航は控えること。
• 福島県の北半分の地域、特に福島原発から40キロ以内の圏内にある県の北東部4分の1に相当する地域については、引き続き渡航しないよう、強く勧告する。これは、一平方メートル当たり60万ベクレル以上にものぼる放射性セシウム等の深刻な放射性降下物による汚染が見られることによる。これらは年10ミリシーベルトを越える外部被曝の原因となる。火急の所用でこの地域に渡航する場合には、厳密に必要最小限の滞在時間に限ることとし、下記の勧告を厳守するとともに、渡航者を大人に限ることとする(子どもの渡航を認めない)。
• 日本政府が立ち入りを禁止している福島原発から半径20キロメートルの地域、及び葛尾村、浪江町、飯舘村、川俣町、南相馬市等に立ち入らないこと。

4. 宮城、茨城、栃木、福島の4県に居住するフランス人への勧告事項
・ 乳児および幼い子どもの食事にはボトル入りミネラル・ウォーターを使用すること。
・ 自宅の家庭菜園から収穫した野菜や、家庭で飼っている家畜動物を食用に用いるのを最大限に控える。
・ 野菜や果物を食べる前に注意してよく洗うこと。
外部から建物の内部に汚染物質を持ち込まないよう、家庭での衛生状態を良好に保つようつとめること。特に、下記に注意する。
・ 雨の日は靴を家の中に持ち込まない。

・ 濡れた雑巾で床を定期的に拭く。
・ 家具、カーペット、敷物の表面に定期的に掃除機をかける。掃除機の中袋を定期的に交換する。
・ 無意識に手が口に触れて汚染が起きないよう、ポンプ式容器に入った液体石けんで手を定期的に洗う。
・ 幼い子どもが遊んでいて戸外の土や砂を口にいれないよう、常に見張っていること。

IRSN「福島第一原発事故に関する公報(6)」 6月8日号(仏文)
http://www.irsn.fr/FR/Actualites_presse/Actualites/Documents/IRSN_Residents-Japon_Bulletin6_08062011.pdf 
4700兆ベクレルのヨウ素・セシウムの量は?  04.24.2011




こんな新聞記事があった

海に流れた汚染水、総量で4700兆ベクレル
福島原発
東京電力は21日、福島第一原子力発電所2号機の取水口付近から海に流出した高濃度汚染水の総量に関する推計を発表した。

推計によると、今月1日から、固化剤の注入などによって流出が止まった6日までに約520トンが海に流れ込んだ。汚染水に含まれていた放射性物質の総量は、ヨウ素やセシウムなどの合計で約4700テラ・ベクレル(テラは1兆)に上った。

4、5日に集中廃棄物処理施設などから海に緊急放出された低濃度汚染水約1万トンの放射性物質の総量は0・15テラ・ベクレル。今回の量は約3万1000倍になる。

東電は、1日以前に付近を見回った作業員が水音を聞いていないことから、流出が始まったのは1日の昼頃と判断した。放出された放射性物質の内訳は、ヨウ素131が2800テラ・ベクレル、セシウム134と137がそれぞれ940テラ・ベクレル。
(2011年4月21日 読売新聞)



C先生:合計4700兆ベクレルというとすごーーい量だと思うだろうから、このデータから、ヨウ素131、セシウム137、セシウム134がそれぞれ何グラムであるかを計算せよ。

A君:これは半減期だけ分かれば計算が可能な比較的簡単な問題。

B君:ざっと半減期は、ヨウ素131が8日、セシウム137が30年、セシウム134が2.1年。

A君:同じ量であれば、ヨウ素の放射線が圧倒的に強い。
計算の仕方は、すでに、セシウム137がスズキによって濃縮されるかどうか、のHP作製時に使っているものと同じ。
dN/dt=-λN  λ=0.693/T
dN/dtが毎秒崩壊するヨウ素131の数、すなわち、ベクレルとなる。

B君:それなら簡単。
ステップ1:半減期を秒で表現して、λを算出。
ステップ2:Nは、ヨウ素131などの1gの元素数とする。アボガドロ数と原子量を用いて計算。
これで終わり。

A君:計算結果です。それぞれ1gとしたときのベクレル数です。

ヨウ素131 1gは 4600兆(テラ)ベクレル
セシウム137 1gは 3.21兆(テラ)ベクレル
セシウム134 1gは 47.6兆(テラ)ベクレル

B君:放出された高濃度汚染水450トンに含まれていた量は、
 ヨウ素131は2800テラベクレルということなので、0.61g
セシウム137は、940テラベクレルということなので、293g
セシウム134は、同じく940テラベクレルということなので、19.7g


C先生:なんとヨウ素131はわずか0.61gか。450トンの水に0.6gでは、これを吸着剤などで処理するのは不可能だと思われる。セシウム137でも結構難しい。

A君:ベクレルという数量は、アボガドロ数6×10の23乗というとんでもない大きな数を掛けて求めますから、どうしても、とんでもない数値になるのですね。

B君:水道水中のヨウ素131の暫定基準値は、乳児の場合で100Bq/kgだが、この場合に1kgの水道水に含まれているヨウ素131の量を計算すると、22fg(フェムトグラム)になる。

C先生:mミリ、μマイクロ、nナノ、pピコ、fフェムト、aアト....
fgは、10のマイナス15乗。

A君:fgを直接測定する方法が果たしてあるのか。

B君:絶対量を測るのは難しいかもしれない。

C先生:それでは、次。福島第一から放出された全放射性元素の総量だが、4月14日の公表値によれば、
「放出されたヨウ素131は原子炉内存在量の2%の13万テラベクレル
セシウム137
は同じく0.9%の6100テラベクレル」。

A君:この値を使って、gに換算すると。
ヨウ素131が 28.3g
セシウム137が1900g


B君:これほど少ない量が放出されただけで、これだけの影響だから、やはり放射性物質の管理は大変に難しい。

C先生:それでは、最後に、文部科学省のHPにある空間線量の測定結果のこれまでの推移を。

A君:次の図に、浪江町の32番ポストのデータの推移を示します。縦軸はマイクロSv/時。



B君:ヨウ素131の半減期は、8日。ここにあるデータだけで、38日分。ということは、1/30ぐらいになっている。最初が150マイクロSv/時だとすれば、そのうち5マイクロSv/時ぐらいがヨウ素131の寄与で、残りは、セシウム137とセシウム134か。セシウム137と134の割合がどうなっているのかは、しばらく見ないと分からないのか。

A君:理論値である指数関数するよりも、現実には多少速く減衰すると言われているのですが、それは、雨などによって、流されるからでしょうか。

B君:その現実が分かるのもしばらく先のことだろうか。

C先生:フィッティングをやって解析をするには、ヨウ素131の寄与がある間は、半減期の違いが大きすぎて余り意味が無い。今後、半年ぐらいデータを蓄積すれば、セシウム134と137の割合が分かる。さらに、現時点でもまだ放出があるかどうか、それも分かるだろう。

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